スーパーの冷凍食品コーナーで、半額シールの付いたパスタをいったん手に取って、そっと棚に戻したこと…ありませんか?
お部屋にあるのが1ドアの小さな冷蔵庫だと、そもそも凍らせておく場所がないんですよね。
結論から言うと、毎日ごはんを食べるお部屋なら、小型でも2ドアの冷蔵庫を選んでおくほうが暮らしはぐっとラクになります。
ワンルームの限られたスペースに置ける大きさで、それでいて冷凍室がちゃんと使える。この両立ができるかどうかで、買ったあとの満足度はまるで変わってきます。
とはいえ、売り場に並ぶコンパクトなモデルは見た目がどれも似ていて、違いが分かりにくいのも事実。
幅の数字だけを見て決めてしまい、届いてから「思ったより冷凍室が小さかった」と肩を落とす方も、実は少なくありません。
そこでこの記事では、冷凍室の容量の考え方から、霜取りの手間、置き場所の測り方、そして具体的な機種選びまで、順番にお話ししていきますね。
読み終わるころには、あなたのお部屋に置くべき一台の輪郭が、きっとはっきりしているはずです。
- 1ドアと2ドアの冷凍力の差
- 冷凍室の容量を決める判断基準
- 霜取り不要モデルの選び方
- 置き場所とサイズの測り方のコツ
2ドア小型冷蔵庫が毎日使いに向く理由
まずは、そもそもの話から。
「小さい冷蔵庫なら1ドアで十分じゃない?」と考えていた方にこそ、この章を読んでいただきたいのです。
ドアが1枚増えるだけで、できることがどれだけ変わるのか。ここを押さえておくと、このあとの選び方がすっと頭に入ってきます。
2ドアの小型冷蔵庫は、冷蔵室と冷凍室がドアごと独立しているため、冷凍食品やアイス、作り置きを溶かさずに保存でき、毎日の自炊にそのまま使えます。
1ドアとの決定的な違いは冷凍室
1ドアと2ドアのいちばん大きな違いは、冷凍の「深さ」です。
1ドアタイプの中にある小さな冷たいスペースは、正確には冷凍室ではなく製氷室と呼ばれるもの。冷蔵室と同じ空間の一部を、少し強めに冷やしているだけなんです。
そのため、庫内の温度はマイナス6℃前後までしか下がらない機種が多く、アイスクリームはやわらかくなってしまいますし、冷凍食品を長く保存するにはちょっと心もとない…というのが正直なところ。
いっぽう2ドアタイプは、冷凍室が壁で仕切られた独立した部屋になっています。
売り場でチェックしていただきたいのが、星4つ(フォースター)の表示です。
これは日本産業規格(JIS)で定められた冷凍性能の目安で、星が4つあればマイナス18℃以下をキープできる冷凍室、という意味になります。市販の冷凍食品を袋の表示どおりに保存できるのは、この星4つのモデルです。
星の数の見方
星1つはマイナス6℃以下、星2つはマイナス12℃以下、星3つと星4つはマイナス18℃以下が目安です。冷凍食品をストックしたいなら、星4つのモデルを選んでおくと安心かと思います。
つまり、週に1回でも冷凍食品を買う暮らしなら、その時点で2ドアを選ぶ理由は十分にあるというわけです。
2ドアでも電気代は上がらないの?
