パナソニックのロボット掃除機が市場から撤退するという話を聞いて、驚いた方も多いのではないでしょうか?
長年、日本の家電市場をリードしてきたパナソニックの決断だけに、その理由や今後の影響が気になりますよね。
特に、愛用していた「ルーロ」シリーズのユーザーさんや、これからロボット掃除機の購入を検討していた方にとっては、大きな関心事だと思います。
なぜパナソニックは撤退という道を選んだのか、そして日本のロボット掃除機市場はこれからどうなっていくのでしょうか?
また、パナソニック製品の代わりになるような、おすすめの日本メーカー製ロボット掃除機はまだあるのか、気になるところですよね。
この記事では、パナソニックのロボット掃除機撤退の背景から、今後の賢いロボット掃除機の選び方まで、家電量販店で働く私の視点から分かりやすく解説していきます。
パナソニックのロボット掃除機が撤退した理由

パナソニックが長年開発・販売してきたロボット掃除機から撤退するというニュースは、多くの人に衝撃を与えました。
ここでは、その撤退の具体的な時期や背景、そして他の日本メーカーの動向など、気になるポイントを詳しく見ていきましょう。
撤退したのはいつ?
パナソニックがロボット掃除機事業からの撤退を正式に発表したわけではありませんが、事実上の撤退と見られる動きがあったのは2023年のことです。
具体的には、人気シリーズだった「RULO(ルーロ)」の生産が終了し、公式サイトの製品ラインナップからも姿を消しました。
私が働く店舗でも、2023年の春頃から徐々に在庫がなくなり、お客様から「次のモデルはいつ出るの?」と聞かれることが増えましたが、新しい製品が入荷することはありませんでした。
この動きから、パナソニックはロボット掃除機の新規開発および生産から手を引いたと判断されています。長年にわたり日本の家庭で親しまれてきたブランドだけに、このニュースは本当に残念ですよね。
特に、独自の形状で部屋の隅までしっかり掃除できると評判だったルーロシリーズのファンは多く、後継機を待ち望んでいたお客様も少なくありませんでした。
なぜ撤退?
では、なぜパナソニックはロボット掃除機事業から撤退する決断をしたのでしょうか?
これにはいくつかの理由が考えられます。
最も大きな要因は、海外メーカーとの競争激化だと言われています。
特に、中国のEcovacs(エコバックス)やRoborock(ロボロック)といったメーカーが、高機能でありながら価格を抑えたモデルを次々と市場に投入してきました。
これらの製品は、吸引力だけでなく、水拭き機能や自動でゴミを収集するステーション、さらにはマッピング機能の精度など、あらゆる面で急速に進化を遂げています。
パナソニックも高い技術力を持っていましたが、開発コストや生産コストの面で海外メーカーのスケールメリットに対抗するのが難しくなってきたのかもしれません。
もう一つの理由として、パナソニックが事業の「選択と集中」を進めていることが挙げられます。
同社は、より収益性の高い事業や将来性のある分野に経営資源を集中させる戦略を採っており、その一環としてロボット掃除機事業が見直しの対象になったと考えられます。
ルーロミニなど一部機種は生産終了に
パナソニックのロボット掃除機撤退に伴い、「RULO(ルーロ)」シリーズは全機種が生産終了となりました。これには、コンパクトなサイズで一人暮らしの部屋にも人気だった「ルーロミニ」も含まれます。
ルーロシリーズの最大の特徴は、なんといってもその「ルーローの三角形(おにぎり型)」と呼ばれる独自の形状でした。
この形のおかげで、丸いロボット掃除機が苦手とする部屋の隅や壁際にたまったゴミもしっかりとかき出して掃除できると、お客様からも高い評価を得ていました。
また、障害物を検知するセンサーの精度も高く、家具に強くぶつかることなくスムーズに掃除を進めてくれる点も人気の理由だったんです。
これらのモデルが市場からなくなってしまうのは、日本のロボット掃除機市場にとって大きな損失だと言えるかもしれませんね。
現在、新品で手に入れることは非常に難しくなっており、今後は修理用の部品なども入手が困難になる可能性が考えられます。
パナソニック製ロボット掃除機の口コミや評判
私がお店でお客様から直接お聞きしたパナソニック製ロボット掃除機の評判は、総じて高いものが多かったです。
特に多かったのは、やはり「隅の掃除能力」に関する良い口コミですね。
「今まで使っていた丸いロボット掃除機だと、どうしても部屋の角にホコリが残って気になっていたけど、ルーロに変えたらそれがなくなった」という声は、本当によく聞かれました。
また、「動きが丁寧で、大切な家具に傷がつく心配が少ないのが嬉しい」といった、センサー性能の高さを評価する声も多かったです。
一方で、改善を望む声として挙がっていたのは、マッピング機能やアプリの使い勝手についてでした。
海外製の最新モデルと比較すると、「地図の作成精度が少し甘いかな」「アプリの操作がもう少し直感的だと嬉しい」といったご意見をいただくこともありました。
とはいえ、基本的な清掃能力や信頼性の高さから、多くのお客様に満足していただいていた製品だったと思います。
日本メーカーは他にも撤退してる?
