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差し込むだけは絶対NG!洗濯機の排水ホースの正しい付け方

洗濯機の豆知識

洗濯機の排水ホースを差し込むだけで設置していませんか?
お引っ越しや買い替えのとき、排水ホースは排水口に差し込むだけで大丈夫と思っている方、実はとても多いんです。

でも、その何気ない作業が後々大きなトラブルを招く原因になることがあるんです。
水漏れによる階下への被害、下水からの悪臭や害虫の侵入、排水エラーによる故障。これらはすべて、不適切な接続から引き起こされる可能性があります。

排水エルボという部品をご存知でしょうか?
この小さな部品一つで、封水切れを防ぎ、防臭機能を保ち、ホースの折れやねじれによる詰まりも予防できます。

エルボなしで直挿ししてしまうと、排水トラップの役割が失われ、快適な生活が一気に損なわれてしまいます。特に賃貸住宅や排水口が穴だけのケースでは注意が必要です。

この記事では、なぜ差し込むだけの設置が危険なのか、正しい接続方法やエルボがない場合の対処法まで、家電量販店での経験をもとに詳しくお伝えします。

この記事のポイント
  • 洗濯機排水ホースの直挿しによる水漏れや悪臭のリスク
  • 排水エルボの必要性と封水の役割
  • エルボがない場合や穴だけの排水口への対処法
  • 正しい接続手順と便利なかさ上げ台の活用
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洗濯機の排水ホースを差し込むだけの設置リスク

クリーン家電ガイド:イメージ

引っ越しや買い替えで洗濯機を設置する際、「ホースをただ差し込むだけ」で済ませてしまうのは非常に危険です。

その油断が、後々の水漏れや悪臭、故障といった大きなトラブルを招く原因になります。まずは、なぜ直挿しがいけないのか、そのリスクについて詳しく解説しますね。

直挿しが招く3大トラブル

「洗濯機排水ホース 直挿し」で設置を済ませてしまった場合に起こりうるトラブルは、大きく分けて3つあります。これらは、設置直後には気づきにくく、しばらく時間が経ってから発生することも多いため、非常に厄介なんです。

1つ目は、皆さんが最も恐れているであろう「水漏れ」です。
ただ差し込んだだけのホースは固定が甘くなりがちで、洗濯機の振動や排水の勢いで徐々にズレて外れてしまうことがあります。マンションなどで階下への漏水事故になってしまったら…と想像すると怖いですよね。

2つ目は「下水の悪臭」と「害虫の侵入」です。
これは本当に精神的なダメージが大きいです。排水口の仕組みを無視してホースを突っ込んでしまうと、下水の臭いを防ぐ機能が失われてしまい、お部屋の中にドブのような臭いが充満してしまうんです。

3つ目は「詰まりや排水エラー」です。
無理な体勢でホースを押し込むことで、ホースが折れ曲がったり、内部に汚れが溜まりやすくなったりします。これが原因で洗濯機が止まってしまうことも珍しくありません。

ここがポイント

安易な直挿しは、「水漏れ」「悪臭・害虫」「故障」の3重苦を招く原因になります。これらは正しい設置で防げるトラブルですので、甘く見ないことが大切です。

差し込むだけだと水漏れする?

私が以前対応したお客様でも、「朝起きたら脱衣所が水浸しになっていた」と青ざめて来店された方がいらっしゃいました。

原因を伺うと、やはり排水ホースが外れていたそうです。

洗濯機の排水時には意外と強い水圧がかかります。
さらに、脱水時には激しい振動も加わります。

ホースバンドなどで適切に固定せず、ただ排水口に差し込んでいるだけの状態だと、これらの負荷に耐え切れず、少しずつホースが浮いてきてしまうんですね。

また、統計的にも洗濯機周りの水漏れ事故の約40%は排水側で起きていると言われています。
給水側の蛇口トラブルと同じくらい、排水ホースの抜けや破損による水漏れは頻繁に起きているんです。

特に防水パンがないご家庭や、床に直置きされている場合は、漏れた水が床材に染み込み、腐食の原因にもなります。賃貸物件だと退去時の修繕費用が高額になるケースもあるので、本当に注意が必要なんです。

