洗濯機を回す適切な時間について、一人暮らしを始めたばかりの方や引っ越し先がアパートやマンションという方なら、一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。
朝は何時から洗濯機を回しても大丈夫なのか、夜は何時まで許されるのか、近隣住民とのトラブルを避けるためのマナーはどこまで気を遣えばよいのか。
特にドラム式洗濯機をお使いの方は、縦型とは運転音や振動の特性が異なるため、より一層の配慮が必要になります。
また、最近洗濯に時間がかかるようになったと感じている方や、忙しい毎日の中で少しでも家事を効率化したい方のために、実践的な時短のコツもお伝えしていきます。
この記事では、洗濯機の基本的な運転時間から近隣への気遣い、そして日々の洗濯をスムーズに進めるための工夫まで、家電のプロとしての知識と経験を活かしながら、「洗濯機の時間に関するあれこれ」をわかりやすく解説していきます!
洗濯機の時間にまつわる基本とマナー

- 洗濯機を回していい時間は朝何時から夜何時まで?
- アパートやマンションのケースでは
- 覚えておきたい洗濯に関するマナー
- 洗いにかかる時間の目安
- 意外と知らない脱水時間
- 乾燥にかかる時間
- ドラム式洗濯機にかかる標準時間
まずは、洗濯にかかる時間の基本や、ご近所トラブルを避けるために知っておきたいマナーについて見ていきましょう。
特に集合住宅にお住まいの方は、洗濯機の運転音が気になることも多いと思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
洗濯機を回していい時間は朝何時から夜何時まで?
「洗濯機って、何時から何時まで回していいんだろう?」これ、意外と多くの方が気にされているポイントだと思います。
法律で決まっているわけではありませんが、一般的なマナーとして、朝は8時ごろから、夜は20時ごろまでが一つの目安とされていますね。
多くの方が活動している日中の時間帯であれば、洗濯機の音が生活音に紛れやすいからです。もちろん、これはあくまで一般的な目安。一戸建てで、お隣との距離が離れている場合などは、ご家族の生活リズムに合わせて調整しても問題ないかもしれません。
ただ、平日と休日で少し配慮を変えるのがおすすめです。平日はお仕事などで朝早くから活動する方が多いですが、土日や祝日は朝ゆっくり過ごしたい方もいらっしゃいます。そんな日は、洗濯機のスタートを少し遅めの9時以降にするなど、ちょっとした気遣いができると素敵ですよね。
私も、休日の朝はのんびりしたいタイプなので、ご近所さんの洗濯機の音が聞こえてくると「あ、もうそんな時間か」なんて思ったりします(笑)
お互いに気持ちよく過ごすための、大切な思いやりじゃないでしょうか。
逆に深夜や早朝は、周りが静かな分、洗濯機のモーター音や水が流れる音が想像以上に響いてしまうことがあります。ご自身の睡眠時間も大切ですが、ご近所への配慮も忘れないようにしたいですね。
アパートやマンションのケースでは
アパートやマンションといった集合住宅にお住まいの場合、洗濯機の時間に対する配慮はさらに重要になってきます。なぜなら、洗濯機の「音」だけでなく「振動」も伝わりやすいからなんです。
特に脱水時の振動は、建物の構造によっては下の階や隣の部屋に響いてしまい、トラブルの原因になることも少なくありません。私がお店でお客様とお話ししていても、「下の階の方から振動について言われてしまって…」というご相談は意外と多いんですよ。
振動トラブルに注意!
