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エアコンの回るところが黒い!シロッコファン掃除の3つの鉄則

夏の朝、冷房をつけようとして何気なく吹き出し口を覗き込んだ瞬間。

奥でくるくる回る筒状の部品に、黒い点々がびっしり並んでいるのを見つけて「えっ、これ全部カビ?」と固まったことはありませんか?

その部品は、エアコンの風を送り出す心臓部のシロッコファンです。
エアコンの回るところの掃除を自分でやるべきか、業者に頼むべきか、迷っている人は本当に多いんです。

フィルターはきちんと洗っているのに、奥の回るところだけはどうにもならない。
家電売り場で働いていても、このモヤモヤは季節を問わずよく耳にします。

でも、安心してください。
分解しなくても、手の届く範囲ら身近な道具で黒い汚れはかなり落とせます。

その一方で、ここから先は触らないほうがいいという境界線も、はっきり存在するんです。

この記事では、シロッコファンが黒くなる理由と分解せずにできる掃除の手順をお話しします。やりがちな失敗やプロに任せる判断基準まで、順番に見ていきましょう。

この記事のポイント
  • 回るところが黒くなる原因
  • 分解せずにできる掃除の手順
  • スプレーや分解で失敗しない注意点
  • プロに頼む判断基準と予防のコツ

エアコンの回るところは自分で掃除できる?まず知っておきたい基本

いきなり割り箸やブラシを握る前に、まずは相手のことを少しだけ知っておきましょう。

回るところの正体と、黒くなる理由、そして自分で触っていい範囲。
この3つを押さえておくだけで、掃除の失敗はぐっと減らせます。

回るところの正体は風を送り出すシロッコファン

吹き出し口の奥で回っている筒状の部品は、一般にシロッコファンや送風ファンと呼ばれる部品です。熱交換器で冷やしたり暖めたりした空気を、お部屋へ押し出す役目を担っています。

厳密にいうと、家庭用の壁掛けエアコンに入っているのは、横に長い「クロスフローファン」というタイプです。ただ、見た目が似ていることから、シロッコファンの名前で呼ばれることがとても多いんですね。

そして気になる掃除の可否ですが、エアコンの回るところ(シロッコファン)は、電源を抜いて手の届く範囲を拭き取るまでなら自分で掃除でき、奥まで洗い流すならプロの分解洗浄が安全です。

つまり「自分では一切ダメ」でも「全部自分でできる」でもなく、ちょうど真ん中に線が引かれているイメージです。この線をどこに引くかが、この記事のいちばん大事なテーマになります。

黒い点々の正体はカビとホコリが混ざった汚れ

フィルターはこまめに掃除しているのに、なぜ奥のファンだけ黒くなるの?
と不思議に思いますよね。

あの黒い点々の多くは、カビとホコリが混ざり合った汚れです。冷房を使うとエアコンの内部は結露して、しっとり湿った状態になります。

運転を止めたあとも、内部にはその水分が残ったまま。そこへフィルターをすり抜けた細かいホコリがくっつき、それをエサにしてカビが一気に増えていきます。

リビングやキッチンに近いエアコンは、料理の油煙も一緒に吸い込んでいます。油が接着剤のようにホコリを固め、そこにまたカビが生えるという悪循環が起きやすいんです。

この状態のまま運転すると、カビの胞子を含んだ風がお部屋中に広がることになります。つけ始めのツンと酸っぱいニオイや、鼻がムズムズする感じも、このファンの汚れが原因になっていることが少なくありません。

エアコンが臭うという悩みの中でも、フィルターを洗っても消えないタイプのニオイは、たいていこのファンが関係しています。見た目の問題だけでなく、空気の質の問題でもあるわけですね。

自分でやっていい範囲とプロに任せる範囲

自分で触っていいのは「手が届いて、電気部品から遠い場所」までと考えるとわかりやすいです。

場所ごとに整理すると、次のようになります。

場所 自分で掃除 理由
フィルター できる 取り外して水洗いできる設計になっているため
吹き出し口とルーバーの表面 できる 手が届きやすく電気部品から離れているため
シロッコファンの手前側の羽根 拭き取りまで 力を入れると羽根が割れやすく奥までは届かないため
シロッコファンの奥と裏側 プロに任せる 本体の分解が必要になるため
熱交換器の奥・電気部品・ドレンパン プロに任せる 故障や水漏れ、発火につながるおそれがあるため