差し込むだけでは臭いの原因に

「洗濯機を回していないのに、洗面所がなんとなく下水臭い…」そんな経験はありませんか?
それは、排水ホースの差し込み方が間違っているサインかもしれません。

本来、排水口には下水の臭いが上がってこないような仕組みがあるのですが、良かれと思ってホースを奥までグイグイと差し込んでしまうと、その仕組みを壊してしまうことがあるんです。

これを防ぐためには、ホースの先端が適切な位置で止まっている必要があります。

ホースを深く差し込みすぎると、「毛細管現象」といって、排水口に溜まっている水をホースがストローのように吸い上げてしまうことがあります。これが臭いの逆流を招く大きな原因の一つです。

また、隙間だらけの状態で差し込んであるだけだと、その隙間からダイレクトに臭いや、最悪の場合はゴキブリなどの害虫が這い上がってくることも…。

虫が苦手な私としては、考えただけでもゾッとしてしまいます。
防臭対策のためにも、正しい接続は必須なんです。

排水トラップの役割を知る

ここで少し専門的なお話をさせてください。
でも、とっても重要なお話です。

皆さんは「排水トラップ」や「封水(ふうすい)」という言葉をご存知でしょうか?
キッチンのシンク下などがS字に曲がっているのを見たことがあると思いますが、洗濯機の排水口も同じ原理で、内部に水を溜める構造になっています。

この溜まった水のことを「封水」と呼び、これが「水のフタ」となって、下水管からの悪臭や虫をブロックしてくれています。

しかし先ほどもお伝えしたように、排水ホースを直接ズボッと奥まで入れてしまうと、この封水を吸い出してしまったり、トラップの部品(防臭ワンなど)を押しずらしてしまったりします。

つまり、「差し込むだけ」という行為は、自らこの「水のフタ」をこじ開けているのと同じことになってしまうんですね。

「封水切れ」を起こさないためにも、排水ホースは封水に触れない位置で固定しなければなりません。そのために必要なのが、後ほどご紹介する「排水エルボ」という部品なんです。

折れやねじれが引き起こす排水エラー

最後のリスクは、機械的なトラブルです。

洗濯機を設置する際、スペースが狭くてホースを無理やり押し込んだりしていませんか?
排水口に対して真っ直ぐホースが下りていれば良いのですが、直挿ししようとすると、どうしてもホースが急角度で曲がったり、ねじれたりしやすくなります。

ホースが折れ曲がっていると水がスムーズに流れません。
すると洗濯機本体が「排水できない!」と判断してエラーで止まってしまったり、「ブーン」という異音がして排水モーターに負担がかかったりします。

これが故障の原因になることも多いんです。

また、折れ曲がった部分には糸くずや洗剤カスなどの汚れが溜まりやすく、ヘドロ化して完全な詰まりを引き起こすことも。

「最近、洗濯機の脱水が弱い気がする…」と感じたら、まずはホースが踏まれていたり、変に折れ曲がったりしていないか確認してみてくださいね。

洗濯機排水ホースを差し込むだけにしない接続術

クリーン家電ガイド:イメージ

排水トラブルは、正しい手順と適切な部品を使うことで誰でも簡単に防ぐことができます。

ここからは、私たち家電のプロも推奨する「正しい接続方法」と、安全な設置に欠かせない必須アイテムについて具体的にご紹介していきます。

正しい差し込み方

「洗濯機排水ホース 差し込み方」の正解は、ズバリ「排水エルボを使って、カチッと接続し、バンドで固定する」ことです。決してホース単体を排水口の穴に突っ込むことではありません。

まずは、洗濯機本体から出ているホースの先端を確認しましょう。
多くのホースには、硬いプラスチックのガイドや、接続用の口が付いているはずです。

手順としては以下のようになります。

ステップ 作業内容
1 洗濯機の電源を切り、蛇口を閉める
2 排水ホースと「排水エルボ」を接続する
3 接続部分を「ホースバンド」でしっかり固定する
4 排水エルボを排水口に「カチッ」となるまで差し込む
5 試運転をして水漏れがないか確認する