ここ、みなさんが気になるお金の話ですよね。
答えを先に言うと、小型の2ドアなら、そこまで身構えなくて大丈夫かと思います。
たとえば120L前後のモデルだと、年間消費電力量は229kWhから271kWhあたりが目安。仮に1kWhを31円として計算すると、年間でおよそ7,100円から8,400円、ひと月あたりだと600円台から700円台という水準です。
もちろん電気の単価は地域や契約によって変わりますから、あくまで目安として見てくださいね。
むしろ気をつけたいのは、容量が小さすぎて庫内をぎゅうぎゅうに詰め込んでしまうケース。冷気が回らなくなって、かえって電気を使ってしまうことがあります。
どのくらいの容量が自分に合うのか迷ったら、一人暮らしの冷蔵庫サイズの目安を整理した記事も参考になると思います。
冷凍室付きで失敗しない選び方
2ドアがよさそうだ、と感じていただけたところで。
次に立ちはだかるのが、「じゃあ、どれを選べばいいの?」という現実的な悩みです。
ここでは冷凍室の容量と冷却方式という、買ったあとの満足度を左右する2つの軸を見ていきます。
冷凍室の容量は何リットル必要
冷凍室の容量は、あなたが冷凍庫に何を入れたいかで決まります。
スペックの数字だけ眺めていても、正直ピンと来ないですよね。そこで、売り場でよくいただくご相談の内容をもとに、使い方別の目安を表にしてみました。
| 使い方 | 冷凍室容量の目安 | 入るものの例 |
|---|---|---|
| 氷と保冷剤が中心 | 20L前後 | 製氷皿、アイス数個、保冷剤 |
| 冷凍食品を数個ストック | 30L前後 | 冷凍パスタ4〜5食、冷凍野菜 |
| まとめ買いと作り置き | 40L以上 | 小分け冷凍のごはん、肉のまとめ買い |
表の数値はあくまで一般的な目安で、パッケージの厚みによって入る量は変わります。
ひとつ覚えておいていただきたいのが、冷凍室は「立てて並べられるか」で使い勝手が決まるということ。
棚が1枚あるだけのタイプだと、袋物を積み重ねることになって、下のほうに何を入れたか分からなくなりがちです。引き出し式で2段になっているモデルなら、上から見渡せるので在庫の管理がぐっとラクになります。
霜取り不要のファン式を選ぶ理由
小型冷蔵庫の冷却方式には、大きく分けてファン式と直冷式の2つがあります。
手間をかけたくないなら、迷わずファン式です。
ファン式は庫内に冷気を送風して冷やす仕組みで、自動で霜取りをしてくれます。つまり、あの面倒な霜取り作業から解放されるというわけです。
直冷式は庫内の壁そのものを冷やすタイプ。冷えは強いのですが、壁に霜がどんどん育っていくので、季節によっては数か月に一度、中身を出して溶かす作業が必要になります。
夏場に霜を放っておくと、冷凍室のドアが閉まりきらなくなって、そこからさらに霜が増えるという悪循環に入ってしまうことも。
霜取りを先延ばしにすると起きること
霜が厚くなると冷却効率が落ち、消費電力が増えていきます。冷凍室の容量も霜のぶんだけ目減りしますし、氷を無理に叩いて庫内を傷つけてしまうトラブルもあります。
正直に言うと、ファン式にも弱点はあります。送風のぶん庫内が乾燥しやすく、ラップなしで野菜を入れるとしなびるのが早いのです。
また、ファンが回るぶん動作音がすることと、同じ容量なら価格が少し高めになる点も、先に知っておいていただきたいところ。
直冷式が向いているのはこんな人
では直冷式はもう選ぶ意味がないのかというと、そんなことはありません。
同じ容量帯で比べたとき、直冷式は本体価格が抑えられていて、年間消費電力量も小さいモデルが多いのです。
寝室に置くセカンド冷蔵庫のように、ドアの開け閉めが少なく、そもそも霜がつきにくい使い方をするなら、直冷式は十分に賢い選択だと思います。
さらに、送風の音がしないぶん静かに感じられる場面も多く、ワンルームで寝る場所と冷蔵庫の距離が近い方には、この静けさが効いてきます。
ざっくり言えば、冷凍をがっつり使う人はファン式、価格と静かさを優先する人は直冷式。この線引きで考えると迷いにくいはずです。
置き場所で後悔しないサイズの測り方
方式が決まったら、次は設置の話に進みましょう。
ここは本当に、後悔の声をいちばんよく耳にする部分。「幅は合っていたのに置けなかった」という残念な事故は、ほとんどが測り方の抜けから起きています。
幅より先に放熱スペースを確認
冷蔵庫は、庫内から吸い取った熱を本体の外に逃がしながら動いています。
だから壁にぴったり付けて置くと、熱がこもって冷えにくくなり、電気も余分に使ってしまうのです。
必要なすき間はモデルごとに決まっていて、たとえばツインバードの121Lモデルでは、両側面に2cm以上、背面に6cm以上、天面に10cm以上と案内されています。
つまり本体の幅が49.5cmでも、実際に必要な間口は50cm台半ばと考えておく必要があるわけです。
そのうえで、次の3か所もメジャーで確かめておいてくださいね。
- 玄関と廊下の幅
本体だけでなく、梱包された状態の寸法で通れるかを確認します。 - ドアを開いたときの張り出し
右開きか左開きかで、壁際に置けるかどうかが変わります。 - コンセントの位置
電源コードは1.9m前後が一般的で、延長コードの使用は推奨されていません。
