食洗機の乾燥機能を使うと電気代が気になるという方は多いのではないでしょうか?
食洗機を「乾燥なし」で運転すれば確実に電気代は節約できますが、その反面でカビが発生しないか不安になりますよね。特にビルトイン食洗機をお使いの場合、庫内の湿気対策をどうするべきか迷うところです。
実際に乾燥機能を使わないで運転した時と手洗いを比較すると、どちらが電気代が安いのかも気になる点です。
また、夜に回して朝まで放置した場合の衛生面への影響についても心配になることがあるでしょう。
この記事では、食洗機を経済的で衛生的に使うための具体的な方法から、食洗機の乾燥なし運転について知っておきたい情報をすべてお伝えします。
食洗機で乾燥なし運転する際のポイント

食洗機の乾燥機能、電気代のことを考えると「なし」で使いたいな、と思うことありますよね。
でも、本当に大丈夫?カビは?電気代は?そんな疑問を解消しながら、乾燥なし運転のポイントを一緒に見ていきましょう。
乾燥なしでもカビははえない?
食洗機を乾燥なしで使った場合、多くの方が心配されるのがカビの問題だと思います。
結論から申し上げますと、適切なお手入れと使い方をすれば、乾燥なしでもカビの発生を抑えることは可能です。
カビが発生する主な原因は、水分と汚れ、そして温度です。食洗機の洗浄運転後は、庫内に水分が多く残っている状態になります。この水分をそのままにしておくと、雑菌やカビが繁殖しやすい環境になってしまうのですね。
しかし、いくつかの点に注意すれば、このリスクを低減できます。
まず、食洗機の運転が終了したら、できるだけ早く食器を取り出すことが大切です。そして、庫内に残った水分を布巾などで拭き取るか、ドアを少し開けて庫内を自然乾燥させるように心がけましょう。特に、梅雨時期や湿度の高い季節は、意識して乾燥させることがポイントになります。
また、一部のメーカーの公式情報によれば、通常の使用でカビが発生することは考えにくいとされています。ただし、運転終了後に湿度を含んだ状態で長期間放置したり、残さいフィルターの清掃を怠ったりすると、カビの原因になる可能性があるとのことです。
ですから、毎日のこまめなお手入れ、特に残さいフィルターの掃除は欠かさず行い、庫内を清潔に保つことが、カビを防ぐ上で非常に効果的と言えます。
手洗いと比べて電気代が安いのは?

食洗機を使う上で気になるのが、やはり光熱費ですよね。
「乾燥機能を使わなければ、手洗いよりも安くなるの?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
一般的に、食洗機は手洗いに比べて使用する水の量が少ないため、水道代は食洗機の方が安くなる傾向にあります。あるメーカーのデータによれば、4~5人家族の場合、1回の食器洗いで手洗いが約19.5円の水道代がかかるのに対し、特定の卓上食洗機では約2.9円と、大幅に節約できることが示されています。
電気代については、食洗機のどの工程で最も電力が消費されるかというと、実は「乾燥」工程なのです。食器を乾かすためにヒーターを使用する際、大きな電力が必要になります。したがって、乾燥機能を使用しない場合、この部分の電気代を大幅に削減できると考えられます。
例えば、ある卓上食洗機の場合、1回あたりの電気代の目安は約20.8円(乾燥あり)とされています。乾燥機能をカットすれば、この金額よりも安くなることが期待できます。
一方、手洗いの場合、お湯を使うとガス代がかかります。先ほどの比較では、ガス代は約28.8円でした。
これらの情報を総合すると、食洗機で乾燥機能を使わない場合、手洗い(お湯使用)と比較して光熱費全体を抑えられる可能性が高いと言えます。
もちろん、機種や使用状況、電気・ガス料金のプランによって変動はありますが、乾燥なし運転は経済的なメリットが期待できる選択肢の一つです。
朝まで放置してもよい?

