キッチンで毎日活躍している食洗機、実はお家の給湯器と密に連携して動いているってご存知でしたか?
多くの方が何気なく使っている食洗機と給湯器の関係には、実は知っておくと得する情報がたくさん隠れています。
食洗機と給湯器の仕組みを理解すると、適切な温度設定で効率的に運転できるようになりますし、もし給湯器の電源トラブルや故障が起きても慌てずに対処できるようになります。
また、給湯器との接続方法によって光熱費が変わることや、食洗機がガスを使うのか電気を使うのかという疑問も解決できるでしょう。
この記事では、食洗機と給湯器の基本的な関係から、コスト面での比較、そして日々の使い方のコツまで、わかりやすく解説していきます。
知っているだけで家計にも優しくなる情報をお届けしますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
食洗機と給湯器の関係|基本情報

食洗機と給湯器、キッチンではどちらも欠かせない存在ですよね。でも、この二つがどう連携しているのか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、食洗機がお湯を使う基本的な仕組みから、給湯器との上手な付き合い方まで、基本的な情報を分かりやすくお伝えしますね。
食洗機のお湯の仕組み
食洗機が食器をキレイにするためには、お湯の力がとても大切です。
ほとんどの家庭用食洗機には、庫内に水を温めるための「内蔵ヒーター」が備わっています。このヒーターは、給水された水が冷たい場合でも、洗浄やすすぎに適した温度までしっかりと温め直してくれるんですよ。
具体的には、洗い始めの段階で洗剤の効果を高めるために、そして最後のすすぎでは、食器を衛生的に仕上げ、乾燥を促すために高温のお湯が使われます。機種によっては、洗浄時は約50~60℃、最終すすぎでは70~80℃といった高温になることもあります。
たとえ給湯器からお湯を供給する「給湯接続」の場合でも、設定された温度に達していない時には、この内蔵ヒーターが補助的に働いて、最適な温度まで上げてくれる仕組みになっているんです。ですから、給水時の水温に関わらず、食洗機は安定して高い洗浄力を発揮できるのですね。
ただ、一部の業務用に近い機種や特殊なモデルでは、給湯接続専用で、庫内にヒーターを持たないものも存在します。ご家庭の食洗機がどちらのタイプか、取扱説明書で一度確認してみるのも良いかもしれません。
温度設定で最適な運転

食洗機を効率よく、そして経済的に使うためには、給湯器の温度設定もちょっとしたポイントになります。
一般的に、食洗機へ給湯接続する場合、給湯器の温度は60℃以下に設定することが推奨されています。多くの食洗機は、このくらいの温度のお湯が供給されることを想定して設計されているからです。あまりに高温のお湯を供給してしまうと、食洗機の部品を傷めたり、デリケートな食器を変形させてしまったりする可能性も考えられます。
逆に、給湯器の設定温度が低すぎると、食洗機の内蔵ヒーターがたくさん働いて水を温め直す必要が出てきます。これでは、せっかく給湯接続にしていても、電気代が多くかかってしまうかもしれませんし、洗浄時間も長くなる傾向があります。
最近の食洗機の中には、「エコナビ」のような省エネ機能がついているものもありますよね。
例えばパナソニックの一部の機種では、給湯温度が45℃を超えるとエコナビ機能が働かないように設定されていることがあります。これは、センサーが高温のお湯では食器の量を正確に検知しにくくなるためだそうです。お使いの食洗機にこのような機能がある場合は、給湯器の温度を45℃以下に設定すると、省エネ効果を最大限に活かせるかもしれません。
いずれにしても、お使いの食洗機の取扱説明書には、推奨される給湯温度が記載されているはずです。一度確認して、ご家庭の状況に合わせて最適な温度に設定することが、賢い使い方につながりますよ。
接続方法と配管の基礎知識

食洗機を設置する際には、給水方法を選ぶことになります。
主に「給湯接続」と「給水接続」の2つの方法があります。これらの違いを理解しておくと、ご自宅の食洗機がどのように動いているのかが分かりやすくなりますよ。
給湯接続は、食洗機に給湯器で作られたお湯を直接供給する方法です。
キッチンのお湯の蛇口と同じように、給湯器を経由した温かい水が食洗機に入ります。この方法のメリットは、食洗機がお湯を沸かす手間が減るため、運転時間の短縮や電気代の節約につながる可能性がある点です。
給水接続は、食洗機に水道水を直接供給する方法です。
食洗機は供給された冷たい水を、内蔵ヒーターを使って洗浄に適した温度まで温めます。給湯設備がない場合や、あえて給湯器を使いたくない場合に選ばれることがあります。
ご自宅の食洗機がどちらの接続方法になっているか分からない場合、簡単な確認方法があります。
まず、給湯器の電源をオンにした状態で食洗機をスタートさせてみてください。食洗機が給水を始めたタイミングで、給湯器のリモコンに「燃焼」や「運転」といったランプが点灯すれば、給湯接続である可能性が高いです。もしランプが点灯しなければ、給水接続かもしれません。
これらの接続方法は、通常、食洗機を設置する際に工事業者の方が設定します。もしこれから食洗機を設置する、または交換する予定がある場合は、どちらの接続方法にするか、事前に業者さんと相談しておくと良いでしょう。
一般的に、給湯接続にする場合は、10号以上の能力がある給湯器が推奨されることが多いようです。また、水圧が高い地域では、減圧弁という部品の取り付けが必要になることもあります。
故障した場合の対処法