ドレンパンとは、結露した水を受け止めてホースへ流すための受け皿のことです。ファンのすぐ近くにあって、ここも汚れやすいのに手が出しにくい場所なんです。

エアコン全体で、どの部品までなら触っても大丈夫かをもっと細かく知りたい人は、自分で掃除できる範囲と危険な箇所を整理した記事もあわせて読んでみてください。

シロッコファン掃除の3つの鉄則

一つ目は、絶対に無理をしないこと。二つ目は、電気部品には水も洗剤も近づけないこと。三つ目は、壁や床の養生を丁寧にすることです。

この3つさえ守れば、自分で掃除するときの大きなトラブルはほとんど防げます。

ここまでで、どこまでが自分の担当なのかが見えてきたと思います。
次は、実際に手を動かす掃除の手順を見ていきましょう。

シロッコファンを分解せずに掃除する手順

分解なんて怖くてできない、という人がほとんどだと思いますし、私も無理に分解することはおすすめしません。

ここでは、本体を開けずに吹き出し口から手の届く範囲をきれいにする方法を、準備から仕上げまで順番にまとめました。

掃除の前にそろえる道具と養生のポイント

シロッコファンの拭き掃除は、特別な道具がなくても始められます。
家にあるものと、あれば便利なものをまとめるとこんな感じです。

  • 割り箸・輪ゴム・キッチンペーパー
    割り箸にペーパーを巻いて輪ゴムで留め、羽根の間に差し込むお掃除棒を作ります。
  • 住居用の中性洗剤とぬるま湯
    油まじりのホコリをゆるめるのに使います。濃いまま使わず、薄めてから使います。
  • 細めのブラシ
    羽根の隙間のホコリをかき出すのに便利です。選び方は次の見出しで詳しくお話しします。
  • ゴム手袋・マスク・懐中電灯
    カビを吸い込まないためのマスクと、奥を照らすライトはあると安心です。
  • ビニールシートや新聞紙
    壁と床を覆って、落ちてくる汚れやしずくを受け止めます。

準備ができたら、まずは必ず電源プラグを抜いてください。プラグが届かない位置にある場合は、エアコン専用のブレーカーを落としておくと安心です。

ここでちょっとした小技があります。プラグを抜く前に送風運転を少しだけ回すと、ルーバー(風向きを変える羽根)が開いた状態で止められるんです。

ルーバーを手で無理にこじ開けると、機種によっては故障の原因になることがあります。手で動かしてよいかどうかは、取扱説明書で一度確認しておくと安心ですね。

養生は、エアコンの真下の床に新聞紙を広げ、壁にはビニールを貼るくらいで十分です。水を大量に使う掃除ではないので、大がかりな準備はいりません。

割り箸と中性洗剤で羽根を1枚ずつ拭き取る

いよいよ本番です。
ポイントは「乾いた汚れを先に落として、そのあと湿らせて拭く」という順番。いきなり濡らすと、ホコリが泥のようになって羽根にこびりついてしまいます。

  1. 乾いたお掃除棒やブラシで、羽根の表面のホコリをやさしく落とします。
  2. 中性洗剤をぬるま湯で薄め、キッチンペーパーに含ませてから固く絞ります。
  3. お掃除棒を羽根と羽根の間に差し込み、手前へかき出すように拭き取ります。
  4. ペーパーが黒くなったら、ためらわずに新しいものへ巻き替えます。
  5. 割り箸の先で羽根をそっと押し、ファンをゆっくり回して次の面を出します。
  6. 最後に水だけで湿らせたペーパーで拭き、洗剤分を残さないよう仕上げます。

ファンを回すときは、指で勢いよく回すのではなく、ほんの少しずつ送るのがコツです。羽根はプラスチック製で、年数がたっていると思った以上に割れやすくなっています。

奥のほうの汚れが気になっても、届く範囲だけで止めておきましょう。手前の黒い点々が取れるだけでも、見た目もニオイもかなりスッキリします。

アイリスオーヤマのルームエアコン室内機を斜めから写し、送風角度を一番上まで上げた状態
我が家のエアコンで、送風角度を一番上まで上げてみたところ。ルーバーが上がると吹き出し口が大きく開いて、奥が覗きやすくなります

