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洗濯機は自分で設置できる?判断する5つの条件と業者依頼との違い

玄関に届いたばかりの大きな段ボール。
配送の方が帰ったあと、洗面所の前でそれを見上げながら「これ、どうやって置くんだろう…」と固まってしまう。そんな時間を過ごしていませんか?

洗濯機を自分で設置できるかどうかは、あなたの家の設備しだいで決まります。
蛇口の形と排水口の位置、そして玄関から洗面所までの通り道。この3つが標準的なら、道具をそろえて順番どおりに進めるだけで、意外とあっさり終わります。

逆に、ここを確かめずに始めてしまうと、途中で手が止まったり、初回の洗濯で床が水浸しになったりすることも。売り場でも「差し込んだつもりだったのに抜けていた」という相談は本当によく耳にします。

このページでは、自分でやるか業者に頼むかを見分ける条件から、道具の準備、排水・給水・アース線をつなぐ5つの手順、そして失敗しやすいポイントまで順番にお話ししていきます。

読み終わるころには、あなたの家が「自分でいけるパターン」なのか「頼んだほうが安いパターン」なのか、はっきり判断できるはずです。

この記事のポイント
  • 自分で設置できるかの判断基準
  • 設置前にそろえる道具と寸法
  • 排水から試運転までの5手順
  • よくある失敗と業者依頼の目安

洗濯機を自分で設置するのは可能?難易度を分ける5つの条件

洗濯機の設置は、蛇口の形状と排水口の位置、搬入経路の3つが標準的なら、道具をそろえて手順どおり進めれば自分でできます。専門の資格も特別な工具も要りません。

ただし「誰でも」ではなく「条件が合えば」というのが正直なところ。家の設備が少し変わっているだけで、難易度は一気に跳ね上がります。まずは自分の家がどちらのパターンなのか、ここで見極めてしまいましょう。

自分で設置できるかは、この5か所を見れば分かります

チェックするのは5か所だけです。

すべてが左側の列に当てはまれば、自分で設置できる可能性は高いと考えて大丈夫。ひとつでも右側に当てはまるなら、その部分だけでも業者に相談したほうが結果的に安く済みます。

確認する場所 自分でできる目安 業者に頼みたいケース
蛇口の形 洗濯機用のワンタッチ水栓が付いている 普通の横水栓のみ/蛇口の位置が低くて本体に当たる
排水口の位置 防水パンの手前や横にあり、手が入る 洗濯機の真下に排水口がある(真下排水)
搬入経路 玄関から洗面所まで直線的に運べる 階段や曲がり角が狭い/2階以上でエレベーターなし
コンセント アース端子付きの専用コンセントがある アース端子がない/延長コードしか届かない
手伝ってくれる人 大人が2人そろう 1人しかいない/腰や膝に不安がある

このなかで見落とされがちなのが、排水口の位置です。洗濯機の真下に排水口がくる「真下排水」のお宅は、本体を置いてからでは絶対に手が届きません。

専用の真下排水パイプが必要になったり、置く順番を間違えると全部やり直しになったりするので、ここは早めに確認しておきたいところ。

設置後の縦型洗濯機と給水ホース・蛇口・アース線付きコンセントの位置関係
設置が終わった状態。蛇口・給水ホース・右手のコンセントとアース線が、それぞれ無理のない位置に収まっているのが理想です。

写真のように、蛇口・ホース・コンセントがきれいに収まって初めて「設置完了」です。どれかひとつでも無理な角度になっていたら、そこが将来のトラブルの種になります。

縦型とドラム式では、自分で設置する大変さがまったく違います

同じ洗濯機でも、縦型とドラム式では作業の重さがぜんぜん違います。ホースをつなぐ作業自体はほぼ同じなのに、難易度を分けているのは本体の重量と、ドラム式だけにある固定ボルトの存在なんです。

種類 本体重量の目安 自分で設置する難易度 特有の注意点
縦型(洗濯のみ) 約30〜40kg 比較的やさしい 大人2人なら持ち上げられる範囲
縦型(洗濯乾燥機) 約40〜50kg やや大変 背が高く、上部に手をかけにくい
ドラム式 約70〜90kg かなり大変 輸送用の固定ボルトを必ず外す

ドラム式の重量は、大人ひとりぶんの体重があると思ってください。しかも重心が前寄りで、持ち手になる出っ張りもほとんどありません。大人2人でも、曲がり角のある廊下を運ぶのはかなりの重労働になります。

