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食洗機は乾燥のみで使える?電気代や注意点を家電店員が解説!

用途・対象

食洗機の乾燥機能だけを使いたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

手洗いした食器を効率よく乾かしたい、お客様用の食器を温めたい、そんな理由で乾燥のみの機能に注目される方が増えています。

でも、実際のやり方や電気代がどのくらいかかるのか、運転時間や庫内の温度はどの程度になるのか気になりますよね。

また、乾燥機能だけを使い続けていると、時折焦げ臭いニオイがしたり、故障の原因になったりしないか心配になることもあるでしょう。食洗機は高価な買い物だからこそ、正しい使い方を知って長く愛用したいものです。

この記事では、食洗機の乾燥のみ機能について、基本的な使い方から注意点、トラブルを避けるコツまで、実用的な情報をわかりやすくお伝えします。

この記事のポイント
  • 食洗機を乾燥機能だけで使う具体的な方法
  • 乾燥のみの場合にかかる電気代や時間の目安
  • 起こりうるトラブルと、その上手な対処法
  • ご家庭のスタイルに合った賢い食洗機の活用術

食洗機を乾燥のみで使うのはアリ?基本を解説

クリーン家電ガイド:イメージ
  • 食洗機の乾燥コースとは?
  • メーカー別の乾燥のみのやり方
  • 乾燥にかかる電気代はいくら?
  • 乾燥にかかる時間と温度の目安
  • 洗浄から使った方がお得なケース

まずは、「食洗機の乾燥機能だけ使いたい!」というときに出てくる基本的な疑問について、一緒に見ていきましょう。

乾燥コースの仕組みから、気になる電気代、メーカーごとの使い方まで、知っておきたい基本情報をまとめてみました。

食洗機の乾燥コースとは?

そもそも食洗機の「乾燥コース」とは、その名の通り、食器の洗浄を行わずに乾燥だけを行う機能のことですね。手で洗った食器を乾かしたり、盛り付け前にお皿を少し温めたりするのに使える、とても便利な機能なんです。

ただ、一口に乾燥機能と言っても、実はいくつかの方式があるんですよ。ご家庭の食洗機がどのタイプかを知っておくと、より上手に使いこなせるようになると思います。

ヒーター乾燥(温風乾燥)

日本のメーカー製食洗機で最も一般的なのが、このヒーター乾燥です。ドライヤーのように、ヒーターで温めた風を食器に当てて乾かす仕組みですね。

パワフルなので、食器をカラッと素早く乾かせるのが最大のメリットです。仕上がりの良さを重視する方には嬉しいポイントじゃないでしょうか。

一方で、ヒーターは消費電力が大きいため、どうしても電気代が少し高くなってしまうという側面もあります。

送風乾燥(余熱乾燥)

これは、洗浄の最後の「すすぎ」で使った高温のお湯の余熱を利用して乾かす方法です。

ヒーターを使わずにファンで風を送るだけなので、ヒーター乾燥に比べて電気代をかなり抑えられるのが特徴です。パナソニックの一部の機種などでは「送風」として設定できる場合があります。

ただ、ヒーターを使わない分、プラスチック容器などは少し水滴が残りやすいかもしれませんね。

オートオープン機能

海外製の食洗機や、国内の一部の高級モデルに搭載されている機能です。運転が終了すると自動でドアが少しだけ開き、庫内の蒸気を外に逃がして自然乾燥を促します。

電気をほとんど使わないので、最も省エネな乾燥方法と言えます。環境への意識が高いヨーロッパでは主流の方式なんですよ。

ただ、こちらも乾ききるまでには少し時間がかかります。

ドライキープ機能
豆知識ドライキープ機能
乾燥運転が終わった後も、定期的にファンを回して庫内の湿気を逃がし、食器への水滴の再付着(結露)やニオイのこもりを防いでくれる機能です。これを設定しておくと、食器のからっと感が長持ちしますよ。