この拭き掃除のいいところは、水をほとんど使わないので、養生が最低限で済むことです。電気部品を濡らすリスクも、スプレーを使う方法に比べてずっと低く抑えられます。

ただし、ファンの羽根は数十枚どころではなく、ぐるっと1周ぶん並んでいます。
途中で「これ、いつ終わるの…?」と心が折れそうになるのが、唯一にして最大の弱点かも(笑)

葵のワンポイントアドバイス

一度で全部終わらせようとすると、腕も心も持ちません^^ 今日は左半分、次の休みは右半分というように、何回かに分けて取り組むと続けやすいです。

洗剤を使うのが面倒な日は、除菌タイプのウェットシートを棒に巻いて使う方法もあります。汚れが軽いうちなら、それだけでも十分きれいになります。

掃除ブラシの選び方と100均アイテムの活用法

シロッコファンの掃除を楽にしたいなら、ブラシ選びはとても大切です。
家にある歯ブラシで代用できないか考える人も多いのですが、正直あまりおすすめできません。

歯ブラシは柄が短くて奥まで届きにくく、毛も硬めなのでプラスチックの羽根を傷つけやすいんです。選ぶときは、次の3点を意識してみてください。

まず大事なのが、ほどよくしなることです。
ファンは円筒形なので、まっすぐで硬い棒ではカーブに沿わず、汚れを取り逃がしてしまいます。ワイヤー入りで角度を変えられるタイプなら、羽根の裏側にも届きやすくなります。

次に、毛足の長さです。
短すぎると羽根の隙間の奥に届かず、長すぎると隙間で絡まって抜けにくくなります。

そして地味に効いてくるのが、柄の長さです。
エアコンは高い位置にあるので、柄が短いと脚立の上で無理な姿勢になりがち。柄が長いほうが、安定した体勢で作業できて安全です。

この3点を満たしている専用品の一つが、コジットの「のびのびエアコン汚れごっそりすき間職人」です。柄が伸縮式で約46〜122cmまで長さを変えられるので、脚立に乗らずに吹き出し口まで届かせやすいのが魅力です。

先端はしなやかで長く、ふわもこ素材のカバーがホコリをからめ取ってくれます。カバーは外して洗えて替えカバーも付いているので、黒い汚れを取ったあとも清潔に使い続けられます。

向いているのは、吹き出し口やルーバーまわり、ファンの手前側のホコリをこまめに取りたい人です。一方で、強くこするとルーバーが外れたりファンが破損したりするおそれがあると、メーカー自身も注意しています。

こびりついた汚れを力でこそげ落とす道具ではない、と考えておきましょう。

専用品をわざわざ買うのはちょっと…という人は、100円ショップのキッチン用品売り場ものぞいてみてください。

水筒や急須の注ぎ口を洗う細いブラシや、先が曲がった隙間用ブラシは、ファンの狭い隙間にぴったり合うことがあります。

スポンジが付いた細長いお掃除スティックも、羽根の表面を拭くのに使いやすいアイテムです。汚れたら捨てると割り切って、太さ違いをいくつか用意しておくのも賢いやり方ですね。

100均ブラシを使うときの注意点

細いブラシの多くは、芯に金属のワイヤーが使われています。先端の保護キャップが外れていると、ファンや内部の部品を傷つけるおそれがあります。使う前に、先端がしっかり覆われているか必ず確認してください。

