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炊飯器の早炊きは最速で何分?美味しく炊くコツを家電店員が解説!

炊飯器の機能

朝起きて炊飯器のタイマーランプが点滅していない瞬間、頭の中が真っ白になった経験はありませんか?

あと30分で家を出なければいけないのに、お弁当用のご飯が炊けていない絶望感。でも、もしあなたの炊飯器に隠された早炊きの本当の実力を知っていたら、その絶望は希望に変わるかもしれません。

炊飯器の早炊き機能は、最新の技術によって驚くほど短時間でお米を炊き上げることができる現代の魔法とも言える機能なんです。でもその最速タイムを知っている人は意外と少ないものです。

あなたは炊飯器の早炊き機能で、一体何分が最速なのかご存知ですか?
1合炊くのと5合炊くのでは、どれくらい時間に差があるのでしょうか?
そして、なぜメーカーによってこんなにも早炊き時間に差があるのでしょうか?

時短だけでなく、味や電気代、さらには美味しく炊くための裏技まで、早炊き機能の本当の実力を知ったら、きっとあなたの炊飯器への見方が変わるはずです。

この記事では、忙しい毎日を送るあなたに炊飯器の早炊き機能を最大限活用するための情報をお伝えしていきますね!

この記事のポイント
  • 炊飯器の早炊きが最速何分で炊けるのか
  • 早炊きと普通炊きの味や電気代の違い
  • 早炊きモードを美味しく活用するコツ
  • メーカーごとの早炊き機能の特徴
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炊飯器の早炊き最速は何分?基本を解説

クリーン家電ガイド:イメージ
  • 早炊き最速は何分?
  • 早炊き機能の仕組みとは?
  • 早炊き機能のメリット・デメリット
  • 早炊きと普通炊きはどっちが美味しい?
  • 電気代について
  • 1合から5合での早炊き時間

まずは、「早炊き」機能の基本的なところから見ていきましょう。

どうしてあんなに早く炊けるのか、その仕組みや普通炊きとの違いを知っておくと、上手に使いこなせるようになりますよ。

早炊き最速は何分?

「とにかく早く!最速で何分で炊けるの?」というのが一番知りたいポイントですよね。

これは機種や炊く量によってかなり幅があるんですが、最近の炊飯器でいうと、0.5合や1合の少量なら、最速で約13分~20分というモデルが出てきています。本当に驚きの速さですよね。

例えば象印の「炎舞炊き」NX-AA10モデルは、0.5合を約13分で炊き上げる、とされています。また、ツインバードの「はやくておいしいIH炊飯器」も、その名の通り19分(早炊きモード)をうたっていますね。

ただ、これはあくまで少量を炊いた場合の最速タイムなんです。

私たちが普段よく炊く3合や、ご家族の多いご家庭での5.5合といった量になると、もう少し時間がかかります。それでも、大体20分~40分前後が現在の主流じゃないでしょうか。従来の普通炊きが50分~60分かかることを考えると、これでも十分に速いですよね。

タイガーの「圧力IH炊飯ジャー〈炊きたて〉」JPC型だと、1合なら最速17分ですが、これが3合や5.5合になると早炊きでも30分程度はかかるイメージです。

お店でも「一番早く炊けるのはどれ?」とよく聞かれるんですが、実は炊飯器よりも電気圧力鍋の方が早い場合もあるんですよ。

T-falさんの「ラクラ・クッカー」などは、圧力調理で白米が5分~15分(2~4合)とされています。これはもう別格の速さですね(笑)

このように、「最速何分」という数字は、「どの炊飯器で」「何合炊くか」によって大きく変わってきます。ご自身のライフスタイル(一人暮らしで1合しか炊かないのか、家族で3合炊くのか)に合わせて、「自分の場合の最速」をチェックするのが大切ですね。

炊飯器の加熱方式による早炊き性能の違い
なぜ機種によってこんなに差があるの?
早炊きの時間は、炊飯器の「加熱方式」にも左右されます。一般的に、火力の弱い「マイコン式」よりも、釜全体を強く加熱できる「IH式」、さらに高温高圧で一気に炊き上げる「圧力IH式」の方が、早炊き性能も高い傾向にあります。もちろん、その分お値段も上がりがちですが…。速さを求めるなら、加熱方式もチェックしてみると良いと思いますよ。

早炊き機能の仕組みとは?