食洗機の運転が終わった後、特に夜間に使用した場合など、「朝までそのままにしておいても大丈夫かな?」と考えることがあるかもしれませんね。
この点については、衛生面を考慮すると、基本的には運転終了後できるだけ早く食器を取り出し、庫内を乾燥させることが推奨されます。なぜなら、洗い終わった食器や庫内に水分が残ったまま長時間放置すると、雑菌が繁殖しやすくなったり、場合によってはカビの原因になったりする可能性があるからです。
一部のメーカーの公式サイトのQ&Aでも、運転終了後に庫内に湿度を含んだ状態で長期間放置されることがカビの原因の一つとして挙げられています。実際に、お椀のふちやコップの裏側などには水が溜まりやすいものです。
もちろん、最新の食洗機には除菌機能が搭載されているものも多く、ある程度の安心感はあります。しかし、絶対にカビが生えないというわけではありません。
もし、夜寝る前に食洗機を回して朝まで放置することが習慣になっている場合は、少し使い方を見直してみるのも良いかもしれません。
例えば、夕食後すぐに食洗機を回し、就寝前に食器を取り出して庫内を拭く、といったサイクルにすると、放置時間を短縮できます。
どうしてもすぐに取り出せない場合でも、せめてドアを少し開けて庫内の湿気を逃がすようにすると、何もしないよりは良いでしょう。
ただ、最も理想的なのは、やはり早めに取り出して庫内をケアすることです。
ドアを開けたままにしておく

食洗機の運転が終わり、食器を取り出した後、庫内の湿気対策としてドアを開けたままにしておくのは効果的なのでしょうか?
はい、多くの場合、食洗機の使用後にドアを開けておくことは、庫内の乾燥を促し、カビや雑菌の繁殖を抑えるのに役立ちます。洗浄後の庫内は高温多湿な状態になっているため、扉を閉め切ったままだと湿気がこもりやすくなります。
特に乾燥機能を使用しない場合や、乾燥運転後でも庫内に湿り気が残っていると感じる場合には、ドアを少し開けて自然乾燥させるのがおすすめです。これにより、庫内の空気が入れ替わり、湿度が下がるため、より衛生的な状態を保ちやすくなります。
ただし、メーカーや機種によっては、使用していないときのドアの取り扱いについて推奨事項がある場合もあります。
例えば、一部の卓上型食洗機の場合、「使用していないときは、ドアを閉めてください」との記載があります。これは、設置場所によっては手などが当たる原因になったり、庫内にほこりや虫が入ったりすることを防ぐためです。このような機種では、庫内を清潔に保つための送風機能や乾燥維持機能の使用が推奨されていることがあります。
一方で、海外製の食洗機などでは、洗浄後に自動でドアが開く機能が搭載されているものもあり、庫内の残留水分を放出して乾燥を早める設計になっています。食器を出し終わった後も、完全に乾くまではドアを開けておくことが推奨されることもあります。
このように、お使いの食洗機の取扱説明書を確認し、推奨される方法で庫内を乾燥させることが大切です。一般的には、湿気を逃がすためにドアを開けるのは有効ですが、機種ごとの指示に従うようにしましょう。
乾燥なしで使うデメリット

食洗機の乾燥機能を使わないことには、電気代節約などのメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意しておきたい点も存在します。
まず考えられるのは、食器が自然乾燥するまでに時間がかかるという点です。
ヒーター乾燥であれば短時間でカラッと乾きますが、自然乾燥の場合は、特に梅雨時や気温の低い季節には乾きにくいことがあります。すぐに食器を使いたい場合や、収納したい場合には、少し不便を感じるかもしれません。
また、完全に乾ききらないうちに食器を重ねて収納してしまうと、湿気が残ってしまい、雑菌の繁殖やニオイの原因になる可能性も否定できません。
そのため、乾燥なしで使う場合は、食器がしっかりと乾いたことを確認してから片付けるか、乾ききらない場合は布巾で拭き上げるひと手間が必要になることがあります。
さらに、食洗機の庫内自体も湿った状態が続きやすくなるため、こまめなお手入れが一層大切になります。
先ほどもお伝えしたように、残さいフィルターの掃除や、定期的な庫内洗浄を怠ると、カビやニオイが発生しやすくなる可能性があります。乾燥機能を使えば、庫内もある程度乾燥されるため、この点では乾燥機能ありの方が手間が少ないと言えるかもしれません。
そして、プラスチック製の食器などは、陶磁器やガラス製の食器に比べて水滴が残りやすく、自然乾燥では特に乾きにくい傾向があります。
お弁当箱やプラスチックのコップなどを多用するご家庭では、乾燥なし運転だと水滴が気になる場面が多いかもしれません。
これらの点を踏まえると、乾燥なしで食洗機を使う場合は、少し手間が増える可能性や、食器の種類によっては乾き具合に工夫が必要になることを理解しておくことが大切です。
ビルトイン食洗機も乾燥なしで大丈夫?

