ドラム式洗濯機を開けたら、洗濯物がほこりまみれでガッカリした経験はありませんか?
乾燥機能はとても便利ですが、その一方でフィルターやゴムパッキン周辺にすごい量のほこりが溜まってしまいがちですよね。
お手入れを少しサボっただけで、乾燥効率が落ちたり、嫌なニオイの原因になったりすることも。なぜこんなにほこりが出るのか、不思議に思う方も多いのではないでしょうか。
実はドラム式洗濯機の構造そのものに、ほこりが溜まりやすい理由が隠されているんです。
でも、安心してください。原因をしっかり理解して、正しい掃除方法とちょっとした対策を実践すれば、この悩みは解決できます。
この記事では、ドラム式洗濯機のほこりがすごい原因から、メーカーごとの特徴、そして誰でも簡単にできる掃除のコツまで、家電量販店で働く私が詳しく解説していきます。
なぜ?ドラム式洗濯機のほこりがすごい原因

ここでは、まず「なぜこんなにほこりが出るの?」という根本的な原因について、いくつかの側面から一緒に見ていきましょう。原因がわかれば、対策も立てやすくなりますよ。
洗濯物がホコリだらけになるのはなぜ?
洗濯物がホコリだらけになってしまう主な理由は、洗濯中に衣類から出た繊維くずが、すすぎの段階で再び衣類に付着してしまうからです。
特にドラム式洗濯機は、縦型洗濯機に比べて使用する水の量が少ない「たたき洗い」が基本。節水になるのは嬉しいポイントですが、その分、一度水中に放出されたほこりや繊維くずが、再び洗濯物に戻りやすい傾向があるんです。
また、洗濯ネットの使いすぎも原因の一つかもしれません。デリケートな衣類を守るために洗濯ネットは有効ですが、多くの衣類をネットに入れると、ネットの中で衣類が十分に動けず、ほこりが外に排出されにくくなります。その結果、ネットの中の衣類だけでほこりが循環し、洗い上がりがホコリっぽく感じてしまうことがあるんですね。
洗濯物の詰め込みすぎも同様で、洗濯槽の中で衣類がうまく撹拌されず、ほこりの再付着を招いてしまいます。洗濯物の量は、多くても洗濯槽の7〜8割程度に抑えるのが理想的だと思います。
乾燥フィルターにほこりが溜まる理由
乾燥フィルターに毎回びっしりとほこりが溜まるのは、乾燥機能が正常に働いている証拠なので、まずは安心してくださいね。
ドラム式洗濯機の乾燥機能は、温風で洗濯物の水分を蒸発させ、その湿った空気を機外に排出するか、冷却して水分に戻してから排水する仕組みになっています。この過程で、衣類からたくさんの繊維くず、つまり「ほこり」が舞い上がります。
その舞い上がったほこりを、乾燥した衣類に再付着させないようにキャッチしてくれるのが、乾燥フィルターの役割なんです。
もしフィルターがなければ、洗濯物がほこりだらけになってしまいますし、さらに内部の乾燥ダクト(空気の通り道)にほこりが詰まって、乾燥時間が長くなったり、最悪の場合は故障につながったりする可能性もあります。
特にタオルやフリース、スウェットといった起毛素材のものは、たくさんの繊維くずが出やすいです。そのため、これらの衣類を乾燥させた後は、特にすごい量のほこりがフィルターに溜まっているはずですよ。
構造上ほこりが溜まりやすい場所
ドラム式洗濯機は、その便利な機能と構造から、どうしてもほこりが溜まりやすい箇所がいくつか存在します。
お客様からも「フィルター以外はどこを掃除すればいいの?」とよく聞かれますが、見落としがちなポイントがいくつかあるんです。
ほこりを放置すると故障の原因になる?
