ダイキンエアコンのストリーマ機能を、つけっぱなしにして使っても本当に大丈夫なのでしょうか?
家電量販店で働いていると、お客様からストリーマ機能の安全性や電気代について数多くのご質問をいただきます。特に花粉症でお悩みの方や、小さなお子さんがいるご家庭では、24時間連続で空気清浄機能を使いたいけれど、安全面や経済面での不安を抱えている方が多いんですね。
ストリーマをつけっぱなしにすることで得られる効果は確かに魅力的です。16種類もの花粉を高い確率で分解し、ウイルスや細菌、PM2.5といった有害物質も除去してくれます。しかし、一方で電力消費や機器への負担、適切なメンテナンス方法について正しく理解しておくことも重要です。
この記事では、ダイキンエアコンのストリーマ機能をつけっぱなしで使用する際の具体的な効果と注意点、電気代の詳細、そして最適な活用方法について詳しく解説いたします。
ダイキンエアコンのストリーマをつけっぱなしで使う

ダイキンのストリーマ技術について、基本的な仕組みから実際の使い方まで詳しくご紹介します。
24時間つけっぱなしで使用することの安全性や、花粉対策としての効果など、気になるポイントを一つずつ解説していきますね。
ダイキンのストリーマ機能とは?
ストリーマ機能は、ダイキン工業が独自開発した空気清浄技術です。プラズマ放電の一種であるストリーマ放電を利用し、高速電子を放出することで空気中の有害物質を分解・除去します。
この技術の特筆すべき点は、一般的なプラズマ放電と比較して酸化分解力が1,000倍以上も高いことです。ストリーマ放電によって生成される高速電子が空気中の酸素や窒素と合体し、強力な酸化分解力を持つ活性種を生成します。この活性種が、カビやウイルス、花粉、ダニの死骸、PM2.5といった様々な有害物質を安全に分解するのです。
私も家電量販店で働いていて感じるのですが、お客様の多くは「空気清浄機とエアコンの違い」を気にされるんですね。ストリーマ技術搭載のエアコンは、通常の温度調整機能に加えて空気清浄機能も同時に提供する優れものなんです。
現在販売されているダイキンエアコンでは、うるさらXシリーズ、risoraシリーズ、Cシリーズなど、多くのモデルにストリーマ技術が搭載されています。これらの機種では、冷暖房運転と同時にストリーマによる空気清浄が自動的に行われるため、一台二役の機能を発揮します。
ストリーマの効果と使い方

ストリーマ技術による効果は多岐にわたります。まず、16種類の花粉に対して97%から99.99%の抑制効果が実証されており、スギやヒノキ、ブタクサなどの主要な花粉アレルゲンを効果的に分解します。
また、ウイルスや細菌に対する効果も注目に値します。試験結果によると、約380分で浮遊ウイルスを99%抑制し、エアコン内部のカビや臭いの原因菌も50分後に99.9%抑制することが確認されています。
PM2.5や排気ガスといった大気汚染物質への対応も優秀です。特に都市部では花粉とPM2.5が結合してアレルギー症状を悪化させるアジュバンド効果が問題になっていますが、ストリーマはこの効果を92.4%低減することが東北文化学園大学との共同研究で実証されています。
使い方については、とても簡単です。リモコンでストリーマ機能を「入」に設定するだけで、ストリーママークが表示され、自動的に空気清浄運転が開始されます。送風単独での使用も可能で、エアコンの冷暖房機能と組み合わせても使用できます。
ただし、ストリーマ空気清浄・送風運転を単独で行っている場合は、温度や湿度の調整はできません。この点は使用前に把握しておくと良いでしょう。
つけっぱなしでも大丈夫?
ダイキンストリーマをつけっぱなしにすることは、まったく問題ありません。むしろ、メーカー側も24時間365日の連続運転を推奨しているのが現状です。
つけっぱなし運転が安全な理由として、まずオゾンの発生量が挙げられます。ストリーマは国際基準である0.05ppm以下を大幅に下回るオゾン量しか発生せず、健康リスクはほぼゼロなのだとか。複数の第三者機関でも安全性が検証されており、ペットや小さなお子さんがいるご家庭でも安心して使用できるとのことです。
電気代についても心配する必要はありません。ストリーマ機能単体の消費電力は非常に低く、6畳用モデルで1日約17円から24円程度です。8畳用であれば年間約580円という驚くほど経済的な運転が可能です。これは一般的な空気清浄機を24時間運転する場合とほぼ同等の電力消費量なんですね。
空気清浄効果を最大限に得るためには、継続的な運転が効果的です。人がいない部屋でも空気の流れがないと、室内に浮遊していたホコリや花粉が溜まりやすくなってしまいます。常に空気を循環させ、有害物質を分解し続けることで、室内環境を清潔に保てるというわけです。
花粉対策に効果的?