メーカー別の乾燥のみのやり方

「乾燥だけ使いたいけど、どう設定すればいいの?」という疑問、ありますよね。メーカーや機種によって操作パネルが違うので、少し戸惑うかもしれません。

ここでは、主要なメーカーの代表的な操作方法をご紹介しますね。ただ、全く同じ機種でない場合も多いので、最終的にはご自宅の食洗機の取扱説明書を確認していただくのが一番確実です。

お手元に説明書がなくても、メーカーの公式サイトで機種名を検索すれば、電子版の説明書が見つかることがほとんどですよ。

メーカー代表的な機種「乾燥のみ」の設定方法
パナソニックNP-TZ500 / NP-TH5 などタッチパネルの「オプション」や「設定」ボタンを押し、「乾燥のみ」のイラストや項目を選んでスタートさせます。機種によっては独立した「乾燥のみ」ボタンがある場合もあります。
リンナイビルトイン型全般コース選択で「乾燥」を選びます。機種によっては、洗浄コースを選んだ後に乾燥時間だけを別途設定するタイプもあります。
三菱電機ビルトイン型全般操作パネルにある「乾燥」コースボタンを押して選択します。他のコースと同様に、ボタン一つで設定できることが多いですね。

「うちのはボタンがたくさんあって…」と迷われるお客様も多いのですが、大体は「コース」「設定」「オプション」といったボタンから入っていくことが多いです。一度覚えてしまえば簡単なので、ぜひ試してみてくださいね。

乾燥のみの運転はとても手軽ですが、注意点もあります。乾燥運転だけを長期間使い続けると、庫内の排水部分に溜まった水が原因でニオイが発生したり、庫内が汚れたりすることがあるんです。

これについては、後の章で詳しく解説しますね。

乾燥にかかる電気代はいくら?

乾燥機能を使う上で、やっぱり一番気になるのは電気代じゃないでしょうか。「洗浄しない分、安くなるはず」と思いがちですが、実はここにちょっとした落とし穴があるんです。

結論から言うと、食洗機の電気代は、洗浄よりも乾燥の工程で多く消費されます。
なぜなら、水を循環させるモーターよりも、空気を温めるヒーターの方がずっと多くの電力を必要とするからなんです。

具体的な数字で見てみましょう。
人気の卓上食洗機、パナソニックのNP-TZ300を例にとると、1回あたりの電気代の目安は以下のようになっています。(電力料金目安単価31円/kWhで計算)

工程消費電力1回あたりの電気代
洗浄時約0.085kWh約2.6円
乾燥時約0.55kWh約17円

(参照:Panasonic公式サイトのデータを基に算出)

このように、乾燥にかかる電気代は洗浄の6倍以上にもなるんです。ですから、「乾燥のみ」で運転しても、思ったほどの節約にはならない可能性がある、ということですね。

乾燥のみコスト注意
注意:乾燥のみは節約目的には不向きかも
もし節約を一番の目的にしているのであれば、乾燥機能だけを単独で使うのは、あまり効率的とは言えないかもしれません。むしろ、後ほどお話しするように、水道代やガス代まで含めたトータルコストで考えると、洗浄からお任せしてしまった方がお得になるケースが多いんですよ。

もちろん、家事の時短という大きなメリットがありますから、電気代だけで判断するのはもったいないと思います。このコストを理解した上で、ご自身のライフスタイルに合わせて上手に活用していくのがおすすめです。

乾燥にかかる時間と温度の目安

クリーン家電ガイド:イメージ

乾燥機能を使うとき、どのくらいの時間と温度で乾かしているのか、気になったことはありませんか?

この仕組みを知っておくと、食器が乾きにくいときのヒントにもなりますよ。

乾燥時間・温度
乾燥時間基本は30分~60分
多くの食洗機では、標準的な乾燥時間は30分、45分、60分といった設定になっています。もちろん、機種によってはもっと短い時間や、逆に追加で乾燥運転ができるものもあります。手洗いした食器を入れる場合は、水気をよく切ってから入れると、短い時間でも乾きやすくなります。
乾燥温度約60℃~80℃の高温で仕上げる
乾燥時の庫内温度は、約60℃から80℃くらいになります。この高温の温風で、食器に残った水分を効率的に蒸発させているわけですね。手で触れないほどの温度なので、除菌効果も期待できて衛生的です。食器を温める目的で使う場合も、この温度を目安に考えると良いでしょう。

