新しい座椅子を買ってウキウキで帰宅したのに、いざこたつに合わせてみたら足が入らなくて絶望した経験はありませんか?
実はこれ、お店に来るお客様からも毎年のように相談される「こたつあるある」なんです。
とっさに雑誌や電話帳を挟んでみたものの、グラグラして怖いですし、何より見た目がちょっと残念ですよね。「今すぐなんとかしたい!」という気持ちは痛いほど分かりますが、不安定な代用品は火災や転倒の危険がいっぱいです。
この記事では、こたつの脚の継ぎ足し代用について、家にあるものでの応急処置のリスクから、ホームセンターの材料を使った安全なDIY方法、そして私が自信を持っておすすめできる専用の継ぎ足グッズまでを徹底的に解説します。
さらに、高さを上げたことによって発生する「寒さ問題」や「コードの長さ不足」といった意外な落とし穴への対策もバッチリご紹介します。
こたつライフを諦める前に、ぜひこの記事を読んで、安全で快適なリビングを取り戻してくださいね!
- 雑誌での不安定な代用はリスクが大きい
- ホームセンターの木材活用が安全な自作策
- 山善の脚のびたくんは万能で安定性抜群
- 高さを上げたら隙間風とコード対策が必須
危険なこたつの脚の継ぎ足し代用と安全な自作方法

ここでは、なぜこたつの高さが足りなくなるのかという根本的な理由から、身近なもので代用することのリスク、そしてもし自作するならどのような方法が安全なのかについて、詳しく解説していきますね。
なぜこたつの高さが不足してしまうのか
「なんでこたつの足ってこんなに低いの?」って思ったことありませんか?
実はこれ、こたつが設計された時代のライフスタイルが大きく関係しているんです。
昭和から平成の初期にかけて作られたこたつの多くは、床から天板の下までの高さが「38cm前後」で作られていることが多いんです。
これは、畳の上で正座をするか、薄い座布団に座ることを前提にした高さなんですね。
でも、今の私たちの生活ってちょっと変わってきましたよね。
最近の座椅子って、すごく座り心地が良いですよね。低反発ウレタンが入っていたり、ポケットコイルが入っていたりして、座面の厚みが10cmから15cmくらいあるものも珍しくありません。
お店でお客様とお話ししていても、「ふかふかの座椅子を買ったら、膝がこたつのヒーターにぶつかるんです」というご相談は本当によくあります。
計算してみると分かりやすいですよ。
こたつの空間の高さが約32cmだとして、座椅子の厚みが15cm、自分の太ももの厚みが15cmあったら、もう残り2cmしか余裕がありません。これじゃあ、ちょっと動いただけでヒーターの熱い部分に触れてしまって、「あちち!」ってなりますし、窮屈でリラックスできませんよね。
それに、こたつの中で横になって「ゴロゴロしたい」という時も、腰骨が当たって寝返りが打てないなんてことも。現代のリラックススタイルに対して、昔ながらのこたつの高さ規格が追いついていないのが、この「高さ不足問題」の正体なんです。
雑誌や発泡スチロールでの代用は危険
高さが足りないと分かった時、とりあえず家にあるもので代用したくなりますよね。
「ちょっと雑誌を挟めばいいか」とか「宅配便の発泡スチロールがあったはず」なんて考えがちですが、家電量販店の店員としては、これだけは全力で止めさせてください。
本当に危ないんです!