そしてドラム式でいちばん怖いのが、輸送用の固定ボルトの外し忘れです。運搬中にドラムが揺れないよう背面で槽を固定しているネジで、これを付けたまま運転すると、とんでもない振動と音が出て故障につながります。

数は機種によって3〜4本と違うので、説明書の図を見ながら本数を確認しておきたいところ。

固定ボルトは「外す」だけでなく「保管」も大事

引っ越しでもう一度動かすとき、このボルトがないと安全に運べません。紛失すると販売店を通じて取り寄せることになるので、外したボルトは説明書と一緒に袋へ入れて保管しておきましょう。

ちなみに、ドラム式を新しく買うときは配送と同時に設置してもらえるサービスが付いていることも多いです。自分で運ぶ前提で考えず、まずは購入先の条件を確認してみてください。

女性が一人で設置するのはどこまで可能?

ホースの接続やアース線の取り付けは、力をほとんど使わないので一人でも問題なくできます。むしろ手先の作業なので、丁寧にやれるぶん仕上がりはきれいです。

問題は、やっぱり運搬なんです。縦型でも30kg以上ある本体を、狭い洗面所で持ち上げて防水パンに収めるのは、体格に関係なく危険な作業になります。腰を痛めるだけならまだしも、手が滑って本体を倒すと、床も壁も洗濯機も一度に傷めることに。

葵のワンポイントアドバイス

売り場でも「私一人でも大丈夫ですか?」と聞かれることが多いんですが、いつも同じお返事をしています。接続は一人でOK、持ち上げるところだけ誰かに手を借りてください、と。ここを分けて考えるだけで、ぐっと現実的になります。

どうしても手伝ってくれる人がいないなら、運搬と設置だけをお願いして、あとの調整は自分でやるという分け方もあります。全部を自分でやるか、全部を任せるか。その二択で考えないほうが、選択肢はずっと広がります。

洗濯機の設置に必要な道具と、先に測っておく寸法

作業に入る前に、道具と寸法を先にそろえてしまいましょう。途中で「あれがない」と気づいてホームセンターへ走ることになると、水を抜いた洗濯機が中途半端な位置で一晩過ごすことになります。

準備といっても、身構えるような特別なものは要りません。ほとんどが家にあるものです。

最低限そろえておきたい4つの道具

まずはこの4つ。すべて数百円で買えるものばかりなので、持っていないものだけ買い足せば十分です。

道具 使う場面と選び方
ドライバー アース線をコンセントの端子に留めるときに使用。プラスとマイナスの両方があると安心
軍手 本体を持ち上げるときの滑り止め。手のひらにゴムの粒が付いたタイプが扱いやすい
タオル・雑巾 ホースに残った水を受けたり、床を拭いたり。3枚ほどあると足りなくなりません
バケツ 給水ホースや排水ホースの水抜きに。洗面器でも代用できます

あると便利なのが、スマートフォンの水平器アプリです。本体上部に水準器が付いている機種がほとんどですが、脚を調整しながら別の角度からも確認できると、微妙な傾きに気づきやすくなります。

家の設備によっては追加で必要になるもの

ここからは、お住まいの設備しだいで必要になるものです。買う前に、必ず自宅の蛇口と排水口を写真に撮ってからホームセンターへ向かってください。現物を見ながら選べば、間違えることはまずありません。

まず、蛇口が洗濯機用ではない普通の横水栓なら、ニップル(水栓つぎて)という接続金具が必要になります。蛇口の先に取り付けて、給水ホースをワンタッチでつなげる形に変える部品です。

選ぶときに私がおすすめしているのは、ストッパー付きのタイプ。
カクダイの「洗濯機用ニップル(ストッパーつき)772-540」のように、万が一ホースが抜けても自動で水が止まる仕組みが入っているものです。数百円の差でしかないのに、留守中に外れたときの被害がまったく変わってきます。

ストッパーなしの安いニップルでも設置自体はできますが、抜けた瞬間に蛇口から水が出っぱなしになります。マンションの上階にお住まいなら、迷わずストッパー付きを選んでください。