ここで一つ、大切なポイントがあります。
それは、「洗浄から続けて乾燥する場合」と「乾燥のみで運転する場合」とでは、乾燥の効率が違うということです。

洗浄から運転すると、最後のすすぎを高温のお湯で行うため、食器自体も庫内もアツアツの状態になっています。この「食器の余熱」がある状態で乾燥に入るので、とてもスムーズに乾きます。

一方、乾燥のみで運転する場合は、常温の食器をゼロから温め始めることになります。食器に余熱がない分、同じ時間運転しても、どうしても水滴が残りやすくなる傾向があるんです。

もし「乾燥のみだと、どうも乾きが悪いな…」と感じたら、この違いが原因かもしれません。

乾きにくいと感じたら
乾きにくいと感じたら
乾燥のみで運転して乾きが甘い場合は、設定時間を少し長めにしてみるか、運転終了後にしばらくドアを開けて余熱で蒸気を逃がしてあげると、仕上がりが良くなりますよ。

洗浄から使った方がお得なケース

これまで乾燥機能の電気代や仕組みについてお話ししてきましたが、「もしかして、毎回洗浄から使った方がいいの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。

そうなんです。
多くの場合、光熱費のトータルコストで考えると洗浄からお任せした方がお得になります。

「え、洗浄分の電気代がかかるのに?」と思いますよね。
ポイントは、水道代とガス代にあります。

手洗いで食器を洗うとき、特にお湯を使うと、かなりの量の水と、お湯を沸かすためのガス(または電気)を使っています。パナソニックの試算によると、5人分の食器を手洗いした場合と食洗機で洗った場合を比べると、年間の光熱費にこんな違いが出るというデータがあるんです。

1日に2回食器洗いをした場合の、年間の光熱費の比較を見てみましょう!

手洗い食洗機(NP-TZ300)差額
水道代約12,337円約1,898円年間 約8,570円
食洗機の方がお得
ガス代約13,225円0円
電気代0円約16,863円
合計約25,562円約18,761円

(参照:経済産業省 資源エネルギー庁、Panasonic公式サイトのデータを基に試算)

いかがでしょうか。食洗機は電気代こそかかりますが、それを補って余りあるほど水道代とガス代を大幅に節約してくれるんです。結果的に年間で約8,500円以上もお得になる計算ですね。

もちろん、これはあくまで一つのモデルケースです。ご家庭の人数や食器の量、手洗いの仕方によって差は出ます。ですが、乾燥のみを使うか、洗浄から使うか迷ったときの一つの判断材料になるのではないでしょうか。

時間という一番の節約も!
時間という一番の節約も!
光熱費だけでなく、食器を洗って拭く手間がまるごとなくなる「時間の節約」も、食洗機の大きなメリットですよね。浮いた時間でゆっくりしたり、家族との時間が増えたり…その価値は大きいと思います。

食洗機を乾燥のみで使い続ける注意点と対策

クリーン家電ガイド:イメージ
  • 乾きにくい食器とその対処法
  • 焦げ臭いニオイがする原因は?
  • 故障させないための使い方
  • ビルトイン食洗機ならではの注意点
  • いっそ食器乾燥機という選択肢も

ここまで乾燥機能の基本的な使い方やメリットについて見てきましたが、ここからは少し視点を変えて、「使い続ける上での注意点」についてお話しします。

便利な機能だからこそ、トラブルなく長く使いたいですよね。ニオイや故障の原因を未然に防ぐための、大切なポイントをお伝えします。

乾きにくい食器とその対処法

「乾燥運転が終わったのに、このお皿だけ濡れてる…」なんて経験、ありませんか?
食洗機の乾燥機能はとても優秀ですが、どうしても素材や形によって乾きやすさに差が出てしまうことがあるんです。

