実家から届いた玄米の袋をよいしょと台所に運んで、買ったばかりの精米機のふたを開けてみる。
自宅で精米機を使って玄米から白米にするのは初めてで、ボタンとダイヤルを前に「さて、何合入れればいいの?」と手が止まってしまう…。
家で精米したてのごはんが食べられると思うとワクワクする反面、最初の1回は誰でもちょっとドキドキするものですよね。
説明書を広げてみたものの、細かい注意書きがずらりと並んでいて…。
読み終わる前にお腹が空いてきた、なんて方もいるかもしれません(笑)
でも、肩の力を抜いて大丈夫。精米機の操作方法は、精米方式や機種が違っても、大きな流れはほとんど同じです。
この記事では、玄米を量るところからコースの選び方、精米後のぬかの取り除き方まで、家庭用精米機の基本の手順を順番にお話しします。
白くならない、お米が割れるといったつまずきやすいポイントや、精米したてをおいしく保つ保存のコツもあわせて見ていきましょう。
精米機で玄米を白米にする流れをつかもう
まずは全体の流れから。
最初に地図を持っておくと、説明書のどこを読めばいいのかがグッとわかりやすくなります。
玄米から白米までは5つの手順で進む
家庭用精米機で玄米から白米にする方法は、説明書の対応量に合わせて玄米を量り、精米度を選んで運転し、終わったらすぐにぬかを取り除くのが基本の流れです。
もう少し細かく分けると、次の5つの手順になります。
| 手順 | やること | ひと言メモ |
|---|---|---|
| 手順1 | 玄米を量る | 機種ごとの最小量と最大量のあいだに収める |
| 手順2 | 異物を取り除く | 小石やもみが混ざっていないかをザッと見る |
| 手順3 | 本体にセットする | 精米かごや本体上部に入れて、ふたを閉める |
| 手順4 | 精米度を選んで運転する | 白米、分づき、胚芽などから仕上がりを選ぶ |
| 手順5 | 白米とぬかを分ける | 終わったらすぐ取り出し、ぬかを片付ける |
こうして並べると、意外とシンプルだと思いませんか?
ボタンを押す前の「量る」「取り除く」と、押したあとの「分ける」。
この前後のひと手間が、仕上がりの差になって表れます。
ちなみに、うちで使っている象印の精米機は、開閉カバーの裏側に精米の手順が番号つきで印刷されています。説明書をしまい込んでしまっても、ふたを開ければ流れを確認できるのはありがたいところです。

機種ごとの細かい決まりは、説明書の中でも次の5か所に集まっています。
最初に読むのは、ここだけでも十分です。
説明書で先に見ておきたい5か所
- 一度に精米できる量の上限と下限
- 精米度やコースの目安表
- 精米できないもの
- 続けて運転できる時間と休ませる時間
- 水洗いできる部品とできない部品
精米方式によって操作が少し変わる
家庭用精米機には、大きく分けてかくはん式と圧力式があります。仕組みが違うので、玄米を入れる場所や、ぬかがたまる場所も少しずつ違ってきます。
かくはん式は、精米かごの中で羽根が回り、お米どうしをこすり合わせてぬかを落とす方式です。コンパクトで価格も手ごろなものが多く、家庭用ではよく見かけるタイプですね。
羽根の動きでお米を対流させる対流式も、玄米をかごに入れて使う点では、操作の感覚はこちらに近いと思います。
一方の圧力式は、お米に圧力をかけながら、お米どうしをこすり合わせて少しずつぬかをはがしていく方式です。うちの精米機もこちらで、上から玄米を入れると、白米とぬかが別々の容器に分かれて出てきます。
| 比べるところ | かくはん式 | 圧力式 |
|---|---|---|
| 玄米を入れる場所 | 精米かごに入れて本体にセット | 本体の上から入れる |
| ぬかがたまる場所 | かごの外側にあるぬか受け | 白米とは別のぬか受け容器 |
| 精米にかかる時間 | 短めの傾向 | 長めの傾向 |
| 終わったあと | かごごと取り出して白米を移す | 米受けとぬか受けをそれぞれ外す |
どちらの方式でも、手順の骨組みは同じです。
ただ、精米かごに入れるのか、上から流し込むのかといった細かい動きは機種によって違います。
ここから先の手順は「自分の機種なら、どの部品がこれに当たるかな?」と置き換えながら読んでみてくださいね。
自宅で精米機を使う手順と操作方法
流れがつかめたところで、次は「実際にどう動かすの?」という操作の中身です。
最初の1回で迷いやすいところを中心に、手順を1つずつ見ていきましょう。
玄米は対応量に合わせて量る
精米機を使うとき、最初の分かれ道になるのが「量」です。
精米機にはそれぞれ、一度に精米できる量の上限と下限が決まっています。