逆に、蛇口をこまめに閉める習慣があって戸建ての1階という方なら、そこまで神経質にならなくても大丈夫かと思います。

もうひとつが、かさ上げ台です。排水口が洗濯機の真下にくる場合や、下の掃除スペースを確保したい場合に本体の脚の下へ入れて使います。因幡電工の「ふんばるマン OP-SG600」は4個1組で、公式仕様では4個使用時の耐荷重が300kgとされている定番品です。

高さが6cmほど上がるので、排水ホースを無理なく通せるようになりますし、洗濯機の下にたまるホコリも掃除しやすくなります。

ただし本体の位置が高くなるぶん、蛇口や上の棚と干渉しないか、先に高さを確認しておく必要があります。ドラム式は重心が高くなるのを嫌う機種もあるので、取扱説明書で使用の可否を見ておきましょう。

買い足すものは、設置当日ではなく前日までに

ニップルもかさ上げ台もホームセンターや家電量販店で買えますが、蛇口の形が特殊だと取り寄せになることがあります。設置日が決まっているなら、数日前には現物を確認しておくと安心です。

逆に言うと、この2つが不要な家なら、追加費用はほぼゼロで設置できます。

本体サイズより先に、搬入経路の幅を測ってください

設置で一番くやしい失敗が「置き場所には入るのに、そこまで運べない」というパターンです。洗濯機置き場の寸法だけを測って安心してしまうと、当日になって玄関や廊下の角で止まってしまいます。

測っておきたいのは、玄関ドアの幅と高さ、廊下の幅、曲がり角の対角の余裕、そして洗面所の入口。

目安として、本体の幅と奥行きにそれぞれ10cmほど余裕があれば、人が持って運ぶスペースを確保できます。階段を使うなら、踊り場で向きを変えられるかどうかも見ておきましょう。

置き場所については、防水パンの内寸と脚の位置がかみ合うかどうかが決め手になります。
本体は載るのに脚がパンの縁に乗ってしまう例もあるので、防水パンから洗濯機がはみ出るときの対処法をまとめた記事もあわせて見ておくと、購入前の確認漏れを防げます。

洗濯機置き場に設置された洗濯機を側面から見た様子と設置スペースの奥行き
側面から見ると、奥行きの余裕がどれくらい必要かがつかみやすくなります。奥のホース分のスペースも忘れずに。

写真のとおり、背面には給水ホースや排水ホースを通す余裕も要ります。カタログの本体寸法ぴったりに壁へ寄せると、ホースが折れて排水不良の原因になるので気をつけてください。

洗濯機を自分で設置する5つの手順

準備が整ったら、ここからは順番どおりに進めるだけです。ポイントは、排水ホースを先につないでから本体を置くこと。この順番を守るだけで、作業のしやすさがまるで変わります。

時間の目安は、慣れていない方で40分から1時間ほど。
焦らずいきましょう。

手順1 排水ホースを排水口につなぐ

最初に排水ホースです。
本体を置いてしまうと排水口に手が届かなくなるので、必ずここから始めます。

排水口には通常、排水エルボというL字型の部品が付いています。ここへ排水ホースを差し込み、付属のホースクリップで固定します。

差し込みが浅いと、脱水時の水圧であっさり抜けてしまうので、奥まで入ったのを手ごたえで確認してください。仕上げに結束バンドやビニールテープで補強しておくと、さらに安心です。

気をつけたいのが、深く差し込みすぎるのも良くないという点。排水トラップの封水(下水の臭いを止めている水)の働きを邪魔してしまうことがあります。

適切な差し込み量については、排水ホースの正しい付け方を説明した記事で詳しく触れているので、初めての方はそちらも目を通してみてください。

賃貸で、排水エルボがなく床に穴が開いているだけというお宅もあります。その場合は防臭ゴムや排水アダプターで隙間を埋める必要があり、そのまま差し込むだけでは臭いも虫も上がってきます。

この形の排水口にあたった方は、排水口が穴だけのときの接続方法を解説した記事の手順で先に部材をそろえておくと、当日つまずかずに済みます。

手順2 本体を置いて水平を出す

排水ホースがつながったら、本体をゆっくり設置場所へ移動します。このとき、ホースが本体の下敷きになったり、きつく折れ曲がったりしていないかを必ず確認してください。

置いたら次は水平出しです。ここは地味ですが、設置作業でいちばん効いてくる工程だと思っています。傾いたまま使うと脱水のたびに本体が暴れ、騒音や故障、最悪の場合は転倒につながります。