特に乾きにくいとされる食器の種類と、その上手な対処法を知っておくと、ストレスがぐっと減りますよ。

特に乾きにくい食器たち
特に乾きにくい食器たち
プラスチック製の食器
お弁当箱や子ども用のコップなどですね。プラスチックは陶器やガラスに比べて熱を保ちにくい(熱伝導率が低い)ため、水分が蒸発しにくいんです。
木製竹製の食器
これらはそもそも食洗機非対応のものが多いですが、対応品であっても水分を含みやすく、完全に乾きにくいことがあります。
形状が複雑なもの
食器のフチや裏側のくぼみ、水筒の溝などは、どうしても水が溜まりやすい場所です。特に、お茶碗の裏にある高台(糸底)は、水が溜まる代表的なポイントですよね。

乾きを良くするための対処法

もし乾きが悪いなと感じたら、いくつかの工夫で改善できる場合があります。

乾燥改善方法
1. 食器の入れ方を工夫する
これが一番効果的かもしれません。お椀やお茶碗は、少し斜めに傾けてセットするのが基本です。こうすることで、裏側の高台に水が溜まるのを防げます。コップ類も真下を向けるより、少し斜めにするのがおすすめです。食器同士が重ならないように、少し間隔をあけてあげるのも大切ですね。
2. 運転終了後すぐにドアを開ける
乾燥運転が終わった直後は、庫内に熱い蒸気がこもっています。すぐにドアを数センチ開けて蒸気を逃がしてあげると、食器に水滴が戻ってしまうのを防ぎ、余熱でさらに乾燥が進みます。
3. 追加乾燥やドライキープ機能を活用する
先ほどもお伝えしたように、乾燥のみの運転では余熱がないため乾きにくいことがあります。そんなときは、乾燥時間を少し長めに設定したり、「追加乾燥」機能を使ったりするのも一つの手です。また、パナソニックの「ドライキープ」のような送風機能があれば、それを設定しておくのも効果的ですよ。

完璧に乾かなくても、最後に取り出すときにサッと布巾で一拭きするだけで済むなら、それだけでも十分家事は楽になっていますよね。

あまり神経質にならず、「最後の仕上げ」くらいの気持ちで付き合うのが良いかもしれません。

焦げ臭いニオイがする原因は?

食洗機を運転中に、「あれ?なんだか焦げ臭い…」と感じたら、ちょっと心配になりますよね。火事になったらどうしよう、と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。でも、慌てずに原因を知って正しく対処すれば大丈夫です。

食洗機から焦げ臭いニオイがする場合、その原因のほとんどは庫内のヒーター部分に異物が接触していることです。

食洗機の底には、乾燥のために熱くなるヒーターが設置されています。このヒーターの上に、運転中に何かが落ちてしまうと、乾燥時の熱でそれが焦げてしまい、ニオイが発生する、という仕組みです。

ヒーターに落ちやすいものとは?
ヒーターに落ちやすいものとは?
食べ残し
ご飯粒や野菜のかけらなど、予洗いが不十分だと残った固形物が落ちてしまうことがあります。
油分
ギトギトの油汚れがヒーターカバーに付着し、繰り返し加熱されることで焦げ付いてしまうケースです。
軽い小物類
お弁当に使うシリコンカップやピック、小さなお子さん用のプラスチック製の箸やスプーンなどは、洗浄時の水圧で飛ばされて下に落ちてしまうことがよくあります。

焦げ臭いニオイがしたときの対処法

もし焦げ臭いニオイに気づいたら、以下の手順で確認してみてください。

  1. まず、食洗機の運転を停止し、電源プラグを抜きます。
  2. 運転直後はヒーターが非常に熱く危険なので、必ず30分以上、できれば1時間ほど待って、庫内が完全に冷めるのを待ちます。
  3. 庫内の食器カゴなどを取り出し、底にあるヒーターやそのカバーの周りを確認します。
  4. もし食べ残しや落下物があれば、手で取り除きます。油汚れがこびりついている場合は、使い古しの歯ブラシなどで優しくこすってみてください。
やけどに注意!
やけどに注意!
繰り返しになりますが、ヒーターは本当に熱くなります。絶対に冷めていることを確認してから作業してくださいね。もし樹脂製品が溶けてヒーターに固着してしまい、自力で取れない場合は、無理せずメーカーの修理窓口に相談することをおすすめします。