では、どうして普通炊きだと50分~60分もかかるのに、早炊きだとその半分の時間で炊き上がるんでしょうか?

それは、ごはんを炊くための大切な工程を、いくつか短縮(または省略)しているからなんです。

炊飯器って、私たちがスイッチを押した後、中でこんな仕事をしてくれています。

炊飯の4つのステップ
1.
吸水
水の温度を調整しながら、お米の芯までじっくり水を吸わせる時間。
2.
昇温・沸騰
一気に温度を上げて沸騰させる時間。
3.
炊き上げ
沸騰を維持しながら、お米をアルファ化(美味しいごはんに変える)させる時間。
4.
蒸らし
炊きあがったごはんの余分な水分を飛ばし、味を均一になじませる時間。

普通炊きモードは、この4つの工程をトータルで50分~60分かけて、じっくり丁寧に行うことで、お米の甘みや粘りを最大限に引き出そうとします。

一方、「早炊き」モードが短縮するのは、主に「1. 吸水」と「4. 蒸らし」の時間です。

特に「吸水」は、お米のデンプンが糖に変わるための大事な準備時間。ここを飛ばしていきなり「昇温」に移るため、炊飯時間が大幅に短くなる、という仕組みなんですね。

早炊きの仕組み
早炊きの仕組み 時短のヒミツ
普通炊き
「吸水」「昇温」「炊き上げ」「蒸らし」を全部しっかり行う。
早炊き
「吸水」と「蒸らし」の時間をカット!すぐに加熱を始めることでスピードアップを図る。

メーカーや機種によっては、短時間で炊き上げるために、「昇温」や「炊き上げ」の火力を普通炊きよりもグッと強くしている場合もあります。

いずれにしても、デリケートな工程を短縮しているため、どうしても炊きあがりには少し違いが出てきてしまうんです。

早炊き機能のメリット・デメリット

早炊き機能、とっても便利ですけど、もちろん良いことばかりではありません。
メリットとデメリットをしっかり理解して使い分けるのが「デキる」使い方だと思います。

早炊き機能のメリット

これはもう、言うまでもなく「圧倒的な時短」ですよね。

朝起きて「あ!昨日の夜タイマーセットし忘れた!」っていう絶望的な瞬間、ありませんか?
こういう時、普通炊きだと間に合わなくても、早炊きなら準備している間に炊きあがるので本当に助かります。

他にも、

  • お弁当の分だけ「あとちょっと」ごはんが足りない時
  • 仕事で帰宅が遅くなって、お腹ペコペコですぐ食べたい時
  • 急な来客があった時

など、忙しい現代人の強い味方になってくれるのが最大のメリットです。

早炊き機能のデメリット

一方のデメリットは、やはり「炊きあがりの味や食感」が普通炊きに比べて劣る可能性があることです。

先ほどの「仕組み」でお話しした通り、大事な「吸水」と「蒸らし」を短縮しているので、どうしても仕上がりに影響が出やすいんですね。

早炊きの主なデメリット
早炊きの主なデメリット
1.
やや硬めに仕上がる
お米の芯まで水分が浸透する前に加熱が始まってしまうため、お米がアルファ化しきれず、少し硬さや芯が残ったような食感になりやすいです。
2.
水っぽく(ベチャッと)なりやすい
最後の「蒸らし」が短いため、ごはん粒の表面に残った水分が飛びきらず、水っぽく感じたり、逆に釜の底はおこげっぽくなったりと、ムラが出やすい場合もあります。
3.
甘みや旨味が少ない
じっくり吸水する工程で生まれる「甘み」が引き出されにくいため、普通炊きのごはんと食べ比べると、少しあっさりした味わいに感じることがあります。

ただ、これはあくまで「普通炊きと比べれば」というお話です。最近の炊飯器は本当に性能が上がっていて、早炊きでも十分すぎるほど美味しく炊ける機種が増えているのも事実。

このあたりは、次の「美味しさ」の項目で詳しく見ていきましょう。

早炊きと普通炊きはどっちが美味しい?