毎日活躍してくれる食洗機ですが、もし使っている最中に給湯器が故障してしまったら、どうなるのでしょうか。ちょっと心配になりますよね。
まず、ご自宅の食洗機が「給湯接続」になっている場合を考えてみましょう。
給湯器からお湯が供給されなくなると、食洗機には冷たい水が入ってくることになります。しかし、多くの食洗機には内蔵ヒーターがあるので、基本的には運転を続けることができます。
ただし、水を設定温度まで温めるのに時間がかかるため、通常よりも運転時間が長くなったり、電気代が多くかかったりする可能性があります。また、機種や汚れ具合によっては、洗浄力が少し落ちたと感じることもあるかもしれません。
次に、「給水接続」になっている場合です。
この場合は、もともと冷たい水を食洗機自身が温めているため、給湯器が故障しても食洗機の運転には直接的な影響はありません。
いずれの接続方法であっても、給湯器が故障した場合は、まず給湯器の修理を手配することが最優先です。お風呂やキッチンでお湯が使えないのは困りますからね。
修理が完了するまでの間、食洗機を使う場合は、上記のような影響があることを少し頭に入れておくと良いでしょう。
特に、エコキュートのような電気給湯器をご利用で、それが故障してお湯が全く作れなくなった場合は、給湯接続の食洗機は実質的に給水接続と同じような動きになります。普段よりも時間がかかることを理解しておきましょう。
食洗機と給湯器の関係|深掘り情報

さて、ここまでは食洗機と給湯器の基本的な関係について見てきました。もう少し踏み込んで、日々の使い方やコストに関わる情報、そしてエネルギーの使い分けについて考えてみましょう。
知っているとちょっと得するかもしれない、そんな情報をお届けします。
給湯接続と給水接続の違い
- 運転時間が短縮される
- 食洗機の電気代を抑制
- 内蔵ヒーター使用量減少
- 給湯器のガス・電気代
- 配管ロスが発生
- 設置距離に影響される
- 給湯器の状況に左右されない
- 設置が比較的簡単
- 給湯器のガス・電気代不要
- 食洗機の電力消費が大きい
- 運転時間が長くなる
- 内蔵ヒーターに負担
先ほども少し触れましたが、食洗機の接続方法には「給湯接続」と「給水接続」があります。
この二つは、食洗機の運転効率や光熱費に影響を与えることがあるので、それぞれの特徴をもう少し詳しく見ていきましょう。
給湯接続のメリット・デメリット
給湯接続は、給湯器で作ったお湯を食洗機に供給する方法です。
メリットとしては、食洗機がお湯を沸かす時間が短縮されるため、運転時間が短くなる傾向があります。また、食洗機の内蔵ヒーターの使用が減ることで、食洗機自体の電気代を抑えられる可能性があります。
一方、デメリットとしては、給湯器がお湯を作る際にガスや電気を消費する点が挙げられます。また、給湯器と食洗機の設置場所が離れていると、配管を通る間にお湯が冷めてしまい、せっかく温めたお湯の温度が下がってしまう「配管ロス」が生じることもあります。
給水接続のメリット・デメリット
給水接続は、水道から直接冷たい水を食洗機に供給し、食洗機の内蔵ヒーターでお湯を作る方法です。
メリットは、給湯器の運転状況に左右されず、設置が比較的簡単なことです。また、給湯器のガス代や電気代を気にせず使えます。
デメリットとしては、食洗機が水を温めるために多くの電力を消費し、運転時間が長くなる傾向があることです。
コストはどちらがお得?
では、コスト面ではどちらがお得なのでしょうか?
これは、ご家庭のエネルギー事情によって大きく変わってきます。
例えば、都市ガスをご利用で、給湯器と食洗機の距離が近い場合は、ガスでお湯を沸かした方が電気で沸かすよりもコストを抑えられることがあります。
パナソニックのデータによれば、20℃の水を40℃まで上げる場合、都市ガスの方が電気ヒーターよりも安価という試算がありますが、これには配管ロスが含まれていない点に注意が必要です。
一方で、プロパンガスをご利用の場合は、一般的にガス料金が高めなので、給水接続にして食洗機のヒーターで水を温めた方がトータルの光熱費は安くなることが多いようです。
また、オール電化住宅でエコキュートなど夜間電力でお湯を沸かしているご家庭では、給湯接続の方が経済的な場合もあります。
結局のところ、ご自宅のガスの種類(都市ガスかプロパンか)、電気料金プラン、給湯器と食洗機の距離などを総合的に考慮して、どちらがご家庭に合っているかを見極めることが大切ですね。
食洗機使用時は給湯器をオフにすべき?
食洗機を使うときに、給湯器の電源をオフにした方が節約になるのか、それともオンのままが良いのか、迷うことがありますよね。
これにはいくつかの考え方があります。
一般的に、給湯器の電源をオフにすることを推奨する意見があるのは、主に次のようなケースです。
一つは、給湯器と食洗機の設置場所が離れている場合です。
例えば、給湯器が1階の屋外にあり、キッチンが2階にあるようなお住まいだと、給湯器でお湯を作っても、食洗機に届くまでの間に配管内でお湯が冷めてしまうことがあります。これでは、せっかくお湯を作っても効果が薄く、エネルギーの無駄遣いになってしまうかもしれません。
もう一つは、プロパンガスをご利用の場合です。
プロパンガスは都市ガスに比べて料金が高い傾向があるため、給湯器でお湯を沸かすよりも、食洗機のヒーターで水を温めた方が光熱費を抑えられる可能性があるからです。
給湯器の電源をオフにすると、食洗機は供給された冷たい水を内蔵ヒーターで温めることになります。そのため、食洗機の電気代は上がりますが、給湯器のガス代や待機電力はかかりません。
ただ、毎回給湯器の電源をオンオフするのは手間だと感じる方もいらっしゃるでしょう。もし給湯器をオフにする運用を考えるなら、少し工夫するのも良いかもしれません。
例えば、お鍋などを手洗いでお湯を使った直後に給湯器の電源をオフにし、すぐに食洗機をスタートさせれば、配管内に残っている温かいお湯を有効活用できます。このとき、手洗いをする前に食洗機に食器をセットしておくと、よりスムーズですね。
また、家族の誰かがお風呂に入った直後に食洗機を動かすのも、同様にお湯を有効に使えるタイミングと言えそうです。
つけっぱなしにした場合の光熱費

