朝の身支度の途中、洗濯機が脱水に入ったとたんに「ガタンッ、ガタガタガタ」と暴れ出して、慌てて洗面所に駆け込んだ経験はありませんか?
床から突き上げるような振動と音。階下や隣に響いていないかとヒヤッとしますし、壊れたのかなと不安にもなりますよね。
でも大丈夫です。
洗濯機の脱水のガタガタは、直し方さえ順番どおりにたどれば、多くの場合は道具なしで収まります。
家電のフロアで働いていると、縦型・ドラム式を問わず「脱水のときだけ音がすごいんです」というご相談をよくいただきます。それくらい、ごくありふれたトラブルなんです。
この記事では、まず今すぐ試せる直し方から順にたどり、それでも収まらないときの原因の切り分け、縦型とドラム式で違うチェックポイント、そして修理と買い替えの分かれ目までをお話ししていきます。
- 脱水でガタガタ鳴る主な原因
- 今すぐできる直し方の手順
- 縦型とドラム式で違う対処法
- 修理と買い替えの判断基準
洗濯機の脱水がガタガタうるさいときに今すぐ試す直し方
いきなり修理を呼ぶ前に、まず手を動かしてほしい順番があります。ここを飛ばして原因探しから入ると、かえって遠回りになってしまうんです。
洗濯機の脱水がガタガタうるさいときは、一度止めて洗濯物をほぐし、本体の水平と排水の詰まりを順番に確認するのが基本の直し方です。この3つだけで収まるケースが、体感ではいちばん多いところ。
ひとつずつ、具体的な手順を見ていきましょう。
一時停止して洗濯物をほぐすのが最短の直し方
まず試してほしいのが、運転を一時停止して、中の洗濯物を手でほぐす方法です。
所要時間はほんの30秒ほど。
ふたを開けて中をのぞくと、洗濯物が片側だけに寄っていたり、団子のように固まっていたりすることがよくあります。その塊を1枚ずつ広げて、槽の中で均等に、できれば真ん中を空けたドーナツ状になるように置き直してください。
そのあとスタートを押すと、さっきまでの音が嘘のように静かになることがあります。これで直れば、故障ではなく単なる片寄りだったということ。
逆に、ほぐしても2〜3回続けて同じように暴れる場合は、片寄り以外の原因が隠れているサインだと思ってください。
作業のまえに必ず確認
槽の中に手を入れるときは、回転が完全に止まってから。ふたのロックが外れる前に無理にこじ開けるのは絶対にやめてくださいね。
また、揺れている本体を手で押さえつけるのも危険です。指を挟んだり、かえって重心が崩れたりします。
洗濯物をほぐしても直らなかった人は、次の「置き場所」の話に進んでみてください。
本体のガタつきと水平を確認する手順
片寄りの次に多いのが、設置のガタつきです。
日立も公式のサポートページで、水平に置かれていないことと洗濯物の片寄りを、振動の代表的な原因として案内しています。
【出典】日立「洗濯機が振動して、『ガタガタ』と大きな音が出ます。(タテ型)」
確認のしかたはとても簡単です。運転を止めた状態で、天面の四隅を対角線上に交互に押してみてください。
カタッ、カタッと浮く感触があれば、脚のどこかが床から浮いています。この状態で高速回転させれば、揺れが増幅されるのも当然ですよね。
最近の機種なら、天面に小さな丸い水準器が埋め込まれていることも多いです。気泡が赤い円の内側に入っていれば水平、外に逃げていれば傾いている、という見方をします。

傾いていた場合は、調節脚を回して高さを合わせます。多くの機種は向かって右前の脚が回るようになっていて、ここを少しずつ伸ばしてガタつきを消していく形です。
脚を触ってもぐらつきが取れないときは、床そのものが沈んでいたり、防水パンの中で脚が正しい位置からずれていたりすることもあります。いったん電源と水道を止めて、本体の位置を置き直してみるのも手です。
葵のワンポイントアドバイス
売り場でも「引っ越してから急にうるさくなった」というご相談をよくいただきます。そういうときは、ほぼ設置のやり直しで落ち着きます。まずは脚から疑ってみてください。
水平が出ているのにまだ揺れる。
そんなときは、目に見えない「排水」を疑う番です。
排水口と糸くずフィルターの詰まりを取り除く