本体上部にある水準器の気泡が円の中央にくるよう、四隅の脚を回して高さを調整します。調整が終わったら、上から手をついて本体を軽く揺すってみてください。カタッと動くなら、まだどこかの脚が浮いています。

置き場所そのものにも条件があります。
シャープの公式案内では、水平でしっかりした所に置くこと、タイルなどの滑りやすい床や平らでない所は振動や騒音の原因になること、そして振動による壁の傷を防ぐため壁から1cm以上離すことが案内されています。

【出典】シャープ『引っ越し前の準備(ドラム式洗濯機)』

手順3 給水ホースを蛇口と本体につなぐ

続いて給水側です。
まず蛇口を完全に閉めてから作業を始めてください。ここを忘れると、いきなり水を浴びることになります。

洗濯機用のワンタッチ水栓なら、給水ホースの先端を押し上げてカチッと音がするまで差し込むだけ。音がしないまま手を離すと、水圧で抜けます。一般的な横水栓の場合は、先にニップルを取り付けてから同じようにホースをはめます。

本体側の給水口はネジ式です。時計回りに、手で止まるところまでしっかり締めます。
工具で力任せに締めるとパッキンをつぶしてしまうので、あくまで手締めで大丈夫。

接続が終わったら、蛇口を少しだけ開けて、つなぎ目に水がにじんでいないかを指でなぞって確認します。ここで濡れるようなら、一度外して差し込み直したほうが早いです。

手順4 アース線を接続する

アース線は、緑と黄色のあの細いコードです。漏電したときに電気を地面へ逃がして感電を防ぐ役目があり、水回りで使う洗濯機では必須の安全装置になります。

コンセント下のアース端子のカバーを開け、中のネジをドライバーで少し緩めます。そこへアース線の先端を巻きつけ、ネジを締め直してカバーを戻せば完了です。

ワンタッチ式なら、レバーを上げて差し込むだけで留まります。必ず電源プラグを抜き、手を乾かした状態で行ってください。

取り付け場所には決まりがあります。
NITE(製品評価技術基盤機構)は、アース線を必ずコンセントのアース端子に取り付けること、ガス管・水道管・電話のアース・避雷針には法令で取り付けが禁止されていることを案内しています。

「近くに金属の管があるから」と代用するのは絶対にやめてください。

【出典】製品評価技術基盤機構『製品安全情報マガジン Vol.425』

洗濯機の側面に貼られた漏電による感電などの警告ラベル
本体側面のラベルにも、漏電による感電への警告がはっきり書かれています。アース線を軽く見ないでほしい理由がここにあります。

では、コンセントにアース端子そのものがない場合はどうすればいいのか。

これは自分ではどうにもできません。日立の公式案内でも、電気工事士の有資格者によるD種(第3種)接地工事を電気工事業者へ依頼するよう説明されています。

あわせて漏電ブレーカーの設置も勧められているので、古い物件にお住まいなら、この機会に大家さんや管理会社へ相談してみてください。

【出典】日立『洗濯機にアースは必要ですか?/アース線の接続について』

手順5 試運転で水漏れを確認する

最後に試運転です。
ここを飛ばすと、これまでの4手順の意味が半分なくなります。面倒でも必ずやってください。

まず蛇口をゆっくり全開にして、給水ホースの両端をタオルで押さえるように触ります。にじみもなければ、電源を入れて一番少ない水量で運転を始めましょう。

水がたまってきたら一度止めて、次のポイントを確認します。

  • 給水ホースのつなぎ目
    蛇口側と本体側の両方を、指の腹でなぞって湿りがないか見る
  • 排水ホースの差し込み口
    排水エルボとの接続部から水が染み出していないか
  • 本体の真下
    防水パンの底に水がたまりはじめていないか
  • 本体のぐらつき
    運転中にカタカタと片脚が浮く音がしないか

ここまで問題なければ、そのまま脱水まで一周させます。脱水は排水の勢いが一番強くなるタイミングなので、ホースが抜けないかを見る最後の関門になります。

ここを無事に通過したら、設置は完了です。

自分で設置するときによくある失敗と、その防ぎ方

お客様から伺う失敗談には、はっきりした傾向があります。難しい作業でつまずくというより、簡単だからと省いた工程で起きているものがほとんどなんです。

先に知っておけば避けられるものばかりなので、代表的な4つを見ておきましょう。

いちばん多いのは、やはり水漏れ

失敗のなかで群を抜いて多いのが水漏れです。原因は給水ホースか排水ホースの接続の甘さで、しかもその大半は「試運転をしなかったから気づけなかった」というパターンになります。