特に木造や軽量鉄骨のアパートは、鉄筋コンクリートのマンションに比べて音や振動が伝わりやすい傾向があります。洗濯機を置く防水パンがしっかり固定されているか、ガタつきがないかもチェックすると思わぬ振動を防げる場合があります。
こうしたトラブルを避けるためにも、集合住宅での洗濯は、先ほどお伝えした一般的な時間帯(朝8時~夜20時)をより意識することをおすすめします。管理組合などで独自のルールが定められている場合もあるので、入居時に渡された規約などを一度確認してみると安心ですね。
もし、お仕事の都合などでどうしても夜間に洗濯機を回す必要がある場合は、洗濯機の下に敷く「防振ゴム」や「防音マット」を活用するのも一つの手です。振動をかなり吸収してくれるので、階下への影響を和らげる効果が期待できますよ。
ホームセンターや家電量販店で手軽に購入できるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
覚えておきたい洗濯に関するマナー
洗濯の時間帯以外にも、気持ちよく暮らすために覚えておきたいマナーがいくつかあります。これは洗濯機そのものの話というよりは、共同生活を送る上での心遣いのようなものですね。
例えば、ベランダに洗濯物を干すとき。お布団やシーツなど、大きなものを干す際には、お隣のベランダにはみ出してしまったり、日当たりを遮ってしまったりしないように気をつけたいところです。
特に風の強い日は、洗濯物が飛ばされてご迷惑をかけてしまう可能性もゼロではありません。しっかりと洗濯バサミで固定するのを忘れないようにしましょう。
また、共用の廊下や通路に洗濯物を干したり、一時的に置いたりするのは避けましょう。見た目の問題だけでなく、災害時の避難経路を塞いでしまう危険性もあります。マンションの規約で禁止されていることがほとんどだと思います。
ちょっとした心遣いが大切
マナーというと少し堅苦しく聞こえるかもしれませんが、要は「自分の家の洗濯が、他の人の迷惑になっていないかな?」と少しだけ想像力を働かせることだと思います。お互いが気持ちよく過ごせるように、小さな配慮を心がけたいですね。
最近の洗剤や柔軟剤は香りが強いものも多いですよね。良い香りだと感じる人もいれば、苦手だと感じる人もいます。特に風向きによってはお隣に香りが流れやすいので、香りが強すぎない製品を選ぶといった配慮も、場合によっては必要になるかもしれません。
難しい問題ですが、頭の片隅に置いておくと良いと思います。
洗いにかかる時間の目安
さて、ここからは洗濯機自体の時間について見ていきましょう。まずは「洗い」の工程です。洗濯機に表示される時間全体のうち、「洗い」はどれくらいの割合を占めているのでしょうか?
一般的な縦型洗濯機の「標準コース」の場合、「洗い」の時間はだいたい15分~20分程度に設定されていることが多いです。もちろん、これは機種や洗濯物の量によって変動します。最近の洗濯機はセンサーが優秀で、入れた衣類の重さを検知して最適な時間を自動で設定してくれるんです。
一方で、泥汚れや食べこぼしなど、しっかり洗いたいものがある場合は「つけおきコース」などを選ぶと、洗い時間が30分~1時間ほど長くなります。
逆に、そこまで汚れていない衣類やタオルだけなら、「お急ぎコース」や「スピードコース」を選ぶと、洗いの時間が5分~10分程度に短縮されることも。とても便利ですよね。
コースの種類 | 「洗い」時間の目安 | こんな時におすすめ |
---|---|---|
標準コース | 15分~20分 | 普段の洗濯物(皮脂、汗、ホコリ汚れなど) |
お急ぎ/スピードコース | 5分~10分 | 汚れの少ない衣類、急いでいる時 |
つけおきコース | 30分~1時間以上 | 泥汚れ、黄ばみ、ガンコなシミなど |
毎日なんとなく「標準コース」で洗っている方も多いかもしれませんが、その日の洗濯物の汚れ具合に合わせてコースを使い分けるだけで、洗濯時間を短縮できたり、逆に洗浄力を高められたりします。
電気代や水道代の節約にもつながるので、ぜひ試してみてください。
意外と知らない脱水時間
「洗濯物はカラッと乾かしたいから、脱水時間は長めに設定した方がいいはず!」
そう思っている方、実は結構多いんじゃないでしょうか?
でも、実は脱水は3分以上回しても、乾き具合に大きな差は出ないと言われているんです。
洗濯物の水分は、脱水開始後の最初の1分でほとんどが絞り出されます。その後は、時間をかけても少しずつしか水分が抜けなくなっていくんですね。
それなのに、標準コースだと5分~8分ほど脱水時間が設定されていることが多いです。これは厚手のジーンズなど、乾きにくい衣類があることを想定しているからなんです。
むしろ、長すぎる脱水にはデメリットもあります。
Yシャツやブラウスなど、シワになりやすい衣類は、脱水時間を1分程度に設定するのがおすすめです。少し水分が残っているくらいの状態で干すと、水の重みでシワが伸びて、アイロンがけがとても楽になりますよ。
タオル類も、脱水しすぎるとパイルが潰れてゴワゴワした肌触りになってしまうので、3~5分程度の短めの設定がふんわり仕上げるコツです。
乾燥にかかる時間

洗濯乾燥機をお使いの方にとって、一番時間がかかるのが「乾燥」の工程ですよね。洗濯から乾燥までボタン一つで終わるのは本当に便利ですが、一体どれくらいの時間がかかるのでしょうか。
ドラム式洗濯乾燥機の場合、洗濯物の量にもよりますが、平均すると2時間半~3時間ほどかかるのが一般的です。
ヒーターで温風を作り出して乾かす「ヒーター式」か、湿気を含んだ空気を除湿して乾かす「ヒートポンプ式」かによっても時間は変わってきます。
乾燥方式による違い
ヒーター式は高温で一気に乾かすので、時間はやや短めですが、衣類が縮みやすく電気代も高めです。一方、ヒートポンプ式は低温の風で優しく乾かすので、時間は少し長くなりますが、衣類の傷みが少なく、電気代が安いのが嬉しいポイント。
お店でも、最近は省エネなヒートポンプ式が主流になっていますね。
また、縦型洗濯機の簡易乾燥(風乾燥)機能は、ヒーターを使わず送風だけで水分を飛ばすものがほとんどです。こちらは完全に乾かすというよりは、「干す時間を短縮するための補助機能」と考えると良いでしょう。完全に乾かすことは難しいので、その後の部屋干しや外干しが必要です。
乾燥時間を少しでも短くするコツは、洗濯物を詰め込みすぎないこと。洗濯槽の中で衣類がしっかり広がるスペースがあると、温風が均一に当たり、効率よく乾かすことができます。
乾燥フィルターにホコリが溜まっていると乾燥効率がガクンと落ちるので、こまめにお掃除するのもとても大切ですよ。
ドラム式洗濯機にかかる標準時間
スタイリッシュなデザインと節水性能の高さで人気のドラム式洗濯機。縦型と比べて、洗濯時間はどう違うのでしょうか?
