掃除機をやめてほうきに変える生活|そのメリットとデメリット

掃除機の豆知識
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最近、SNS等で掃除機をやめてほうきに切り替える暮らしが話題になっています。

確かにほうきは電気代もかからず、音も静かで魅力的に見えますよね。
でも実際のところ、現代の住環境でほうきだけでの掃除は本当に現実的なのでしょうか?

掃除機とほうきには、それぞれ異なる特徴と最も大きな違いがあります。
電気代の心配や、カーペット・畳・フローリングといった床材への適性、ダニ対策の効果など、様々な角度から比較検討する必要があります。

ミニマリストの中には掃除機代用としてドライヤーを使う方もいるようですが、果たしてその効果はどうなのでしょうか?
理想と現実のギャップに悩んでいる方も多いかもしれません。

この記事では、掃除機とほうきの特性を詳しく比較し、現代の住環境における最適な掃除方法について分かりやすく解説していきます。
あなたのライフスタイルに合った掃除スタイルを見つけるヒントを是非見つけてみてくださいね!

この記事のポイント
  • ほうきと掃除機のメリット・デメリット
  • 床材別の効果的な掃除方法
  • ミニマリストの考え方
  • 現代住宅に適した掃除スタイル

掃除機をやめてほうきに切り替える暮らしのメリット

クリーン家電ガイド:イメージ

掃除機をやめてほうきに切り替えることで得られるメリットについて、具体的に見ていきましょう。
電気代の節約や静音性など、確かに魅力的な要素がいくつもあります。

ほうきと掃除機はどっちがいい?

ほうきと掃除機、どちらを選ぶかで迷う方は多いのではないでしょうか。それぞれに魅力があるため、どちらが優れているかは一概には言えません。

ほうきの最大の魅力は、電力を使わずに気軽に掃除できることです。
音がほとんど出ないので、早朝や深夜でも周囲を気にせず使えます。また軽量でコンパクトなため収納場所に困りません。手軽に取り出してサッと使える便利さは、忙しい日常生活において大きなメリットと言えるでしょう。

一方、掃除機は強力な吸引力が魅力です。
微細なホコリや髪の毛、ダニの死骸まで効率的に除去できます。カーペットや布団の奥に潜むゴミもしっかりと吸い取ってくれます。時間をかけずに広範囲を掃除したい場合には、掃除機の方が適しているでしょう。

私も家電量販店で働いているので、お客様からよく「どちらがおすすめですか?」と聞かれます。
それは正直なところ、ライフスタイルや住環境によって答えは変わります。一人暮らしの狭い部屋なら、ほうきでも十分かもしれません。しかし家族が多い家庭やペットを飼っている場合は、掃除機の方が効率的だと思います。

ほうきと掃除機の最も大きな違いとは

ほうきと掃除機の最も大きな違いは掃除の仕組みにあります。この違いを理解するとそれぞれの特性がよく分かります。

ほうきは「掃き出す」ことで汚れを取り除きます。
穂先で床面のゴミを集めて、ちりとりで回収する仕組みです。そのため、表面のゴミは効率的に集められますが、細かいホコリが舞い上がることがあります。また、カーペットの奥に入り込んだゴミを完全に取り除くのは難しいでしょう。

掃除機は「吸引」によってゴミを除去します。
強力なモーターで空気を吸い込み、ゴミを本体に閉じ込める仕組みです。そのため、細かいホコリや髪の毛も確実に回収できます。フィルター機能により、排出される空気もきれいになります。

音の面でも大きな違いがあります。
ほうきはほぼ無音で使えるため時間帯を選びません。赤ちゃんが寝ている時や、マンションの早朝・深夜でも安心して使えます。掃除機はモーター音が発生するため使用時間に配慮が必要です。

取り回しの違いも見逃せません。
ほうきは軽くて機動性が高く、家具の隙間や階段でも使いやすいです。掃除機はコードの取り回しや重量を考慮する必要があります。ただし、コードレス掃除機ならこの問題はかなり改善されています。

掃除機の電気代はどのくらい?