少なすぎると、お米どうしがうまくこすれ合わず、ぬかが残りやすくなります。逆に多すぎると、本体に無理がかかって途中で止まったり、仕上がりにムラが出たりすることも。
上限と下限のあいだに収めるのが、きれいに仕上げる第一歩です。
量るときは、付属の計量カップを使うのが基本です。お米の1合は180mLで、玄米1合の重さはおよそ150g前後が目安になります。
ただし機種によっては、対応量を合ではなくグラムで書いているものもあります。説明書の単位がどちらなのかは、最初に見ておいてくださいね。
ちなみに、1人分だけ炊きたい日でも、精米は機種の最小量以上で行うのが基本です。最小量で精米して、余った白米は密閉容器に入れて次の炊飯に回せば、仕上がりを犠牲にせずに済みます。
グラム表示の機種を使うときや、袋に残った玄米が何合分かわからなくなったときに便利なのが、キッチンスケールです。容器をのせて表示を0に戻せば、玄米の重さだけをサッと確認できます。
私がおすすめしたいのは、タニタのデジタルクッキングスケール「KJ-222」。
2kgまで量れるので、1升分の玄米も1回でのせられます。
表示の文字が大きく、すべりにくくて洗えるシリコーンカバーが付いているのも、毎日使う道具としてうれしいところです。
石やもみを取り除いてからセットする
量った玄米は、すぐに精米機へ…と言いたいところですが、その前にひと呼吸。
平らなバットやお皿に広げて、小石やもみ殻、ゴミが混ざっていないかをザッと見ておきましょう。
農家さんから直接買った玄米や、実家から送られてきた玄米には、ときどき小さな石やもみが紛れ込んでいます。これをそのまま入れてしまうと、網や羽根を傷める原因になりかねません。
パナソニックの精米機の取扱説明書でも、石やごみが混じったまま精米すると故障の原因になると書かれています。そのうえで、玄米に混ざった異物は取り除いてから精米するよう案内されています。もみや麦は精米しないように、という注意書きもあります。
チェックが済んだら、いよいよセットです。
かくはん式なら精米かごに入れて本体に取り付け、圧力式なら本体の上から玄米を入れます。
かごやふた、部品がしっかりはまっていないと運転が始まらない機種も多いので、手で軽く押さえて確かめておくと安心です。
うちでは、白い容器に移した玄米を上からザーッと流し込んでいます。
サラサラと吸い込まれていく様子は、何回見てもちょっと楽しいんです^^

精米度とコースを選んでスタートする
セットができたら、仕上がりの白さを決める精米度とコースを選びます。
ここが精米機の腕の見せどころ、というわけです。
精米度は、ぬかをどのくらい削るかの目盛りです。一般的には3分づき、5分づき、7分づきと数字が大きくなるほど白米に近づき、その先に白米や上白米があります。
分づき米は玄米の香ばしさや食感をほどよく残した仕上がり、上白米は白米よりもう一段白く、スッキリした味わいになります。
ただ、同じ目盛りに合わせても、新米か古米か、お米が硬いかやわらかいかで仕上がりは少しずつ変わります。目盛りはあくまで目安と考えて、炊いて食べた感想をもとに1段ずつ調整していくのが近道です。
はじめての1回は、迷ったら「白米」を選ぶのがおすすめです。
いつものごはんと比べやすく、ここを基準に「もう少し白く」「もう少し玄米寄りに」と好みを探していけます。
分づき米の違いや、どの精米度が自分に合うのかをもっと知りたい方は、精米度ごとの味や向いている人を一覧で比べた記事も参考になると思います。
機種によっては、胚芽を残すコースや、市販の白米を軽くみがき直すコースが付いているものもあります。白米を玄米用のコースにかけると削りすぎになりやすいので、白米を入れるときは白米用のコースを選んでくださいね。
うちの精米機で上白米モードを選ぶと、茶色かった玄米がここまで白くなります。並べてみると、同じお米とは思えないくらいの変わりようです。

コースが決まったら、スタートボタンを押せば精米が始まります。終わると自動で止まる機種が多いので、それまでは本体から離れすぎず、いつもと違う音がしないかだけ気にかけておくと安心です。
精米後は白米とぬかをすぐ分ける
運転が止まったら、白米とぬかを取り出します。
ここで後回しにしないのが、精米機と長く付き合うコツです。
精米したての白米には、表面に細かいぬかの粉が付いていることがあります。米受けやかごから取り出したら、ボウルなどに移して、精米機の中にお米やぬかを残さないようにしておきましょう。
精米したてのお米は、ほんのり温かいことがあります。すぐに米びつへ入れず、ボウルの中で粗熱が取れるまで少し待ってから移すと、容器の中に湿気がこもりにくくなります。
