最近、朝晩の空気がひんやりとしてきて、そろそろ暖房器具の出番かなと考え始めている方も多いのではないでしょうか。
売り場に立っていると、お客様から「こたつっていつ頃出したらいいの?」と聞かれることが増えてくるのが今の時期なんです。
肌寒さを感じつつも、「まだ早すぎるかな?」「他の家はどうしているんだろう?」とタイミングに迷ってしまうお気持ち、すごくよく分かります。
実は、こたつを出すタイミングには「気温」という明確な目安があるんです。
なんとなくの感覚で出すよりも、気温を目安にすることで、無駄な電気代を抑えつつ、風邪をひかずに快適に過ごすことができるんですよ。
特に最近は電気代も気になりますから、エアコンとうまく使い分けて賢く節電したいですよね。
この記事では、家電量販店で長年多くのお客様の冬支度をお手伝いしてきた私が、こたつを出すベストな気温の目安や、地域ごとの具体的な時期、さらにはライフスタイルに合わせた最新のこたつの選び方まで、たっぷりとお話しします。
「何度になったら出そう!」という基準を持てば、迷うストレスもなくなりますし、冬の準備がもっと楽しくなるはずです。これから本格化する寒さに備えて、一緒に快適なこたつライフの準備を始めましょう!
- 準備の目安は最低気温15度を下回る頃
- 本格稼働は最低気温10度がデッドライン
- 電気代はエアコンよりこたつが断然お得
- ライフスタイル別の選び方で失敗なし
こたつは何度から出すのが目安か

ここでは、気象データに基づいた具体的な気温の目安や、お住まいの地域による違い、さらには体感温度に影響する湿度や風のことまで、皆さんが「なるほど!」と思える判断基準を分かりやすく解説していきますね。
最低気温15度を下回る日が準備の合図
「こたつは何度から出すべき?」という疑問に対して、私が売り場でお客様に最初にお伝えしている数字、それが「最低気温15度」です。
日中はまだポカポカしていても、朝晩の冷え込みで最低気温が15度を下回ると、私たちの体は「肌寒いな」とはっきり感じ始めます。
この時期はまだ本格的な暖房をつけるほどではないけれど、足元がなんとなくスースーする…そんな経験ありませんか?
まさにこのタイミングこそが、こたつの準備を始めるベストな合図なんです。
「準備」と言っても、いきなりスイッチを入れてガンガン温める必要はありません。まずはクローゼットからこたつ布団を出して、天日干しをしたり、テーブルにセットしたりする「プレオープン」期間として捉えてみてください。
そして、さらに気温が下がって「最低気温10度」を割り込むようになると、いよいよ本格稼働のサインです。最高気温も15度から18度くらいにとどまる日が続くと、家の断熱性能に関わらず室温が下がってきますから、我慢せずにスイッチを入れましょう。
売り場でも、この気温になると駆け込みでこたつを買いに来られるお客様が急増するんですよ。
風邪をひいてからでは遅いですから、15度で準備、10度でスイッチオン、この2段階を覚えておいてくださいね。
こたつを出す時期全体の目安や片付けるタイミングについては、こたつをいつ出すのが正解かを詳しく解説した記事も参考にしてみてください。
また、こたつを早めに出しておくことには、インテリアとしての季節感を楽しむというメリットもあります。秋の夜長に、まだ電気を入れていないこたつに入って読書をする、なんていうのも素敵な時間の過ごし方ですよね。
無理に我慢せず、体がサインを出したら素直にこたつに頼ってしまうのが、快適な冬を過ごすコツですよ。
早めの準備が節電の鍵かも