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掃除機の電気代について具体的な数字を見てみましょう。多くの方が思っているより実はそれほど高くないのが実情です。

一般的なキャニスター型掃除機の消費電力は、平均で1000W程度です。
これを15分間使用した場合、電気代は約7円になります。もし毎日15分ずつ使ったとしても月額では約210円程度です。年間でも2500円程度なので、家電の中では比較的控えめな電気代と言えるでしょう。

コードレス掃除機の場合、本体の消費電力は300〜600W程度と低めです。
ただし充電時にも電力を消費します。また充電台をコンセントに挿しっぱなしにしていると待機電力も発生します。それでもトータルの電気代はキャニスター型とさほど変わりません。

ちなみに、サイクロン式と紙パック式ではわずかに電気代が異なります。
15分使用での差額は約2円程度ですが、年間では約700円の差が生じます。また紙パック式は定期的にパックを購入する必要があるため、ランニングコストも考慮する必要があります。

最新のロボット掃除機は省エネ性能が向上しています。
自動運転で効率的に掃除するため、トータルでの電気代は意外と安く済むことが多いです。

電気代を抑える工夫としては連続して掃除することが効果的です。オンオフを繰り返すより、一度に済ませた方が電力効率が良くなります。

ダニ対策には掃除機が必要

ダニ対策において掃除機の役割は非常に大きいです。ほうきだけではダニ問題を根本的に解決するのは困難と言えるでしょう。

ダニは繊維の奥深くに潜り込む習性があります。
カーペットや布団、ソファなどの内部で繁殖し、死骸やフンがアレルギーの原因となります。ほうきでは表面のゴミしか取り除けないため、ダニの温床を完全に除去することは難しいです。

掃除機なら、強力な吸引力でダニの死骸やフンを効率的に除去できます。
特に、布団やマットレスの掃除には掃除機が欠かせません。専用のふとん用ノズルを使えば、寝具の奥に潜むダニアレルゲンもしっかり取り除けます。

ただし、生きているダニは繊維にしがみつく力が強いため、掃除機でも完全に除去するのは困難です。そのため、まずダニスプレーなどで弱体化させてから掃除機をかけるのが効果的です。
布団乾燥機で高温処理した後に掃除機をかける方法もおすすめです。

カーペット掃除の際は、ヘッドを密着させてゆっくりと動かすのがポイントです。
縦、横、斜めと様々な方向にかけることで、毛足の奥のダニも効率的に除去できます。毎日軽く、週に一度は強力なパワーでかけるのが理想的です。

アレルギー体質の方や小さなお子様がいる家庭ではダニ対策は特に重要になります。この点を考慮すると掃除機の必要性は高いと考えられます。

カーペット掃除に掃除機が欠かせない

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カーペットの掃除において掃除機の性能は圧倒的です。
ほうきでは限界がある部分を掃除機なら効率的にカバーできます。

カーペットの毛足は、ゴミやホコリが絡みつきやすい構造になっています。
特に長い毛足のカーペットでは、表面だけを掃いても奥に潜んだゴミは取り除けません。ほうきの穂先では、カーペットの深部まで届かないのが実情です。

掃除機のパワーブラシなら、回転しながらカーペットの毛足をかき分け奥に潜むゴミも浮き上がらせて吸引できます。
髪の毛やペットの毛もしっかりと絡め取ってくれます。これはほうきでは到底真似できない性能です。

また、カーペットに蓄積した細かいホコリや皮脂汚れも掃除機なら効率的に除去できます。これらの汚れはダニの栄養源にもなるため定期的な除去が必要です。ほうきではこれらの微細な汚れを完全に取り除くことは困難でしょう。

フローリングワイパーでカーペット掃除を試す方もいますが、これも限界があります。表面のホコリは取れてもカーペット内部のゴミには届きません。

ただし掃除機を使う際は注意点もあります。
毎日強いパワーでかけるとカーペットを傷める可能性があります。普段は弱めのパワーで、週に一度程度強力モードを使うのがおすすめです。

カーペットを長く美しく保つためにも適切な掃除機の使用は欠かせません。

畳の掃除にはほうきが最適

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畳の掃除については、実はほうきに軍配が上がります。
畳の特性を考えると、ほうきの方が適している理由がいくつかあります。

畳は「い草」という植物繊維を編んで作られているため、表面に細かい目があります。この目の隙間にホコリやゴミが入り込みやすく、掃除機の吸引力だけでは完全に取り除くのが困難です。ほうきなら穂先が畳の目に入り込んで、隙間のゴミもかき出せます。

特に、ほうき草や棕櫚(しゅろ)製のほうきは畳掃除に最適です。
穂先が細く繊細なため、畳を傷めることなく丁寧に掃除できます。また掃く音も静かなので、和室の落ち着いた雰囲気を損ないません。

畳に掃除機をかける場合はいくつか注意点があります。
高速回転ブラシ付きのヘッドは畳を傷める可能性があるため避けた方が良いでしょう。またロボット掃除機も畳を傷つけるリスクがあります。

ほうきで畳を掃く際は、必ず畳の目に沿って動かすのがポイントです。
目に逆らって掃くと、い草を傷めてしまう可能性があります。ホコリが舞い上がることがあるので掃除後は換気も忘れずに行いましょう。