この手順の中で最も重要なのが、ステップ3の「ホースバンドでの固定」です。
これを忘れると、水圧でスポーンと抜けてしまいます。

金具タイプならドライバーで、クリップタイプならペンチなどで、指で引っ張っても抜けないくらい確実に固定してくださいね。

排水ホースへのエルボ付け方

「洗濯機排水ホース エルボ 付け方」について、もう少し詳しくご説明しますね。

排水エルボというのは、L字型をしたプラスチックやゴム製の部品のことです。多くの場合、お部屋の排水口に最初から付いているか、洗濯機の付属品として付いてくることもあります。

このエルボには2つの重要な役割があります。
一つは、ホースを直角に曲げてスムーズな水の流れを作ること。 もう一つは、ホースの先端が封水(水たまり)に浸からないように位置をキープすることです。

付け方はとてもシンプルです。
洗濯機の排水ホースの先端(蛇腹の硬くなっている部分)を、エルボの受口にグッと差し込みます。そして、その上から金属製やプラスチック製の「ホースバンド」を通して、ドライバーや指でしっかりと締め付けます。

純正品がおすすめ

ホースやエルボの口径(サイズ)はメーカーによって微妙に異なることがあります。もし部品を買い替える場合は、お使いの洗濯機と同じメーカー(パナソニック、東芝、日立など)の純正品を選ぶのが一番安心です。

排水トラップがなく穴だけの場合

古いアパートや団地などに住まわれているお客様から、「うちの排水口、プラスチックの部品なんてなくて、床にただ穴が開いているだけなんですけど…」というご相談を受けることがあります。

いわゆる「洗濯機排水口が穴だけ」のタイプですね。

この場合、防水パンも排水トラップも設置されていないことが多く、排水管がそのまま床まで来ている状態です。正直に申し上げますと、このタイプは一番注意が必要なパターンです。

トラップ(封水)がないため、下水の臭いがダイレクトに上がってきますし、ホースを固定するツメもないので、ただ差し込むだけではすぐに抜けてしまいます。 また、ホースと穴の隙間からゴキブリなどが侵入し放題になってしまいます。

このようなケースでは、差し込むだけでは不十分です。必ず「防臭ゴム」や「排水アダプター」といった専用の部材を使って、ホースと排水管の隙間を物理的に埋める(密閉する)必要があります。

賃貸で排水エルボがない時の解決策

お引っ越し先で、「あれ?排水エルボがない!」と焦った経験はありませんか?
前の入居者さんが間違って持って行ってしまったり、紛失していたりするケースが結構あるんですよね。

もしエルボが見当たらない場合は、まずは管理会社や大家さんに連絡してみましょう。本来は物件の設備の一部なので、用意してくれる場合がほとんどです。

もし「ご自身で用意してください」と言われた場合でも、心配しないでください。ホームセンターやネット通販で、数百円から千円程度で購入できます。

SANEI(三栄)やカクダイといった水栓メーカーから汎用的なエルボが販売されていますので、排水口の直径を測って合うものを購入すれば大丈夫です。

数百円をケチって直挿しをして水漏れ事故を起こすリスクを考えれば、エルボの購入費なんて安いものですよね。ここは必ず入手して取り付けましょう。

洗濯機排水ホースは差し込むだけで済ませず対策を

ここまでお話ししてきたように、洗濯機の排水ホースを差し込むだけという設置方法は、百害あって一利なしです。

最後に、まとめとして皆さんに特におすすめしたい対策があります。
それは、正しい接続に加えて「かさ上げ台」を導入することです。

「かさ上げ台」を使って洗濯機を床から高くすることで、ホースを通すスペースに余裕が生まれ、ホースの折れや潰れを物理的に防ぐことができます。

さらに最大のメリットは、洗濯機の下に手が入るようになるので、掃除が劇的に楽になることです!

排水口の周りはホコリや湿気が溜まりやすく、カビの温床になりがち。
かさ上げをして定期的にお掃除ができれば、悪臭や詰まりのリスクをさらに下げることができます。

正しい接続(エルボの使用)と、環境の改善(かさ上げ)。 この2つを意識して、ぜひ安心で清潔な洗濯機周りを整えてみてくださいね。

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