「毎回掃除するのは面倒…」と感じるかもしれませんが、ほこりを放置してしまうと、さまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。これは少し大げさな話ではなく、実際に故障の原因になるケースも少なくないんです。
最も多いトラブルは「乾燥機能の低下」ですね。
乾燥フィルターやその奥のダクトにほこりが詰まると、温風の通り道が狭くなってしまいます。そうなると、乾燥にものすごく時間がかかったり、何度乾燥させても生乾きの状態になったりします。電気代が無駄にかかってしまうだけでなく、湿った状態が続くことで雑菌が繁殖し、嫌なニオイの原因にもなるんです。
さらに深刻なケースとしては、ヒーター周りに溜まったほこりが原因で、温度センサーが誤作動を起こし、エラーが表示されて運転が止まってしまうこともあります。最悪の場合、溜まったほこりが湿気と熱で固まり、部品の故障につながって高額な修理費用がかかることも考えられます。
また、排水フィルターの詰まりを放置すれば、排水がうまくいかずに水漏れを引き起こす可能性もゼロではありません。
このように、たかがほこりと侮らず、こまめにお手入れすることが、洗濯機を長く快適に使うための秘訣と言えるでしょう。
メーカーによるほこりの付きやすさの違い
「メーカーによって、ほこりの取れやすさやメンテナンスのしやすさは違うの?」というご質問は、家電量販店でも本当によくいただきます。
各社、フィルターの掃除しやすさや、ほこりを自動で掃除してくれる機能に工夫を凝らしているので、最新モデルを中心に特徴を比較してみましょう。
このように、どのメーカーもほこり対策には力を入れていますが、アプローチが少しずつ異なりますね。
パナソニックは「自動掃除」で手間を極限まで減らす方向、日立は「利用者が手入れしやすい」構造を追求する方向、東芝は「自動掃除+α」で清潔性を高める方向、といった特徴があると思います。
ご自身のライフスタイルや、どこまでお手入れに手間をかけられるかを考えて選ぶのがおすすめですよ。
ドラム式洗濯機のすごいほこりを解決する掃除と対策

原因がわかったところで、次はいよいよ実践編です。
ドラム式洗濯機に溜まったすごいほこりを、どうやって掃除し、今後どう対策していくか、具体的な方法を解説していきます。
少しの手間で、洗濯機は見違えるほど快適になりますから、ぜひ試してみてくださいね。
乾燥フィルター奥の簡単な掃除方法
毎回掃除する手前のフィルターは簡単ですが、問題はその奥ですよね。手が届きにくく、見て見ぬふりをしがちですが、ここを掃除すると乾燥効率が格段にアップします。
まず、取扱説明書で、お使いの機種がどこまで部品を取り外して掃除できるかを確認してください。奥のフィルターが取り外せるタイプなら、外して水洗いするのが一番です。
取り外せないタイプや、外してもさらに奥にほこりが見える場合は、細長いブラシが活躍します。100円ショップなどで売っている、エアコンのフィン掃除用ブラシや、細いすきま用ブラシが使いやすいですよ。
掃除機を使うのも効果的です。ノズルをすきま用ノズルに付け替えて、届く範囲のほこりを吸い取ってしまいましょう。このとき、ブラシでほこりをかき出しながら掃除機で吸うと、よりきれいに取れます。
ただし、内部の部品を傷つけないように、あまり強くこすったり、無理にノズルを押し込んだりしないように注意してくださいね。月に1回程度でも、この奥の掃除をするだけで、乾燥時間が見違えるように短くなることもあります。
見落としがちなゴムパッキンのほこり掃除
ドアのゴムパッキンは、ほこりと水分が一緒に溜まることで、カビの温床になりやすい要注意ポイントです。
洗濯が終わったら、毎回乾いた布でパッキンの溝を優しく拭き上げるのが理想ですね。特に、パッキンの内側や下側は水が溜まりやすいので、めくって内側までしっかり拭くのがコツです。
すでにほこりや髪の毛がこびりついてしまっている場合は、濡らした布や、使い古しの歯ブラシなどを使うと取り除きやすいです。歯ブラシで優しく汚れをかき出し、最後に固く絞った布で拭き取ります。
