食洗機をキッチンに迎えたいけれど、「うちのキッチンは狭くて置き場所ないかも…」と諦めかけていませんか?
私も家電量販店で働いていると、お客様からそういったお悩みを本当によくお聞きします。特に、カウンターの奥行きが足りなかったり、賃貸だからと設置をためらったりする方は多いんですよね。
ですが、ちょっとした工夫や便利なアイテムを使えば、あなたのキッチンにも食洗機を置ける可能性は十分にあるんです。
置き台やラックを使ってデッドスペースを有効活用する方法や、どうしても置けないときに検討したいシンク下への設置などのアイデアもあります。
この記事では、そんな食洗機の置き場所に関するお悩みを解決するため、家電のプロの視点から詳しく解説していきます。きっと「うちでも置けるかも!」というヒントが見つかるはずですよ。
工夫次第で見つかる!食洗機の置き場所アイデア

- そもそも食洗機の置き場ない問題
- カウンターキッチンでの設置例
- カウンターからはみ出る場合の対策
- 賃貸でも諦めない!設置のコツ
- 吊り戸棚の下に置くときの注意点
- 置き台やラックでスペースを確保
- どうしても置けないときはどうすればいい?
まずは、比較的多くの方が検討される設置場所から、スペースがなくても工夫で乗り切るためのアイデアをご紹介します。
「うちには無理」と決めつける前に、ご自宅のキッチンと照らし合わせながら、設置の可能性を探っていきましょう。意外な場所にシンデレラフィットするかもしれませんよ。
そもそも食洗機の置き場ない問題
「食洗機が欲しい!」と思っても、多くの方が最初にぶつかるのが「置き場所がない」という壁ですよね。特に日本のキッチンはコンパクトなことが多いので、この問題は本当に切実です。
食洗機を置くためには、本体の幅と奥行きはもちろんですが、意外と見落としがちなのが「ドアの開閉スペース」なんです。前にドアが倒れるタイプだと、蛇口や壁にぶつかってしまって完全に開けられない、なんてことも。
パナソニックの「スリムタイプ(NP-TSK1)」のように、ドアが上に持ち上がる「リフトアップオープンドア」を採用したモデルなら、蛇口との距離が近くても設置しやすいですよ。

また、コンロなどの熱源からは最低でも15cm以上離す必要があります。これも置き場所を制限する一因ですね。こうして見ると、確かに設置のハードルは高いように感じられるかもしれません。
でも、大丈夫です。最近はスリムなモデルが増えたり、設置を助ける便利なアクセサリーがたくさん登場したりしています。色々なアイデアを知れば、きっとご自宅に合う設置方法が見つかるはず。諦めるのはまだ早いですよ!
カウンターキッチンでの設置例
対面式のカウンターキッチンは、食洗機の設置場所として人気の高いスペースです。シンクとの距離が近いので、予洗いした食器をスムーズに入れられますし、調理スペースを圧迫しないのが嬉しいポイントですよね。
ただ、ここで問題になりがちなのがカウンターの奥行きです。一般的な食洗機の奥行きは約30cm~35cmなので、カウンターの奥行きがそれより狭いと、はみ出してしまって安定しません。まずはご自宅のカウンターの奥行きをしっかり測ることが大切です。
もう一つ、カウンターキッチンならではの悩みとして、リビングやダイニング側から食洗機の背面が丸見えになってしまう点が挙げられます。生活感が出てしまうのが気になる…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ひとつの案として、背面の目隠しにはロールスクリーンや有孔ボードがおすすめです。ロールスクリーンなら使わないときはスッキリ収納できますし、有孔ボードならフックを付けて収納スペースとしても活用できて一石二鳥なんです。
背面の見た目は少しの工夫で解決できますし、奥行きが足りない場合も次にご紹介する方法で対策が可能です。カウンターは食洗機にとってベストポジションの一つなので、ぜひ諦めずに検討してみてくださいね。
カウンターからはみ出る場合の対策
「カウンターに置きたいけど、数センチだけ奥行きが足りなくてはみ出る…」そんな時でも、解決策はちゃんとあります。無理に置いてしまうと、運転中の振動で落下する危険があるので絶対にいけません。
まず検討したいのが、食洗機メーカーが公式に出している専用の置き台です。
例えばパナソニックからは「専用ステンレス置き台 N-SP3」という商品が販売されています。これを使えば、シンクに橋渡しするように設置できるので、カウンターからはみ出る部分をしっかり支えてくれます。純正品なので安定感も抜群で安心ですね。