意外に見落とされがちなのが、排水の流れです。
パナソニックも公式のよくある質問で、排水が不十分だと洗濯槽と脱水槽のあいだに水が残り、回転のバランスが崩れて振動が大きくなると説明しています。
【出典】パナソニック「【タテ型洗濯機】脱水時の振動が大きい/ガタガタ音がする」
つまり、洗濯物は均等なのに槽の外側に水が残っていて、その水が重りになっているわけです。脱水に前より時間がかかるようになった、という人はとくに怪しいところ。

お手入れは、まず電源プラグを抜くところから。糸くずフィルター(排水フィルター)を外し、網目に絡んだ糸くずや髪の毛を使い古しの歯ブラシで落としていきます。
そのあと排水口です。排水ホースを抜いて、フタや筒状の部品を外し、内側にこびりついたヌメリをブラシでこすり取ります。届かない奥は市販のパイプクリーナーに任せてしまいましょう。
部品を戻したら、ホースが折れたり潰れたりしていないかも見ておくと安心です。ホースが途中で持ち上がっていると、それだけで流れが悪くなります。
脱水でガタガタ音がする5つの原因を切り分ける
ここまでの3つを試しても直らなかったとしても、まだ慌てる段階ではありません。
音の出かたを手がかりにすれば、原因はかなり絞り込めます。
脱水中の洗濯槽は、機種によって1分間に800〜1,000回転前後まで上がります。この速さだと、わずかな重心のズレでも大きな遠心力に化けてしまうんです。
洗濯物の片寄りで遠心力が暴れる仕組み
いちばん多い原因は、やはり片寄りです。
乾いた洗濯物なら数百グラムの差でも、水を含めば数キロの差になります。
とくに厄介なのが、シーツや布団カバー、毛布といった大物。洗っているうちに丸まって、水を吸った巨大な塊になり、槽の片側に居座ってしまいます。
レインコートやウインドブレーカーのような防水性の衣類も要注意です。水を通さないぶん内側に水が溜まり、袋のような重りになってしまいます。
洗濯ネットも、実は片寄りの原因になりがち。詰め込みすぎたネットや、数を使いすぎたネットは、それぞれが硬い塊になって散らばらないんです。
設置が水平でないと振動が増幅される
設置の傾きは、音の「質」に特徴が出ます。
毎回ほぼ同じタイミングで、床を叩くようなドンドンという低い音がするなら、脚のどれかが浮いている可能性が高いところ。
防水パンの上に置いている場合、パンの縁に脚が乗り上げていることもあります。目視では気づきにくいので、しゃがんで下から見てみると発見があるかもしれません。
排水の不良で槽のあいだに水が残っている
排水が原因のときは、音そのものより「時間」に異変が出ます。
脱水の工程がやたらと長い、途中で給水し直す、終わったのに洗濯物がびしょびしょ、といった具合です。
この状態を放っておくと、嫌なニオイの原因にもなります。ガタガタ音は、掃除のタイミングを教えてくれるお知らせでもあるわけですね。
小銭やヘアピンなどの異物混入
カラカラ、ガリガリという金属質の音が混ざるなら、異物の混入を疑ってください。
ポケットに入ったままの小銭、ヘアピン、靴下の留め具あたりが定番です。
こうした小さな異物が槽と回転部分のすきまに入り込むと、傷をつけたり、最悪は穴を開けたりすることもあります。単純な原因なのに、放置すると修理代につながる怖さがあるんです。
サスペンションやダンパーの劣化
ここまで全部シロだった場合、内部の部品の寿命が視野に入ってきます。
洗濯槽を支えて揺れを吸収している、サスペンションやダンパーと呼ばれる部品です。
車のサスペンションと同じで、へたってくると衝撃を吸収しきれず、揺れが本体にそのまま伝わります。外から見て確認できる部分ではないので、ここから先はメーカーや修理業者の出番になります。
ここまでの内容を、音の出かたと合わせて一覧にしておきますね。
| 考えられる原因 | 音や揺れの出かた | まず試すこと |
|---|---|---|
| 洗濯物の片寄り | 脱水の立ち上がりで急にガタンと鳴る | 一時停止して均等にほぐす |
| 設置のガタつき・傾き | 毎回同じように床を叩く低い音 | 四隅を押して調節脚で高さを合わせる |
