エアコンの自動掃除機能について、購入を検討されている方も多いのではないでしょうか。
家電量販店で働く私が日々お客様とお話しする中で、お掃除エアコンを買ってはいけないというテーマについて、多くの賛否の声をいただきます。
確かに自動掃除機能は必要かどうか迷うところですし、メリットとデメリットを正しく理解せずに選んでしまうと後悔することもあるんです。特に電気代や維持費の面で、思わぬ出費が発生することもあります。
この記事では、お掃除機能付きエアコンの隠れたデメリットから、本当に必要な機能かどうかの判断基準、そして賢い選び方まで、購入前に知っておきたい重要なポイントを詳しく解説します。
エアコン選びで失敗したくない方は、ぜひ最後までお読みください。
お掃除エアコンを買ってはいけない本当の理由

エアコン選びで迷われる方の多くが、自動掃除機能の魅力に惹かれてしまいがちです。しかし、実際に購入された方から「思っていたのと違った」という声を聞くことも少なくありません。
一体何が問題なのでしょうか?
表面的には便利に見える機能の裏側には、購入前には見えにくい様々な課題が隠れているのが現実です。
ここでは、お掃除機能付きエアコンのメリットとデメリットを冷静に分析し、電気代や維持費を含めた総合的なコスト、そして実際の使い勝手まで、購入を検討する前に知っておくべき重要なポイントを詳しくお伝えします。
自動掃除機能は必要か?
まず、エアコンの「自動お掃除機能」が本当に必要なのか、考えてみましょう。
この機能は、フィルターについたホコリを自動で取ってくれるので、ご自身でフィルター掃除をする手間が減るのは確かです。特に、高い場所での作業が苦手な方や、お忙しい方には魅力的に映るかもしれません。
ただ、この機能があれば全く何もしなくて良いわけではないんです。
店舗に来店されるお客様の反応や、SNSなどを見ていると、「思ったより汚れる」「結局自分で掃除してる」なんて声もチラホラ見かけます。
一方で、「掃除が楽になった」と感じる方もいらっしゃいます。
ですから、一概に「必要ない」とは言えませんが、「フィルター掃除くらいなら自分でできるわ」という方にとっては、もしかしたら無くても困らない機能かもしれませんね。
ご自身のライフスタイルや、掃除にかけられる手間を考えて判断することが大切になってきます。
メリットデメリットを比較して分かる真実

お掃除機能付きエアコンのメリットとデメリットを比べてみると、見えてくる「真実」があります。
メリットとしては、やはりフィルター掃除の手間が省けることでしょう。
フィルターがキレイな状態に保たれやすいので、エアコンの効率が落ちにくく、結果的に電気代の節約につながる可能性も考えられます。
見た目がスタイリッシュなモデルが多いのも、魅力の一つかもしれません。
一方、デメリットもいくつかあります。
まず、購入時の価格が、お掃除機能なしのエアコンに比べて高くなる傾向があります。
そして、お掃除機能が掃除してくれるのは主にフィルターのホコリなので、油汚れやタバコのヤニ、内部に発生したカビまでは取り除けません。
そのため、結局は専門業者によるクリーニングが必要になることもあります。そのクリーニング費用も、構造が複雑なため通常タイプより高額になることが多いんです。
また、お掃除機能で集めたホコリを溜めておく「ダストボックス」のお手入れも必要になります。
このように、メリットとデメリットを天秤にかけて、ご自身にとって本当に必要な機能かを見極めることが肝心です。
電気代が高くなる隠れたコスト
「お掃除機能付きエアコンはフィルターが綺麗だから電気代が安くなる」と期待される方も多いと思います。
確かに、フィルターの目詰まりは冷暖房効率を低下させ、余分な電気代がかかる原因になります。自動でフィルターを掃除してくれることで目詰まりを防ぎ、効率の良い運転を維持する助けにはなるでしょう。
ただ、ここで少し立ち止まって考えてほしいのが「隠れたコスト」です。
前述の通り、お掃除機能付きエアコンは購入時の価格が高めです。また、お掃除機能自体も運転時には微量ながら電気を使います。
そして、最も考慮したいのは、専門業者へクリーニングを依頼する際の費用です。お掃除機能付きのモデルは内部構造が複雑なため、クリーニング料金が割高になる傾向があります。
もし、数年に一度のクリーニング費用の上昇分が、日々の電気代の節約分を上回ってしまうとしたら、トータルで見て「お得」とは言えなくなってしまいますよね。
ですから、電気代だけでなく、長期的な視点で全体のコストを考えることが大切なのです。
クリーニング費用が高額になる理由