キッチンにスッキリと収まるビルトイン食洗機。
見た目もスマートで人気ですが、このタイプの食洗機でも乾燥機能を使わないという選択は可能なのでしょうか。
また、その場合の注意点などについて、詳しく見ていきましょう。
ビルトイン食洗機で乾燥を使わない運用
ビルトイン食洗機をお使いの方も、乾燥機能の電気代が気になったり、もっと自然な形で食器を乾かしたいと考えたりすることがあるかと思います。
結論から言いますと、多くのビルトイン食洗機でも、乾燥機能を使用せずに運転することは可能です。
多くの機種では、洗浄コースの設定で「乾燥なし」を選べたり、乾燥工程に入る前に手動で運転を停止したりすることができます。
乾燥機能を使わない運用をする場合、洗浄が終わった時点(高温すすぎが終わった直後など)で食洗機のドアを開け、庫内の蒸気を逃がしつつ食器を取り出すという方法が考えられます。高温のお湯ですすがれているため、食器自体が持っている熱(余熱)である程度は乾燥が進みます。
ただし、この方法を取る際には注意点があります。
洗浄終了直後の庫内は非常に高温になっており、多量の蒸気が出ます。やけどの危険性があるため、食器を取り出すタイミングやドアの開け方には十分な配慮が必要です。
また、海外製のビルトイン食洗機の中には、そもそもヒーター乾燥機能が搭載されておらず、余熱乾燥やオートオープン機能(洗浄後に自動でドアが開く)を基本とするモデルも多くあります。
これらは、環境への配慮や省エネの観点から採用されている方式で、乾燥機能を使わない運用が前提となっていると言えるでしょう。
乾燥なしで終えた後の対応

ビルトイン食洗機で乾燥機能を使わずに洗浄を終えた後、どのように対応すれば良いのでしょうか?これにはいくつかのポイントがあります。
まず、最も大切なのは、やけどに注意することです。
一部のビルトイン食洗機の場合、「加熱すすぎ」の行程で運転が終了すると、庫内は高温状態になっています。運転終了後約30分は、庫内の食器やヒーターカバーなどに触れないよう注意喚起がされていることがあります。高温かつ多量の蒸気が出るため、すぐにドアを開けて食器を取り出そうとすると危険です。
安全なタイミングを見計らってドアを開けたら、食器を取り出します。
このとき、食器にはまだ水滴が残っていることが多いでしょう。そのまま自然乾燥させるか、急いでいる場合や水滴が気になる場合は、清潔な布巾で拭き上げます。
食器を取り出した後の庫内も、湿気がこもっています。
カビやニオイの発生を防ぐためには、庫内を乾燥させることが大切です。ドアをしばらく開けたままにして自然乾燥を促すか、乾いた布で庫内の水分を拭き取ると良いでしょう。
特に、食洗機のドアの内側やパッキン部分、残さいフィルターの周りなどは水分が残りやすい箇所です。これらの部分を意識してケアすることで、より衛生的に食洗機を使い続けることができます。
一部の海外製食洗機などでは、運転終了から時間が経過するとステンレスの全パネルに結露が生じることがあり、これも正常な状態とされています。
自然乾燥させるコツ
ビルトイン食洗機で乾燥機能を使わず、食器を自然乾燥させたい場合、いくつかのコツを押さえておくと、よりスムーズに、そして衛生的に乾かすことができます。
一つ目のコツは、食器の配置を工夫することです。
洗浄やすすぎの水が食器に溜まらず、スムーズに流れ落ちるように配置することが大切です。例えば、お椀やコップ類は少し斜めに傾けてセットすると、底に水が溜まりにくくなります。
食器同士が密着しすぎていると、その間の水分が乾きにくくなるため、適度な間隔をあけることも意識しましょう。
二つ目のコツは、洗浄終了後、適切なタイミングでドアを開けることです。
先述の通り、やけどには十分注意が必要ですが、庫内に熱い蒸気がこもっている状態で少し時間を置いた後(例えば30分~40分後)、ドアを開けて蒸気を外に逃がしてあげると、余熱による乾燥効果を高めることができます。
一部の海外製食洗機では、この余熱の働きを利用するため、運転終了後30分から40分程度経ってからドアを開閉することが推奨されています。
三つ目のコツは、リンス剤(乾燥仕上げ剤)を使用することです。
特に海外製の食食洗機では、リンス剤の使用が乾燥効果を高める上で重要視されています。リンス剤は食器表面の水滴を広げて乾きやすくする効果があり、水切れを良くしてくれます。
プラスチック製品など、特に乾きにくい素材の食器には効果的です。
そして、庫内の食器量が少ないと、食器から発せられる熱量も少なくなり、余熱乾燥の効果が十分に得られないことがあります。ある程度の量の食器(特に陶器やガラス、ステンレス製)をまとめて洗う方が、余熱がしっかり働き、乾燥しやすくなる傾向があります。
衛生面が心配?