ただし畳のダニ対策となると話は別です。
先ほどもお伝えしたように、ダニの死骸やフンの除去には掃除機の方が効果的です。普段の掃除はほうきで、ダニ対策の際は掃除機を併用するのが理想的でしょう。

掃除機をやめてほうきだけで暮らすデメリット

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一方で、ほうきだけの掃除には見過ごせないデメリットも存在します。
現代の住環境や生活スタイルを考慮すると、いくつかの課題が浮き彫りになってきます。

フローリングの掃除はどちらが効果的か

フローリングの掃除について、ほうきと掃除機のどちらが効果的かは求める掃除レベルによって変わります。

日常的な軽い掃除であれば、ほうきでも十分対応できます。
フローリングは平坦な面なので、ほうきで表面のゴミやホコリを集めるのは比較的簡単です。特に棕櫚のほうきなら天然油分がワックスの役割を果たし、フローリングにツヤも与えてくれます。

しかし、徹底的な掃除を考えると掃除機の方が優秀です。
フローリングの溝や継ぎ目に入り込んだ細かいゴミも強力な吸引力で除去できます。髪の毛や糸くずなども確実に回収してくれます。

ほうきでフローリング掃除をする場合、いくつかの課題があります。

まず、細かいホコリが舞い上がりやすいことです。
掃いているうちに、ホコリが空中に舞って別の場所に落ちてしまうことがあります。また、ちりとりでゴミを完全に回収するのも意外と難しく、取り残しが生じがちです。

掃除効率を考えても、掃除機の方が優れています。
広いリビングやダイニングを掃除する場合、ほうきだと時間がかかってしまいます。掃除機なら短時間で済むため忙しい方には助かるでしょう。

ただし、家具の隙間や階段などの細かい部分はほうきの方が小回りが利きます。
理想的なのは、普段は掃除機でメイン掃除を行い、細かい部分はほうきで補完するという使い分けです。

アレルギー体質の方は、ホコリの舞い上がりを考慮すると掃除機の方が安心でしょう。

掃除機代用でドライヤーは使えるのか

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掃除機の代用としてドライヤーを使うアイデアについて、検証してみましょう。
確かに風の力でゴミを飛ばすという発想は理解できますが、実用性には疑問があります。

ドライヤーをキーボード掃除に使う方法は、ある程度効果があります。
冷風の「強」設定で、キーボードの隙間に溜まったホコリを飛ばすことは可能です。ただし、飛ばしたホコリがどこに行くかをコントロールできないのが難点です。

パソコン本体への使用は避けた方が良いでしょう。
ドライヤーは送風口が広いため、ホコリを四方八方に飛散させてしまいます。結果的にパソコン内部の奥の方にホコリが入り込み、故障の原因となる可能性があります。

また、ドライヤーで飛ばしたゴミは最終的にどこかで回収する必要があります。
結局、ほうきやちりとり、掃除機などの別の道具が必要になってしまいます。それなら最初から適切な掃除道具を使った方が効率的でしょう。

電気代の面でもドライヤーは消費電力が高い家電です。
掃除のために長時間使用すると、かえって電気代がかかってしまう可能性があります。

音の問題もあります。
ドライヤーは掃除機と同程度かそれ以上の音が出るため、静音性のメリットはありません。

エアダスターの代用として一時的に使うことはあっても、掃除機の完全な代替手段としては現実的ではないと考えられます。

ミニマリスト「掃除機いらない生活」の実態

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ミニマリストの中で注目されている「掃除機のいらない生活」について、その実態を探ってみましょう。
確かに魅力的に見える部分もありますが、現実的な課題も多く見えてきます。

ミニマリストが掃除機を手放す理由は、主に物の削減と維持費の節約です。
掃除機は比較的大きな家電で収納スペースを取ります。また紙パック代や電気代などのランニングコストもかかります。これらを省くことでよりシンプルな暮らしを実現しようという考えです。

実際に掃除機なしの生活を送っている方の多くは、ほうき、ちりとり、フローリングワイパー、コロコロなどを組み合わせて掃除しています。
特に、質の良い棕櫚のほうきと静電気の起きない和紙製のちりとりを愛用している方が多いようです。

しかし、この生活スタイルが成り立つにはいくつかの条件があります。

まず、住環境が比較的シンプルであることです。
カーペットやラグが少なくフローリング中心の間取りでないと厳しいでしょう。また家族の人数が少ないことも重要な要素です。

