一人暮らしを始めてからエアコンを一度も掃除したことがないという方は、実は意外と多いのではないでしょうか?
「面倒だし、一人だからそんなに汚れないよね」と思っていませんか?
しかし、エアコンを掃除しないまま使い続けることで、思わぬ健康被害や機器の故障につながる可能性があります。
私も家電量販店で働いていると、お客様から「一人暮らしでもエアコン掃除って必要なんですか?」という質問をよくいただきます。特に女性の一人暮らしの方からは、業者を呼ぶことへの不安についてもご相談されることが多いんです。
エアコンから黒い粉が落ちてきたり、変な臭いがしたりしても「まあ、いいか」と放置してしまうのは危険です。カビやホコリの蓄積は、アレルギー症状や呼吸器の問題を引き起こす可能性があります。
また賃貸物件の場合、エアコンクリーニングの費用負担について大家さんとトラブルになることも少なくありません。
この記事では、一人暮らしでエアコンを掃除したことない方が知っておくべき健康リスクや適切な対処法、自分でできる簡単な掃除方法から専門業者への依頼方法まで、安全で快適な生活を送るための実用的な情報をお伝えします。
一人暮らしでエアコンを掃除したことないけど大丈夫?

一人暮らしでエアコンを掃除したことがないという状況について、まずは現状を正しく把握することから始めましょう。
「自分だけだから汚れも少ないはず」と思いがちですが、実際のところエアコンの汚れ方や健康への影響はどうなのでしょうか。ここでは、エアコンを掃除しないことで起こりうる問題や、適切な掃除頻度について詳しく解説していきます。
エアコンを掃除しないのはやばい?
エアコンを掃除せずに使い続けるのは、実は健康面でかなり深刻な問題につながる可能性があります。
まず、カビの胞子による健康被害が心配なんです。エアコンから出る黒い粉や塊には、カビの胞子が大量に含まれています。私も店頭でお客様のお話を聞いていると、目のかゆみやくしゃみなどのアレルギー症状がきっかけで「エアコンクリーニングをお願いしたい」とおっしゃる方が本当に多いんですよね。
また、エアコン内部のホコリや黒カビなどの汚れを放置すると、フィルターが詰まって効率よく運転できなくなります。冷暖房の効きが悪くなるだけでなく、最悪の場合はエアコンが故障してしまうことも考えられます。
エアコンの内部は電気部品があり、複雑な構造になっているため、自分で無理に分解や洗浄を行うと部品の破損や故障、さらには火災のリスクまで高めてしまう危険性があります。
一人暮らしのエアコン掃除頻度
一人暮らしだからといって、エアコン掃除をしなくてもいいわけではありません。むしろ、適切な頻度で掃除することが大切です。
フィルターの掃除については、エアコンをよく使う時期であれば2週間に1回程度がおすすめです。メーカーも最低でも1ヶ月に1回程度のフィルター掃除を推奨していますね。フィルターの汚れを放置すると、最悪の場合はエアコンが正常に機能しなくなってしまいます。
エアコンを長期間使わない場合は、3〜4時間の送風運転を行ってエアコンの内部を乾燥させましょう。これだけでもカビの発生をかなり抑制できますよ。
本格的なエアコンクリーニングは年に1回がベストです。冷房のみ使っている場合は4月前後、暖房も使う場合は10月前後がおすすめのタイミングです。春と秋は業者の繁忙期を避けやすく、料金の割引も多い時期なんです。
ただし、タバコを吸う方やよく料理をする方、ペットを飼っている方は、エアコンが汚れやすくなるため、より頻繁な掃除が必要になります。最低でも2年に1回はエアコン掃除業者に依頼するようにしましょう。
掃除をしていないまま使っても大丈夫?