| 排水の詰まり | 脱水が長い・途中で止まる・絞れていない | 糸くずフィルターと排水口の掃除 |
| 異物の混入 | カラカラ、ガリガリという金属音 | 槽内と羽根の周りを目視で確認 |
| 輸送用ボルトの外し忘れ | 設置直後から異常なほどの振動 | 本体背面のボルトを外す |
| サスペンションなどの劣化 | 空の状態で回してもゴトゴト響く | メーカーに点検を依頼する |
いちばん下の「空の状態で回す」は、自分でできる切り分けとしてかなり優秀です。
やり方は後半でお話ししますね。
縦型とドラム式で違う脱水のガタガタの直し方
基本の手順は共通ですが、構造が違えば弱点も変わります。
ここからは、お使いのタイプに合わせて読み進めてみてください。
縦型はパルセーターの周りの異物とネジの緩みを確認
縦型で覚えておきたいのが、槽の底にある「パルセーター」という回転する羽根です。水流を作るための円盤で、ここと槽のすきまに小物が入り込むことがあります。

電源プラグを抜き、槽の水を抜いた状態で、羽根の周囲を指でそっとなぞってみてください。ヘアピンや小銭が挟まっていれば、取り除くだけで音が消えることがあります。
もうひとつ、長く使っていると中央の固定ネジが緩んでくることもあります。手で軽く揺すってグラつくようなら、ドライバーで締め直すと改善する場合も。
ただし、ネジ山を潰してしまうと素人では戻せません。少し回して手応えがなければ、そこで手を止めてメーカーに相談するほうが安全です。
縦型は槽が深いぶん、大物が絡まって団子になりやすいのも特徴。シーツを洗う日だけ音がする、という人は入れ方の見直しで解決することが多いです。
ドラム式は輸送用ボルトの外し忘れが最大の落とし穴
ドラム式でまず確認したいのが、背面の輸送用ボルトです。
運搬中にドラムが動かないよう固定しておくための部品で、設置後に外すのが前提になっています。
これを付けたまま運転すると、ドラムがまったく動けない状態で高速回転することになり、床が抜けるかと思うほどの振動が出ます。新品を設置した直後や、引っ越し後の初運転で音が変わったなら、真っ先に背面を見てください。
本数は機種によりますが、2〜4本付いていることが多いです。取り外したあとの穴は、付属のキャップでふさぐ仕様になっています。
外したボルトは捨てないで
次に引っ越すとき、同じボルトで固定しないと移動中にドラムが暴れて故障の原因になります。取扱説明書と一緒に保管しておきましょう。
ボルトが問題なければ、次はドラム式ならではの「量」の話です。
ドラム式は洗濯物が少なすぎても片寄る
ドラム式は、洗濯物を持ち上げて落とすたたき洗いが基本です。
そのため、量が少なすぎるとドラムの中で偏った位置に固まってしまいます。
ジーンズ1本だけ、バスマット1枚だけ、といった洗い方はとくに苦手。こういうときは、乾いたバスタオルを1〜2枚足してあげるとバランスが取りやすくなります。
また、パナソニックは公式のよくある質問で、機種によって脱水の立ち上がりの振動検知レベルや脱水回転数を設定で変えられると案内しています。振動が気になる人は、取扱説明書で設定項目を探してみる価値がありますよ。
ただし回転数を落とせば、そのぶん脱水の甘さや運転時間の長さは受け入れることになります。静かさと仕上がりは、正直なところトレードオフです。
洗濯機の脱水の振動と音を根本から抑える工夫
直ったあとに考えたいのが、再発させない使い方です。
毎日のちょっとした習慣で、洗濯機への負担はずいぶん変わってきます。
片寄りにくい洗濯物の入れ方のコツ
入れ方を少し意識するだけで、脱水の音は本当に変わります。
難しいことはなくて、ポイントは「大きいものを塊にしない」ことに尽きます。
今日からできる入れ方の工夫
- 大物はたたんでから入れる
シーツやカバー類は軽くたたんで、広がりやすい状態にしておきます。 - 重いものと軽いものを交互に
ジーンズとTシャツを組み合わせると、重心が偏りにくくなります。 - 量は槽の7〜8割まで