そして、ぬか受けにたまったぬかは、その日のうちに捨てるか、使う分だけ密閉できる袋や容器に移しておきます。ぬかは油分を含んでいるので、置きっぱなしにするとニオイが出やすく、次に精米するお米の風味にも響きかねません。
うちの精米機は、白米とぬかがそれぞれ別の容器に分かれて出てくるので、この作業がとてもラクです。
かくはん式の場合は、かごを外すと外側の容器にぬかがたまっているので、こぼさないようゆっくり取り出してくださいね。

ここまでで、玄米から白米への1回分の精米はおしまい。
慣れてしまえば、ボタンを押してから片付けまで本当にあっという間です。
葵のワンポイントアドバイス
白米を取り出したら、その流れでぬか受けも一緒に空にしてしまうのがおすすめです。「あとでまとめて」にすると、つい忘れちゃうんですよね。私は米受けを外したらぬか受けもセットで外す、と決めています。
白くならないときや割れるときの見直し方
手順どおりに動かしたのに、思ったほど白くならない。
お米が割れて粉っぽい…。
そんなときにどこから見直せばいいのかを、ここでまとめておきます。
入れすぎと連続運転に気をつける
精米機のつまずきで多いのが、量と運転のしかたに関するものです。
上限ギリギリまで入れたり、少し多めに入れたりすると、お米が中でうまく動けず、精米ムラや途中停止につながります。
「あと半合くらいなら…」という気持ちはとってもよくわかるのですが、ここはグッとこらえて、2回に分けるほうがきれいに仕上がります。
もう1つ気をつけたいのが、続けて何回も精米することです。
精米機のモーターは使い続けると熱を持つため、続けて運転できる時間や、次の運転までに休ませる時間を決めている機種が多いんです。
家族の分をまとめて精米したい日ほど、説明書に書かれた連続運転の目安を守ってくださいね。途中で止まってしまったときも、何度もスタートボタンを押し直すより、まずは説明書の「故障かな?と思ったら」のページを開くのが近道です。
また、運転中に仕上がりが気になっても、ふたを開けたり部品を外したりするのは控えましょう。途中で止めたいときは、停止ボタンや切ボタンで止めるのが基本です。
お米が割れやすいときは、精米度を上げすぎていないかも見てみましょう。
白さを求めて削る量を増やすほど、お米への負担も大きくなります。上白米で割れが目立つなら、白米に1段戻すだけで落ち着くこともあります。
精米機に負担がかかりやすい使い方
上限を超える量を入れる、休ませずに何度も続けて運転する、精米度を必要以上に上げる。この3つが重なると、仕上がりにも本体にも負担がかかります。思い当たるものがあれば、1つずつ外していきましょう。
白くならないなら玄米の状態を確認する
量も運転のしかたも問題ないのに、なぜか白くならない。
そんなときは、精米機ではなく玄米のほうに原因があることも多いんです。
たとえば、湿気を吸ってしっとりした玄米は、お米どうしがこすれにくく、ぬかが落ちにくくなります。梅雨どきや、湿気の多い場所に置いていた玄米は特に要注意です。
また、長く保管した玄米は表面が硬くなり、同じ設定でも削れ方が変わってきます。
こういうときは、精米度を1段だけ上げて試すか、追加で少しだけ精米できる機能がある機種なら、それを使ってみるのも手です。
それでも変わらないなら、網の目詰まりやぬかのたまりがないかを確認してみましょう。網にお米が詰まっていると、削る力がグンと落ちてしまいます。
葵のワンポイントアドバイス
白くならないと感じたら、いきなり精米度を最大まで上げるのではなく、1段ずつ上げて炊き比べてみてください。削りすぎるとお米が割れやすくなるので、遠回りに見えても少しずつ試すのが結局は一番の近道です。
症状ごとに、見直したいところを表にまとめておきますね。
| こんなとき | 見直したいところ |
|---|---|
| 全体的に白くならない | 玄米の湿気や保管期間、精米度の設定、網の目詰まり |
| 白さにムラがある | 入れた量が多すぎないか、少なすぎないか |
| 割れたお米が多い | 精米度の上げすぎ、何度も重ねて精米していないか |
| 途中で止まる | 量の入れすぎ、休ませずに続けて運転していないか |
精米したてをおいしく保つ保存のコツ
きれいに精米できたら、あとはおいしく食べるだけ…。
と言いたいところですが、精米したお米は、実はここからがスピード勝負なんです。
お米は精米したときから、少しずつ風味が落ちていきます。
せっかく自宅に精米機があるのですから、炊く分だけをその都度精米するのが、一番おいしく食べるコツ。まとめて精米する日も、早めに食べきれる量にとどめておくと安心です。