「洗濯から脱水まで」の時間で比較すると、実はドラム式の方が縦型よりも少し時間がかかる傾向にあります。ドラム式は、衣類を上から下に叩きつけて洗う「たたき洗い」が基本。
少ない水でじっくり洗うため、洗浄力は高いのですが、その分、全体の運転時間は50分~70分ほどと、やや長めになることが多いんです。
しかし、ドラム式洗濯機の最大の魅力は、やはり洗濯から乾燥までをノンストップで完了できる点ですよね。洗濯物を干す手間がなくなることを考えれば、トータルの家事時間は大幅に短縮されると言えるでしょう。
お店でお客様とお話ししていると、「ドラム式にしてから、自分の時間が増えた!」というお声をよく聞きます。夜寝る前にセットしておけば、朝にはふかふかの洗濯物が仕上がっているなんて、最高ですよね。
共働きのご家庭や、小さなお子様がいてなかなか洗濯物を干す時間が取れない、という方に特に喜ばれている印象です。
最近のモデルでは、AIがお洗濯の状況を判断して自動で時短してくれる「AIエコナビ」のような機能がついているものもあります。「エコナビ」と聞くと節電のイメージが強いかもしれませんが、水温が高かったり、衣類の量が少なかったりすると、運転時間を短縮してくれる賢い機能なんです。技術の進化ってすごいですよね。
洗濯機の時間が長い時の原因と時短術

- 最近、洗濯に時間がかかるようになった?
- 今すぐできる洗濯の時短のコツ
- 引越し前に必要な水抜きにかかる時間
ここからは、実践編です。
「なんだか最近、洗濯が終わるまですごく時間がかかる…」と感じている方のために、その原因と具体的な解決策、そして毎日の洗濯を手早く済ませるための時短術をご紹介します。
ちょっとしたことで、洗濯の効率はグンとアップしますよ。
最近、洗濯に時間がかかるようになった?
「スタートボタンを押した時に表示された時間より、明らかに長くかかっている…」そんな経験はありませんか?
エラー表示が出ているわけでもないのに時間が長引く場合、いくつかの原因が考えられます。
最もよくある原因の一つが、洗濯物の偏りです。
脱水工程に入ったとき、洗濯物が槽内の片側に寄っていると、うまくバランスが取れず、安全のために一度運転を停止します。そして、バランスを取り直すために注水して、再度すすぎと脱水をやり直すんです。
これを何度も繰り返すことで、全体の時間がどんどん長くなってしまいます。特に、バスタオルやジーンズのような水を吸って重くなるものを数枚だけ洗うときに起こりやすい現象ですね。
そして、もう一つ、意外と見落とされがちなのが「給水フィルター」の目詰まりです。
この給水フィルターの掃除は、お店でお客様にご案内すると「知らなかった!」と驚かれることが多いポイントです。掃除したら給水スピードが劇的に改善して、「洗濯が爆速になった!」なんてお声もいただくほど効果的なんですよ。
洗濯時間が長くなったと感じたら、まずは洗濯物の偏りと給水フィルターを疑ってみるのがおすすめです。
今すぐできる洗濯の時短のコツ
毎日の洗濯、少しでも時間を短縮して楽に済ませたいですよね。ここでは今日からすぐに試せる簡単な時短のコツを7つご紹介します。
ちょっとした工夫で、洗濯がぐっと楽になりますよ。
1. 「お急ぎコース」を上手に活用する
先ほどもお伝えしたように、汗やホコリ程度の軽い汚れであれば、「お急ぎコース」や「スピードコース」で十分キレイになります。
標準コースと比べて、すすぎが1回になるなど工程が簡略化されるため、10分~15分ほど時間を短縮できます。
2. 「すすぎ1回OK」の洗剤を選ぶ
お急ぎコースを使うときに気になるのが、「すすぎが1回で汚れや洗剤はちゃんと落ちるの?」という点だと思います。
そんな時に心強いのが、「すすぎ1回OK」と表示されている洗剤です。これらの洗剤は、泡切れが良く、衣類に洗剤が残りにくいように作られているので、安心して時短できます。洗浄力もしっかりあるので、普段使いにぴったりですよ。