このようなトラブルを防ぐためにも、食器を入れる前の簡単な予洗いや、軽い小物は専用のカゴに入れるといった工夫が大切ですね。

故障させないための使い方

せっかく購入した食洗機、できるだけ長く大切に使いたいですよね。乾燥機能だけを使い続ける場合、実は少しだけ気をつけておきたいポイントがあります。これを怠ってしまうと、故障や思わぬトラブルの原因になりかねません。

一番大切なのは、月に1〜2回は、必ず洗剤を入れて「洗浄」から「乾燥」までの一連の運転を行うことです。

「え、乾燥しか使わないのにどうして?」と思いますよね。これには、主に2つの重要な理由があるんです。

理由1:排水トラップの「封水」を守るため

食洗機の排水ホースは、キッチンのシンク下の排水管につながっています。この排水管から下水のイヤなニオイや虫が上がってくるのを防ぐために、「排水トラップ」という部分に常に水が溜まる仕組みになっています。

これを「封水(ふうすい)」と言います。

しかし、洗浄運転をせずに乾燥運転ばかりを繰り返していると、庫内の熱でこの封水が少しずつ蒸発してしまいます。封水がなくなってしまうと、フタの役割がなくなり、下水のニオイが直接庫内に逆流してきてしまうのです。

「なんだか食洗機がドブ臭い…」という場合は、これが原因であることが多いですね。

理由2:庫内の汚れやぬめりを洗い流すため

乾燥機能だけを使っていると、食器から落ちたわずかな水分や、空気中の雑菌などが庫内に残り、ぬめりやカビの原因になることがあります。また残さいフィルターの下など、見えない部分にも汚れは溜まっていきます。

定期的に洗浄運転を行うことで、庫内全体を高温のお湯と洗剤で洗い流し、これらの汚れを一掃することができます。これは、食洗機自体を清潔に保つための、いわば「お風呂掃除」のようなものですね。

長持ちの秘訣は「月イチ洗浄」
長持ちの秘訣は「月イチ洗浄」
食器を入れずに、食洗機庫内クリーナーや通常の洗剤を入れて運転するだけでOKです。これだけで、ニオイや雑菌の繁殖を防ぎ、排水ポンプなどの部品を正常に保つことにつながります。夏場など、雑菌が繁殖しやすい時期は、週に1回程度行うとさらに安心ですよ。

ほんの少しの手間ですが、これを習慣にするだけで、食洗機を快適に長く使い続けることができます。

ビルトイン食洗機ならではの注意点

クリーン家電ガイド:イメージ

キッチンにスッキリ収まるビルトイン食洗機、憧れますよね。

基本的な注意点はこれまでお話ししてきた据え置き型と同じなのですが、キッチンと一体化しているビルトインならではの、特に気をつけておきたい点がいくつかあります。

ビルトイン食洗機をお使いで、乾燥機能をメインに利用されている方は、ぜひチェックしてみてください。

ニオイがこもりやすい構造

先ほど「封水」のお話をしましたが、この問題はビルトイン食洗機でより顕著に感じられることがあります。というのも、ビルトイン食洗機はキッチンのキャビネット内に組み込まれているため、構造的に空気の流れが悪く、一度発生したニオイがこもりやすいんです。

据え置き型なら少し動かして換気することもできますが、ビルトインではそうもいきません。だからこそ、据え置き型以上に定期的な洗浄運転で封水を補充し、庫内を清潔に保つことが重要になります。

見えない部分のお手入れ

ビルトイン食洗機は、本体がキャビネットに隠れているため、給排水ホースの様子などを日常的に目で見ることはできませんよね。万が一、ホースの接続部でわずかな水漏れが起きていたり、汚れが溜まっていたりしても、気づきにくいというデメリットがあります。

そのため、定期的な庫内洗浄はもちろんですが、数年に一度は専門業者に点検してもらうと、より安心して長く使えると思います。お店でも、キッチンのリフォームの際に食洗機のメンテナンスをご提案することがありますよ。