こうした純正の置き台は、食洗機本体だけでなく、シンクのフチの形状によっては設置できない場合もあるので、購入前にお使いのキッチンに適合するかをメーカーサイトなどで確認することをおすすめします。
もし純正品が合わない場合や、もっとピッタリなサイズを求めたい方には、オーダーメイドの食洗機ラックという選択肢もあります。
「TAKAYAMA」さんのような専門業者に依頼すれば、キッチンのサイズに合わせて1mm単位で調整したラックを作ってもらえます。お値段は少し張りますが、ステンレス製で作りが頑丈なものが多く、見た目もスッキリと収まるので満足度は高いと思いますよ。
カウンターからはみ出る問題は、こうした専用の台を使うことで安全に解決できるんです。
賃貸でも諦めない!設置のコツ
「賃貸だから食洗機の設置は無理…」と思っている方、とても多いですよね。でも、諦める必要はありません。ポイントさえ押さえれば、賃貸住宅でも食洗機ライフを楽しむことは十分に可能です。
一番のポイントは、なんといっても「原状回復」ができるかどうかです。退去時に元の状態に戻せるのであれば、設置を許可してくれる大家さんや管理会社は多いんですよ。
分岐水栓を取り付けるタイプの食洗機は「工事」というイメージが強いかもしれませんが、実際は蛇口の部品を一時的に交換するだけ。退去時に元の部品に戻せばOKです。
ただし、念のため事前に管理会社に確認を取っておくと安心ですね。
そして、賃貸住宅にお住まいの方にとって最強の味方となるのが、工事不要の「タンク式」食洗機です。これは本体のタンクに直接水を注いで使うタイプなので、分岐水栓の取り付けが必要ありません。
コンセントさえあればどこにでも置けるので、キッチンの好きな場所に設置できます。排水も、付属のホースをシンクに伸ばすだけなので簡単です。
もちろん、毎回給水する手間はありますが、工事の心配が一切ないというのは大きなメリットですよね。
これなら急な引っ越しがあっても安心。賃貸だからと食洗機を諦めていた方は、ぜひタンク式を検討してみてください。

吊り戸棚の下に置くときの注意点

キッチンの作業スペースを確保するために、吊り戸棚の下に食洗機を設置したいと考える方もいらっしゃると思います。デッドスペースを有効活用できる良いアイデアですが、いくつか注意すべき大切なポイントがあります。
まず最も重要なのが高さの確認です。食洗機本体の高さだけでなく、ドアを開けたときの最大の高さもしっかり測っておきましょう。
特にパナソニックのスリムタイプのようにドアが上に開くモデルは、この確認が必須です。「置けたけどドアが開かない!」なんてことになったら悲しいですものね。
そして、もう一つ非常に重要なのが「蒸気」対策です。
対策としては、まず排気口の位置がなるべく棚の真下に来ないように設置場所を調整することが基本です。
もしどうしても真下に来てしまう場合は、吊り戸棚の底面にステンレスやアルミの防水シートを貼って保護したり、小型のクリップファンなどを設置して、蒸気がこもらないように空気を循環させたりする工夫をおすすめします。
見た目もスッキリ収まる吊り戸棚下への設置ですが、大切なキッチン家具を傷めないためにも、蒸気対策はしっかり行ってくださいね。
置き台やラックでスペースを確保
「調理スペースもシンクも狭くて、食洗機を直接置く場所なんてどこにもない…」そんな八方ふさがりの状況を解決してくれるのが、食洗機専用の置き台やラックです。これらを活用すれば、今までデッドスペースだった空間が、新たな設置場所に早変わりしますよ。
食洗機ラックには、大きく分けて2つのタイプがあります。
1. シンクに渡して設置するタイプ

これは、シンクの左右に足をかけて橋のように渡すラックです。山崎実業の「towerシリーズ」などが人気ですね。
このタイプの最大のメリットは、調理スペースを一切犠牲にしないこと。ラックの下はそのまま洗い物スペースとして使えるので、シンクが多少狭くなることさえ許容できれば、非常に省スペースです。
伸縮して幅を調整できるものを選べば、どんなキッチンにも合わせやすいですよ。
2. 独立したワゴン・ラックタイプ

シンク横や冷蔵庫との隙間などに置く、独立したスチールラックやキッチンワゴンです。
このタイプは、食洗機だけでなく、他の調理家電やゴミ箱などをまとめて収納できるのが魅力。縦の空間を有効活用できます。
「置き場所がない」と諦める前に、まずはこうしたラックで新たなスペースを生み出せないか検討してみてください。きっと最適な一台が見つかるはずです。
どうしても置けないときはどうすればいい?
いろいろな工夫を試してみたけれど、どうしても卓上食洗機を置くスペースが見つからない…。そんな最終局面を迎えた方にも、まだ選択肢は残されています。
一つは、キッチンのキャビネットに食洗機を組み込んでしまう「ビルトイン食洗機」へのリフォームです。
大掛かりな工事が必要で費用もかかりますが、キッチンがスッキリして作業スペースが広々と使えるようになるという、大きなメリットがあります。
後付け工事に対応している業者さんもたくさんいるので、持ち家の方であれば検討の価値は十分にありますよ。これについては、次の章で詳しく解説しますね。
もう一つの新しい選択肢が、「超音波食洗機」です。

卓上型が置けないからといって、食洗機のある便利な生活を諦める必要はありません。視点を変えれば、ビルトインや超音波食洗機といった、新しい道が開けるかもしれませんよ。
シンク下も?特別な食洗機の置き場所アイデア