給湯器の電源をずっとオンにしたまま、つまり「つけっぱなし」にしていると、光熱費にどのような影響があるのでしょうか。気になるところですよね。
まず考えられるのは、給湯器自体の「待機電力」です。
給湯器は、お湯を使っていないときでも、リモコンの表示を維持したり、いつでもお湯を出せるように準備したりするために、わずかながら電力を消費しています。この待機電力は、機種や年式によっても異なりますが、年間で数千円程度のコストになることもあると言われています。
次に、食洗機が「給湯接続」されている場合の影響です。
食洗機が運転を始めると、給湯器はお湯を供給するために稼働します。このとき、ガス給湯器であればガスを、電気給湯器であれば電気を消費します。食洗機の使用頻度が高ければ、その分、給湯器の運転コストも積み重なっていくことになります。
もし食洗機が「給水接続」されている場合は、給湯器をつけっぱなしにしていても、食洗機の運転コストには直接的な影響はありません。影響があるのは、先ほどお話しした給湯器の待機電力の部分だけです。
結局のところ、給湯器をつけっぱなしにすることによる光熱費への影響は、給湯器の種類、食洗機の接続方法、そしてご家庭のエネルギー契約によって変わってきます。
給湯接続で頻繁に食洗機を使うご家庭では、給湯器の運転コストと待機電力がかかります。給水接続の場合は、主に待機電力のみが関係してくると考えられますね。
日々の生活スタイルに合わせて、こまめに電源をオフにするか、利便性を優先するか、バランスを考えるのが良さそうです。
食洗機はガスを使う?電気との使い分け

「食洗機ってガスを使うの?それとも電気?」というご質問をいただくことがあります。この点は少し整理が必要かもしれませんね。
食洗機自体は、モーターを動かしたり、ヒーターで水を温めたり、制御したりするために「電気」で動く家電製品です。
では、「ガス」はどこで関係してくるのでしょうか?
それは、食洗機に「給湯接続」する場合で、かつご家庭の給湯器が「ガス給湯器」である場合です。
このとき、食洗機に供給されるお湯はガス給湯器で作られるため、間接的にガスを使っていることになります。食洗機が使うお湯をガスで沸かすか、それとも食洗機自身の電気ヒーターで沸かすか、という選択になるわけです。
具体的にエネルギーの使い分けを考えると、以下のようになります。
どちらのエネルギーを主として使うかは、ご家庭の設備や光熱費の契約プランによって、どちらが経済的かが変わってきます。
例えば、プロパンガスをご利用の場合はガス代が高めなので、給水接続にして電気ヒーターで温めた方が安くなることもあります。
このように、食洗機そのものは電気製品ですが、お湯の供給方法によって、ガスと電気のどちらのエネルギーをより多く使うかが変わってくる、と理解しておくと良いでしょう。
総括:食洗機と給湯器の関係
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。