掃除のあとは送風運転でしっかり乾かす

拭き掃除が終わったら、最後の仕上げが乾燥です。
ここを省くと、せっかくきれいにしたファンに湿気が残って、またカビが育ってしまいます。

電源プラグを差し直したら、窓を開けて送風運転を1〜2時間ほど回してください。送風運転のないエアコンなら、内部クリーン機能を使って内部を乾かしましょう。

運転を始めてすぐは、ゆるんだホコリが少し出てくることがあります。窓を開けておくのは、そのためでもあるんです。

乾燥まで終わって、ようやく掃除は完了です。濡れたままの羽根で冷房をつけないことだけは、しっかり覚えておいてくださいね。

洗浄スプレーや分解で失敗しないために知っておきたいこと

拭き掃除の手間を知ると「もっと手っ取り早い方法はないの?」と考えたくなりますよね。

ここでは、よく選ばれがちな洗浄スプレーと、本格的な分解洗浄について、失敗しやすいポイントを正直にお伝えします。

市販の洗浄スプレーをおすすめしない理由

ドラッグストアでエアコン用の洗浄スプレーを見かけると、シューッとひと吹きで全部きれいになりそうな気がしますよね。

ですが家電を扱う立場からいうと、市販の洗浄スプレーをシロッコファンに使うのは基本的におすすめしません。

理由は大きく分けて三つあります。

1つ目は、汚れを押し込んでしまうことです。
スプレー程度の勢いでは、入り組んだ羽根の汚れを吹き飛ばしきれず、表面の汚れを奥へ押し込んで固めてしまうことがあります。

2つ目は、洗剤の洗い残しです。
洗い流し不要をうたう製品でも、成分が内部に残るとそれが新しいカビの栄養になりかねません。掃除したはずなのに、数週間後には前よりカビが増えていたというリバウンドが起きやすいんです。

3つ目は、はがれた汚れの行き場です。
溶けた汚れがドレンパンや排水ホースに流れ込んで詰まると、行き場を失った水が室内機からあふれる水漏れにつながります。

実際にエアコンメーカーの三菱電機も、市販の洗浄スプレーの使用は推奨しないと案内しています。水漏れや故障、さらには発煙・発火の原因になるおそれがあるためです。

【出典】三菱電機「エアコン掃除で洗浄スプレーを使ってはいけない!オススメできない理由とエアコン内部を掃除する方法をご紹介」

送風ファン専用として、ムース状の洗浄剤とすすぎ用のリンスがセットになった2液タイプの商品もあります。泡が羽根に密着して汚れを浮かせる仕組みで、洗浄力の面では拭き掃除より強力です。

ただ、しっかり洗える反面、養生の手間と故障のリスクは拭き掃除とは比べものになりません。

もし使うなら、対応機種かどうか、電気部品を確実に覆えるか、廃液を受け止める袋を正しく付けられるかを先に確認してください。そのうえで、取扱説明書どおりに進めることが大前提です。

自分で掃除して起こりがちな失敗パターン

シロッコファンの掃除は、フィルター掃除とは難易度もリスクもまったく別物です。
よくある失敗を知っておくだけで、防げるトラブルはたくさんあります。

まず多いのが、羽根を割ってしまうケースです。
長く使ったファンはプラスチックが劣化してもろくなっていることがあり、ブラシで強くこすった拍子にパキッと欠けてしまいます。

羽根が一部でも欠けると回転のバランスが崩れ、運転中に「カタカタ」「ブーン」といった異音が出る原因になります。こうなると、掃除のつもりが修理の相談に変わってしまいます。

次に、養生が甘くて部屋を汚してしまうケース。
黒く汚れた水が壁紙を伝ったり、カーテンや床に垂れたりすると、エアコンより部屋の掃除のほうが大変になってしまいます。

そしていちばん避けたいのが、電気部品に水や洗剤がかかることです。
売り場でも、自分でスプレーをかけたら動かなくなったという声は、残念ながら珍しくありません。

製品評価技術基盤機構(NITE)は、誤った内部洗浄によるエアコンの火災事故が、2019年度までの5年間で20件あったと報告しています。

あわせて、消毒用アルコールのような燃えやすい液体や、塩素系漂白剤のような腐食性の液体で、内部を掃除しないよう呼びかけています。

【出典】製品評価技術基盤機構(NITE)「エアコンの内部洗浄による事故に注意」

シロッコファン掃除で使ってはいけないもの

お風呂用などの塩素系カビ取り剤、消毒用アルコール、濃いままの洗剤は、ファンに黒カビがあっても使わないでください。部品を傷めたり、発火の原因になったりするおそれがあります。自分で使うのは、薄めた中性洗剤と水拭きまでにとどめましょう。