クリーン家電ガイド:イメージ

これも、炊飯器で聞かれる質問No.1かもしれません。
「早炊きって、やっぱりマズイんでしょ?」って(笑)

単刀直入にお答えすると、食べ比べれば多くの方が「普通炊き」の方が美味しいと感じると思います。

これはもう、仕方がないことなんです。
先ほどからお伝えしているように、お米の美味しさの源である「甘み」や「ふっくらとした粘り」は、じっくりと「吸水」させて、「蒸らし」で仕上げる時間があってこそ最大限に引き出されます。

早炊きは、その時間を犠牲にして「速さ」を選んでいるわけですから、味の面で一歩譲ってしまうのは当然とも言えますね。

私も今の炊飯器を買った時、面白くて両方試してみたんです。
そうしたら、やっぱり普通炊きの方が、ごはんの一粒一粒がふっくらと立っていて、噛んだ時の甘みが濃いな、と感じました。早炊きの方は、ちょっとあっさりしていて食感も少し硬めでした。

ただし、これはあくまで「じっくり食べ比べた場合」です。
炊きたてのアツアツをご飯茶碗によそって、すぐにおかずと一緒に食べる分には、そこまで大きな味の違いは感じない、という方も多いんです。

最近の炊飯器は、この「早炊きでも美味しい」をすごく頑張っています。

例えば、タイガーの「土鍋ご泡火炊き」シリーズなどは、土鍋コーティングの高い蓄熱性と遠赤外線効果で、短時間でもお米の芯までしっかり熱を伝え、早炊きでもふっくら美味しいごはんを目指しています。

パナソニックにも「スチーム高速コース」という、スチームを使いながら炊くことで早炊きのデメリットを補う機能があったりしますね。

早炊きごはんの注意点
注意 保温・お弁当では差が出やすい
炊きたては良くても、保温時間が長くなったり、冷めてお弁当に入れたりすると、味の差が出やすい傾向があります。吸水が不十分な早炊きごはんは、時間が経つと味が落ちやすく、硬くなりがちなんです。早炊きしたごはんは、できるだけ早く食べきるのがおすすめですね。

電気代について

「炊飯時間が半分になるなら、電気代も半分になるんじゃない?」

そう思いますよね!
でも実は、電気代は「普通炊き」と「早炊き」で、ほとんど変わらないんです。

これ、意外と知られていないポイントなんですが、ちゃんとした理由があります。

炊飯器が家の中でも一番と言っていいほど大きな電力を使うのは、お釜の中の水を一気に沸騰させて、その高温を維持する「炊き上げ」の工程なんです。

思い出してほしいのですが、早炊きが短縮しているのはどの工程だったでしょう?
そう、「吸水」と「蒸らし」ですよね。

この2つの工程は、お米に水を吸わせたり、余熱でなじませたりする時間なので、そもそも大きな電力を消費していないんです。例えるなら、保温と同じくらいの弱い電力しか使っていません。

電力消費のイメージ
電力消費のイメージ
普通炊き
低い電力(吸水)+ 高い電力(炊き上げ) + 低い電力(蒸らし)
早炊き
(吸水カット)+ 高い電力(炊き上げ) + (蒸らしカット)

このように、一番電気を食う「炊き上げ」の時間は、どちらもあまり変わらないんです。

それどころか、機種によっては短時間で一気に炊き上げるために、普通炊きよりもさらにハイパワーで加熱することがあります。その場合、むしろ早炊きモードの方が電気代が1円程度高くなる、なんていう逆転現象も起こり得るんですよ。

一般的な5.5合炊き炊飯器の1回の炊飯コストは、大体4円前後と言われています。早炊きにしても、節約できるのは1円以下なのでほぼ変わらない、と覚えておくのが良いと思います。

