シャープのエアコンを使っていて、いきなり運転ランプやタイマーランプが点滅し始めて驚いたことはありませんか?
エアコンの点滅は故障の前兆なのか、それとも単なるお知らせなのか、判断に迷ってしまう方も多いでしょう。
実は、シャープエアコンの点滅には明確な意味があり、ランプの色や点滅パターンによって対処法が大きく異なります。赤色の運転ランプが点滅している場合は緊急性が高く、専門業者への連絡が必要ですが、緑色のおそうじランプであれば自分でメンテナンスを行うだけで解決できることがほとんどです。
適切な対処法を知らずに放置してしまうと、エアコンの寿命を縮めたり、修理費用が高額になったりする可能性があります。逆に、正しい知識があれば多くのトラブルを未然に防ぎ、長期間快適にエアコンを使用することができるのです。
この記事では、シャープエアコンの点滅サインの意味から具体的な対処法まで、実際に家電量販店で働く筆者の経験を交えながら詳しく解説していきます。
シャープエアコンの点滅サイン

エアコンの点滅は突然始まることが多く、初めて経験する方は戸惑ってしまいがちです。
しかし点滅には必ず理由があり、エアコンが私たちに何かを伝えようとしているサインなのです。まずは点滅が起こる基本的な仕組みを理解して、冷静に対処できるようになりましょう。
なぜ運転ランプが点滅する?
正常時は点灯・消灯状態を保ちますが、問題発生時は点滅で知らせます
異常を検知
状況を判断
お知らせ
保護動作
原因分類 | 具体的な症状 | 代表例 | 緊急度 |
---|---|---|---|
メンテナンス通知
|
フィルターやダストボックスの汚れ 定期清掃の時期をお知らせ 故障ではなく正常な機能 |
• おそうじランプ点滅 • 運転時間4,500時間到達 • プラズマクラスター交換時期 |
低 |
環境・設置問題
|
室外機周辺の障害物 設置環境の不備 空気の循環阻害 |
• 室外機吸込口の詰まり • ナイロン袋や箱の放置 • フィルター目詰まり |
中 |
内部部品故障
|
システム異常・部品故障 冷媒系統の問題 電子部品の不具合 |
• コンプレッサー異常 • 冷媒漏れ・不足 • センサー故障 |
高 |
シャープのエアコンで運転ランプが点滅する理由は、エアコン本体が何らかの異常や状況を検知したからです。正常に動作している時は、運転ランプやタイマーランプは点灯または消灯の状態を保ちますが、異常が発生すると点滅を繰り返してお知らせします。
点滅の原因は大きく3つに分類できます。まず、フィルターやダストボックスの汚れによるお手入れのお知らせです。これは故障ではなく、定期的なメンテナンスが必要という合図なんです。次に、室外機周辺の障害物や設置環境の問題です。室外機の吸込み口や吹出し口がふさがれていると、正常な運転ができません。
そして最も注意が必要なのが、エアコン内部の部品故障やシステム異常です。この場合は自分で対処するのが難しく、専門業者による修理が必要になります。
ランプ色とエラーコード一覧
シャープエアコンのランプ点滅は、色によって異なる意味を持ちます。ここでは、各ランプの色とエラーコードを詳しく解説しますね。
赤色の運転ランプが単独で点滅している場合は、エアコン内部の技術的な不具合や重要部品の故障が考えられます。この状態では冷房や暖房が正常に動作せず、安全機能が働いてエアコンが保護モードに入っています。コンプレッサーやファンモーターなどの主要部品に問題がある可能性が高く、すぐにメーカーサポートへの連絡が必要です。
橙色のタイマーランプ点滅には複数のパターンがあります。単独点滅の場合は電源系統の一時的な異常やマイコンの誤作動が原因で、電源リセットで改善することが多いんです。他のランプと組み合わせて点滅する場合は、より具体的な問題を示しています。
緑色のおそうじランプは、最も対処しやすい点滅サインです。エアコンが自動で運転時間を積算しており、設定された時間に達するとお手入れ時期をお知らせします。この点滅は故障ではなく、適切なメンテナンスを促す親切な機能なんですね。
青色や水色のプラズマクラスターランプ点滅は、シャープエアコン特有の表示です。積算運転時間が約4,500時間に達すると点滅し始め、プラズマクラスターイオン発生ユニットの交換時期を知らせます。
エラーコードは数字が小さいほど軽微な問題で、アルファベットが入ったコードは重大な故障を示すことが多いんです。