ビルトインタイプは見た目がスッキリしている分、内部で何が起きているか分かりにくいのが少し心配な点ですよね。だからこそ、月に一度の庫内洗浄のような「予防メンテナンス」がすごく大切になってくるんです。

基本的なお手入れは、残さいフィルターをこまめに掃除し、月に一度は洗浄運転をする、という点で据え置き型と何ら変わりません。ただ、「見えない場所にある」ということを少しだけ意識して、より丁寧にお手入れしてあげると良いでしょう。

いっそ食器乾燥機という選択肢も

ここまで食洗機の乾燥機能について詳しくお話ししてきましたが、「私の使い方だと、洗浄機能はほとんど使わないかも…」「お手入れのことを考えると、ちょっと面倒かな…」と感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。

もし、あなたの目的が純粋に「手洗いした食器を乾燥させること」であるなら、「食器乾燥機」を導入するというのも、実はとても賢い選択肢なんです。

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お店でも、「食洗機はいらないけど、乾燥機だけ欲しいのよね」というお声をいただくことがあります。そんなお客様には、こちらの食器乾燥機をおすすめしていますよ。

食器洗い乾燥機と食器乾燥機の違い
食器洗い乾燥機と食器乾燥機の違い
名前が似ていますが、この二つは全く別の家電です。
食器洗い乾燥機(食洗機)
「洗浄」と「乾燥」の両方の機能を持つ。
食器乾燥機
「乾燥」機能のみに特化している。洗浄機能はない。

食器乾燥機を選ぶメリット

乾燥目的の方にとって、食器乾燥機にはたくさんのメリットがあります。

  1. 価格が手頃:洗浄機能がない分、本体価格が食洗機に比べてかなり安価です。1万円前後から購入できるモデルも多いですね。
  2. お手入れが簡単:洗浄機能や複雑な排水経路がないため、ニオイやぬめりの心配がほとんどありません。普段のお手入れは、受け皿に溜まった水を捨てたり、カゴをたまに洗ったりする程度で済みます。
  3. 設置が手軽:給排水工事は一切不要です。コンセントさえあれば、キッチンの好きな場所に置くことができます。
  4. 乾燥性能が高い:乾燥だけに特化しているので、パワフルなモデルが多いのも特徴です。
こんなタイプも!吊り戸棚設置型
こんなタイプも!吊り戸棚設置型
キッチンの作業スペースを確保したい方には、吊り戸棚の下に取り付けるタイプの食器乾燥機もあります。電動で昇降するタイプなら、食器の出し入れも楽々ですよ。
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もちろん、将来的に「やっぱり洗浄も自動でしたい」と思う可能性も考えて、初めから食洗機を選ぶのも一つの手です。

ですが、「今はとにかく乾燥さえできればいい」という方にとっては、食器乾燥機は非常にコストパフォーマンスが高く、満足度の高い選択肢になると思います。

ご自身のライフスタイルにどちらが合っているか、ぜひ一度検討してみてくださいね。

総括:食洗機を乾燥のみで使う

それでは最後に、この記事の内容をまとめます。

  • 食洗機は乾燥機能だけの使用も可能
  • 手洗い後の食器乾燥や食器の温めに便利
  • 乾燥方式は主にヒーター式、送風式、オートオープンの3種類
  • ヒーター式は乾燥力が高いが電気代も高め
  • 送風式やオートオープンは省エネだが乾きが甘い場合も
  • 乾燥のみの設定方法はメーカーや機種で異なる
  • 電気代は洗浄時よりも乾燥時の方が高くなる傾向
  • 洗浄から使った方が水道代やガス代を含めるとお得なことが多い
  • 乾燥のみだと洗浄後の余熱がないため乾きにくいことがある
  • プラスチック食器や形状が複雑なものは特に乾きにくい
  • 焦げ臭いニオイはヒーターへの落下物が原因の可能性
  • 乾燥のみを続けると排水トラップの封水が切れて下水臭がすることも
  • 故障やニオイ防止のため月に1〜2回は洗浄運転を行う
  • お手入れを怠るとカビやぬめりの原因になる
  • 乾燥が主目的なら専用の食器乾燥機も選択肢の一つ

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