ここが危険!身近な代用品のリスク
- 雑誌や電話帳:紙は重さで潰れて変形しますし、表紙が滑りやすいので、こたつに入った拍子に足が当たってズレることがあります。もしこたつが傾いて、掛け布団が中のヒーターユニットに触れてしまったら…最悪の場合、火災につながる恐れがあるんです。
- 発泡スチロール:これはもっと危険です。発泡スチロールは熱に弱く、こたつの熱やファンヒーターの温風で溶けてしまうことがあります。溶けてバランスを崩し、熱々の鍋が乗った天板がひっくり返るなんて想像しただけでも怖いですよね。
- レンガやブロック:安定しそうに見えますが、フローリングを傷だらけにしてしまいますし、表面がザラザラしているのでこたつの脚との密着性が悪く、意外と滑り落ちやすいんです。
NITE(製品評価技術基盤機構)からも、こたつ火災の多くは「衣類や座布団がヒーターに押し込まれる」ことで起きていると報告されています。
(出典:独立行政法人製品評価技術基盤機構「こたつの事故の防止について(注意喚起)」)
不安定な代用品を使うことは、自らそのリスクを招いているようなもの。大切な家や家族を守るためにも、グラグラするような不安定な代用はやめましょうね。
100均グッズ活用のメリットと注意点
「じゃあ、100均の継ぎ足はどうなの?」って気になりますよね。
ダイソーやセリアなどの100円ショップでも、こたつの継ぎ足グッズは販売されています。
「とりあえず安く済ませたい」という気持ち、すごく分かります。私だって安く済むならそれが一番嬉しいですから。
100均グッズの最大のメリットは、なんといってもその圧倒的な安さです。
4つ揃えても数百円で済みますから、急な来客時だけちょっと高くしたい、といった一時的な用途なら選択肢に入るかもしれません。
でも、デメリットもしっかり理解しておく必要があります。
100均継ぎ足の注意点
- サイズが小さい:多くの100均商品は直径が6cm〜7cm程度と小さめです。最近の家具調こたつの太い脚(8cm以上あることが多いです)だと、そもそも入らないケースが多発しています。
- 耐久性の不安:プラスチックが薄い場合があり、重たい天板や布団、さらにその上に料理などを乗せると、ミシミシと音がしたり、最悪割れてしまったりすることも。
- 高さの限界:だいたい3cm〜4cmアップの商品が多く、「座椅子を使いたいから10cm上げたい」というような大幅な調整には向いていません。
「買ってきたけど入らなかった…」となっては、たとえ100円でも悲しいですよね。まずは自宅のこたつの脚のサイズをしっかり測ってから検討することをおすすめします。
「安物買いの銭失い」にならないよう、慎重に選びましょう。
ホームセンターの木材で自作する方法

もし、ある程度のDIYスキルがあって「見た目もこだわりたいし、丈夫なものがいい」という方には、ホームセンターで木材を調達して自作する方法が、唯一おすすめできる「代用」手段です。
特におすすめなのが、「2×4(ツーバイフォー)」材や「4×4(フォーバイフォー)」材といった規格木材を使う方法です。特に4×4材は約89mm角という太さがあるので、一般的な角脚のこたつの土台として十分な安定感があります。
コーナンやカインズなどのホームセンターには「木材カットサービス」という便利なものがあります。これを使えば、ノコギリで汗だくにならなくても、ミリ単位で正確に欲しい高さにカットしてもらえるんですよ。
1カット数十円程度なので、ぜひ利用してみてください。
木材で自作する時の必須アイテム
ただ木材を置くだけでは滑って危険です。以下の加工を必ず行ってください。
- 滑り止めゴム:木材の底面(床側)と天面(こたつ脚側)の両方に、強力なゴムシートを貼りましょう。光(Hikari)の「ゴム板 KGR-13」などがおすすめです。
- 枠を作る:可能なら、こたつの脚がズレ落ちないように、木材の上にベニヤ板などで「枠」を作ると完璧です。
木材ならインテリアにも馴染みやすいですし、塗装をすればおしゃれな家具の一部みたいになります。手間はかかりますが、雑誌を積むより100倍安全で、愛着も湧くと思いますよ。
3Dプリンターでパーツを作る選択肢
これは最近増えてきたお客様の傾向なんですが、ご自宅に3Dプリンターをお持ちの方なら、自分で専用の「靴」を作ってしまうという手もあります。
これこそ究極のDIYですよね。
3Dプリンターで作る最大のメリットは、「自分の家のこたつの脚の形にシンデレラフィットさせられる」ことです。猫脚のような複雑なカーブを描いた脚や、特殊な楕円形の脚でも、自分で設計すればガッチリとはまるパーツが作れます。
ただし、素材選びには注意が必要です。
一般的に使われるPLAという樹脂は、耐熱温度が60度くらいと低めなんです。こたつのヒーター付近は結構熱くなるので、長時間使っていると変形してグニャッとなってしまうリスクがあります。
自作するなら、熱に強いABS樹脂やPETGといった素材を使うのが鉄則です。また、積層強度が弱いと体重をかけた時にパキッと割れることがあるので、充填率(インフィル)を高めに設定してプリントしてくださいね。