ストリーマ技術は花粉対策において非常に効果的な機能です。スギ花粉のアレルゲンを99.6%抑制することが実証されており、16種類もの花粉に対して高い効果を発揮します。
花粉対策で特に重要なのは、室内に侵入した花粉を継続的に除去することです。どれだけ気をつけても、衣服や髪に付着した花粉は必ず室内に持ち込まれてしまいます。また、換気の際にも花粉は侵入します。ストリーマは、こうして室内に入り込んだ花粉を根本から分解するため、従来のフィルター式空気清浄機よりも効果的だと考えられます。
従来の空気清浄機は花粉を捕獲するだけですが、ストリーマは花粉そのものを分解・無害化します。これにより、フィルターに蓄積された花粉が再び空気中に舞い上がるリスクも軽減されるんです。
花粉の飛散は1日に2回のピークがあります。午前中から昼過ぎにかけてと、夕方の時間帯です。これは早朝に山から飛散した花粉が都市部に届く時間帯と、気温低下により上空の花粉が降下したり地面の花粉が舞い上がったりする時間帯に対応しています。
24時間つけっぱなしにすることで、これらのピーク時間以外でも継続的に花粉を分解できるため、花粉症の方には特におすすめしたい使い方です。
ランプ点滅時の対処法

ストリーマユニットのお手入れが必要になると、エアコン本体のオレンジ色のタイマーランプが点滅します。これは故障のサインではなく、お手入れ時期を知らせる機能です。
点滅のタイミングは、ストリーマエアコンが累計1,800時間以上稼働した時点です。これは約75日間の連続運転に相当します。この間はストリーマ機能が使用できなくなるため、できるだけ早めにお手入れを行いましょう。
お手入れ方法は、ストリーマユニットの設置場所によって異なります。まず、安全のために必ず電源プラグを抜いてから作業を開始してください。前面パネルを開けてユニットの位置を確認し、該当する手順でお手入れを進めます。
ユニットが左下にある場合は、特に注意が必要です。ストリーマフィルターと光触媒集塵・脱臭フィルターの2種類があり、光触媒集塵・脱臭フィルターは水洗いができません。間違って水洗いしてしまうと使用できなくなってしまうため、しっかりと区別して作業を行ってください。
お手入れが完了したら、リセット操作を行います。リモコンの種類によって操作方法が異なりますが、多くの場合は「サインリセット」ボタンを爪楊枝などの細い棒で押し込むか、メニューから「おそうじサインリセット」を選択します。
定期的なお手入れを怠ると、ストリーマ機能の効果が低下するだけでなく、エアコン全体の性能にも影響を与える可能性があります。
ダイキンエアコンのストリーマ|つけっぱなし運転の注意点

ここからは、ストリーマをつけっぱなしで使用する際に知っておきたい注意点をまとめました。デメリットや電力消費の詳細、効果的な活用方法まで、実際に使用する上で役立つ情報をお伝えします。
ストリーマのデメリット
ストリーマ機能にも、いくつかのデメリットや制限があります。
まず、微量ながらオゾンが発生する点です。安全基準を大幅に下回る量とはいえ、吹き出し口から特有の臭いを感じることがあります。これは健康に支障をきたすレベルではありませんが、臭いに敏感な方は気になるかもしれません。
また、シリコンを配合した化粧品やヘアケア製品を本体近くで使用すると、ストリーマユニットの針に絶縁物が付着し、機能が停止する場合があります。これは意外と見落としがちな注意点です。
油分が浮遊する環境での使用も制限されます。台所周辺では換気扇やレンジフードの代わりにはならず、ろうそくやアロマキャンドルから発生する「すす」が多い環境では、フィルター性能が低下し、捕集できないホコリで室内を汚してしまう可能性があります。
火災報知器の近くでの使用も注意が必要です。吹き出しの風が火災報知器に当たると、反応が遅れたり反応しなかったりする場合があります。
さらに、ストリーマ機能だけでは完全な空気清浄は期待できません。たばこの有害物質である一酸化炭素は除去できませんし、常時発生し続けるニオイ成分(建材臭やペット臭など)をすべて除去できるわけではありません。これらの点を理解した上で使用することが大切です。
ストリーマを掃除しないとどうなる?