もし黒い点々としたカビが発生してしまっていたら、塩素系のカビ取り剤を使いたくなるかもしれませんが、ゴムを傷めてしまう可能性があるので、洗濯機用のクリーナー以外はあまりおすすめできません。
まずは、お湯をつけたブラシでこすってみて、それでも取れない場合は、洗濯槽クリーナーを使って槽洗浄を行い、パッキン部分も念入りにすすぐようにしてみてください。
日々のちょっとした拭き掃除が、カビ防止に一番効果的ですよ。
排水フィルターの掃除も忘れずに
排水フィルターは、月に1回程度のお手入れが推奨されています。ここを掃除しないと、排水エラーで洗濯機が突然止まってしまうこともあるので、忘れずに行いましょう。
掃除の手順は以下の通りです。
最初は少し抵抗があるかもしれませんが、慣れてしまえば5分もかからない作業です。ニオイの防止にもつながるので、ぜひ定期的なお手入れを習慣にしてみてくださいね。
乾燥ダクトのほこりを掃除するには
乾燥ダクトは、フィルターのさらに奥にある、温風が通る管のことです。ここは通常、分解しないと掃除できない部分なので、ご自身でのお手入れは難しい場所になります。
先ほどお伝えしたように、フィルター奥をブラシや掃除機で掃除するのが、ご家庭でできる限界と考えてよいでしょう。
それでも「乾燥時間が異常に長い」「エラーが頻発する」といった症状が改善しない場合は、ダクト内部にほこりがびっしりと詰まっている可能性があります。
このような場合は、無理に自分で分解しようとせず、専門のクリーニング業者に依頼するのが一番です。下手に分解すると、元に戻せなくなったり、部品を破損させて故障の原因になったりする可能性がありますからね。
業者は専用の機材を使って、洗濯槽を丸ごと取り外して、普段は見えないダクトの内部や洗濯槽の外側まで、徹底的に洗浄してくれます。
費用はかかりますが、3〜5年に一度など、定期的にプロのクリーニングをお願いすることで、洗濯機を長持ちさせ、常にベストな状態で使うことができると思います。
洗濯中のほこり対策にホコリ取りボール
日々の掃除に加えて、洗濯中にできる対策として「ホコリ取りボール」や「くず取りネット」といった便利グッズを使うのも一つの方法です。
これらは、洗濯物と一緒に入れるだけで、水中に浮遊する糸くずや髪の毛を絡め取ってくれるアイテムです。100円ショップなどでも手軽に購入できますね。
ただし、ドラム式洗濯機の場合、たたき洗いがメインで水量が少ないため、縦型洗濯機ほど劇的な効果は期待できないかもしれません。ボールがうまく洗濯物の中を循環しないこともあるようです。
それでも、入れないよりは入れた方が、多少はほこりの再付着を抑える効果が期待できる、と考えて試してみるのが良いと思います。特に、ペットの毛や髪の毛が気になるご家庭では、試してみる価値は十分にあるのではないでしょうか。
使用する際は、デリケートな衣類を傷つけないよう、スポンジタイプなど柔らかい素材のものを選ぶのがおすすめです。
自分で掃除できない時は業者に相談
フィルターやゴムパッキンなど、自分でできる範囲の掃除を試しても、乾燥時間が改善されなかったり、洗濯物から嫌なニオイが取れなかったりすることもあります。
そうした場合、その原因は洗濯槽の外側や乾燥ダクトの奥など、ご家庭では手の届かない場所に溜まった、長年のほこりやカビかもしれません。
先ほどもお伝えしたとおり、このような場合は無理せず、プロの洗濯機クリーニング業者に相談するのが賢明です。
専門業者は、洗濯機を分解して、専用の高圧洗浄機や洗剤を使い、徹底的に汚れを落としてくれます。自分では見ることのできない部分まできれいにしてもらえるので、仕上がりは格別ですよ。
料金は業者や機種によって異なりますが、おおよそ1万5千円から3万円程度が相場のようです。決して安くはありませんが、分解洗浄をすることで、洗濯機本来の性能が復活し、結果的に電気代の節約につながることもあります。
買い替えを検討する前に、一度プロのクリーニングを試してみるというのも、有効な選択肢の一つだと思います。
総括:ドラム式洗濯機のほこりがすごいを解決
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。