運転ランプ(赤)+ タイマーランプ(橙)+ おそうじランプ(緑)の同時点滅は、ダストボックスやエアーフィルターの汚れが原因です。この組み合わせは比較的対処しやすく、清掃とリセット操作で解消できます。
タイマーランプ(橙)+ プラズマクラスターランプ(青)の同時点滅は、室外機周辺の環境問題を示しています。室外機の吸込み口や吹出し口に障害物がないか確認し、室内機のフィルター清掃も合わせて行ってください。
運転ランプ(赤)+ プラズマクラスターランプ(青)の同時点滅は、最も注意が必要なパターンです。製品に深刻な不具合が発生しており、自分では対処できません。この場合は使用を中止し、すぐにメーカーサポートに連絡することをおすすめします。
エラーコードの確認方法も覚えておくと便利です。リモコンの「確認」ボタンから「温度・湿度」を選択し、本体送受信部に向けて「決定」ボタンを押すと、詳細なエラー番号が表示されます。この番号を控えておくと、メーカーサポートとの連絡時にスムーズに対応してもらえますよ。
ランプ点滅のリセット方法
ランプ点滅を解消するリセット方法をご紹介します。まず基本的な電源リセットから試してみましょう。
電源プラグが高い位置にあって抜きにくい場合は、分電盤のエアコン専用ブレーカーを落とす方法でも大丈夫です。この方法で一時的な誤作動やマイコンの不具合が解消される場合があります。
ダストボックスのお手入れ後は、専用のリセット操作が必要です。リモコンの「フィルター掃除」ボタンを3秒間押し続けると、「ピッ」と音がしてフィルター掃除手動運転が開始されます。5秒後に「ピッピッ」と音がして積算運転時間がリセットされ、クリーンランプが点滅から点灯に変わります。
ただし、リセット操作を行っても再び同じランプが点滅する場合は、根本的な問題が解決されていない可能性があります。このような場合は、専門業者への相談をおすすめします。
タイマーランプの点滅原因と消し方
タイマーランプ(橙色)の点滅には、いくつかの原因が考えられます。最も多いのは電源系統の一時的な異常です。
単独でタイマーランプが点滅している場合は、マイコンの誤作動が原因かもしれません。この場合は、先ほどお伝えした基本的な電源リセットを試してみてください。電源プラグを抜いて約1分待ち、再度接続することで改善することが多いんです。
タイマーランプとプラズマクラスターランプが同時に点滅する場合は、室外機周辺の環境確認が必要です。室外機の前後(吸込み側と吹出し側)がナイロン袋や箱などでふさがれていないか確認してください。また、室内機のフィルター清掃も効果的です。
タイマーランプと他のランプが複数点滅している場合は、より深刻な問題の可能性があります。運転ランプとタイマーランプが同時に点滅する場合は、電源系統の異常が考えられ、専門的な診断が必要になります。
季節の変わり目や長期間使用していなかった後にタイマーランプが点滅することもあります。これは内部の湿度変化や温度センサーの調整が原因の場合が多く、しばらく運転を続けることで安定することもあるんですね。
おそうじランプの点滅原因と消し方
おそうじランプ(緑色)の点滅は、主にフィルターやダストボックスの清掃が必要なときに表示されます。この点滅は故障ではなく、エアコンからの「お手入れしてください」というメッセージです。
おそうじランプが単独で点滅している場合は、ダストボックスやエアーフィルターにホコリが溜まっています。エアコンは自動で運転時間を積算しており、お手入れ時期の目安をお知らせしているんです。
清掃手順は以下の通りです。まず、エアコンの電源を切り、前面パネルを開けてダストボックスを取り出します。ダストボックス内のホコリを捨て、本体も軽く水洗いしてください。完全に乾燥させてから元の位置に戻します。
エアーフィルターも同様に取り外し、掃除機でホコリを吸い取ります。汚れがひどい場合は、台所用中性洗剤を薄めた容器でつけ置き洗いし、十分にすすいでから完全に乾燥させてください。
お手入れ後は必ずリセット操作を行います。リモコンの「フィルター掃除」ボタンを3秒間押し続けると、積算運転時間がリセットされます。クリーンランプが点滅から点灯に変われば、リセット完了です。
運転ランプ、タイマーランプ、おそうじランプが同時に点滅する場合も、基本的には同じ清掃作業で解消できます。
シャープのエアコンが点滅した時の対処法