「じゃあ、節約したい時はどうすれば?」と聞かれたら、私は「エコ炊きモード」をおすすめしています。これは、火力を少し抑えたり、余熱をうまく使ったりして炊くモードなので、味は少し落ちるかもしれませんが、電気代は確実に安くなりますよ。

1合から5合での早炊き時間

早炊きの時間は、お米の量によっても変わってきます。

これはシンプルなお話で、炊くお米の量(合数)が少ないほど、早炊きにかかる時間は短くなります。

理由は、お米の量が少なければ、一緒に炊くお水の量も少なく済みますよね。水の量が少なければ、沸騰させるまでに必要なエネルギーも時間も少なくて済む、というわけです。

例えば、先ほども出てきた象印の「炎舞炊き」NX-AA10(5.5合炊き)の場合、「白米特急」メニューの時間は以下のようになっています。

  • 0.5合~4合まで炊飯可能
  • 炊飯時間:約13分~21分

このように、同じ炊飯器でも、最少量の0.5合なら約13分、最大量の4合なら約21分と、炊く量によって8分も差が出るんです。

他の機種でも、炊く量による時間の違いが公表されている場合があります。いくつか例を見てみましょう。

メーカー・機種名最小合数での早炊き時間最大合数での早炊き時間
象印 STAN. (5.5合)1合:約23分5.5合:約35分
TIGER マイコン (3合)0.5合:約24分3合:約41分
MITSUBISHI 炊飯器 (5.5合)1合:約23分5.5合:約37分

このように、同じ「早炊き」でも、1合炊くのと5合炊くのでは、10分~15分以上の差が出ることも珍しくありません。「最速」を狙うなら、やはり少量炊きが基本、ということですね。

炊飯器の早炊き最速は何分?活用術

クリーン家電ガイド:イメージ
  • 早炊きで美味しく炊く方法
  • 玄米も早炊きできる?
  • 炊飯途中から早炊きは可能?
  • 炊飯器に早炊きがない時の対処法
  • メーカー別早炊き時間の比較
  • 早炊きのおすすめ炊飯器ランキングTOP3

早炊きの基本がわかったところで、ここからは「じゃあ、どう使えばいいの?」という実践編です。

早炊きのデメリットをカバーして美味しく食べるコツや、ちょっとマニアックな疑問まで、しっかりお答えしていきますね。

早炊きで美味しく炊く方法

「速いのはいいけど、やっぱり味も妥協したくない!」というのが本音ですよね。

早炊きモードの弱点は「吸水不足」と「蒸らし不足」でした。ということは、この2つを私たちが手動でサポートしてあげれば、味は格段に良くなるんです。

コツ①:炊飯器に入れる前に「浸水」させておく

一番効果的なのが、この「事前浸水」です。

早炊きモードは、お米に水を吸わせる工程をカットしてしまいます。それなら、私たちが先に吸水させておけばいい、というわけです。

お米を研いだ後、炊飯器にセットする前にボウルなどで水に浸しておきます。
理想を言えば夏場で30分、冬場で1時間ですが、それだと早炊きにする意味がなくなってしまいますよね。

なので目安は「15分」ほど
15分の浸水でも、やるのとやらないのとでは大違い。お米の芯が残るのをかなり防ぐことができますよ。20~40分の早炊き時間と合わせても、普通炊きよりは時短になります。

時間がない時は「ぬるま湯(お風呂くらい)」で5分~10分浸水させる、という方法もあるようです。しかし、味のほうは保証できかねますが…(笑)

コツ②:炊きあがっても「5分」待つ

早炊きは「蒸らし」の時間もカットしています。
炊きあがりのブザーが鳴っても、すぐに蓋を開けずに、そのまま5分~10分ほど待ってみてください。

これで「手動の蒸らし時間」を追加するわけです。
ごはん粒の表面の余分な水分が飛んで、水っぽさ(ベチャッと感)が減り、ふっくら仕上がります。

コツ③:水加減や調味料で調整

吸水時間が短い分、硬くなりがちなので、あらかじめお釜の目盛りよりほんの少し(大さじ1杯程度)水を多くしてみるのも手です。ただ、やりすぎると逆におかゆっぽくなるので注意が必要ですね。

また、お米2合に対して「ハチミツ」や「オリーブオイル」を小さじ1杯ほど入れて炊くと、甘みやツヤが補われる、という方法もあります。これは少し好みが分かれるかもしれませんが、試してみる価値はありそうですね。

全部やるのは大変なので、まずは「15分浸水させてから早炊きスタート」か「炊きあがり後5分待つ」のどちらかを試してみてはいかがでしょうか?