本格的に寒くなる前にこたつをセットしておくと、エアコンをつけるまでもない微妙な寒さの時に、こたつに入るだけで凌げる場合があります。結果的にエアコンの使用開始を遅らせることができ、節電に繋がりますよ。
地域別データで見る設置時期の違い

日本は縦に長い国ですから、当然ながら北海道と九州ではこたつを出すタイミングが全く違います。「テレビでこたつの話題が出たから」といって、自分の住んでいる地域でも同じタイミングで出すのが正解とは限りませんよね。
ここでは、地域ごとの気象特性を加味した「こたつ解禁」の目安をまとめてみました。
| 地域 | 準備開始(最低15℃以下) | 本格稼働(最低10℃以下) | ワンポイント |
|---|---|---|---|
| 北海道・東北 | 9月中旬~10月上旬 | 10月上旬~10月下旬 | 寒くなるのが早いため早めの準備が吉。補助暖房として活躍します。 |
| 関東・東海・北陸 | 10月中旬 | 11月上旬~11月中旬 | 「木枯らし1号」のニュースが聞こえたら準備の合図です。 |
| 近畿・中国・四国 | 10月下旬 | 11月中旬 | 都市部はヒートアイランド現象で少し遅くなる傾向があります。 |
| 九州 | 11月上旬 | 11月下旬 | 急な寒波が来ることがあるので、天気予報チェックが欠かせません。 |
例えば、北海道にお住まいの方は、9月中旬にはもう準備を始めています。高気密高断熱の住宅が多いので、メインのストーブをつける前のつなぎとして、こたつが重宝されるんですね。
一方で、関東や東海地方では、10月中旬くらいから準備を始める方が多い印象です。特に「木枯らし1号」が吹いたというニュースが流れると、一気に「こたつ出さなきゃ!」というモードになります。
九州の方だと11月に入ってからでも十分間に合うこともありますが、油断は禁物です。最近の気候変動で、急激に寒くなることも珍しくありません。「まだ大丈夫」と思っていると、急な冷え込みで風邪をひいてしまうことも。
上記の表を目安にしつつ、ご自身の体感と天気予報を照らし合わせて柔軟に対応するのが一番ですね。
10月と11月のどちらに出すべきか
「10月に出すのは早すぎる?でも11月まで待つのは寒い…」この1か月の差で悩む方、本当によくお見かけします。カレンダーで見ると、ちょうど季節の変わり目ですからね。
結論から言うと、「10月下旬の準備、11月上旬の稼働」が最も一般的な黄金パターンだと言えます。
具体的に言うと、10月のハロウィンが終わった直後の週末あたりを「こたつ開き」の目標にするのがおすすめです。11月3日の「文化の日」前後にお休みを利用して出す、というご家庭も非常に多いですね。
この時期になると、私たち家電量販店の売り場もこたつ一色になり、お客様の熱気も高まってきます。
心理的にも、10月のうちは「まだ秋を楽しみたい」という気持ちが残っていたりしませんか?
でも11月に入るとカレンダーの残り枚数も少なくなってきて、「もう冬だな」と諦め(?)がつくというか、冬支度モードに切り替わりやすいんです。
それに、10月のうちにこたつ布団を干しておけば、ふかふかの状態で11月の寒さを迎え撃つことができます。
ただ、最近は在宅ワークの方も増えていて、「足元が冷えて仕事に集中できない」という理由で、10月上旬から早々に出される方も増えています。
「自分一人しか使わないし…」と遠慮する必要はありませんよ。自分が寒いと感じたら、それが正解なんです。世間の目よりも、ご自身の快適さを優先してくださいね。
湿度や風速が体感温度に与える影響
「気温は15度あるはずなのに、なんだかすごく寒い…」と感じたこと、ありませんか?