黒カビを見ると、つい強い洗剤で一気に落としたくなりますよね。
でも、ここはぐっとこらえて、やさしい洗剤と丁寧な拭き取りで向き合うのがいちばんの近道です。

シロッコファンを取り外す分解洗浄はハードルが高い

どうしても裏側まで完璧に洗いたい場合、シロッコファンそのものを取り外して丸洗いする方法もあります。

ただしこれはリスクが非常に高いので、自信がない人は真似しないでください。あくまで知識として知っておく程度にとどめておきましょう。

一般的な壁掛けエアコンの場合、前面パネル、ルーバー、本体カバーをすべて外す必要があります。さらに熱交換器を少し持ち上げながら、その下からファンを引き抜くという、パズルのような工程が待っています。

特に難しいのが、ファンの右側にある固定ネジを緩める作業です。機種によってはネジのまわりが非常に狭く、専用の工具がないと回せないこともあります。

左側の軸受け部分が固着していて、どれだけ引っ張っても抜けないというのも分解ではよくある話です。無理に引き抜こうとして熱交換器の配管を曲げてしまうと、冷媒ガスが漏れる大きな故障につながりかねません。

プラスチックの爪を割ってカバーが閉まらなくなるケースもあります。そうなると修理代がかさみ、エアコンをもう1台買えるくらいの出費になることも。

動画サイトでは簡単そうに見えますが、それは慣れた人がやっているからこそ。
挑戦するなら、元に戻せなくなる覚悟と、壊れたら買い替えるくらいの気持ちで臨む必要があります。

シロッコファンの掃除をプロに頼むべきタイミング

自分でできる範囲と、やってはいけないことがわかったところで、次に気になるのは「じゃあ、いつプロに頼めばいいの?」という点ですよね。

ここでは、業者に切り替えたほうがいいサインと、クリーニングの種類や費用の目安を整理していきます。

自分の掃除では追いつかない5つのサイン

拭き掃除で手前の汚れを取っても改善しないときは、汚れの原因がもっと奥にある可能性が高いです。

次のサインが一つでも当てはまったら、プロのクリーニングを考えるタイミングです。

気になるサイン 考えられる状態
拭いても黒い点々がすぐ戻る ファンの奥や裏側にカビが根を張っている
掃除したのにニオイが消えない ファンの奥やドレンパンに汚れが残っている
最大風量にしても風が弱い 羽根の隙間にホコリが詰まって風を送れていない
運転中にカタカタと異音がする 汚れの偏りや羽根の欠けで回転のバランスが崩れている
吹き出し口から水が垂れてくる ドレンパンや排水ホースが汚れで詰まっている

特に、ニオイと異音の二つが同時に出ているときは、自分で奥まで手を入れるのはやめておきましょう。原因の特定も含めて、プロに見てもらうほうが結果的に早く解決します。

壁掛け洗浄と完全分解洗浄の違いと費用の目安

業者のエアコンクリーニングには、大きく分けて2つの種類があります。
エアコンを壁に付けたまま洗う方法と、ファンまで取り外して洗う方法です。

種類 内容 費用の目安 向いている人
壁掛けのまま洗浄 カバー類を外し、電気部品を養生して高圧洗浄機で内部を洗い流す 1台1万円〜1万5千円程度 黒い点々やニオイをまとめてリセットしたい人
完全分解洗浄 ファンやドレンパンまで取り外して、部品ごとに丸洗いする 壁掛け洗浄より高めになることが多い アレルギーが気になる人や何年も洗っていない人

シロッコファンの汚れが気になるなら、壁掛けのままの洗浄でも十分に効果があります。高圧洗浄機の水圧で奥のカビまで一気に流してくれるので、自分では届かない部分までピカピカになります。

費用はあくまで一般的な目安で、地域や業者、キャンペーンによって大きく変わります。自動お掃除機能付きのエアコンは構造が複雑なぶん、料金が上がる傾向があるので注意してください。

業者選びで迷ったら、エアコンクリーニング業者の料金やサービス内容を比べた記事で、各社の違いをチェックしてみるのもおすすめです。

業者選びで確認しておきたいこと

極端に安い業者の中には、分解を最小限にして表面しか洗わないところもあります。予約のときに「シロッコファンまで高圧洗浄してもらえますか?」と聞いておくと安心です。

万一の破損に備えた損害保険に入っているかどうかも、あわせて確認しておきましょう。

正直にいうと、私も自宅のエアコン掃除は、3回に1回くらいはプロにお願いしています(笑)