ビルトイン食洗機を乾燥機能なしで使う場合、衛生面が気になるという方もいらっしゃるかと思います。高温で洗浄・すすぎが行われるため、基本的な除菌効果は期待できますが、その後の取り扱いによっては注意が必要です。
乾燥機能を使わない場合、洗浄後の庫内や食器には水分が残りやすくなります。この水分が長時間放置されると、雑菌やカビが繁殖する原因となり得ます。
衛生面を保つためには、洗浄が終わったらできるだけ早く食器を取り出し、庫内を乾燥させることが基本となります。
食器を取り出した後は、布巾で拭くか、風通しの良い場所でしっかりと自然乾燥させましょう。完全に乾かないうちに食器棚に戻すと、湿気がこもり、そこでも雑菌が繁殖する可能性があります。
また、食洗機庫内自体のケアも大切です。
ドアを開けて庫内を乾燥させる、残さいフィルターをこまめに清掃する、月に一度は食洗機専用洗剤で庫内洗浄(カラ洗い)を行うなど、定期的なメンテナンスを心がけることで、カビやニオイの発生を抑え、衛生的な状態を維持しやすくなります。
海外製の食洗機などでは、余熱乾燥やオートオープン機能が主流であり、これらはヒーター乾燥に頼らずとも衛生的に食器を乾燥させるための工夫と言えます。
例えば、一部の海外製食洗機には庫内の水蒸気を集めて食器に水滴がつくのを防ぎ、乾燥を促す機能が搭載されています。
このように、乾燥機能を使わない場合でも、適切な後処理と定期的なお手入れを行えば、衛生面での大きな問題は避けられると考えられます。
パナソニックの乾燥なし食洗器
パナソニック製の食洗機は、国内で高いシェアを誇り、多くの方が利用されています。
ビルトインタイプも据え置きタイプもラインナップが豊富ですが、これらの食洗機で「乾燥なし」運転はどのように考えれば良いのでしょうか。
まず、パナソニックの食洗機の多くは、コース設定で乾燥運転を行わない、あるいは乾燥時間を短縮する選択が可能です。
例えば、「洗いのみ」のコースを選んだり、標準コースでも乾燥工程をスキップしたりすることができます。これにより、電気代の節約や、自然乾燥を好む方のニーズに応えています。
乾燥なし運転を検討されている方におすすめしたいパナソニック製のモデルの一つとして、据え置き型の「NP-TZ500」があります。
このモデルは、液体洗剤自動投入機能を搭載しており、洗剤の計量の手間を省ける点が大きな特長です。また、パナソニック独自の「ストリーム除菌洗浄」により、50℃以上の高圧水流で食器をすみずみまで洗浄・除菌します。
さらに、「ナノイーX」送風により、洗浄後の庫内を除菌・脱臭し、食器を清潔に保管できる点も魅力です。乾燥機能も搭載されていますが、これらの衛生機能により、乾燥運転をしない場合でも安心感があります。
ビルトインタイプで乾燥なし運転を視野に入れるなら、単品で購入可能な現行モデルとしてM9シリーズの「NP-45MD9S」(ディープタイプ・ドアパネル型)があります。
こちらは約5人分(40点)の食器を一度に洗浄できる深型タイプで、大きな鍋なども入れやすいのが特徴です。
パナソニック独自の「ストリーム除菌洗浄」はもちろんのこと、AIエコナビ機能により、食器の量や汚れ具合をセンサーが検知し、自動で最適な運転を行うため、節水・省エネにも貢献します。
乾燥方式はヒーター乾燥が基本ですが、コース選択によって乾燥時間を調整したり、乾燥なし運転を選んだりすることが可能です。
パナソニックの食洗機で乾燥機能を使わない場合は、洗浄終了後の庫内の高温蒸気に注意し、やけどをしないように食器を取り扱うことが大切です。
また、庫内の湿気対策として、食器を取り出した後にドアをしばらく開けておくか、取扱説明書に従ったお手入れ(「ナノイーX送風」や「ドライキープ」運転の活用など)を行うと良いでしょう。
メーカーとしては、通常の使用においてカビが発生することは考えにくいとしつつも、長期間の放置やお手入れ不足が原因となる可能性は示唆していますので、乾燥なしで運用する場合は特にこまめな清掃が推奨されます。
総括:食洗機を乾燥なしで使うとカビが心配?
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。