やっかいなのは、設置直後にはまったく漏れないケースがあること。差し込みが少し浅いだけだと、数回の洗濯を経て振動で少しずつずれ、ある日突然抜けます。だからこそ、接続部の補強と試運転の両方が必要になるんです。

集合住宅で階下まで水が届くと、床材の張り替えや家財の弁償で数十万円規模の話になることもあります。設置費用を数千円浮かせるために背負うリスクとしては、正直あまり割に合いません。

設置後1週間は、洗濯機まわりを見る習慣を

初回だけでなく、2回目や3回目の洗濯のあとにも防水パンの底をのぞいてください。じわじわ漏れるタイプは、数日たってから発見されることが多いです。

もし水漏れを見つけたら、まず蛇口を閉めてから原因を探します。慌てて本体を動かすと、被害が広がってしまいます。

激しい振動と騒音は、水平不良か固定ボルトが原因

「置いた翌日から音がすごい」という相談も定番です。原因はほぼ2つに絞られます。水平が出ていないか、ドラム式で輸送用の固定ボルトを外し忘れているか。

水平不良なら、脚を回し直せばその場で直ります。四隅を順番に調整して、最後にもう一度本体を揺すって確認してください。かさ上げ台を使っている場合は、台がずれていないかも見ておきましょう。

固定ボルトの外し忘れは、背面をのぞけばすぐ分かります。付いたまま運転を続けると内部の部品を痛めるので、気づいた時点で運転を止めてください。ボルトを外したあとは、付属のキャップで穴をふさぐのを忘れずに。

置き場所には入るのに、そこまで運べない

意外と多いのが、搬入経路でつまずくパターンです。
洗濯機置き場のサイズは測ったのに、廊下の曲がり角を曲がれない。玄関ドアの枠がわずかに足りない。ドラム式は横幅も奥行きも大きいので、この失敗が起きやすくなります。

防ぎ方はひとつだけ。購入前に、本体サイズと搬入経路の両方を測ることです。
特にマンションの内廊下や、階段の踊り場は要注意。心配なら、購入時に販売店へ間取りを伝えて相談してみてください。搬入の可否を事前に確認してくれるところもあります。

防水パンがない場合は、水漏れ対策を二重に

最近の住宅では、見た目や掃除のしやすさを重視して防水パンを設けないケースが増えています。もちろん設置自体は問題なくできますが、万が一のときに水を受け止めるものがないぶん、対策は厚めにしておきたいところ。

具体的には、排水ホースの接続を結束バンドとテープで二重に固定すること。そして給水側にストッパー付きのニップルを使うこと。この2つだけでも、床が水浸しになるリスクはぐっと下がります。

床への直置きが気になるなら、かさ上げ台を使って本体の下に空間をつくるのも手です。ホコリがたまっても掃除機のノズルが入りますし、床の湿気もこもりにくくなります。

葵のワンポイントアドバイス

防水パンがないお宅ほど、設置のときに「あとで掃除できるか」まで考えておいてほしいんです。一度置いたら、次に動かすのは買い替えのときですから。今の10分が、この先7年ぶんの手間を決めます。

設置は一度きりの作業に見えて、実はその後の使い勝手をまるごと決めてしまう工程なんですよね。

業者に頼む場合の料金相場と、任せたほうがいいケース

自分でやるか頼むか。判断の分かれ目は、費用そのものより「失敗したときに払う額」で考えると答えが出しやすくなります。

まずは依頼先ごとの料金の目安から見ていきましょう。

依頼先によって料金の目安は変わります

設置だけを頼む場合、依頼先は大きく3つに分かれます。
金額はあくまで一般的な目安で、地域や時期、洗濯機の種類によって変わるため、最新の料金は各社の公式サイトで確認してください。

依頼先 料金の目安 向いているケース
家電量販店 3,000円〜8,000円程度 購入と同時に頼みたい。設置と同時に古い洗濯機を引き取ってほしい
引っ越し業者 4,000円〜10,000円程度 引っ越しとまとめて済ませたい。取り外しと設置の両方が必要
便利屋・水道業者 5,000円〜15,000円程度 すでに手元にある洗濯機の設置だけを頼みたい。急ぎで対応してほしい