ホコリや汚れの蓄積により高速電子の発生が阻害され、本来の分解能力を発揮できなくなります。発生時期:1-2ヶ月後
抗菌効果が低下し、湿気の多い熱交換器周辺でカビが発生しやすくなります。発生時期:2-3ヶ月後
エアコン運転時にカビ臭や生臭い臭いが発生し、アレルギー症状を悪化させる可能性があります。発生時期:2-4ヶ月後
汚れたユニットが正常動作のためにより多くの電力を消費し、電気代が増加します。発生時期:3-6ヶ月後
ストリーマ機能低下によりフィルターだけで空気清浄を行うため、汚れ方が激しくなります。発生時期:1-3ヶ月後
ストリーマ機能が完全に停止し、単なる温度調整機能のみのエアコンになってしまいます。発生時期:6ヶ月以上
ストリーマユニットの掃除を怠ると、様々な問題が発生します。最も顕著な影響は、空気清浄効果の大幅な低下です。ユニット内部にホコリや汚れが蓄積すると、高速電子の発生が阻害され、本来の分解能力を発揮できなくなります。
エアコン内部のカビや細菌の繁殖も深刻な問題です。ストリーマによる抗菌効果が低下すると、湿気の多い熱交換器周辺でカビが発生しやすくなります。これにより、エアコンを運転するたびに不快な臭いが発生したり、アレルギー症状を悪化させたりする可能性があります。
電力効率の悪化も見逃せません。汚れたユニットは正常に動作するためにより多くの電力を消費し、結果的に電気代の増加につながります。また、無理な運転を続けることで、ユニット自体の寿命が短くなってしまいます。
フィルターへの負荷増加も問題となります。ストリーマ機能が低下すると、フィルターだけで空気清浄を行おうとするため、フィルターの汚れ方が激しくなり、交換頻度が増えてしまいます。
最悪の場合、ストリーマ機能が完全に停止してしまうこともあります。こうなると、単なる温度調整機能のみのエアコンになってしまい、ストリーマ付きエアコンを選んだ意味がなくなってしまうでしょう。
定期的なお手入れは、これらの問題を防ぐために不可欠な作業なのです。
ストリーマ送風モードの活用テクニック
標準モードで運転
過ごしやすい季節でも花粉やPM2.5を効果的に分解。冷暖房なしでも空気清浄効果を維持できます。
しずかモードで運転
睡眠を妨げずに継続的な空気清浄。特に花粉症の方の朝の症状軽減に効果的です。
ターボ→標準で運転
外出先から持ち込んだ花粉やPM2.5を素早く分解。帰宅後10分程度ターボモードで運転後、標準モードに切替え。
標準モードで運転
生乾き臭の原因となる菌の繁殖を抑制。洗濯物に直接風が当たりすぎないよう風向き調整に注意。
標準モードで運転
ペット特有の臭いやアレルゲンを軽減。料理後やタバコ後の臭い対策としても有効です。
ストリーマ送風モードは、冷暖房を使わない季節にも空気清浄効果を得られる便利な機能です。春や秋の過ごしやすい時期でも、花粉や PM2.5 への対策として活用できます。
就寝時の活用も効果的です。夜間は「しずか」モードでストリーマ送風を運転すると、睡眠を妨げることなく継続的に空気を清浄できます。特に花粉症の方には、朝起きた時の症状軽減に役立つでしょう。
帰宅直後の短時間運転もおすすめです。外出先から持ち込んだ花粉や PM2.5 を素早く分解するため、帰宅後10分程度「ターボ」モードでストリーマ送風を運転し、その後「標準」モードに切り替える使い方が効果的です。
室内干しの際にも威力を発揮します。洗濯物を室内に干す時にストリーマ送風を併用すると、生乾き臭の原因となる菌の繁殖を抑制できます。ただし、洗濯物に直接風が当たりすぎないよう、風向きの調整には注意しましょう。
お客様との会話でも話題になるのですが、ペットを飼っているご家庭では、ペット特有の臭いやアレルゲンの軽減に役立ちます。また、料理の後やタバコを吸った後の臭い対策としても有効です。