詰め込みすぎは水の通りも洗浄力も落ちてしまいます。 - 少なすぎるときは足す
バスタオルを1〜2枚追加してバランスを取ります。
洗濯ネットを使うときは、中に少し余裕を持たせるのがコツ。
ぱんぱんに詰めると、それ自体が硬い塊になってしまいます。
防振グッズは水平を出してから使う
防振ゴムやかさ上げ台は、振動が床に伝わるのを和らげてくれる便利なアイテムです。
ただし、使う順番を間違えると逆効果になります。
大前提は、本体の水平が出ていること。傾いたままゴムを挟むと、支点が増えてかえって不安定になり、揺れが大きくなることがあります。
集合住宅で階下への音が気になる人や、洗濯機の下に排水口があって掃除に苦労している人は、かさ上げ台という選択肢もあります。床との間に隙間ができるぶん、排水ホースの取り回しにも余裕が生まれます。
因幡電工の「洗濯機用防振かさ上げ台 ふんばるマン OP-SG600」は、4個1組で洗濯機の脚を受けるタイプの定番品です。耐荷重は4個使用時で150kg、サイズは104mm角で高さ62mmと、一般的な防水パンに収まる寸法になっています。
中が柱状の構造になっていて、洗濯機の揺れに追従しながら床への伝達を抑える設計。ズレ落ち防止のリブが付いているので、脱水中に台だけが動いてしまう心配も少なめです。
向いているのは、排水口が洗濯機の真下にあって掃除ができない人や、防水パンとのすきまが狭くて手が入らない人。
逆に、ドラム式で本体の高さがぎりぎりの設置場所だと、かさ上げしたぶん上部が引っかかる可能性があるので、先に寸法を測ってからの判断がおすすめです。
とはいえ、かさ上げ台は「振動そのものを消す道具」ではありません。原因が片寄りや設置の傾きなら、そちらを直すのが先決です。
マットやゴム、かさ上げ台のどれを選ぶかで迷ったら、洗濯機の下に敷くアイテムを比べた記事に、床の傷対策も含めた選び方をまとめてあります。
脱水のガタガタが直らないときは故障か寿命かを見極める
ひととおり試しても収まらない。
そうなると、いよいよ本体側の不調を疑う段階です。
ここからは、修理を呼ぶ前に自分で確認できることと、費用の目安、そして買い替えとの分かれ目を順番に見ていきます。
エラー表示と空回しで不調の場所を切り分ける
操作パネルにエラーコードが出ているなら、それは洗濯機からのメッセージです。
脱水まわりでよく出るのが片寄りを知らせるコードで、パナソニックの機種なら「U13」がそれにあたります。
コードの意味はメーカーや機種でまったく違うので、表示が出たら取扱説明書か各メーカーの公式サイトで必ず確認してください。他社の記号を当てはめて判断すると、かえって遠回りになります。
エラーが出ていない場合に有効なのが、洗濯物を全部出した状態で脱水だけを回す「空回し」です。何も入っていなければ片寄りようがないので、これで音がするかどうかが大きな分かれ目になります。
空回しで音がしたら自力での対処は難しい
槽が空でもガタガタと響く、キーキーやゴリゴリという金属音が混ざる、焦げくさいニオイがする。このどれかに当てはまるなら、内部のモーターや軸受けの不調が濃厚です。無理に運転を続けず、電源プラグを抜いてメーカーか販売店に点検を依頼してください。
逆に、空回しでは静かなのに洗濯物を入れると鳴るなら、まだ入れ方や量の調整でどうにかなる範囲です。
修理にかかる費用の目安
修理を頼むとなると、やっぱり気になるのは金額ですよね。
故障箇所とタイプによって幅がありますが、おおまかな相場は次のとおりです。
| 症状 | 縦型洗濯機 | ドラム式洗濯機 |
|---|---|---|
| 電源が入らない | 10,000円~50,000円 | 20,000円~70,000円 |
| 排水・脱水できない | 10,000円~30,000円 | 10,000円~50,000円 |
| 回転しない・異音がする | 10,000円~60,000円 | 6,000円~80,000円 |
| 水漏れが起きる | 5,000円~30,000円 | 10,000円~35,000円 |
出張費や技術料、部品代を含んだ一般的な目安で、実際の金額は症状や地域によって変わります。