私も普段は「すすぎ1回OK」の液体洗剤を愛用しています。水道代と電気代の節約にもなるので、本当におすすめです。柔軟剤や漂白剤も、すすぎ1回対応のものを選ぶとさらに安心ですね。
3. お湯を使って洗浄力アップ&時短
皮脂汚れなどが気になる時は、お湯を使うのも効果的です。水温が高いと洗剤の酵素が活性化して、汚れ落ちが格段に良くなるんです。つけおき洗いの時間を短縮できたり、お急ぎコースでもすっきり洗い上げることができたりしますよ。
お風呂の残り湯が温かいうちに「洗い」にだけ使うのも、節水と時短になって一石二鳥ですね。
ただし、ウールやニットなど、お湯で洗うと縮んでしまうデリケートな衣類には使えないので、洗濯表示はしっかり確認してください。
4. 乾いたバスタオルで脱水効果アップ
「少しでも早く乾かしたい!」という時に試してほしい裏ワザが、脱水の時に乾いたバスタオルを1枚追加する方法です。
乾いたタオルが他の洗濯物の水分をぐんぐん吸い取ってくれるので、全体の脱水効率が上がり、干した後の乾きが早くなるんです。
特に、厚手の衣類やジーンズを洗った日、お天気が悪くて部屋干しする日なんかに効果てきめんですよ。追加したタオルは少し湿りますが、他の洗濯物と一緒に干せばすぐに乾きます。
5. 洗濯ネットで仕分けの手間を省く
洗濯で地味に時間がかかるのが、洗い終わった洗濯物をカゴから取り出して、靴下や下着などを仕分ける作業じゃないでしょうか?
そんな手間を省くために、洗濯機に入れる前の段階で、種類別に洗濯ネットに分けておくのがおすすめです。
例えば、「靴下用ネット」「下着用ネット」「ハンカチ用ネット」というように専用のネットを用意しておくんです。そうすれば、干すときにはネットごと取り出して、迷うことなくスムーズに作業できますよ。
6. ハンガー活用で「たたむ」を時短
洗濯という家事の中で、意外と時間を取られるのが「たたむ」作業です。
この時間をなくすために、シャツやブラウスなどは干す時からハンガーにかけることを習慣にしてみませんか?
乾いたら、そのままクローゼットに移動させるだけ。たたむ手間が一切なくなり、大幅な時短になります。シワもつきにくいので、アイロンがけも楽になりますよ。
7. 洗濯物を詰め込みすぎない
一度にたくさん洗いたい気持ちは分かりますが、洗濯機に衣類をぎゅうぎゅうに詰め込むのはNGです。
洗濯槽の中で衣類がうまく回らず、洗浄力が落ちてしまうだけでなく、脱水効率も悪くなります。
結果的に乾きも遅くなってしまうので、洗濯物の量は容量の8割程度までに抑えるのが、効率よく洗うための鉄則です。
引越し前に必要な水抜きにかかる時間

最後に普段のお洗濯とは外れますが、「洗濯機の時間」つながりということで、「水抜きにかかる時間」についてお話しておきましょう。
お引越しの際、忘れてはならないのが洗濯機の「水抜き」です。
これをやらずに運んでしまうと、輸送中に残っていた水が漏れ出して、他の荷物や新しいお家を濡らしてしまう大惨事になりかねません。
水抜きにかかる時間は、だいたい30分~1時間程度を見ておくと良いでしょう。作業自体はそれほど難しくありませんが、給水ホースや排水ホースの中に意外と水が残っているので、焦らず丁寧に行うことが大切です。
基本的な流れは、以下の通りです。
ドラム式洗濯機の場合は、これに加えて「糸くずフィルター」部分の水抜きも必要になることが多いです。詳しい手順はメーカーや機種によって異なるので、作業前には必ず取扱説明書を確認してくださいね。
水抜きは、引越しの前日に行うのがベストタイミングです。水抜きをしてしまうと、当然ですが洗濯機は使えなくなってしまいますからね。
取り外したホースや部品はなくさないように、ビニール袋などにまとめて洗濯機本体に貼り付けておくと、引越し先での設置がスムーズに進みますよ。
総括:洗濯機の時間を上手に管理
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。