この金額は基本的な設置作業のみの相場です。蛇口の交換が必要だったり、かさ上げ台の取り付けや真下排水の対応が入ったりすると、部品代と作業費が別途かかります。見積もりの段階で、追加料金が発生する条件を聞いておくと安心です。

ちなみに家電量販店で購入する場合、機種や時期によっては設置料が本体価格に含まれていることもあります。「自分でやれば無料」と決めつける前に、購入時の条件を一度確認してみてください。

迷ったときは、この基準で決めてください

ここまでの内容を、判断しやすい形に整理しておきます。

状況 おすすめの選択 理由
縦型・ワンタッチ水栓・手伝いあり 自分で設置 手順どおりで完結する。費用もかからない
ドラム式・搬入経路が狭い 業者に依頼 重量と固定ボルトの扱いでリスクが跳ね上がる
真下排水・蛇口が特殊 業者に依頼 専用部材と経験が必要で、やり直しがきかない
集合住宅の2階以上 業者に依頼 水漏れ時の賠償額が設置料をはるかに上回る
アース端子がない 電気工事業者へ相談 接地工事は資格がないと行えない

数千円をかけて確実に取り付けてもらうか、自分の手で仕上げて達成感を得るか。どちらが正解ということはありません。

ただ、迷っている時点で不安要素があるということでもあります。その不安がどこから来ているのかを、上の表で確かめてみてください。

洗濯機を自分で設置するときのよくある質問(FAQ)

Q1. 賃貸物件で自分で設置して、水漏れさせてしまった場合は誰が責任を負いますか?

A. 設置の不備が原因の水漏れは、基本的に入居者の負担になることが多いです。

多くの賃貸契約では火災保険に個人賠償責任特約が付いており、階下への被害はそちらでカバーできる場合があります。

ご自身の保険の補償範囲は契約内容によって変わるので、設置前に保険証券を確認しておくと安心です。

Q2. 中古やフリマアプリで買った洗濯機でも、自分で設置して問題ありませんか?

A. 設置作業自体は新品と同じです。ただし付属品が欠けていることが多いので、給水ホース・排水ホース・ホースクリップ・排水エルボがそろっているかを先に確認してください。

ホース類はゴムが劣化していると設置後すぐに漏れることがあるため、古いものは新品に交換したほうが安全です。

Q3. 洗濯機を置いたあとで、位置を少しだけずらしたくなったらどうすればいいですか?

A. まず蛇口を閉めて電源プラグを抜き、給水ホースを外してから動かしてください。

ホースをつないだまま引っぱると、蛇口側の接続部を痛めます。移動したあとは水平が崩れているので、必ず脚を調整し直しましょう。

ドラム式は重すぎて床を傷つけるおそれがあるため、自力での移動は避けたほうが無難です。

Q4. 設置作業は、どれくらいの時間を見ておけばいいですか?

A. 初めての方で、開梱から試運転まで40分から1時間ほどが目安です。ここに試運転の1サイクル分の時間が加わるので、余裕をもって2時間ほど空けておくと落ち着いて作業できます。

真下排水や蛇口の交換が絡む場合は、さらに時間がかかると考えておいてください。

自分で設置するか迷ったときの、最後の確認

洗濯機を自分で設置できるかどうかは、腕前ではなく家の設備で決まります。

蛇口がワンタッチ水栓で、排水口に手が届き、搬入経路に余裕があって、アース端子付きのコンセントがある。この4つがそろっているなら、あなたは自分でできる側の家に住んでいます。

あとは順番を守るだけです。
排水ホースをつないでから本体を置き、水平を出して、給水ホースとアース線をつなぎ、最後に必ず試運転をする。この5つを飛ばさなければ、失敗の大半は起きません。

逆に、真下排水だったり、ドラム式で搬入経路が狭かったり、コンセントにアース端子がなかったり。ひとつでも当てはまるなら、そこは無理をせず業者に任せてください。数千円の設置料は、水漏れ1回で消し飛ぶ金額です。

今日やっていただきたいことは、ひとつだけ。
メジャーを持って洗面所へ行き、蛇口の形・排水口の位置・コンセントのアース端子の有無を写真に撮ってきてください。その3枚があれば、自分でやるか頼むかの答えは、その場で出ます。

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