いよいよ冬本番、こたつの季節がやってきましたね!
「今年はフローリングのリビングにこたつを出そうかな」と考えている方も多いのではないでしょうか。
でも、いざ準備を始めると、「フローリングに直置きだとお尻が痛そう…」「底冷えして全然暖かくないって聞くけど本当?」「敷きっぱなしだとカビが生えるかも」なんて、次々と不安が出てきますよね。
私も家電量販店で働いていると、この時期はこうしたご相談を毎日のように受けるんです。
実は、こたつの快適さは「下に何を敷くか」で9割決まると言っても過言ではありません。ただ厚手のラグを敷けばいいというわけではなく、暖かさを逃がさない工夫や、見落としがちな湿気対策など、ちょっとしたコツが必要なんです。
この記事では、家電店員の視点から、フローリングでのこたつライフを最高に快適にするための「敷き方の極意」や、ニトリ、しまむら、などの具体的なおすすめアイテムをたっぷりとご紹介します。
- 3層構造で底冷えと痛みを完全ブロック
- カビを防ぐための除湿シート活用術
- ニトリやしまむらの高機能ラグを紹介
- 生活に合わせた最適な敷物の組み合わせ
フローリングでこたつの下に敷くもの|選び方

最近の住宅はほとんどがフローリングですよね。
お掃除もしやすいし見た目もスッキリしていて素敵なんですが、いざ「こたつ」を出そうとすると、畳の部屋とは違った悩みが出てきませんか?
ここでは、フローリング環境ならではの問題点と、それを解決するための基本的な「敷き方」の考え方について、詳しくお話ししていきますね。
直接座ると起こるリスク
フローリングの上に直接こたつを置いて、そのまま座布団や薄いラグだけで過ごそうとすると、すぐに体が悲鳴を上げてしまいますよね。
まず一番の問題は「身体的な痛み」です。
フローリングは木質で硬いため、畳のようなクッション性が全くありません。そこに座ると、坐骨(お尻の骨)に体重が集中してしまい、短時間でお尻や腰が痛くなってしまうんです。これは修行レベルの辛さですよね。
次に無視できないのが「床へのダメージ」です。
こたつの脚は意外と重みがありますし、人が寄りかかったりすると強い力が加わります。何も敷かずに置くと、フローリングに圧迫痕がついたり、擦り傷ができたりしてしまいます。賃貸だと退去時の費用も気になるところです。
そして何より辛いのが「冷え」です。
これについては後ほど詳しく解説しますが、フローリングに直に座ることは、冷たい氷の上に布一枚で座るようなもの。健康面でも家の維持管理の面でも、直接座ることはリスクが大きいので、しっかりとした対策が必要なんです。
こたつの下に何を敷く?
「じゃあ、結局こたつの下に何を敷くのが正解なの?」というのが今回のテーマです。
よくある失敗が、とりあえずデザインだけで選んだ薄手のラグを1枚だけ敷いてしまうパターンです。これだと、数日後には「やっぱり痛い」「寒い」となって、結局買い足すことになってしまいます。
私たちがお店でご提案している最強の解決策は、単一のアイテムで解決しようとせず、「ミルフィーユのように重ねて敷く(レイヤリング)」という考え方です。
登山ウェアなどでも「重ね着」で体温調節をしますよね?あれと同じ発想なんです。
具体的には、以下の3つの役割を組み合わせるのがおすすめです。
- ベースレイヤー(土台):床からの冷気を遮断し、湿気を防ぐ層
- ミドルレイヤー(中間):ふかふかのクッション性で痛みを防ぐ層
- トップレイヤー(表面):肌触りが良く、インテリアに合う層
組み合わせのコツ
全部を1枚の高級ラグで賄おうとすると大変ですが、機能ごとに別々のアイテムを組み合わせれば、コストも抑えつつ最強の環境が作れますよ。
この「3層構造」を意識するだけで、フローリングでのこたつライフが劇的に快適になります。
それぞれの層にどんなアイテムを選べばいいのか、この後の章で詳しく見ていきましょう。
敷布団(ラグ)の重要性や具体的な厚みの目安についてもっと知りたい方は、普通のテーブルをこたつに変える方法と敷布団の選び方も参考になります。
敷布団なしのフローリングの底冷え
「暖房を入れているのに、足元だけスースーして寒い…」という経験はありませんか?