少しマニアックな方法ですが、テック系のご家庭なら、週末のプロジェクトとして挑戦してみるのも面白いかもしれません。
こたつの脚の継ぎ足し代用におすすめの専用品と工夫

ここからは、私たち家電量販店の店員が自信を持っておすすめする「専用の継ぎ足グッズ」と、こたつ環境をより快適にするためのちょっとした工夫についてご紹介します。
「餅は餅屋」と言うように、やはり専用品は安全性と使い勝手が違いますよ。
山善の「脚のびたくん」は安定性が高い
私がお店でお客様に「どれが一番いいの?」と聞かれたら、迷わずおすすめするのが山善の「脚のびたくん」シリーズです。これはもう、継ぎ足界のロングセラーであり、王者と言っても過言ではありません。
特におすすめなのが、平脚用の「脚のびたくん H-145AJ」というモデルです。この商品のすごいところは、二つの「調整機能」を持っている点なんです。
まず一つ目は、「本体をひっくり返すだけで高さを2段階に選べる」こと。上下を入れ替えることで、約5cmアップか約7cmアップかを選べるんです。これなら「座椅子を使う時は7cm」「寝転がるだけなら5cm」といった使い分けが1つでできちゃいます。
そして二つ目が、「アジャスター」と呼ばれる調整用スペーサーが付属していることです。こたつの脚って、細いものや特殊な形のものもありますよね。このスペーサーをはめ込むことで、細い脚でも隙間ができずにしっかりとフィットさせることができるんです。
「うちのこたつは脚が細いから、継ぎ足の中で遊んでグラグラしそう…」という心配がある方でも、この付属品があれば安心して固定できます。
角脚専用の「脚のびたくん K-95AJ」というモデルもありますが、汎用性の高さで言えばH-145AJがピカイチです。
代用品を探してホームセンターを何軒も回るくらいなら、これをAmazonや楽天でポチッとした方が、時間も労力も節約できて、何より安全ですよ。
スマイルキッズなら重ねて高くできる
「もっと高くしたい!」「今の継ぎ足じゃまだ膝が当たる!」というハイレベルな要求をお持ちの方におすすめなのが、スマイルキッズ(旭電機化成)の「こたつの高さをあげる足」シリーズです。
この商品の最大の特徴は、ズバリ「積み重ね(スタッキング)」ができることです。
特に「ハイヒールプラス AKO-51」という商品は、1セットで約3.5cm、2セット重ねて使うとなんと約7cm〜8cmもアップさせることができるんです。
まるでブロック玩具のように重ねられる構造になっているので、DIYで木材を重ねるよりも遥かに安定感があります。
形状も丸脚や楕円脚にフィットしやすいデザインになっていて、見た目もコロンとしていて可愛らしいんです。お値段も非常に手頃なので、コストを抑えつつ高さを出したいという方にはピッタリのアイテムです。
こんな人におすすめ
- 極厚の座椅子を使っていて、とにかく高さが欲しい人
- こたつの中でスムーズに寝返りを打ちたい人
- 丸い脚のこたつを使っている人
重ねて使うことが公式に認められている製品は少ないので、高さを追求するならスマイルキッズ一択かなと思います。
薄型ヒーター交換で空間を広げる技
ここでちょっと視点を変えてみましょう。
「こたつの足を高くする」のではなく、「こたつのヒーターを薄くする」という解決策があるのをご存知ですか?
これ、意外と知らない方が多い裏技なんです。
古いこたつに付いている石英管ヒーターは、ボコッと6cm〜7cmくらい出っ張っていますよね。この出っ張りが膝に当たる原因なんです。これを最新の「薄型設計ヒーター」に交換してしまえば、足元の空間を一気に広げることができるんです。
現在のおすすめは、メトロ電気工業の「MCU-501E」などの薄型カーボンヒーターです。このモデルは厚みが約4.1cmと非常にスリムに設計されています。
「フラットヒーター」ほどの薄さではありませんが、古いヒーターに比べれば2cm〜3cmも空間が広くなります。この数センチの違いが、寝返りを打てるかどうかの分かれ道になるんですよね。
しかも、カーボンヒーターは遠赤外線効果が高く、速暖性にも優れているので、「薄くなったのに前より暖かい!」と感動されるお客様も多いですよ。
「ヒーターの交換なんて難しそう…」と思われるかもしれませんが、実はこたつのヒーターのサイズやネジの位置って、ある程度規格が決まっていて(29cm×29cmが一般的)、ドライバー1本で簡単に交換できることが多いんですよ。
足を継ぎ足すとどうしても見た目が不格好になりがちですが、ヒーター交換なら外見はそのままで快適性だけアップできます。予算に余裕があれば、ぜひ検討してほしい「スマートな代用策」です。
古いこたつの電気代の目安やヒーター交換で得られる節電効果をもっと詳しく知りたい場合は、古いこたつの電気代とヒーター交換のポイントをまとめた記事もあわせてチェックしてみてください。
隙間風を防ぐ中掛け毛布と厚手ラグ

こたつの足を高くすると、必ず直面するのが「寒くなる問題」です。
足を5cm上げれば、当然こたつ布団の裾も5cm上がってしまいますよね。そうすると、床と布団の間に隙間ができて、そこから冷たい隙間風(ドラフト)がスースーと入ってくるんです。