掃除をしないままエアコンを使い続けるのは、実は様々なリスクを伴います。
エアコンから黒い粉が出てきているということは、すでにエアコン内部にはびっしりとカビが生えている可能性があるんです。これは健康面で非常に心配な状況ですよね。
さらに恐ろしいのは、ゴキブリの問題です。エアコン内部にゴキブリが卵を産んでしまうこともあります。1つの卵から数十個のゴキブリが生まれてしまうので、大繁殖すれば本当に大変なことになってしまいます。
機能面でも問題があります。一人暮らしだとエアコンを使う時間が短いからクリーニングをしなくてもいいと思うかもしれませんが、冷房を使うとカビが生える可能性が高くなるため、実際は掃除が必要なんです。
エアコン内部のホコリや黒カビなどの汚れを放置すると、フィルターが詰まっているので効率よく運転することができません。結果として冷暖房の効きが悪くなってしまうだけでなく、いずれはエアコンが故障してしまう可能性が高まります。
経済的な面から見ても、掃除をしないまま使うとエアコンの効率が下がり、電気代が余計にかかってしまいます。
何年間掃除しなくても大丈夫?
エアコン掃除を何年間もしないでいると、深刻な問題が発生します。
理想的なのは1年に1回掃除をして、黒い水が出てこない状態を維持することです。次の年に冷房を使い出す頃にはカビが生えていることが考えられますので、エアコン掃除をしないとカビを含んだ空気を吸い込むことになってしまいます。
エアコンが設置されている部屋によって、汚れる速度も変わってきます。キッチン近くにあるエアコンは空気中の油を吸い込んでいるため頑固な汚れになりやすく、放置しているとカビや汚れが詰まって「エアコンの効きが悪く」なります。
リビングやキッチン近くのエアコンは、冷房をあまり使わない部屋に比べて汚れやすく、カビが発生しやすい状態になっています。このような場所では、1年に1回エアコンクリーニングをするのが理想的です。
一方で、寝室や客間など使うタイミングが限られている部屋のエアコンであれば、2〜3年に1回の周期でエアコンクリーニングしていけば問題ありません。
ただし、どんなに使用頻度が少なくても、3年以上放置するのは避けた方がいいでしょう。長期間掃除しないと、汚れが蓄積してエアコンの寿命を縮めてしまう可能性があります。
黒い粒が落ちてくるのはゴキブリ?
先ほどの「黒い粉」について、もう少し深掘りしてみましょう。
エアコンから黒い粒が落ちてきた時は、まず冷静に粒の特徴を観察してください。
エアコンから落ちてくる黒い粉の主な正体は、ほこりとカビです。エアコンは室内の空気を取り込んで冷却や加熱を行うため、空気中の微細なほこりも一緒に吸い込んでしまいます。エアコン内部は湿気が溜まりやすい環境のため、カビが発生しやすくなっているんです。
しかし、エアコンから落ちてくる黒い物質が「粒状」である場合は注意が必要です。先ほどもお伝えしたように、これはゴキブリのフンである可能性があるからです。
ゴキブリのフンの特徴を覚えておくと判断しやすくなります。ゴキブリのフンは、2〜2.5mm程度の大きさで黒色、無臭です。形状が丸くて硬く、大きさが揃っているのが特徴なんです。
見分け方としては、ゴキブリのフンは丸っぽくて大きさが揃っていて、黒い粒状になっていて硬さがあります。エアコンの下や送風口周辺に黒い粒が多く見られる場合、ゴキブリのフンの可能性が高いと考えられます。
また、エアコン内部からカサカサと音が聞こえたら、ゴキブリが動き回っている可能性があります。黒ゴマを小さくしたような、同じような大きさの硬い粒がエアコンから出てきた時は、ゴキブリのフンだと思って間違いないでしょう。
女性の一人暮らしでのエアコン掃除の悩み
女性の一人暮らしでは、エアコンクリーニングを依頼する際に特有の不安があると思います。
最も多い悩みは、知らない男性作業員を自宅に入れることへの不安ですよね。私もエアコンの設置の際にお客様から「女性スタッフの方にお願いできますか」というご相談をよくいただきます。
この問題を解決するために、女性スタッフが在籍している業者を選ぶという方法があります。担当店舗によっては女性スタッフを指名できるため、一人暮らしの女性でも安心して依頼できるでしょう。