玄米も早炊きできる?

健康のために玄米を食べている方も増えましたよね。
「玄米も早く炊けたらいいのに…」と思うかもしれませんが、残念ながら、ほとんどの炊飯器では「玄米の早炊き」はできません。

「早炊き」ボタンは、基本的に白米専用だと考えてください。

なぜかと言うと、玄米は、私たちが普段食べている白米と違って、硬い「ヌカ層」や「胚芽」に覆われています。この硬い層に水分を浸透させて、中までふっくら炊き上げるには、白米とは比べ物にならないくらいの長い「浸水時間」と「加熱時間」が必要なんです。

お使いの炊飯器にも「玄米モード」があるかもしれませんが、炊飯時間が1時間半とか、長いものだと2時間以上かかる設定になっていませんか?

それを、吸水工程をカットしてしまう「早炊き」で炊飯したら…もうお分かりですよね。
水分がまったく中まで入らず、ボソボソで芯だらけの、とても食べられないような状態になってしまいます。

玄米を早炊きモードで炊いてはいけない理由
玄米を早炊きモードで炊いてはいけない理由
玄米の硬いヌカ層は、普通炊き(50分程度)ですら吸水・加熱が不十分です。早炊き(20~40分)では、まったく歯が立ちません。健康のために食べる玄米ですが、美味しくなければ続かないですよね。

どうしても早く玄米を炊きたい時の裏ワザは?

炊飯器の機能ではありませんが、浸水なしで早く炊く方法として、いくつか紹介されているテクニックはあります。

玄米の早炊き方法
1.
「早炊き」を2回繰り返す方法
まず玄米と同量~1.2倍量の水で1回目の「早炊き」をします。炊きあがったら、さらにもう一度同量の水を加えて、2回目の「早炊き」をする、という荒業があるようです。合計で約1時間ほどで炊けるそうですが、炊飯器に負担がかかる可能性もあり、味の保証も難しいところですね…。
2.
「びっくり炊き」 (お鍋で炊く場合)
これは秋田に伝わる伝統的な炊き方だそうですが、浸水なしの玄米を鍋に入れ、強火で15分ほど炊きます。水が減ってきたら「びっくり水」(差水)を加えて、弱火でさらに20分炊き、10分蒸らす、という方法です。これなら合計約45分+蒸らし10分で炊けるんですね。ただ、火加減の調整が結構大変そうです。

このように、いくつかテクニックはありますが、どれも炊飯器のボタン一つで、とはいかないのが現状です。

美味しい玄米を食べたい時は、やはり「玄米モード」でじっくり時間をかけるのが一番のおすすめですね。

炊飯途中から早炊きは可能?

「普通炊きでスタートしたけど、やっぱり間に合わない!今から早炊きに切り替えられない?」

このご質問、気持ちはすごく分かるんですが、残念ながら炊飯の途中で「普通炊き」から「早炊き」に切り替えることはできません。

炊飯器は、私たちが思うよりずっと賢くプログラムで動いています。

「普通炊き」ボタンを押すと、「まず〇分間吸水させて、次に〇分かけて沸騰させて…」という専用のプログラムがスタートします。「早炊き」なら、「吸水はしないで、すぐに〇分かけて沸騰させて…」という、まったく別のプログラムが動きます。

もし、普通炊きの途中で「取消」ボタンを押してしまうと、実行中だったプログラムはそこで完全にリセットされてしまいます。

例えば、普通炊きの「吸水」工程(最初の20分くらい)で取消して、慌てて「早炊き」を押し直したとします。
でも、早炊きモードのプログラムには「吸水」がありませんから、炊飯器は「まだ吸水が足りない」なんて考えてくれません。そのまま一気に加熱を始めてしまうので、結果的に吸水不足の硬いごはんになってしまいます。