また、内部の空間が広くなる分、熱が逃げやすくなって暖まりにくく感じることもあります。
そこで必須になるのが、テキスタイル(布もの)での対策です。
一番のおすすめは、「中掛け毛布(なかガケもうふ)」を追加することです。例えばニトリの「Nウォーム 中掛け毛布」などは、肌触りも最高で暖かいですよ。
ポイントは、天板サイズぴったりのものではなく、あえて大きめのサイズを選んで、裾を長く垂らすことです。これがスカートのように隙間を埋めてくれて、熱を逃がしません。
そして、床からの底冷え対策には「厚手のラグ」が欠かせません。アイリスオーヤマの「ラ・クッションラグ」のように、厚さが3cmくらいあるウレタン入りのラグを敷くと、断熱性が段違いです。
厚みがある分、また高さが必要になるというパラドックスもありますが(笑)、快適さは格別です。
フローリングでどんなラグや断熱シートを組み合わせると効率的かは、フローリングでこたつ下に敷くものを詳しく解説した記事で解説しています。
電気代が気になる方は、こたつの設定温度を上げるのではなく、パナソニックの「着せ替えカーペット(ホットカーペット)」を併用して、下から暖めるスタイルに切り替えるのも賢い方法ですよ。
ロボット掃除機が通れる高さを確保
こたつの足を高くすることには、実は隠れた大きなメリットがあります。
それは「ロボット掃除機が掃除してくれるようになる」ということです。
一般的なルンバなどのロボット掃除機の高さは9cm〜10cmくらいです。通常のこたつの高さだと、器具の下までは入れたとしても、垂れ下がったこたつ布団が壁となって侵入できないことが多いんです。でも、継ぎ足をして布団の裾が上がれば、ロボット掃除機がスムーズに入れるようになります。
ただし、ここで注意したいのが「コードの巻き込み」です。
ロボット掃除機にとってこたつのコードは天敵。巻き込んで止まってしまい、助けを求める通知がスマホに来る…なんてことになりかねません。
そこでおすすめなのが、障害物回避能力が高いモデルです。
iRobotの「ルンバ j7+」などは、カメラでコードを認識して避けてくれる賢い機能を持っています。こたつの中ってホコリが溜まりやすいので、毎日ロボットが掃除してくれると本当に気持ちがいいですよ。
もしこれからロボット掃除機を買うなら、「こたつの高さ調整」とセットで考えると、家事の手間が劇的に減るはずです。これは主婦としてもイチオシのポイントですね。
コードの断線や転倒を防ぐ安全対策
最後に、忘れがちだけどとっても重要な安全対策についてお話しします。こたつの足を高くすると、コンセントまでの距離が遠くなりますよね。
その結果、電源コードがピンと張った状態になっていませんか?
コードに余裕がない状態で足を引っ掛けると、こたつが転倒したり、コードが断線してショートしたりする危険があります。また、古いコードを無理に引っ張って使うのも火災のもとです。
対策としておすすめなのが、パナソニックの「マグネットタップセット」を使うことです。
コンセントとプラグの間にマグネット式のアダプターを挟むもので、万が一足を引っ掛けても、ポンッとマグネットが外れるだけで済みます。電気ポットのコードと同じ仕組みですね。
これがあれば、こたつがひっくり返る大惨事を防げます。
おすすめの「WH6601WP」というセット商品なら、アダプタも同梱されているので買ってすぐに使えますよ。
また、もしこたつのコードが布巻きの古いタイプで、毛羽立っていたり硬くなっていたりするなら、この機会に新品に交換しましょう。
メトロ電気工業の「こたつコード BC-KE21D」などは、手元で温度調節もできて便利ですし、何より安全です(※ヒーターが電子コントローラーに対応しているか確認してくださいね)。
コードの種類や共通規格、選び方の詳細は、こたつコードの種類と共通規格を解説した記事も参考にしてみてください。
快適な高さとセットで、電気周りの安全もしっかり確保してくださいね。
まとめ:快適なこたつの脚の継ぎ足し代用
こたつの高さを変えるだけで、座椅子が使えるようになったり、寝返りが打てるようになったりと、リビングの快適度は劇的に向上します。でも、その方法を間違えると危険がいっぱいです。
| 方法 | 安全性 | おすすめ度 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 雑誌・本 | 危険 | × | 滑りやすく火災のリスクあり。絶対にNG。 |
| 100均グッズ | △ | △ | 安価だがサイズが合わないこと多し。耐久性に不安。 |
| 木材DIY | ○ | ○ | 手間はかかるが、サイズ自在で安定感あり。滑り止め必須。 |
| 専用継ぎ足 | ◎ | ◎ | 山善やスマイルキッズなど。最も安全で確実な選択肢。 |
結局のところ、数百円をケチって危険な代用品を使うよりも、数千円でしっかりした専用品を買う方が、長い目で見れば一番の節約であり、何より心の安心につながります。
「たかが数センチ」と思わず、安全第一で快適なこたつライフを楽しんでくださいね!