パナソニックの撤退を受けて、「他の日本のメーカーは大丈夫なの?」と心配になる方もいらっしゃるかもしれません。
実際に、過去には東芝がロボット掃除機「TORNEO ROBO(トルネオロボ)」の販売を終了しており、残念ながら大手メーカーの撤退はこれが初めてではありません。
さらに、日本の住環境に合わせたコンパクトな設計で人気だった日立の「minimaru(ミニマル)」シリーズも、現在は生産を終了しています。
大手メーカーの選択肢がなくなっていくのは、本当に寂しいですよね。
ロボット掃除機市場は、先ほどもお伝えしたように海外メーカーの勢いが非常に強く、日本のメーカーは大変厳しい状況に置かれています。
しかし、まだ頑張っている日本の会社もあります。
例えば、バンダイナムコグループのCCP(シー・シー・ピー)という会社は、「LAQULITO(ラクリート)」というブランドで、比較的リーズナブルな価格帯のロボット掃除機を販売しています。
高機能な海外製品とは違った路線で、特定のニーズに応えようとする姿勢には応援したくなりますね。
パナソニックの新製品や後継は?
現時点(2025年8月)で、パナソニックからロボット掃除機の新製品や、ルーロシリーズの直接的な後継機に関する公式な発表はありません。
事業からの事実上の撤退という状況を考えると、今後、パナソニックブランドの新しいロボット掃除機が登場する可能性は低いと考えられます。
もし、パナソニック製品の使い勝手や信頼性を気に入っていて、次の買い替えも同社の製品を、と考えていた方にとっては、非常に残念なお知らせですよね。
ただし、パナソニックはロボット掃除機事業で培ったセンサー技術やモーター技術を、他の家電製品に応用していく可能性は十分に考えられます。
例えば、エアコンに搭載されているお掃除ロボット機能などに、その技術が生かされているかもしれません。
ロボット掃除機という形ではなくなっても、パナソニックの優れた技術が私たちの生活を快適にしてくれることに変わりはないでしょう。
パナソニックのロボット掃除機撤退後の賢い選び方

パナソニックが市場から去った今、私たちはどのようにロボット掃除機を選べば良いのでしょうか。
ここでは、ロボット掃除機を選ぶ上で知っておきたいデメリットや寿命、そしてパナソニック製品の代わりとなるおすすめのモデルについて、詳しく解説していきます。
共通するデメリット
ロボット掃除機は非常に便利な家電ですが、購入してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、いくつか共通するデメリットも理解しておくことが大切です。
事前の片付けが必要
ロボット掃除機がスムーズに動くためには、床に物が散らかっていない状態にしておく必要があります。特に、電源コードやスマートフォンの充電ケーブル、ペットのおもちゃ、スリッパなどは、ロボット掃除機が絡まって停止してしまう原因になりやすいです。
掃除を始める前に、これらのものを片付ける手間が毎日発生するのは、少し面倒に感じるかもしれませんね。
完璧な掃除は難しい
最近のロボット掃除機は性能が向上していますが、それでも人間が掃除機をかけるように完璧に掃除できるわけではありません。特に、部屋の隅や家具の隙間、段差のある場所などは、どうしてもホコリが残りやすいです。
また、粘着性のある汚れや、カーペットの奥深くに入り込んだゴミなどは、ロボット掃除機だけでは取り除けないこともあります。そのため、定期的にスティッククリーナーなどで補助的な掃除をすることが必要になるでしょう。
騒音の問題
ロボット掃除機は、掃除中にモーター音や吸引音が発生します。特に、夜間や早朝に動かす場合、その音が気になるという方も少なくありません。マンションなど集合住宅にお住まいの場合は、下の階への騒音にも配慮が必要です。
静音性を重視したモデルも出ていますが、無音で掃除ができるわけではないことを覚えておきましょう。
寿命はどれくらい?