これが、フローリング特有の「底冷え」という現象です。
フローリングに使われている木質素材や合板は、熱伝導率が高く、熱を伝えやすい性質を持っています。こたつの中が暖まっても、その熱がどんどん床下の冷たいコンクリートや地面の方へ逃げていってしまうんです。
逆に、床下からの冷気もダイレクトに伝わってきます。
これを「コールドドラフト」と呼んだりします。
敷布団なし、あるいは薄い敷物だけの状態でこたつを使うと、せっかくヒーターで暖めた熱が床に奪われ続けます。これでは、いくらこたつの設定温度を「強」にしても暖まりません。電気代ばかりかかって全然暖かくないなんて、一番悲しいパターンですよね。
こたつを出すタイミングや温度設定の目安、電気代とのバランスをより詳しく知りたい方は、こたつは何度から出すのが正解?電気代も節約できる設置タイミングもチェックしてみてください。
店頭でも「こたつが壊れているんじゃないか」と相談に来られるお客様がいらっしゃいますが、詳しく伺うと敷物が薄すぎることが原因だった、というケースが意外と多いんです。
省エネの観点からも
床の断熱をしっかりするだけで、こたつの設定温度を「弱」にしても十分暖かくなります。電気代の節約にも直結するので、敷物への投資はすぐに元が取れますよ。
特にマンションの1階や戸建て住宅にお住まいの方は、床下からの冷気が強烈ですので、物理的に「冷気を遮断する壁」を作ってあげることが重要になります。
断熱シートで効果的に寒さを防ぐ
底冷え対策として、私が真っ先におすすめしているのが「断熱シート」の導入です。
これは「ベースレイヤー」にあたる部分ですね。
「100円ショップの薄い銀色のシートでいいでしょ?」と思われがちですが、フローリングのこたつ下には、もう少ししっかりしたものを選んでほしいんです。
おすすめは、発泡ポリエチレンの層が厚く(4mm程度)、表面にアルミ蒸着フィルムが貼られているタイプです。例えば、ワイズの「厚型アルミホットンマット」などは定番で優秀ですね。
このシートの役割は2つあります。
- 熱を逃がさない(保温):アルミ面がこたつからの輻射熱(遠赤外線など)を反射して、こたつ内部の熱を閉じ込めます。魔法瓶と同じ原理ですね。
- 冷気を入れない(断熱):厚みのある発泡層に含まれる空気が、床からの冷たさをシャットアウトしてくれます。
実際にこれを1枚敷くだけで、こたつに入れた足の温まり方が全然違います。
「弱」運転でもポカポカするので、お客様からも「もっと早く買えばよかった!」と嬉しいお声をたくさんいただきます。
クッション性もアップ
厚手の断熱シートなら、多少のクッション性もプラスされます。薄いラグの下に敷くだけで、座り心地の底上げにもなりますよ。
アルミシートの性能を引き出す方法

断熱シート(アルミシート)は非常に優秀ですが、使い方を間違えると効果が半減したり、逆効果になったりすることがあります。
ここで、家電販売員としてのちょっとしたテクニックをお伝えしますね。
まず、「敷く向き」です。
基本的には、キラキラしたアルミ面を「上(体に近い方)」に向けて敷いてください。そうすることで、こたつの熱を反射して保温効果を高めることができます。パッケージの説明書きもしっかりチェックしてくださいね。
次に大事なのが「サイズ選び」です。
こたつ敷布団やラグよりも、一回り小さいサイズを選ぶのがコツです。ラグからはみ出していると見栄えが悪いですし、アルミシートの端で滑って転倒する原因にもなります。はさみで簡単にカットできる製品が多いので、ラグに合わせて調整してみてください。
そして、これが一番重要なのですが、アルミシート単体での使用は避けてください。
アルミシートは通気性がゼロなので、そのまま敷きっぱなしにすると、床との間で結露が発生するリスクが高まります。これを防ぐために、次にご紹介する「カビ対策」とセットで考える必要があるんです。
滑り止め対策を忘れずに
アルミシート自体は非常に滑りやすいです。フローリングとの間に滑り止めシートを挟むか、ラグ自体に滑り止めがついているものを使うと安全です。
カビ発生を防ぐ対策
フローリングでこたつを使う時に、最も恐ろしいのが「カビ」です。
「冬なのにカビ?」と思われるかもしれませんが、実は冬の床はカビにとって好都合な環境になりやすいんです。
こたつの中は暖かくて、人の汗などで湿度も高くなります。その湿った暖かい空気が、ラグや断熱シートを通り越して冷たいフローリングに触れると、そこで急激に冷やされて水滴になります。
これが「結露」です。
密閉された敷物の下で結露が起きると、逃げ場のない水分で床がびしょ濡れになり、気づいた時には真っ黒なカビが……なんてことになりかねません。
室内の湿気や結露がカビ・ダニの増殖につながることは、(出典:厚生労働省「応急仮設住宅生活における真菌(カビ)及びダニ対策」)でも指摘されています。
これを防ぐためには、物理的に水分を取り除く「除湿シート」の併用が必須です!