精米したお米は、湿気やニオイを吸いにくい密閉容器に入れて、涼しい場所で保存しましょう。
うちでは、山崎実業の「密閉 シンク下米びつ タワー 5kg」を使っています。ふたの縁にパッキンが付いていて、パチッと閉めるとしっかり密閉できるタイプです。

置き場所は、コンロの横や日の当たる窓辺を避けて、なるべく温度の上がりにくいところを選ぶのがおすすめです。夏場は、冷蔵庫の野菜室に入れておくのも手ですね。
付属の計量カップには普通米と無洗米の目盛りが付いていて、炊く量をすくうのにも便利です。底の真ん中にお米が集まる形なので、残りが少なくなってもすくいやすいのがうれしいところ。
精米前の玄米は、買ってきた袋のまま保存している方も多いと思います。
その場合は、袋や米びつの中にお米用の虫よけを入れておくと安心です。
エステーの「米唐番」は、唐辛子の成分を使ったお米用の虫よけで、炊いたごはんにニオイが移りにくいとされています。
5kg用や10kg用など、保存するお米の量に合わせてサイズを選べます。
使い終わったら毎回ぬかを取り除こう
最後は、使い終わったあとのお手入れです。
ここをサボると、次の精米で「あれ?」となりやすいので、毎回の小さな習慣にしてしまいましょう。
お手入れの前には、電源プラグを抜いておきます。そのうえで、ぬか受けや米受けを外して中身を捨て、乾いた布やブラシで残ったぬかを払っておけば、毎回のお手入れとしては十分です。
そして時々でいいので見てほしいのが、精米する部分の網です。
圧力式なら精米スクリーン、かくはん式なら精米かごの網目に、お米やぬかが少しずつ詰まっていきます。
正直に言うと、うちの精米機の精米スクリーンは、付属のブラシだけでは詰まったお米が全部は取れません。細いスリットに挟まった米粒は、結局つまようじで一粒ずつ取り除いています。地味な作業ですが、白くならないトラブルの予防にもつながります。

網や本体の内部まで掃除するときは、精米する部分の部品を引き抜くことになります。
うちの精米機の場合、このとき内部にたまっていた米粒がパラパラと落ちてくるので、下にボウルを置いて受け止めるようにしています。キッチンの床に米粒が散らばると地味にへこむので、ここは先回りが正解です^^
もう1つ注意したいのが、水洗いできる部品とできない部品があることです。
うちの精米機にも「水洗い禁止」と書かれた部品があり、見た目だけでは区別がつきにくいものもあります。洗う前に、説明書のお手入れのページを必ず確認してくださいね。
精米機の使い方に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 精米機で精米したお米は、研がずにそのまま炊けますか?
A. 家庭用精米機で精米したお米は、表面に細かいぬかが残っていることが多いです。
そのため、普段の白米と同じように研いでから炊くのがおすすめです。
無洗米に仕上げるコースがある機種なら、説明書に書かれた炊き方に合わせてください。
Q2. もち米や雑穀も精米機にかけられますか?
A. 精米できる穀物は機種ごとに決まっているので、まずは説明書で確認してください。
もち米に対応したコースを持つ機種もありますが、対応していない機種もあります。
もみの付いたお米や麦は精米しないよう案内している説明書もあるため、迷ったときは入れないほうが安心です。
Q3. 精米で出たぬかはどうすればいいですか?
A. すぐに使う予定のないぬかは、その日のうちに処分するのが手軽です。
ぬか漬けや掃除などに使う場合は、密閉できる袋や容器に入れて冷蔵庫で保存し、早めに使い切ってください。
ぬかは油分を含んでいるため、常温で置いておくとニオイが出やすくなります。
自分の精米機の説明書が一番の手順書になる
ここまで、家庭用精米機で玄米を白米にするための基本の手順と、つまずきやすいポイントを見てきました。
あらためて振り返ると、大切なのはボタンを押す前後のひと手間です。
対応量に合わせて量る、石やもみを取り除く、精米度を選ぶ、そして終わったらすぐにぬかを取り除く。どれも数十秒でできることばかりですよね。
そのうえで覚えておきたいのが、精米方式や機種によって細かい決まりが違うということ。
この記事の手順は、あくまで全体の地図です。
対応量や連続運転の時間、水洗いできる部品といった具体的な決まりは、あなたの精米機の説明書が一番正確に教えてくれます。
説明書を全部読み込むのが大変なら、まずは対応量と精米度の目安表のページに付箋を1枚貼っておくだけでも十分です。
次に精米するときは、そのページを開きながら1回やってみてください。2回目からは、きっと説明書を見なくても手が動くようになっていると思います。