金額が大きく振れるのは、交換する部品の値段差が理由です。単純な調整で済めば1万円前後、モーターや制御基板といった心臓部の交換になると5万円を超えることも珍しくありません。
槽の回転を支える軸受け(ベアリング)の損傷も、費用がかさむ代表格。交換には本体をほとんど分解する作業が必要で、そのぶん工賃が乗ってきます。
ドラム式が全体的に高めなのは、構造が複雑で分解の手間がかかるためです。依頼するときは、必ず事前に見積もりを取ってから判断しましょう。
保証が使えないか先に確かめる
見積もりの金額に驚く前に、手元の保証書を探してみてください。保証期間内なら、費用がぐっと下がる、あるいはゼロになる可能性があります。
保証は大きく2種類。購入日から1年程度の「メーカー保証」と、家電量販店などが独自に付ける3年・5年・10年といった「長期保証」です。
この長期保証、加入したこと自体を忘れている方が本当に多いんです。レシートや保証書が見当たらなくても、会員カードの購入履歴からたどれる場合があるので、諦める前にお店へ問い合わせてみてください。
保証の対象外になりやすいケース
落下や水濡れなど使用者の過失による故障、消耗品の交換、地震や落雷といった天災による故障は、対象外とされていることが多いです。どこまで含まれるかは保証書の規定次第なので、一度目を通しておくと安心できます。
保証が切れていた場合は、残りの寿命と相談することになります。
寿命のサインと買い替えを考えるタイミング
洗濯機の寿命を考えるうえで、ものさしになる数字が3つあります。
一つ目が「設計上の標準使用期間」で、洗濯機では7年と表示されている機種が多いところ。安全に使えるように設計された期間の目安で、本体側面の安全ラベルに記載されています。
二つ目が「補修用性能部品の保有期間」。
メーカーが修理用の部品を持っている期間で、洗濯機は製造打ち切り後6〜7年が一般的です。これを過ぎると、直したくても部品がないと言われてしまいます。
三つ目が、実際に使われている年数です。
内閣府の消費動向調査では、電気洗濯機の平均使用年数は10年前後で推移しています。
この数字から見ると、8年を超えたあたりが一つの節目。
ガタガタ音以外にも、頻繁に途中で止まる、操作パネルの反応が鈍い、本体の底から水がにじむといった症状が重なってきたら、全体の劣化が進んでいるサインです。
壊れる前のサインをもう少し細かく知りたい人は、洗濯機の買い替え時期と前兆をまとめた記事も参考になると思います。
修理と買い替えの判断基準
私がお客様にお伝えしている判断のものさしは、「使用年数」と「見積もり金額」の掛け算です。
感情を挟まずに済むので、迷ったときに便利な考え方だと思います。
| 判断のものさし | 修理を選びたいとき | 買い替えを考えたいとき |
|---|---|---|
| 使用年数 | 購入から5年未満 | 購入から8年以上 |
| 見積もり金額 | 1〜2万円台で収まる | 3万円を超える |
| 保証の有無 | メーカー保証や長期保証が有効 | 保証が切れている |
| 部品の在庫 | 交換部品がすぐ手に入る | 部品の保有期間が終了している |
| 症状の数 | 不具合がひとつだけ | 異音・水漏れなどが重なっている |
8年以上使った機械に3万円をかけても、半年後に別の場所が壊れて追加で2万円、ということが起こりがちです。そうなると、結果的に高くついてしまいます。
もちろん、気に入って使っている1台を直して使い続けたい気持ちもよく分かります。
最終的には、お財布事情と愛着を合わせて決めるのがいちばんです。
葵のワンポイントアドバイス
最近のモデルは節水も省エネもかなり進んでいます。10年前の機種と比べると、毎日の水道代や電気代でじわじわ差が出るので、そこも判断材料に入れてみてくださいね。
洗濯機の脱水のガタガタに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 集合住宅で夜に洗濯をしたいのですが、脱水の音はどれくらい響きますか?