私のおすすめは、テイジンの「ベルオアシス」を使用した製品や、ニトリの「珪藻土・備長炭入り洗える除湿シート」などです。これらを、フローリングと断熱シートの間、もしくは断熱シートとラグの間に挟み込みます。
特にベルオアシスは吸湿性能が非常に高く、アンモニア臭などの消臭効果もあるので、こたつ下には最適なんですよ。
| 対策アイテム | 役割 |
|---|---|
| 除湿シート | 結露水を吸い取り、カビの発生を抑える |
| 週1回の換気 | ラグをめくって風を通し、床を乾燥させる |
どんなに良いシートを敷いても、敷きっぱなしはNGです。週に一度はラグをめくって、床に風を通してあげてくださいね。大切なフローリングを守るための一手間です。
フローリングでこたつの下に敷くもの|推奨品

ここからは、実際に私が家電量販店の店頭やプライベートでリサーチして、「これは使える!」と確信した具体的なアイテムをご紹介します。
機能性とコストパフォーマンスのバランスが良いものを選びましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ニトリのラグで叶える快適生活
みんな大好き「お、ねだん以上。」のニトリですが、こたつ敷布団の進化が本当にすごいんです。
特におすすめしたいのが、「Nウォーム ダブルスーパー(WSP)」シリーズのラグです。
一番の推しポイントは、なんといってもその「厚み」。中材に極厚のウレタン(約30mmなど)が入っているモデルがあり、これ一枚敷くだけでフローリングの硬さを全く感じさせません。「底付き感がない」というのは、長時間座る上で本当に重要なんです。
「WSP」が目印!
ニトリには「Nウォームスーパー(SP)」というシリーズもありますが、こちらは厚さ15mm程度のものが多いです。30mm級の極厚を求めるなら、商品コードやタグに「WSP(ダブルスーパー)」と書かれている最上位モデルを選んでくださいね。
さらに、Nウォーム特有の「吸湿発熱」素材が使われているので、肌に触れている部分がじんわり暖かくなります。「蓄熱」機能を持った上位モデルなら、こたつの熱を逃がさず、暖房効率もバッチリです。
店頭でお客様とお話ししていると、「これなら座椅子がいらないかも」と驚かれることも多いですよ。マンションにお住まいの方にとっては、この厚みが下の階への足音対策(防音)にもなるので一石二鳥ですね。
デザインも豊富
こたつ掛布団とコーディネートできるデザインが多いのもニトリの魅力。お部屋の雰囲気を統一したい方にもぴったりです。
しまむらのラグは高機能で便利
「ファッションセンターしまむら」も、実はラグの隠れた名店だってご存じでしたか?
特に2024-2025年の冬シーズンに注目なのが、「FIBER HEAT(ファイバーヒート)」シリーズのラグです。
しまむらのラグが画期的なのは、一部のモデルで「タンブル乾燥機OK」を謳っている点なんです!