点滅の意味が分かったところで、次は実際の対処法について詳しく見ていきましょう。
状況に応じた適切な対応を取ることで、多くの問題は解決できます。自分でできることから専門業者への依頼が必要なケースまで、段階的に解説していきます。
全部のランプが点滅したら
私がお客様から稀に聞くのは「いきなり全部のランプが点滅して驚いた」という声です。でも多くの場合、適切な手順で対処すれば解決できるので、まずは落ち着いて状況を確認することが大切です。
運転ランプ、タイマーランプ、おそうじランプが同時に点滅している場合は、ダストボックスやエアーフィルターの汚れが原因です。この組み合わせでの点滅は比較的対処しやすく、清掃とリセット操作で解消できることが多いんです。
一方、赤色の運転ランプと青色のプラズマクラスターランプが同時に点滅している場合は、製品に不具合が発生している可能性があります。この場合は自分で対処する方法がなく、すぐにメーカーサポートへの連絡が必要です。
全てのランプが点滅している場合は、重大なシステムエラーが発生している可能性があります。まずは基本的な電源リセットを試してみて、それでも改善しない場合は専門業者による診断が必要になります。
エアコンが途中で止まる時の点滅サイン
エアコンが運転中に突然停止し、ランプが点滅し始める現象には複数の原因があります。
最も多いのは、エアコンの保護機能が働いている場合です。室外機の周辺温度が異常に高くなったり、フィルターの汚れによって内部温度が上昇したりすると、エアコンは自動的に運転を停止します。この場合、タイマーランプやおそうじランプが点滅することが多いです。
冷媒関連の問題で途中停止する場合もあります。エラーコードF0が表示されるケースでは、冷媒漏れや冷媒不足、四方弁の異常などが考えられます。これらは専門的な修理が必要な重大な故障です。
室内機と室外機の通信に問題がある場合も、途中で停止することがあります。エラーコードP0やP1が表示される場合は、配線の接続不良や通信系統の故障が疑われます。
センサー系統の異常も途中停止の原因になります。温度センサーや圧力センサーが正常に動作しないと、エアコンは安全のために運転を停止し、対応するランプを点滅させて異常を知らせます。
プラズマクラスターとランプの関係

プラズマクラスターランプ(青色または水色)の点滅には、特有の意味があります。シャープエアコンの特徴的な機能であるプラズマクラスターに関連した表示なんです。
最も一般的なのは、プラズマクラスターイオン発生ユニットの交換時期を知らせる点滅です。積算運転時間が約4,500時間に達すると、ランプが点滅してお手入れ時期をお知らせします。この場合は、ダストボックスの清掃とリセット操作で一時的に解消できますが、根本的にはユニットの交換が必要です。
WiFi機能付きモデルでは、無線LAN接続の問題でプラズマクラスターランプが点滅することがあります。ルーターとの接続が不安定だったり、設定に問題があったりする場合です。
タイマーランプとプラズマクラスターランプが同時に点滅する場合は、室外機周辺の環境確認とフィルター清掃が必要です。室外機の吸込み口や吹出し口に障害物がないか確認してください。
プラズマクラスター機能は、エアコンの冷暖房機能とは独立して動作できます。そのため、エアコン運転を停止していても、プラズマクラスター送風運転中は正常にランプが点灯します。この場合の点灯は異常ではありませんので、安心してくださいね。
フィルター掃除の頻度

適切なフィルター掃除の頻度を守ることで、ランプ点滅を予防できます。シャープエアコンでは、機種によって推奨される掃除頻度が異なります。
フィルター自動掃除運転を搭載している機種の場合、6カ月に1回はエアーフィルターを取り外して汚れ具合を確認し、必要に応じてお手入れを行ってください。自動掃除機能があっても、油分やタバコのヤニなどは完全に除去できないため、定期的な手動清掃が必要なんです。
フィルター自動掃除運転を搭載していない機種では、2週間に1度のお手入れが推奨されています。毎日エアコンを使用する夏場や冬場は、特にこまめな清掃が効果的です。
清掃方法は、まずフィルター表面から掃除機でホコリを吸い取ります。裏面から吸い取ると、逆にホコリが目に詰まってしまうので注意が必要です。汚れがひどい場合は水洗いを行い、中性洗剤を薄めた水でやさしく洗ってください。
お手入れ後は完全に乾燥させてから取り付けることが大切です。湿ったまま取り付けると、カビの原因になったり、エアコンの故障につながったりする可能性があります。また、お手入れ後は必ずリセット操作を行い、積算運転時間をクリアしてください。
故障診断と修理依頼について

ランプ点滅の症状から、自分で対処できるものと専門業者への依頼が必要なものを見分けることが大切です。
自分で対処できるケースは、主にメンテナンス関連の点滅です。おそうじランプの単独点滅、タイマーランプとプラズマクラスターランプの同時点滅などは、清掃やリセット操作で解消できることが多いです。
一方、修理依頼が必要なケースは、赤色の運転ランプが関わる点滅です。特に運転ランプとプラズマクラスターランプの同時点滅は、製品不具合を示しており、メーカー修理が必要になります。
エラーコードF0(室内外熱交サーミスタ異常)、P0(室内外通信異常)、H1(室外ファンモーター異常)などが表示される場合も、専門的な診断と修理が必要です。これらは冷媒系統や電子部品の故障が原因で、一般的には高額な修理費用がかかります。
修理を依頼する前に、エアコンの購入日と保証期間を確認してください。基本保証は1年間ですが、冷媒回路などの重要部品は5年間の保証がある場合があります。また、有償延長保証に加入している場合は、保証内容を確認することをおすすめします。
修理費用が高額になる場合は、エアコンの使用年数と修理費用を比較して、買い替えを検討することも必要です。一般的に、10年以上使用したエアコンは修理よりも買い替えの方が経済的な場合が多いですね。
総括:シャープエアコンの点滅サイン
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。