信頼性や評価の高い大手の業者を選ぶことも大切です。大手業者は従業員教育がしっかりしており、女性スタッフも一定数在籍しているのが一般的です。女性スタッフの対応を希望する場合は、事前にその旨を伝えておくとよいでしょう。
それでも不安を感じる場合は、友人や知人にお願いして一緒に立ち会ってもらうという対策もあります。作業中は在宅している必要がありますが、信頼できる人と一緒にいれば安心感が得られますね。
一人暮らしでエアコンを掃除したことない人への解決策

エアコンの掃除が必要だとわかっても、実際にどうすればいいのか迷ってしまいますよね。
自分でできる範囲の掃除方法から、専門業者に依頼する際の注意点まで、一人暮らしの方が安心してエアコンのメンテナンスを行うための具体的な解決策をご紹介します。特に女性の方や賃貸にお住まいの方に役立つ情報も含めて、実践しやすい方法をお伝えしていきます。
自分でできる簡単な掃除方法
2. フィルターを取り外す
3. 表面に掃除機をかける
4. 裏面から水洗いする
5. 完全に乾燥させる
2. ルーバーを開く
3. 固く絞った布で拭く
4. 汚れが落ちるまで繰り返す
5. 完全に乾燥させる
2. ボタン周りを拭く
3. 液晶画面を優しく拭く
4. 完全に乾いてから電池を戻す
5. 動作確認をする
2. フィルターを取り外す
3. 表面に掃除機をかける
4. 裏面から水洗いする
5. 完全に乾燥させる
2. ルーバーを開く
3. 固く絞った布で拭く
4. 汚れが落ちるまで繰り返す
5. 完全に乾燥させる
2. ボタン周りを拭く
3. 液晶画面を優しく拭く
4. 完全に乾いてから電池を戻す
5. 動作確認をする
自分でエアコン掃除をするメリットは、とにかく安いことです。必要な道具が家にあれば、費用なしで掃除できますからね。
専門知識や専用の道具を使用せず自分で掃除できるのは、フィルターやエアコン室内機、室外機の表面などの一部に限られます。まずはフィルター掃除から始めてみましょう。
フィルター掃除に用意するものは、掃除機・台所用の中性洗剤・歯ブラシ・タオルです。どれもご家庭にあるもので簡単に掃除できる方法なので、ぜひ試してみてください。
掃除方法は次の通りです。まずエアコンの電源プラグを抜きます。エアコンの前面パネルを開け、フィルターに掃除機をかけます。フィルターの裏面から水洗いして、タオルで水分を拭き取り乾燥させます。完全に乾いたらフィルターを本体に戻してください。
フィルターを外す前に、フィルターやその周辺についているホコリを掃除機で吸い取りましょう。フィルターは薄いプラスチック製のフレームとネットでできていますから、歪んだり破れたりしないように力加減に注意してください。
また、フィルターの裏側もホコリがたくさんついていますが、必ず表側から掃除機をかけてください。裏からかけてしまうと、フィルターがホコリで目詰まりしてしまいます。
掃除したくても手が届かない場合
エアコンが高い位置に設置されているため、手が届かなくて掃除を諦めてしまっている方も多いのではないでしょうか。
一般的にエアコンは天井近くの2.5〜3メートルほどの高さに設置されています。脚立や椅子を使えば届くかもしれませんが、不安定な足場での作業は転落の危険性があります。特に一人暮らしの方や高齢の方、女性の方にとっては、高所での作業は大きなリスクを伴います。
無理に高い場所のエアコンに手を伸ばそうとして、バランスを崩して怪我をしてしまったケースも実際にあります。フィルターを外そうとして脚立から落ちてしまったり、手を伸ばしすぎて肩や腰を痛めてしまったりする事故も報告されているんです。
また、高い位置にあるエアコンは手の届く範囲が限られるため、十分な掃除ができません。フィルターを外すのも一苦労で、水洗いした後に元の位置に戻すのもかなり困難です。無理な体勢で作業をすることで、かえってエアコンを傷つけてしまう可能性もあります。
エアコンから異臭や「ガタガタ」「キュルキュル」などの異音がするときも、高い位置にあるため詳しく確認することができません。このような場合は無理をせず、専門業者に依頼することをおすすめします。
プロの業者であれば適切な機材と技術を持っているため、高所での作業も安全に行えます。内部までしっかりと洗浄するには専門的な技術と専用の道具が必要ですし、自己流で無理に分解や洗浄を行うと部品の破損や故障、火災のリスクを高めてしまいます。
賃貸のエアコンクリーニング代は負担は誰がする?
