食洗機って本当に便利ですよね。
毎日の食器洗いの手間が省けて、時間にゆとりが生まれます。
でも、ちょっと待ってください。
「この食器、食洗機に入れても大丈夫かな?」と迷った経験はありませんか?
実は、食洗機には入れてはいけない食器があるんです。
特にプラスチック製の容器や、お気に入りの陶器などは注意が必要かもしれません。非対応の食器を入れてしまうと、変形したり、大切な絵柄が剥がれてしまったり…悲しい結果を招くことも。
この記事では、「食洗機に対応してない食器はどうなるのか?」という疑問に、素材別の変化や具体的なダメな理由を詳しく解説します。
食洗機OKかどうかの見分け方や、「乾燥だけなら大丈夫?」といった疑問にもお答えしますので、ぜひ最後まで読んで、大切な食器を守るヒントを見つけてくださいね!
食洗機で対応してない食器はどうなる?素材別の変化

食洗機は高温のお湯と強い水流、専用の洗剤を使って食器を洗浄します。そのため、熱や水圧、洗剤成分に弱い素材の食器を入れてしまうと、様々なトラブルが起こる可能性があります。
ここでは、素材別にどのような変化が起こりうるのか、具体的に見ていきましょう。
プラスチック食器が溶けた?
プラスチック製の食器は、軽くて扱いやすい反面、熱に弱いという特徴があります。
食洗機内は、洗浄やすすぎの工程で50℃〜80℃程度の高温になります。そのため、耐熱温度が低いプラスチック製品を食洗機に入れてしまうと、熱で溶けたり、ぐにゃりと変形したりすることがあります。
特に、薄いプラスチック容器や、耐熱性の表示がないものは注意が必要です。変形してしまうと、蓋が閉まらなくなったり、見た目が悪くなったりするだけでなく、溶けたプラスチックが食洗機内に付着してしまう可能性も考えられます。
大切なプラスチック食器を守るためにも、食洗機に入れる前には必ず耐熱温度を確認し、「食洗機対応」の表示があるかチェックするようにしましょう。
木製・漆器のひび割れや変色リスク
木製のお椀やお箸、漆塗りの器などは、その自然な風合いが魅力ですが、食洗機の使用には適していません。
木や漆は、急激な温度変化や高い湿度に弱い素材です。食洗機内の高温のお湯や乾燥工程の熱風にさらされると、素材が膨張したり収縮したりして、ひび割れや歪みが生じることがあります。
また、強い水流によって表面の塗りが剥がれたり、傷がついたりする可能性も否定できません。さらに、洗剤の成分によっては、木材の色が変色してしまうことも考えられます。
一度ひび割れや変形が起こると元に戻すのは難しく、見た目が損なわれるだけでなく、割れた部分に雑菌が繁殖しやすくなる衛生面での問題も出てきます。木製品や漆器は、優しく手洗いするのがおすすめです。
ガラス食器のくもりや破損の原因

ガラス食器の中にも、食洗機が苦手なものがあります。特に注意したいのが、クリスタルガラスなどの繊細なガラス製品や、カットが施されたデザイン性の高いグラスです。
これらのガラスは、急激な温度変化に弱いことがあります。食洗機内の高温と、その後の冷却による温度差で、ガラスに微細な傷(マイクロクラック)が入り、それが原因で白くくもって見える「アルカリ焼け」という現象が起こることがあります。
また、食洗機用洗剤に含まれる研磨剤やアルカリ成分が、ガラスの表面を傷つけ、くもりの原因になることも指摘されています。
さらに、強い水流によって食器同士がぶつかり、欠けたり割れたりするリスクも考えられます。
特に薄手のグラスや脚付きのワイングラスなどは、振動で倒れて破損しやすいです。大切なガラス食器は、手洗いで優しく扱う方が安心でしょう。
ただし、耐熱ガラス製のものや、「食洗機対応」と表示されている一般的なガラス食器であれば、問題なく使用できる場合が多いです。
アルミ・銅・銀食器の変色に注意
アルミ製の鍋や、銅製のマグカップ、銀製のカトラリーなども、食洗機の使用は避けた方が良いでしょう。
これらの金属は、食洗機用洗剤に含まれるアルカリ成分や、水に含まれるミネラル分と反応しやすい性質を持っています。そのため、食洗機で洗浄すると、表面が酸化して黒ずんだり、シミのようなものができたりと、変色してしまう可能性があります。
特にアルミ製品は、白く粉を吹いたようになることもあります。
また、銀食器は他の金属と接触した状態で洗浄されると、化学反応を起こして変色が進むことがあります(電食)。一度変色してしまうと、元の輝きを取り戻すのは大変です。これらの金属食器も、基本的には手洗いが推奨されます。
ただし、ステンレス製の食器は比較的アルカリ性に強く、食洗機で洗えるものがほとんどです。
金銀メッキ・上絵付けの剥がれ
お祝いの席などで使う金縁・銀縁の食器や、美しい絵柄が施された上絵付けの陶磁器も、食洗機に入れるのは避けましょう。
金や銀のメッキ(装飾)は非常にデリケートで、食洗機の高温や強い水流、洗剤の研磨作用によって剥がれてしまうことがあります。また、釉薬(ゆうやく:陶磁器の表面を覆うガラス質の層)の下ではなく、上に施された絵付け(上絵付け)も同様に、洗浄の過程で色褪せたり、剥がれたりする可能性が高いです。
せっかくの美しい装飾が損なわれてしまうと、食器の価値も下がってしまいます。記念の品や高価な食器は、大切に手洗いすることをおすすめします。
陶器やセラミックの欠け・劣化も
一般的な陶器や磁器の多くは食洗機に対応していますが、中には注意が必要なものもあります。
特に、作家ものの一点物や、貫入(かんにゅう:表面の細かいひび模様)がある陶器、吸水性の高い土ものの器などは、デリケートな場合があります。強い水流で他の食器とぶつかって欠けたり、高温や洗剤の影響で釉薬が傷ついたり、貫入に洗剤成分が染み込んで変質したりする可能性も考えられます。
また、セラミック製の調理器具(鍋など)も、食洗機対応と表示されていても、繰り返し使用することでコーティングが劣化する可能性があるという指摘もあります。心配な場合は、やはり手洗いするか、製品の取扱説明書をよく確認することが大切です。
食洗機で対応してない食器のリスクと見分け方