もし「炊き上げ」の途中で切り替えようとしたら、釜はすでに高温ですよね。
炊飯器が「温度が高すぎます!」とエラーを出して動かないか、無理に動いて焦げ付いてしまう可能性が非常に高いです。

ですので、一度「炊飯」ボタンを押したら、もうその炊飯器を信じて炊きあがりまで待ってあげるのが基本、と覚えておいてくださいね。

「途中でフタを開けちゃった!」という別のハプニングの場合は、下記の記事を参照していただければと思います。

炊飯器に早炊きがない時の対処法

クリーン家電ガイド:イメージ

「うちの炊飯器、古いからか早炊きモードが見当たらない…」

シンプルな機能の炊飯器だと、そういった場合もありますよね。早炊きは専用のプログラムなので、モードがなければ炊飯器で早く炊くのは難しいです。

そんな時は、他の道具を使って炊くのが一番の近道になります!

対処法①:フライパンで炊く (最速15~20分)

意外かもしれませんが、フライパンってごはんを炊くのが得意なんですよ。1合くらいなら、あっという間に炊けます。

フライパンでお米を炊く手順
1.
洗ったお米1合と水200mlをフライパン(直径20cmくらい)に入れ、平らにならして蓋をします。
2.
強火にかけ、沸騰したら弱火にして5分加熱します。
3.
水分が減って泡が立ってきたら、もう一度強火にし、パチパチと音がしてきたら火を止めます。
4.
蓋をしたまま5分蒸らしたら、できあがりです!

これなら、浸水時間なしでも合計15分~20分ほどで炊けちゃいます。
早炊きモードより速いかもしれませんね!

対処法②:圧力鍋で炊く

もしご自宅に圧力鍋(電気圧力鍋でも、ガス火のものでもOK)があれば、それが最強の早炊きマシンになります。

T-falさんの「ラクラ・クッカー」のように、機種によっては浸水なし・5分~15分で炊きあがるものもあります。ごはんが炊ける専用の調理家電として、炊飯器の代わりに導入する方も増えていますよ。

対処法③:電子レンジで炊く

100円ショップや雑貨屋さんなどで、電子レンジでごはんが炊ける専用のプラスチック容器が売られています。

これを使えば、0.5合や1合なら、浸水時間+レンジ加熱10分前後で炊くことができます。少量だけ急いで炊きたい時には、これが一番手軽かもしれませんね。

メーカー別早炊き時間の比較

「どのメーカーが一番早いの?」というのも気になりますよね。

これも機種や炊く量によって様々ですが、メーカーごとの「早炊き」に対する考え方や、搭載している技術によって、結構特徴が分かれるんですよ。

「速さ」を追求するメーカーもあれば、「速くても味を落とさない」ことを優先するメーカーもあるからです。

ここでは、いくつかのメーカーの特徴的な早炊き時間を比較してみましょう。
(※あくまで一例であり、炊く合数や機種によって時間は異なります)

メーカー名機種・モード例早炊き時間 (目安)特徴・呼び方
象印炎舞炊き NX-AA100.5合 約13分「白米特急」。少量の最速タイムがスゴイです。
タイガーJPC型 / 土鍋ご泡火炊き1合 約17分 / 0.5合 約15分「少量高速」や「早炊き」。土鍋の力で味も重視。
パナソニックスチーム&可変圧力IH24〜36分「高速炊飯」や「スチーム高速コース」。速さより味との両立。
ツインバードはやくておいしいIH炊飯器19分「早炊き」。名前の通り、速さに強みがあります。
バルミューダThe Gohan32分〜41分「早炊き」。独自の蒸気炊飯なので、他と少し時間が異なります。