お掃除機能付きエアコンのクリーニング費用がなぜ高額になりがちなのか、その理由をご説明します。
一番の理由は、その内部構造の複雑さにあります。
お掃除機能付きエアコンには、フィルターを掃除するためのブラシやアーム、ホコリを移動させる機構、そしてそれらを動かすモーターなど、多くの部品が搭載されています。
これらは通常のエアコンにはないものです。
クリーニングの際には、これらの部品を一つ一つ丁寧に取り外したり、養生したりする必要があります。分解や組み立てに手間と時間がかかるため、どうしても作業工賃が上がってしまうのです。
また、メーカーや機種によって構造が異なるため、クリーニング業者さんにもより高度な知識や技術が求められます。場合によっては、「お掃除機能付きはお断り」という業者さんや、対応していても追加料金がかなり高額になるケースも見られます。
このように、メンテナンスの面で費用がかさむ可能性がある点は、購入前に知っておきたいポイントですね。
掃除中の騒音問題と生活への影響
お掃除機能付きエアコンを選ぶ際に、意外と見落としがちなのが「掃除中の作動音」です。
自動お掃除機能は、エアコンの運転停止後などに作動することが多いのですが、その際にブラシが動く音やモーター音が発生します。機種によっては、この音が思ったより大きいと感じる方もいらっしゃるようです。
例えば、静かな夜間にエアコンが自動でお掃除を始めると、その音で目が覚めてしまったり、リラックスタイムを妨げられたりする可能性も考えられます。
特に寝室に設置する場合や、音に敏感な方がご家庭にいらっしゃる場合は、この作動音についても少し気にしておくと良いかもしれません。
お客様の中には、「音がうるさくて機能をオフにしている」といった声も見受けられます。
快適な生活空間を保つためにも、このような細かな点も考慮に入れると、より後悔のない選択ができるのではないでしょうか。
なぜお掃除エアコンを買ってはいけないのか徹底解説

表面的なメリットの陰に隠れている、お掃除機能付きエアコンの問題点について深く掘り下げていきましょう。
一見便利そうに見える機能も、実際に使い始めてから「こんなはずじゃなかった」と感じる方が少なくありません。
特に構造的な複雑さから生まれる故障のリスクや、想定外のランニングコストは、購入前にしっかりと理解しておきたい重要なポイントです。
ここからは、なぜ専門家の間でお掃除機能付きエアコンに慎重な意見が多いのか、その具体的な理由を詳しく解説していきます。
自動掃除は毎回必要?頻度と効果の関係
お掃除機能付きエアコンは、多くの場合は運転停止後に自動でフィルター掃除を行ってくれます。リモコンで手動操作できる機種もありますね。
この機能は、フィルター表面についたホコリをブラシでかき取ったり、吸い取ったりしてくれます。日々の簡単なホコリ取りとしては、確かにある程度の効果は期待できるでしょう。
しかし考えてみてほしいのは、「そのお掃除で十分なのか?」という点です。
お掃除機能が取り除けるのは、主に乾いたホコリです。キッチン近くに設置した場合の油を含んだホコリや、ペットの毛、花粉などがフィルターに絡みついた場合、自動お掃除だけでは取りきれないことがあります。
また、お掃除機能が作動する頻度と、実際にフィルターがキレイになる度合いのバランスも大切です。いくら頻繁にお掃除機能が作動しても、落としきれない汚れが蓄積していけば、結局は人の手による念入りな掃除が必要になってしまいます。
「自動だからお任せ」と過信しすぎないことがポイントかもしれません。
故障しやすい複雑な構造の落とし穴