ただし、ストリーマ送風単独運転中は温度や湿度の調整ができないため、季節や室内環境に応じて冷暖房との併用を検討することが大切です。
24時間つけっぱなしの電力消費
エアコンの冷暖房運転と比較して非常に少ない消費電力
空気がきれいな時は「しずか」モード、花粉の多い時期や帰宅直後は「標準」モードに切替え
室内の空気を循環させてストリーマ効果を部屋全体に行き渡らせ、より少ない電力で高い効果を実現
適切な湿度を保つことで体感温度が改善され、冷暖房の設定温度を緩和して全体的な電力消費を削減
先ほどチラッとお話しましたが、ストリーマ機能の24時間つけっぱなし運転時の電力消費について、もっと深掘りしていきましょう。
ストリーマ機能単体の消費電力は機種によって異なりますが、おおむね0.4から0.5kWh/日程度です。
(※電気料金単価を27円/kWhで計算)
これらの数値は全国平均の電気料金単価で算出しており、実際の電気代は契約プランや地域によって変動します。重要なポイントは、ストリーマ機能の電力消費がエアコンの冷暖房運転と比較して非常に少ないことです。
電気代を更に節約するコツもあります。部屋の空気が比較的きれいな時間帯は「しずか」モードに、花粉の多い時期や帰宅直後は「標準」モードにと、状況に応じてモードを切り替えることで、効率的な運転が可能です。
サーキュレーターとの併用も効果的です。室内の空気を循環させることで、ストリーマによる清浄効果を部屋全体に行き渡らせることができ、より少ない電力で高い効果を得られます。
湿度調整も電力効率に影響します。適切な湿度を保つことで、体感温度が改善され、冷暖房の設定温度を緩和できるため、全体的な電力消費の削減につながります。
おすすめの使用シーンと設定方法
花粉シーズン中の24時間運転で帰宅時の花粉持ち込みや窓開け時の花粉侵入に対して継続的な分解効果を発揮します。
免疫力の低い方々を守るため、ウイルスや細菌の継続的な除去。冬場のインフルエンザシーズンの予防策として活用できます。
ペット由来のアレルゲンや臭いを軽減。ペットの毛やフケから発生するアレルゲンを分解し室内環境を清潔に保ちます。
長時間室内にいる場合の空気の質向上。継続的な空気清浄により快適な作業環境を維持し、作業効率や健康をサポートします。
室内の汚れ具合に応じて自動的に運転強度を調整し、電力効率と清浄効果のバランスを最適化
ストリーマつけっぱなし運転が特に効果を発揮するシーンをご紹介します。まず、花粉症の方がいるご家庭では、花粉シーズン中の24時間運転が非常に有効です。外出から帰宅した際の花粉持ち込みや、窓を開けた際の花粉侵入に対して、継続的な分解効果を発揮します。
小さなお子さんや高齢者がいるご家庭でも、免疫力の低い方々を守るため、ウイルスや細菌の継続的な除去が期待できます。特に冬場のインフルエンザシーズンには、予防策の一つとして活用できるでしょう。
ペットを飼っているご家庭では、ペット由来のアレルゲンや臭いの軽減に効果的です。ペットの毛やフケから発生するアレルゲンを分解し、室内環境を清潔に保てます。
在宅勤務が多い方にもおすすめです。長時間室内にいる場合、空気の質が作業効率や健康に与える影響は大きく、継続的な空気清浄により快適な作業環境を維持できます。
設定方法については、基本的には「自動」モードでの運転がおすすめです。室内の汚れ具合に応じて自動的に運転強度を調整してくれるため、電力効率と清浄効果のバランスが取れます。
ただし、特定の状況では手動設定も有効です。来客前や掃除後には「強」モードで短時間運転し、就寝時には「しずか」モードに切り替えるなど、生活リズムに合わせた使い分けが効果的です。
総括:ダイキンエアコンのストリーマのつけっぱなし運転について
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。