※最低でも2年に1回の頻度が推奨
※不明な点は事前に質問すること
賃貸物件のエアコンクリーニング費用については、賃貸借契約書の内容や責任範囲などによって異なります。
基本的な考え方として、賃貸物件のエアコンは入居前〜入居後半年まではオーナーさんが、半年後からは入居者がクリーニング費用を負担するのが通例です。ただし、契約によっては通例と異なる内容になっている場合があります。
国土交通省が発表した原状回復をめぐるトラブルとガイドラインによると、退去時のエアコンクリーニング費用は基本的に大家さん・管理会社が負担することになっています。ただし、タバコなどエアコンが汚れる原因が借主にある場合は、借主が負担する可能性があります。
入居直後や入居1〜2ヶ月以内などの入居して間もない時期に、エアコンから異臭がしたり異音が聞こえるなど、エアコンの調子が悪い場合は、まだあまりエアコンを使用していない状態のため、エアコンクリーニング費用の負担は大家さんとなります。
賃貸物のエアコンクリーニングをする場合は、備え付けであっても自身で購入したエアコンであっても、大家さんや管理会社への相談が必要です。いずれにしても、賃貸物件にエアコンクリーニング業者を立ち入る場合は、大家さんの事前の許可が必要となるので、連絡した時に費用負担についても相談してみるといいでしょう。
一人暮らしに最適なエアコン掃除業者の選び方
完全分解:2〜3時間
・ユアマイスター
・おそうじ本舗
・ベアーズ
エアコンクリーニング業者を選ぶ際は、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
まず、依頼先の種類について理解しておきましょう。クリーニング会社は信頼性重視の人向け、マッチングサイトは安さ重視の人向きです。口コミで対応のよさをチェックすることも忘れずに。
料金相場についても確認が必要です。エアコンクリーニングの費用相場は、およそ7,000〜12,000円です。適正相場より安すぎないか、駐車料金は別途費用かなど、詳細を確認しましょう。
希望の通りやすさも重要なポイントです。土日祝・深夜対応、女性の指名できるかなどを事前に確認しておくといいでしょう。
予約の取りやすさについては、ネットで完結するか、見積もり訪問があるかなども確認しておきましょう。作業時間の目安は、標準洗浄で1時間程度、お掃除機能ありで1.5時間程度です。
損害保険に加入しているか、補償の内容はどうかも確認しておくべきポイントです。万が一の事故に備えて、しっかりとした保険に加入している業者を選びましょう。
クリーニングの品質・技術力の高さを見極めるには、エアコンクリーニング業者の公式サイトで実績を調べたり、実際に利用した方の口コミ・評判を確認するとよいでしょう。特に、より複雑な構造のお掃除機能付きエアコンを掃除してもらう場合は、料金よりも品質・技術力の高さを重視されることをおすすめします。
総括:一人暮らしでエアコンを掃除したことない
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。