道具をそろえる手間や故障させるリスク、そして何よりあの長い作業時間を考えると、決して高すぎる出費ではないと感じます。

数年に一度は自分へのご褒美としてプロに任せ、きれいな風で深呼吸するのもいいものです。

シロッコファンを汚しにくくする予防と買い替えの考え方

せっかくきれいにしたファンは、できるだけ長くきれいなままにしておきたいですよね。

最後に、日々の使い方でできる予防と、掃除の頻度の目安についてお話しします。

ファンまでお手入れしてくれるエアコンへの買い替えという選択肢も、あわせて見ていきましょう。

冷房のあとの送風運転と内部クリーンで湿気を残さない

シロッコファンを汚しにくくするいちばんの近道は、カビの大好物である湿気を内部に残さないことです。

冷房や除湿を使い終わったら、そのまま電源を切らずに送風運転を1〜2時間ほど回してみてください。内部の結露が乾いて、カビが増えにくい状態を保てます。

最近のエアコンについている内部クリーン機能も、仕組みとしては運転後に内部を乾かしてカビを防ぐものです。冷房シーズン中はオンにしておくのがおすすめです。

ただし、内部クリーンはあくまで予防のための機能です。すでに黒く生えてしまったカビを落とす力はないので、汚れが見えたら拭き掃除やプロの洗浄と組み合わせて考えましょう。

フィルターをシーズン中は2週間に1回くらいのペースで掃除して、カビのエサになるホコリを内部に入れないことも大切です。地味な習慣ですが、この積み重ねがファンの汚れにくさを大きく左右します。

シロッコファン掃除の頻度は使い方で変わる

シロッコファンの本格的な掃除は、一般的な目安として1〜2年に1回と考えておくとちょうどいいです。

ただし、使い方によってペースは大きく変わります。
夏に一日中つけっぱなしにしている家や、ペットがいて一年中エアコンを動かしている家では、汚れがたまるのも早め。1年に1回はチェックしてあげたいところです。

反対に、寝室や客間などあまり使わない部屋なら、2〜3年に1回でも問題ないことがあります。

あまり神経質になりすぎると、掃除そのものが負担になってしまいますからね。

壁に取り付けたアイリスオーヤマのルームエアコン室内機を斜め下から見上げた様子
うちで使っている壁掛けエアコン。下から見上げると吹き出し口の奥は意外と見えないので、ときどきライトで照らしてチェックしています

ふだんは下から見上げるだけなので、ファンの汚れには気づきにくいもの。ときどき懐中電灯で吹き出し口の奥を照らして、黒い点々が増えていないか見てみるだけでも、掃除のタイミングを逃しにくくなります。

部屋の使い方ごとに、プロのクリーニングをどのくらいの間隔で頼むといいかは、業者クリーニングの頻度の目安を部屋別に解説した記事で詳しくまとめています。

ファンまで自動でお手入れするエアコンに買い替える選択肢

今のエアコンを10年以上使っていて、毎年のようにファンの汚れに悩まされているなら、買い替えも立派な選択肢です。

最近の上位モデルには、ファンの汚れ対策まで自動でしてくれる機種があります。

その代表が、日立の「白くまくん Xシリーズ RAS-XR2226S」です。
2025年10月に発売された2026年モデルで、おもに6畳用の機種になります。

この機種のいちばんの特長は、ファンお掃除ロボという機能です。熱交換器の奥にあって普通はお手入れできないファンの羽根の先端を、自動で定期的にブラッシングしてくれます。

ファンにホコリがたまるのを防げるので、この記事で紹介してきた拭き掃除の手間を、ぐっと減らせるわけです。

さらに、熱交換器を凍らせてから一気に溶かして汚れを洗い流す凍結洗浄も搭載しています。ファンだけでなく手前の熱交換器まで機械側でケアしてくれるのは、黒カビに悩んできた人ほど心強いポイントだと思います。

向いているのは、ファンの黒い汚れを何度も繰り返してきた人や、掃除に時間をかけられない共働きの家庭です。フィルターの自動お掃除機能も付いているので、日々のお手入れ全体を減らしたい人にも合っています。