実際に挑戦した方の声を聞くと、「思ったより時間がかかる」「完璧にきれいにするのは難しい」という意見も聞かれます。特にアレルギー体質の方や小さなお子様がいる家庭では、衛生面での不安を感じるケースもあるようです。

また来客時や年末の大掃除など、特別な清掃が必要な場面では結局掃除機を借りたり購入したりする方も多いのが実情です。

ミニマルな暮らしは素晴らしいことですが、掃除効率や衛生面を犠牲にしてまで実現すべきかは慎重に検討する必要があります。

ほこりを効率的に除去する掃除方法

ほこりの効率的な除去について、様々な方法を比較検討してみましょう。ほこりは、放置すると健康面でも問題になることがあるため適切な対処が必要です。

ほうきによるほこり除去の場合、どうしてもホコリが舞い上がってしまうという課題があります。
掃いている最中にホコリが空中に舞い、別の場所に落ちてしまうため、根本的な解決にはなりません。また静電気によってホコリがほうきに付着し、取り除くのに苦労することもあります。

フローリングワイパーは、ドライシートでホコリを捉える仕組みです。
ホコリの舞い上がりは抑えられますが、シートに頼る部分が大きいためランニングコストがかかります。またカーペットやラグの奥のホコリには対応できません。

掃除機ならホコリを確実に本体内に閉じ込めて除去できます。
HEPAフィルター搭載モデルなら、0.3マイクロメートル以上の粒子を99.97%以上捕集し、排出される空気もきれいになります。これはアレルギー体質の方には特に重要な機能です。

効率性を考えても掃除機が圧倒的に優れています。
広い範囲のホコリを短時間で除去でき、同時に髪の毛や細かいゴミも回収できます。アタッチメントを使い分ければ、家具の隙間や高い場所のホコリも効率的に取り除けます。

ちなみに、最新のロボット掃除機なら人がいない間に自動でホコリ除去を行ってくれます。毎日の習慣にすればほこりが蓄積する前に除去できるため、より清潔な環境を維持できるでしょう。

現代の住環境に掃除機が適している理由

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現代の住環境を考えると、掃除機の必要性はますます高まっています。住宅事情や生活スタイルの変化により、掃除機なしでの清掃は現実的でなくなってきているのが実情です。

現代の住宅は、カーペットやラグを多用したインテリアが主流です。
リビングには大きなラグ、寝室にはカーペット、階段には滑り止めマットなど、様々な繊維系床材が使用されています。これらの奥に入り込んだゴミやダニを、ほうきだけで完全に除去するのは困難でしょう。

また、現代の生活では共働き世帯が増えており、掃除にかけられる時間が限られています。短時間で効率的に掃除を済ませるには掃除機の性能が不可欠です。
特に、コードレス掃除機なら思い立ったときにすぐ使えるため、忙しい現代人のライフスタイルに適しています。

ペットを飼っている家庭も増えています。
ペットの毛は静電気で床材に付着しやすく、ほうきでは完全に取り除けません。またペットのフケや皮脂もアレルギーの原因となるため、強力な吸引力での除去が必要です。

住宅の高気密化も掃除機の必要性を高めています。
気密性の高い現代住宅ではホコリが外に逃げにくく、室内に蓄積しやすくなっています。これらを効率的に除去するには掃除機の吸引力が頼りになります。

さらに、アレルギー疾患を持つ方が増えている現状もあります。
ハウスダストアレルギーの予防・改善にはアレルゲンの徹底除去が重要です。この点でも掃除機の役割は欠かせません。

総括:掃除機をやめてほうきに変える生活

それでは最後に、この記事の内容をまとめます。

  • ほうきは音が静かで電気代もかからない経済的な掃除道具である
  • 軽量でコンパクトなため、収納場所に困らない利点がある
  • 畳の掃除にはほうきの方が適している場面が多い
  • しかし掃除機の電気代は月額200円程度と意外に安い
  • ダニ対策には掃除機の強力な吸引力が不可欠だ
  • カーペットの奥に潜むゴミはほうきでは除去困難である
  • フローリング掃除でも効率性では掃除機に軍配が上がる
  • ドライヤーは掃除機の代用品としては実用的でない
  • ミニマリストの掃除機なし生活には厳しい条件がある
  • ホコリの除去効率は圧倒的に掃除機が優れている
  • 現代住宅はカーペットなど繊維系床材が多用されている
  • 共働き世帯の増加で掃除時間の短縮が求められている
  • ペット飼育家庭では毛やフケの除去に掃除機が必要だ
  • 高気密住宅ではホコリが蓄積しやすい環境になっている
  • アレルギー対策には掃除機による徹底した清掃が重要である
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