A. 脱水の音そのものより、床や壁を伝わる振動のほうが階下や隣室に届きやすいといわれています。特に鉄筋コンクリートの建物では、空気を伝わる音より固体を伝わる振動のほうが遠くまで響きます。
夜間に使う場合は、本体の水平をきちんと出したうえで、防振グッズで床への伝わり方をやわらげるのが現実的な対策です。管理規約で使用時間が決められていることもあるので、あわせて確認しておくと安心です。
Q2. 防水パンの上に置いていますが、それでも防振ゴムは必要ですか?
A. 防水パンには脚を収めるくぼみがあるものが多く、正しい位置に脚が入っていれば、それだけで安定することがほとんどです。まずは脚がくぼみにきちんと収まっているかを確認してください。
そのうえで振動が気になる場合に、防振ゴムやかさ上げ台を検討する流れになります。パンの形状によっては合わないものもあるので、購入前に内寸と高さを測っておくと失敗が減ります。
Q3. 脱水の途中で何度も止まって水が出てくるのですが、故障でしょうか?
A. 機種によっては、洗濯物の片寄りを検知すると自動で給水し、衣類の位置をずらして脱水をやり直す動きをします。これは故障ではなく、バランスを取り直すための正常な動作です。
ただし、何度繰り返しても脱水に進まない場合は、片寄りが強すぎるか排水がうまくいっていない可能性があります。一度運転を止めて、洗濯物をほぐし、排水まわりも確認してみてください。
Q4. 引っ越しの直後から音が大きくなりました。設置を業者に見てもらえますか?
A. 引っ越し業者に設置まで依頼していた場合は、まず依頼先に相談するのが早道です。水平調整やホースの接続のやり直しで解決することが多く、直後であれば対応してもらえるケースがあります。
自分で運んだ場合や、時間が経ってしまった場合は、購入した販売店やメーカーの相談窓口で設置の点検を依頼できます。ドラム式は本体が重く、無理に動かすと床や本体を傷めることがあるので、迷ったら任せてしまうのが安全です。
洗濯機の脱水のガタガタは慌てず順番にたどれば直せる
最後に、ここまでの内容を表で振り返っておきますね。
今の自分がどこにいるのかを確かめるのに使ってみてください。
| 場面 | 覚えておきたいこと |
|---|---|
| 音が出たらまず | 一時停止して洗濯物を均等にほぐす。多くはこれで収まる |
| 次に見る場所 | 天面の四隅を押してガタつきを確認し、調節脚で水平を出す |
| 見落としやすい原因 | 排水口と糸くずフィルターの詰まり。脱水が長引くのが目印 |
| 縦型の弱点 | パルセーター周りの異物と、中央ネジの緩み |
| ドラム式の弱点 | 輸送用ボルトの外し忘れと、洗濯物が少なすぎる状態 |
| 故障の切り分け | 空の状態で回しても鳴るなら内部の不調。運転を止めて点検へ |
| 買い替えの目安 | 使用年数8年以上かつ修理費3万円超が一つの分かれ目 |
脱水のガタガタは、洗濯機が「バランスが崩れているよ」と教えてくれている合図のようなものです。壊れたと決めつける前に、できることはまだたくさんあります。
まずは今日、次の洗濯で音が鳴ったら一時停止して、中の洗濯物を手でほぐすところから始めてみてください。それだけで静かになったなら、原因は片寄りだったということ。
ほぐしても直らなければ水平、それでも直らなければ排水。
この順番でたどっていけば、遠回りせずに答えにたどり着けます。
毎朝の洗濯が、またいつもの静かな時間に戻りますように。