一方で、最上位クラスの機種なので本体価格は高めです。
また、ブラッシングするのは羽根の先端なので、何年も使えばプロのクリーニングがまったく不要になるわけではありません。

「掃除の回数を減らす機種」と考えておくと、期待とのズレが少ないはずです。

型番の末尾の数字で対応する畳数が変わり、価格も時期や販売店によって大きく動きます。購入前には、最新の仕様と価格をメーカー公式サイトや店頭で確認してくださいね。

葵のワンポイントアドバイス

10年を超えたエアコンは、クリーニングしても効きや電気代がそこまで戻らないことがあります。クリーニング代をかける前に、一度だけ買い替えの見積もりと比べてみると、後悔のない選び方ができますよ。

もちろんまだ新しいエアコンなら、拭き掃除と予防、ときどきのプロのクリーニングで十分きれいに保てます。

今のエアコンの年数と、掃除にかけられる手間のバランスで考えてみてください。

エアコンのシロッコファン掃除に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 賃貸のエアコンのシロッコファンを自分で掃除しても大丈夫ですか?

A. 手の届く範囲の拭き掃除程度であれば、日常のお手入れとして行うのは一般的です。

ただし、備え付けのエアコンは貸主の設備なので、分解や洗浄剤での掃除で故障させると修理費を負担することになりかねません。汚れがひどいときは、先に管理会社や大家さんへ相談しておくと安心です。

Q2. 自動お掃除機能付きのエアコンでもシロッコファンは汚れますか?

A. はい、汚れます。

多くの自動お掃除機能が手入れしてくれるのはフィルター部分で、奥のシロッコファンまでは届かないのが一般的です。構造が複雑なぶん、業者にクリーニングを頼むときの料金も通常の機種より高めになる傾向があります。

Q3. 掃除のあと吹き出し口から黒いカスが飛んできます。故障でしょうか?

A. 掃除でゆるんだ汚れが風に押されて出てきていることが多く、故障とは限りません。

窓を開けて送風運転をしばらく続けると、落ち着くことがよくあります。何日たっても黒いカスが止まらない場合は、奥にまだ汚れが残っているサインなので、プロの洗浄を検討してみてください。

Q4. シロッコファンの掃除や業者への依頼は何月ごろがおすすめですか?

A. 自分で掃除するなら、冷房を本格的に使い始める前の春と、使い終わった秋がおすすめです。

業者に頼む場合も、繁忙期の真夏を避けた春や秋のほうが予約を取りやすく、日程も選びやすくなります。暑くなってから慌てないよう、少し早めに動いておくと安心です。

総括|エアコンの回るところの掃除は拭き取りまでを自分で

エアコンの回るところ、シロッコファンの黒い汚れは、見た目も気分もよくないし、空気の質にも関わるので放っておけませんよね。

この記事でお話ししてきた方法を、難しさとコストで並べると次のようになります。
今のあなたの状況に合うものを選んでみてください。

方法 難易度 コストの目安 向いている人
割り箸と中性洗剤の拭き掃除 ★☆☆ ほぼ0円 手前の黒い点々をまず落としたい人
専用ブラシや100均ブラシ ★☆☆ 数百円〜2千円程度 こまめにホコリを取って汚れをためたくない人
ファン用の洗浄剤 ★★☆ 2〜3千円程度 養生と故障リスクを理解したうえで洗いたい人
業者のクリーニング ☆☆☆ 1台1万円〜 奥まで確実にきれいにして故障リスクも避けたい人
ファンお掃除機能付きへの買い替え ☆☆☆ 本体価格と工事費 10年以上使っていて掃除の手間を減らしたい人

覚えておきたい線引きはシンプルです。電源を抜いて、手の届く範囲を拭き取るところまでは自分で。スプレーや分解、奥のカビはプロに任せる。

そして掃除のあとは、送風運転や内部クリーンで湿気を残さない習慣をつけること。この3つを押さえておけば、あの黒い点々に振り回されることはぐっと減るはずです。

まずは今日、電源プラグを抜いて懐中電灯で吹き出し口の奥を照らしてみてください。
汚れが手前だけなら拭き掃除から、奥まで広がっていたらプロへの相談から始めれば大丈夫です。

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