お掃除機能付きエアコンは、その便利な機能を実現するために、内部構造が通常のエアコンよりも複雑になっています。
フィルターを動かすため、あるいは掃除ユニット自体を動かすためのモーターやギア、センサーといった部品が多く使われているんですね。
一般的に、機械製品は部品点数が多くなればなるほど、そして構造が複雑になればなるほど、故障のリスクは高まる傾向にあります。
エアコン本体の冷暖房機能はまだ問題なくても、お掃除機能ユニットだけが故障してしまう、というケースも残念ながら耳にします。
そうすると、せっかく高いお金を出して購入したお掃除機能が使えなくなり、ただの「部品が多いエアコン」になってしまうことも。
修理するにも、部品代や技術料が高くつくことがあります。
シンプルな構造のエアコンに比べて、故障の可能性を少しだけ多く見積もっておく必要があるかもしれませんね。
ゴミはどこへ行くのか仕組みを解説
自動お掃除機能で集められたフィルターのホコリは、一体どこへ行くのでしょうか?
この排出の仕組みは、大きく分けて2つのタイプがあります。
一つは、エアコン内部に設けられた「ダストボックス」にホコリを集めるタイプです。この場合、ダストボックスにホコリが溜まったら、ご自身で取り出して捨てる必要があります。
つまり、フィルター掃除の手間は減っても、ダストボックスの掃除という新たなお手入れが発生するわけですね。
これを怠ると、ダストボックスからホコリがあふれたり、お掃除機能がうまく作動しなくなったりすることもあります。
もう一つは、集めたホコリを配管を通して屋外へ排出するタイプです。こちらはダストボックスの掃除は不要ですが、設置時に屋外への排出用ホースの工事が必要になります。
また、全ての住宅環境でこの排出方法が可能なわけではありません。
いずれにしても、「自動でお掃除」と言っても、どこかで人間が関わる必要があることは覚えておきましょう。
フィルター掃除だけでは内部汚れは防げない

前述の通り、お掃除機能付きエアコンが主にお手入れしてくれるのは「フィルター」です。フィルターは空気の入口なので、ここを清潔に保つことはとても大切です。
しかし、エアコン内部にはフィルター以外にも汚れる場所がたくさんあるのをご存知でしょうか?
例えば、熱交換器(アルミフィン)と呼ばれる部分は、冷房時に結露しやすく、ホコリと湿気が組み合わさってカビの温床になりやすい場所です。
また、空気を送り出すファンにもホコリやカビが付着します。
これらの内部の汚れは、お掃除機能では残念ながらキレイにすることができません。
フィルターがキレイでも、内部が汚れていればそこから出てくる空気はカビ臭かったり、汚れていたりする可能性があるのです。
ですからお掃除機能が付いていても、定期的な内部クリーニングは依然として必要になると考えられます。
お掃除機能なし人気モデルの特徴と選び方
ここまでお掃除機能付きエアコンについて色々とお話ししてきましたが、ここで「お掃除機能なし」のエアコンにも目を向けてみましょう。
お掃除機能がないモデルは、まず購入時の価格が比較的お手頃なのが魅力です。構造もシンプルなものが多く、故障のリスクが相対的に低いとも考えられます。
お手入れに関しては、ご自身でフィルターを取り外して掃除する必要がありますが、最近のモデルはフィルターの着脱が簡単にできるように工夫されているものが多いですよ。
水洗いできるフィルターなら、シャワーでさっと流すだけで意外とキレイになります。
専門業者にクリーニングを依頼する場合も、シンプルな構造のため、お掃除機能付きに比べて費用を抑えられる傾向があります。
選び方としては、まずお部屋の広さに合った能力(何畳用か)を確認することが基本です。
その上で、省エネ性能を示す数値(APFなど)をチェックしたり、静音性や除湿機能など、ご自身が必要とする機能が付いているかを確認しましょう。
信頼できるメーカーの製品を選ぶのも安心ですね。
当店契約の取り付け業者の職人さんに聞いた話では、シンプルで質実剛健なメーカーとして、ダイキンと三菱電機を挙げていました。
実は先日私も、このアドバイスをいただいてから、ダイキンのEシリーズを購入したんです。
だからと言うわけではありませんが私のイチオシは、基本的な機能を備えつつ、内部クリーン機能も搭載されているシンプルなモデルとして人気な「Eシリーズ」です。
三菱電機では「霧ヶ峰 GVシリーズ」などが、お掃除機能なしのスタンダードモデルとして多くの方に選ばれています。
ただしこれらはあくまで一例ですので、実際にお店で機能や操作性を確かめて、ご自身の使い方に合ったものを選ぶのが一番良いと思います。
自分でこまめにフィルター掃除ができる方にとっては、機能なしモデルはとても合理的で経済的な選択肢になると思います。
総括:お掃除エアコンを買ってはいけない理由
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。