とくに見落としがちなのが、ドアの開く向きです。
小型冷蔵庫は右開きのみという機種が多いので、キッチンのレイアウトによっては開けるたびに体を回り込ませることになります。設置予定の場所に立って、腕を動かすまねをしてみると失敗しません。
電子レンジを上に置きたいときの注意
ワンルームでは、冷蔵庫の上を作業台として使いたくなりますよね。
その場合は、天板が耐熱仕様かどうかを必ず確かめてください。
耐熱トップテーブルをうたうモデルなら、耐熱温度100℃・耐荷重30kgといった条件が公式サイトに書かれています。この記載がない機種の上にレンジを置くのは、変形や事故のもとになるので避けたほうが安全です。
高さも大事な要素です。本体の高さが114cm前後だと、レンジを載せてもちょうど目線より下に扉がくるので、熱いお皿を取り出すときに手首をひねらずにすみます。
葵のワンポイントアドバイス
売り場でご相談を受けるとき、私はいつも「レンジを置く予定はありますか?」と先にうかがいます。ここを決めておくと、選ぶべき高さと天板の条件が一気に絞れるからです。
それから、天面の放熱スペースを確保したうえでレンジを置く必要がある機種もあります。取扱説明書の設置条件は、買う前にひととおり目を通しておくと安心です。
冷凍室重視で選ぶおすすめの小型冷蔵庫
お待たせしました。ここからは具体的な機種のお話です。
数を並べても迷うだけなので、タイプの違う3台に絞ってご紹介しますね。
それぞれ「向いている人」と「向かない人」まで正直にお伝えします。
霜取りいらずで冷凍をたっぷり使う一台
冷凍室の広さを最優先するなら、ツインバードの「HR-GJ12B」が候補になります。
定格内容積121Lのうち、冷凍室が48L。総容量のおよそ40%を冷凍が占めるという、この容量帯としてはかなり思い切った配分です。冷蔵室は73Lで、2Lのペットボトルが3本入るドアポケットも備えています。
そして冷却方式はファン式。面倒な霜取りが不要なので、冷凍食品を頻繁に出し入れする方でも庫内が霜だらけになりにくいのが大きな利点です。冷凍室は透明な2段引き出しになっていて、下段に入れたものまで上から見渡せます。
この機種が向いているのは、平日は冷凍のごはんとおかずで乗り切りたい、まとめ買いを小分け冷凍したい、という自炊派の方。逆に、野菜や飲み物をたっぷり冷やしたい方には、冷蔵室73Lが少し窮屈に感じられるかもしれません。
お手入れとランニングコストの面では、年間消費電力量が271kWh/年で、2021年度省エネ基準達成率は110%と案内されています。ミラーガラスの外観はとても美しいのですが、指紋が目立ちやすいので、柔らかい布でひと拭きする習慣は必要かなと思います。
本体重量は約36kgあります。設置後に動かすのは大変なので、置き場所は最初にしっかり決めておきましょう。
冷蔵室の広さを優先したい人向けの一台
飲み物や食材も一緒にしっかり入れたい方には、ハイセンスの「HR-B12HW」が使いやすい一台です。
総容量124Lで、内訳は冷蔵室96L・冷凍室28L。冷蔵室にゆとりがあるので、作り置きのタッパーや飲み物、調味料を並べても余裕が残ります。幅は47.5cmとスリムで、ワンルームの限られたすき間にも収まりやすいサイズ感です。
冷凍室は28Lと控えめですが、冷凍パスタや冷凍野菜を数食分ストックするには十分。棚が取り外せるので、背の高いものを入れたいときに融通が利きます。
ただし、こちらは霜取りが手動のタイプです。季節や使い方によっては霜取りの手間がかかるため、そこを面倒に感じる方は前の機種を選んだほうが満足度は高いはずです。
逆に、この点を受け入れられるなら、年間消費電力量229kWh/年という数字は魅力的に映ると思います。
天面は耐熱仕様で電子レンジを置くことができ、運転音は約23dBの静音設計とされています。庫内の冷却の強さは7段階で調節できるので、季節に合わせて設定を変えられるのもうれしいところ。
セカンド冷蔵庫として置くならこの一台
寝室や書斎に置く2台目を探しているなら、ハイセンスの「HR-B91HW」がちょうどいい大きさです。
総容量87Lで、冷蔵室63L・冷凍室24L。幅は先ほどの機種と同じ47.5cmですが、高さが抑えられているぶん圧迫感が少なく、お部屋の隅にすっと収まってくれます。
3段のドアポケットを備えていて、小さいながら収納力は意外としっかりしています。飲み物と朝食まわりのものを分けて置くには、これで足りることが多いはずです。
向いているのは、キッチンの冷蔵庫が手狭になってきたご家庭や、自炊の頻度が高くない一人暮らしの方。一方で、毎日3食を自炊する方がメインの一台として使うには、冷凍室24Lはやはり手狭です。
2台目として使う場合は、電気代が単純に上乗せされる点も忘れずに。使う季節が限られるなら、必要なときだけ動かす運用のほうが結果的に安上がりになることもあります。
容量帯ごとの選び方をもう少し広く見比べたい方は、容量別に冷蔵庫の選び方を整理した記事もあわせて読んでみてください。
買ってからの電気代を抑える使い方
いい一台を選べたら、あとは使い方で差がつきます。
ここでお伝えするのは、道具もお金もいらない、今日からできる工夫だけです。
冷蔵室と冷凍室では、詰め方の正解が真逆になるのをご存じですか?