ロボット掃除機の寿命は、主に内蔵されているバッテリーの寿命に左右されることが多いです。
一般的に、バッテリーの寿命は使用頻度や充電の仕方にもよりますが、約2年から3年程度と言われています。
バッテリーが劣化してくると、1回の充電で掃除できる時間が短くなったり、充電ステーションにうまく戻れなくなったりといった症状が現れます。
多くのメーカーでは、バッテリーを交換することができるので、本体が故障していなければ、バッテリー交換でさらに長く使い続けることが可能です。
本体自体の寿命は、モーターやセンサーなどの電子部品の耐久性によりますが、おおよそ5年から7年くらいが目安になるかと思います。
もちろん、これは使い方やメンテナンスの頻度によって大きく変わってきます。
フィルターの掃除やブラシのゴミの除去などをこまめに行うことで、より長く快適に使い続けることができますよ。
今後のおすすめロボット掃除機
パナソニックの代替機を探している方や、これから新たにロボット掃除機の購入を検討している方に向けて、私が今おすすめしたいモデルをいくつかご紹介しますね。
メーカー | モデル名 | 特徴 |
---|---|---|
Roborock | S8 Pro Ultra | 吸引と水拭き、洗浄・乾燥まで全自動。最高峰モデル。 |
ECOVACS | DEEBOT X2 OMNI | スクエア形状で隅に強い。高性能な全自動モデル。 |
iRobot | ルンバ コンボ j9+ | 障害物回避能力に優れ、水拭きも強力。 |
Roborock S8 Pro Ultra
もし、予算に余裕があって、とにかく性能を重視したいという方には、Roborockの「S8 Pro Ultra」がおすすめです。
このモデルは、強力な吸引力はもちろん、2本のブラシが高速振動して床を水拭きしてくれる機能が本当に優秀なんです。
さらに、掃除が終わるとステーションに戻り、ゴミの自動収集、モップの自動洗浄、そして温風での乾燥まで、すべてを全自動で行ってくれます。
お手入れの手間を極限まで減らしたい、というニーズに完璧に応えてくれる一台ですね。
ECOVACS DEEBOT X2 OMNI
パナソニックのルーロのように、部屋の隅の掃除能力を重視したい方には、ECOVACSの「DEEBOT X2 OMNI」が面白い選択肢になるかもしれません。
このモデルは、ロボット掃除機としては珍しいスクエア形状を採用しており、壁際や隅にしっかりフィットしてゴミを取り除きます。
こちらも全自動のステーションを備えており、モップの洗浄にはお湯を使うので、皮脂汚れなどもスッキリ落としてくれますよ。
iRobot ルンバ コンボ j9+
「ロボット掃除機といえばルンバ」というイメージをお持ちの方も多いですよね。
iRobotの最新モデル「ルンバ コンボ j9+」は、伝統の吸引力に加えて、強力な水拭き機能が搭載されたモデルです。
この製品のすごいところは、床の素材を検知して、カーペットの上では自動でモップパッドを本体の上に持ち上げ、カーペットを濡らさないようにしてくれる点です。
また、カメラとAIによる障害物回避能力も非常に高く、ペットの排泄物やコード類などを賢く避けてくれるので、事前の片付けが少し楽になるかもしれません。
将来的にロボット掃除機は普及する?
私は、将来的にもロボット掃除機はさらに普及していくと考えています。
共働き世帯の増加や、高齢化社会の進展により、家事の負担を少しでも減らしたいというニーズはますます高まっています。
その中で、床掃除という時間のかかる家事を自動化してくれるロボット掃除機は、非常に魅力的な存在です。
技術の進化も目覚ましく、AIによるマッピング機能や障害物回避能力は年々向上しており、より賢く、より手間のかからない製品が次々と登場しています。
また、以前は非常に高価な家電でしたが、最近では機能がシンプルで価格を抑えたモデルも増えてきており、導入のハードルは下がってきています。
パナソニックの撤退は残念ですが、市場全体としては、これからも多様なメーカーが競い合いながら、私たちの生活をより豊かにしてくれる製品を生み出してくれるのではないでしょうか。
総括:パナソニックのロボット掃除機撤退と今後の展望
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。