食洗機に対応していない食器を入れてしまうと、食器そのものがダメージを受けるだけでなく、他にも思わぬリスクが潜んでいます。
ここでは、非対応食器を入れることによるその他のリスクや、そもそも食洗機対応かどうかを見分ける方法、そして多くの人が疑問に思う「乾燥機能だけなら使っても大丈夫?」という点について解説します。
非対応食器を入れるその他のリスク
食洗機に対応していない食器を入れるリスクは、単にその食器が使えなくなるだけではありません。
例えば、熱で溶けたプラスチック片や、割れたガラスの破片、剥がれたメッキなどが、食洗機のフィルターやノズルに詰まってしまうことがあります。これが原因で、食洗機の洗浄能力が低下したり、故障につながったりする可能性も考えられます。
また、非対応の素材が溶け出したり、剥がれたりすることで、他の食器に汚れや有害な化学物質が付着してしまう「相互汚染」のリスクもゼロではありません。特に、傷んだ非粘着コーティング(フライパンなど)からは、意図しない物質が溶け出す可能性も指摘されています。
さらに、木製の食器などから溶け出した成分が、食洗機庫内に臭いを残してしまうケースもあります。このように、非対応食器の使用は、他の食器や食洗機本体にも悪影響を及ぼす可能性があることを覚えておきましょう。
食洗機対応・非対応の見分け方

では、手持ちの食器が食洗機に対応しているかどうかは、どうやって見分ければよいのでしょうか。
最も確実な方法は、食器の裏面や底面、あるいはパッケージに記載されている表示を確認することです。「食洗機対応」「Dishwasher Safe」といったマークや文言があれば、基本的には安心して使えます。四角い枠の中に食器と水滴が描かれたような、共通のピクトグラム(絵文字)が使われていることも多いです。
もし表示が見当たらない場合は、その食器の素材から判断することになります。
先ほど解説したように、木製、漆器、アルミ、銅、銀、金銀メッキ、上絵付け、耐熱性の低いプラスチック、繊細なガラスなどは、基本的に非対応と考えた方が安全です。陶磁器やステンレス、耐熱ガラス、耐熱温度の高いプラスチック(ポリプロピレンなど)は、対応していることが多いですが、念のため製品情報を確認できるとより確実です。
迷った場合は、メーカーのウェブサイトで情報を確認したり、問い合わせてみるのも良いでしょう。高価なものや大切な食器は、無理せず手洗いを選ぶのが賢明です。
「乾燥だけ」なら非対応でも大丈夫?

「洗浄は手洗いで済ませて、食洗機の乾燥機能だけ使いたい」と考える方もいるかもしれません。
しかし、これも注意が必要です。
食洗機の乾燥機能は、温風を吹き付けて水分を蒸発させるタイプが主流です。
この温風も、機種によってはかなりの高温(60℃〜80℃程度)になることがあります。そのため、洗浄工程だけでなく、乾燥工程の熱によっても、耐熱性の低いプラスチックが変形したり、木製品がひび割れたりするリスクは依然として残ります。
したがって、「乾燥だけなら大丈夫」とは一概には言えません。食洗機非対応の食器は、基本的に乾燥機能の使用も避けるべきです。
もし乾燥機能を使いたい場合は、その食器が乾燥工程の温度に耐えられるかどうか、耐熱温度をしっかり確認する必要があります。
迷った時の判断基準と対処法
表示がなく、素材からも判断が難しい場合や、「もしかしたら大丈夫かも?」と迷った時はどうすればよいでしょうか。
まず基本的な考え方として、「迷ったら入れない」というのがあります。
特に、高価な食器、思い出の品、代替がきかないものなどは、リスクを冒さずに手洗いを選ぶのが最も安全な対処法です。
「試しに入れてみたい」と思う場合でも、いきなり大切な食器で試すのは避けましょう。
もし同じ素材の、比較的どうなっても良い食器があれば、それで試してみるという手もありますが、自己責任となります。
また、インターネットで同じ製品名やブランド名で検索し、他のユーザーの使用経験やメーカーの情報を探してみるのも有効な手段です。製品の公式サイトや取扱説明書を確認するのが最も確実な方法と言えます。
最終的には、「その食器がダメになってしまった時に、どれだけ後悔するか」を基準に判断するのが良いかもしれません。
少しでも不安があるなら手洗いがおすすめですよ!
総括:食洗機で対応してない食器を入れるとどうなる?
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。