冷蔵室は7割程度にとどめて、奥の壁が見えているくらいがちょうどいい状態。冷気の通り道をふさがないことが、そのまま省エネにつながります。
反対に冷凍室は、凍ったものどうしが保冷剤の役割をしてくれるので、ある程度詰まっているほうが効率的です。ただし吹き出し口をふさがないよう、ケースの表示を超えて詰め込むのは避けてくださいね。
【出典】一般社団法人日本電機工業会『冷蔵庫 省エネのポイント 上手な使い方編』
設定温度も見直すポイントです。庫内の設定が「強」のままになっていたら、季節に応じて「中」や「弱」に下げると消費電力を抑えられると案内されています。ただし食品の傷みには注意しながら調整してください。
温かいものをそのまま入れないこと、壁から適切に離して放熱を妨げないこと。この2つも、地味ですが効いてきます。
【出典】資源エネルギー庁 省エネポータルサイト『無理のない省エネ節約 キッチン』
なお、設定を変えても冷え方に違和感が残る場合は、故障のサインかもしれません。冷凍室は冷えるのに冷蔵室だけぬるい、といった症状が出たときは、冷蔵室だけ冷えない原因をまとめた記事で当てはまるものがないか確かめてみてください。
買い替え前のちょっとした豆知識
電気代の目安は、本体の内側や取扱説明書に書かれた年間消費電力量から計算できます。今お使いの機種の数字と比べてみると、買い替えの効果が見えてきます。
2ドアの小型冷蔵庫に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 小型モデルでも市販の冷凍食品はきちんと保存できますか?
A. 星4つ(フォースター)の表示がある冷凍室なら、マイナス18℃以下を保てるため、市販の冷凍食品をパッケージの表示どおりに保存できます。
購入前に、製品ページの冷凍室性能の欄を確認してみてください。星の数が少ない機種は、短期間の保存向けと考えたほうが安心です。
Q2. 直冷式の霜取りはどのくらいの頻度で必要ですか?
A. 使い方や季節によって差はありますが、霜の厚みが5mmほどになったら行うのが一つの目安とされています。
ドアの開け閉めが多い夏場は霜がつきやすく、冬場はゆっくりです。無理に氷を叩き割ると庫内を傷つけるので、電源を切って自然に溶かす方法が基本になります。
Q3. 冷蔵庫の上に電子レンジを置いても大丈夫ですか?
A. 天板が耐熱仕様で、耐荷重の範囲内であれば置けます。耐熱温度100℃・耐荷重30kgといった条件が公式サイトに記載されている機種を選んでください。
記載がない機種の上に置くのは避けたほうが安全です。放熱のために天面のすき間を確保する必要がある場合もあるので、取扱説明書の設置条件もあわせてご確認を。
Q4. 届いたその日にすぐ電源を入れてもいいですか?
A. 多くのメーカーが、設置後しばらく置いてから電源を入れるよう案内しています。運搬中に内部の油が偏ることがあるためです。
待つ時間の目安は機種によって異なりますので、正確な情報は購入した製品の取扱説明書をご確認ください。電源を入れてから庫内が十分に冷えるまでにも、数時間はかかると考えておくと安心です。
冷凍室付きの一台で暮らしはこう変わる
ここまで、2ドアの小型冷蔵庫を選ぶときの考え方を順に見てきました。
最後にもう一度だけ整理させてください。
まず、毎日ごはんを食べるお部屋なら、星4つの冷凍室を持つ2ドアタイプを選ぶこと。
次に、冷凍をよく使うならファン式、価格と静かさを取るなら直冷式と割り切ること。
そして、本体の幅ではなく、放熱スペースを足した寸法で置き場所を考えること。
この3つを押さえておけば、大きな失敗はまず起きません。
半額シールの付いた冷凍食品を、迷わずかごに入れられる。
作りすぎたおかずを、明日の自分のために凍らせておける。
たったそれだけのことなのに、日々の食卓の自由度はずいぶん変わります。
まずはメジャーを手に取って、置きたい場所の幅と、壁までのすき間を測ってみてください。
その数字が分かった瞬間、候補はぐっと絞られます。
あなたのお部屋に合う一台が、気持ちよく決まりますように。