こうして見ると、「早炊き」と一口に言っても、メーカーによって呼び方(「特急」「高速」など)も違いますし、時間もかなりバラバラなのがわかりますよね。

最速の「タイム」だけを追求するなら象印やタイガーの少量炊きが強いですが、パナソニックのように「少し時間はかかっても(それでも十分速いですが)、スチームを使って美味しく」という方向性のメーカーもあります。

家電量販店で働いていても、この「早炊き」の考え方はメーカーごとに特色が出ていて面白いなと思います。ご自身の使い方(とにかく1秒でも早く!なのか、早さも味も欲しい!なのか)に合わせて選ぶのが良いですね。

早炊きのおすすめ炊飯器ランキングTOP3

「じゃあ、結局どの炊飯器がおすすめなの?」となりますよね。

「早炊き」という機能に注目して、普段お店でお客様からお伺いする評判をもとに、私なりの「早炊きおすすめTOP3」を選んでみました!

【第1位】象印 「炎舞炊き」 NX-AA10 / NW-NB10 など (白米特急 搭載モデル)

最速タイムを求めるなら、やっぱりコレじゃないでしょうか。
0.5合を約13~14分、1合でも15分前後で炊き上げる「白米特急」モードは、他メーカーと比べても頭一つ抜けた速さです。

お店でも「お弁当用に、毎日ちょっとだけ炊くから速いのがいい」というお客様には、このモデルの「白米特急」のお話をよくします。もちろん、象印の最上位モデルなので、普通炊きの美味しさは言うまでもありません。

「いざという時の保険」として最速のカードを持っておきたい方にもぴったりですね。

【第2位】タイガー 「ご泡火炊き」 JPI-X100 / 「炊きたて」 JPC型 など

「速さも大事だけど、早炊きでも味を妥協したくない!」という方には、タイガーをおすすめしたいです。「少量高速」モードで0.5合約15分、1合約17分と、こちらも象印に負けない速さを持っています。

私がタイガーを推したい理由は、独自の「土鍋コーティング」や「可変W圧力」。これらのおかげで、短時間で一気に炊き上げても、お米の甘みや粘りを引き出すのが上手だな、という印象です。「早炊きなのに、ふっくらツヤツヤだった」というお声もよく聞きますよ。

【第3位】ツインバード 「はやくておいしい3合IH炊飯器」

「高級機じゃなくても、速くて美味しい炊飯器が欲しい!」という、コスパ重視の方にはこちらです。

このモデルは「19分(早炊きモード)」という、上位機に迫る速さを実現しています。しかも、お手頃な価格帯ながら、しっかりとした「IH」方式で、3mmの「厚熱火円釜」を採用しているのが嬉しいポイント。

一人暮らしや二人暮らし向けの3合炊きで、「速さ」と「価格」と「(IHによる)美味しさ」のバランスがとても良い機種だと思います。デザインがシンプルなのも人気ですね。

こうして見ると、速さ特化の「象印」、速さと味を両立する「タイガー」、コスパ良く速い「ツインバード」と、個性が出ますね。
ご自身の使い方に合う一台を見つけてください!

総括:炊飯器の早炊きは最速何分か

それでは最後に、この記事の内容をまとめます。

  • 早炊きの最速は1合なら約13分から20分が目安
  • 3合や5合など量が増えると20分から40分ほどかかる
  • 早炊きは「吸水」と「蒸らし」の工程を短縮している
  • メリットは圧倒的な時短
  • デメリットは味が落ちたり硬めに炊きあがったりすること
  • 普通炊きと比べると味は「普通炊き」の方が美味しい
  • 炊きたてなら差は少ないが保温や冷ごはんで差が出る
  • 早炊きと普通炊きで電気代はほとんど変わらない
  • 節約目的なら「エコ炊き」モードを選ぶ
  • 炊く量が少ないほど早炊き時間は短くなる
  • 早炊きで美味しく炊くには「事前浸水」か「炊きあがり後5分待つ」のがコツ
  • 玄米は基本的に早炊きできない(白米専用)
  • 炊飯途中から早炊きモードに切り替えることはできない
  • 早炊きがない炊飯器はフライパンや圧力鍋で炊くのが速い
  • メーカーによって早炊きの速さや考え方が異なる

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