- 最終手段はシンク下への設置
- 気になるシンク下の使い勝手は?
- シンク下に食洗機を置くならどのメーカー?
- シンク下への後付け費用はいくら?
卓上型の設置が難しい場合の最終手段として、ビルトイン食洗機という選択肢があります。
中でも「シンク下」への設置は、あまり知られていないかもしれませんが、実は多くのメリットを持つ設置場所なんです。
ここでは、そのシンク下設置の魅力と、気になるポイントについて深掘りしていきましょう。
最終手段はシンク下への設置
「ビルトイン食洗機」と聞くと、新築時に入れるものというイメージが強いかもしれませんが、実は今あるキッチンに後付けすることも可能なんです。特にシンク下のキャビネットは、後付け工事の有力な候補地となります。
なぜなら、シンク下はもともと給水管や排水管が集中している場所。食洗機の設置に必要な配管の分岐工事がしやすく、大掛かりな配管の延長などをせずに済むことが多いからです。
開き戸タイプのキャビネットであれば、その扉を外してスペースを作り、そこに食洗機をすっぽりと収めることができます。
シンク下にビルトイン食洗機を設置すれば、これまで調理スペースを圧迫していた水切りカゴなどを置く必要がなくなり、キッチン全体が驚くほどスッキリします。作業スペースが広がるので、お料理もはかどりますよ。
もちろん、もともと収納だったスペースが食洗機になるので、鍋やボウルなどの収納場所を新たに確保する必要は出てきます。それでも、毎日の食器洗いから解放されるメリットと、キッチンの見た目が美しくなる点を考えれば、検討する価値は大きいのではないでしょうか。
まさに「最終手段」にして「最良の選択」になる可能性を秘めたアイデアなんです。
気になるシンク下の使い勝手は?
シンク下に食洗機を置く、と聞くと「使いやすいの?」と疑問に思う方も多いですよね。私も店頭でお客様によく聞かれるポイントです。
実際に使っている方の声も参考に、メリットとデメリットをまとめてみました。
使い勝手については、ショールームなどで実際に実機に触れて、食器の出し入れをシミュレーションしてみるのが一番分かりやすいと思います。ご自身の身長やキッチンスタイルに合うかどうか、ぜひ体感してみてくださいね。
シンク下に置くならどのメーカー?
シンク下に設置できるビルトイン食洗機は、主に国内のキッチン家電メーカーから発売されています。
代表的なのはパナソニック、リンナイ、三菱電機の3社ですね。それぞれに特徴があるので、ご自身の使い方に合ったメーカーを選ぶのがおすすめです。
ここでは、各メーカーの主な特徴を比較表にまとめてみました。
メーカー | 主な特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
パナソニック | 食器の量や汚れを検知して節水・省エネ運転する「エコナビ」や、除菌・脱臭効果が期待できる「ナノイーX」搭載モデルなど、高機能なのが魅力です。カゴの自由度も高く、食器をセットしやすい工夫がされています。 | 省エネ性能や衛生面を重視する方、食器の形に合わせてカゴをカスタマイズしたい方 |
リンナイ | 独自の回転ノズル「タワーウォッシャー」で、庫内の隅々まで強力に洗浄するのが特長です。洗浄力の高さを求める方に人気があります。海外製のようなフロントオープンタイプも選べるのがユニークです。 | ガンコな汚れもしっかり落としたい方、一度にたくさんの食器を洗いたい方(フロントオープン) |
三菱電機 | 運転音が静かなモデルが多く、夜間でも気兼ねなく使えると評判です。また、食器の形に合わせて変形する「マルチラック」など、使いやすさへの配慮も行き届いています。 | 集合住宅にお住まいの方や、運転音の静かさを最優先したい方 |
どのメーカーも基本的な洗浄力は非常に高いので、最終的には「省エネ」「洗浄力」「静音性」「使い勝手」といった付加価値の部分で、何を一番重視するかによって選ぶのが良いと思います。
デザインや操作パネルの好みもありますので、ぜひカタログや店頭で比較検討してみてくださいね。
シンク下への後付け費用はいくら?

シンク下へのビルトイン食洗機設置、一番気になるのはやはり費用ですよね。費用の内訳は、大きく分けて「食洗機本体の価格」と「設置工事費」の2つになります。
まず、食洗機本体の価格ですが、これはメーカーやグレードによって幅広く、浅型(ミドルタイプ)であれば大体5万円~15万円程度が相場です。機能がシンプルなモデルほどお安くなります。
次に、設置工事費です。これはキッチンの状況によって変動しますが、既存のキャビネットを撤去して食洗機を設置する標準的な工事の場合、5万円~8万円前後を見ておくと良いでしょう。
つまり、トータルで見ると、本体価格+工事費で、安くても10万円~、一般的には15万円前後が一つの目安になるかと思います。
工事費は業者さんによってかなり差が出るところなので、必ず2~3社から見積もりを取って比較検討するのが鉄則ですよ。「本体価格は安いけど工事費が高い」なんてこともあるので、総額で判断することが大切です。
初期費用はかかりますが、毎日の食器洗いから解放される時間と節水効果を考えると、長い目で見れば決して高すぎる投資ではない、と私は思います。
総括:食洗機の置き場所アイデアまとめ
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。