これ、地味にすごいことなんですよ。
普通、ウレタン入りのラグや裏面に滑り止めゴムがついているラグは、乾燥機の熱でボロボロになってしまうので「陰干し」が基本です。でも、冬場に分厚いラグを自然乾燥させるのって、乾かなくて本当に大変ですよね。
しまむらの「FIBER HEAT クリーン」ラグなどは、コインランドリーなどの大型乾燥機に対応しているものがあり、汚れたら洗ってすぐに乾かしてまた使えるんです。小さなお子様やペットがいて、「とにかく頻繁に洗いたい!」というご家庭には、まさに神アイテムと言えるでしょう。
アパレルの技術を活かした「保湿(モイスト)」機能付きのラグなどもあり、肌触りがしっとりしていて気持ちいいのも特徴です。お近くに店舗がある方は、ぜひ触り心地を確かめてみてください。
型番チェックを
全ての商品が乾燥機対応というわけではないので、購入時はタグの洗濯表示や「乾燥機OK」のポップをしっかり確認してくださいね。
ジョイントマットを活用するメリット

ラグの下に敷く「ミドルレイヤー」として、あるいは単独での使用として、「ジョイントマット」や「置き畳」を活用するのも賢い方法です。
特に小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、食べこぼしや飲みこぼしが日常茶飯事ですよね。高価なラグだと洗うのが大変ですが、ジョイントマットなら汚れた部分だけ外して洗ったり、交換したりできるのが最大のメリットです。
また、最近人気なのが「ふかぴた」のような「アンダーラグ(下敷き専用ラグ)」です。
これは、表面に強力な滑り止め加工がされていて、手持ちの薄いラグの下に敷くためのアイテムです。これを一枚噛ませるだけで、ペラペラのラグが高級ラグのような座り心地に変身します。
「今のラグのデザインは気に入っているけど、薄くて痛いのが悩み」という方は、ラグを買い替えるのではなく、このアンダーラグを買い足すのが正解かも知れません。
掃除機をかけても上のラグが吸いついてこなくなるので、家事のストレスも減りますよ。
防音効果も期待大
ジョイントマットやアンダーラグは厚みがあるため、断熱性だけでなく防音性も高いです。元気なお子様がいるご家庭の床対策としても優秀です。
理想的な敷物の組み合わせパターン
最後に、ここまでご紹介したアイテムをどう組み合わせるのがベストなのか、ライフスタイル別の「最強の布陣」をご提案します。
パターンA:【極上の快適性重視】絶対に底冷えしたくない方へ
これは私が個人的にも推している、「床で寝落ちしてしまう」セットです。
- 第1層:ワイズ「厚型アルミホットンマット」(断熱・保温)
- 第2層:ニトリ「Nウォームスーパーラグ」(極厚クッション・発熱)
- プラス:背もたれ付きのビーズクッション
この組み合わせなら、床の硬さも冷たさも全く感じません。
リビングが快適すぎて動けなくなるのが唯一のデメリットですね(笑)
パターンB:【メンテナンス重視】お手入れを楽にしたい方へ
汚れやカビ・ダニが気になる、清潔第一な方向けです。
- ベース:Panasonic等の「フローリング調ホットカーペット」
- 必須:こたつ脚用の保護マット(当て板)
あえて布製のラグを敷かず、防水性のあるフローリング調ホットカーペットを敷くスタイルです。これなら食べこぼしもサッと拭くだけ。洗濯という家事自体をなくせます。こたつを弱運転、ホットカーペットを弱運転で併用すれば、無敵の暖かさです。
ホットカーペットへ切り替えた場合の電気代やダニ対策をさらに詳しく知りたい方は、こたつをやめてホットカーペットは正解?電気代とダニ対策を解説した記事もあわせてご覧ください。
パターンC:【スマートライフ重視】ルンバを使いたい方へ
ロボット掃除機にお任せしたい現代的なスタイルです。
- 第1層:テイジン「除湿シート」(カビ予防)
- 第2層:しまむら「FIBER HEAT クリーンラグ」(毛足短め・乾燥機対応)
ルンバなどのロボット掃除機は、厚みが2cmを超えると乗り越えられなかったりします。しまむらのラグなら程よい厚みで毛足も短いので、ロボット掃除機との相性が抜群なんです。
まとめ:フローリングでこたつの下に敷くもの
長くなってしまいましたが、フローリングでのこたつライフを快適にするヒントは見つかりましたでしょうか?
最後に、今回のお話を整理しておきますね。
| 悩み・重視すること | おすすめの対策・アイテム |
|---|---|
| お尻が痛い・寒い | 「3層構造」にする。 アルミ断熱シート+極厚ラグ(ニトリNウォームSPなど) |
| カビが心配 | 「除湿シート」を必ず挟む。 週に一度はめくって換気する。 |
| 洗濯・乾燥を楽にしたい | しまむらの乾燥機対応ラグや、 フローリング調ホットカーペットを選ぶ。 |
| 今あるラグを使いたい | 「アンダーラグ(ふかぴた)」を下に敷いて クッション性をプラスする。 |
「たかが敷物」と思わず、環境を整えるだけで、冬のおうち時間が本当に幸せなものに変わります。
ぜひ、あなたのライフスタイルに合った「下に敷くもの」を見つけて、ぬくぬくと温かい冬を過ごしてくださいね!