実はその感覚、決して間違いではないんです。
私たちが感じる「寒さ」には、気温だけでなく「湿度」と「風」が大きく関係しているからなんです。
ミスナールという人の計算式にもあるのですが、気温が同じでも風速が1m/s強くなるごとに、体感温度は約1度下がると言われています。木枯らしが吹く日に寒く感じるのはこのためですね。
さらに見落としがちなのが湿度です。
日本の冬、特に関東などの太平洋側は乾燥しますよね。湿度が低いと、皮膚から水分が蒸発しやすくなり、その時に熱が奪われる「気化熱」という現象が起きます。これによって体温が下がり、実際の気温以上に寒さを感じてしまうんです。
ですから、天気予報で気温だけを見て「まだ15度あるから大丈夫」と判断するのは少し危険かもしれません。乾燥注意報が出ていたり、風が強い日だったりすると、体感的には10度近くまで下がっていることもあります。そんな日は、迷わずこたつのスイッチを入れてしまいましょう。
また、こたつを使うときは加湿器を併用するのも、暖かさを逃がさないテクニックの一つです。湿度を適切に保つことで、体感温度を上げることができ、結果的にこたつの設定温度を低くしても快適に過ごせるようになります。乾燥対策はインフルエンザ予防にもなりますし、まさに一石二鳥ですよ。
エアコンよりこたつが電気代はお得
さて、皆さんが一番気になるであろう「お財布事情」についてお話ししましょう。
今の電気代高騰、家計を預かる身としては本当に頭が痛いですよね。そこで声を大にしてお伝えしたいのが、「こたつは最強の省エネ暖房である」という事実です。
なぜかと言うと、エアコンが部屋の空気全体を温めようとするのに対し、こたつは限られた狭い空間だけを温める「局所暖房」だからです。
具体的な数字で見てみましょう。
一般的な6畳用のエアコンを暖房で使うと、1時間あたりおよそ3円から25円、部屋が冷えている時の立ち上がりだとそれ以上かかることもあります。一方でこたつは「強」運転でも約5円、「弱」運転ならなんと約2.5円から3円程度で済むんです。
こたつの消費電力やつけっぱなし時の電気代の目安をさらに詳しく知りたい方は、古いこたつの電気代とつけっぱなし運転の目安を詳しく解説した記事もチェックしてみてください。
もし1日8時間使ったとしたら、エアコンだと安く見積もっても1ヶ月で数千円単位の電気代がかかりますが、こたつなら数百円から千円ちょっとで収まる計算になります。
この差は大きいですよね!
特に「弱」運転でサーモスタット(温度調節機能)が効いている状態だと、ほとんど電気を使っていない時間帯もあるくらいなんです。
暖房の省エネが家計と環境の両方に重要だという点は、(出典:資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「空調」)でも詳しく解説されています。
こたつに入りながら、上から「着る毛布」や半纏(はんてん)を羽織れば完璧です。部屋のエアコン設定温度を普段より2~3度下げても、こたつがあれば全く寒くありません。暖房費を劇的に節約したいなら、こたつをメインにしてエアコンを補助にする、という使い方が賢い選択ですよ。
こたつは何度から必要か悩む方へ

「こたつを出したいけれど、部屋が狭くなるのが嫌」「掃除が面倒になりそう」…そんなお悩みで導入を躊躇している方もいらっしゃると思います。
でも、最近のこたつ事情は昔とは随分変わっているんです。
ここでは、現代のライフスタイルに合わせた選び方や、快適に使い続けるためのメンテナンス術をご紹介します。
ライフスタイルに合うこたつの選び方
こたつと聞くと、昔ながらの「重厚な家具調こたつ」や「プラスチックの白いカジュアルこたつ」をイメージしていませんか?
売り場に来て驚かれるお客様も多いのですが、今のこたつは本当におしゃれで機能的、種類も豊富なんです。
自分の生活スタイルに合わないものを選んでしまうと、「邪魔だなあ」と感じて結局使わなくなってしまうことも。だからこそ最初の選び方が肝心です。
例えば、小さなお子様がいるご家庭や、ペットを飼っているお宅なら、汚れや傷に強い天板加工が施されたものがおすすめです。ニトリやアイリスオーヤマの製品には、UV塗装やメラミン加工で傷がつきにくいモデルがたくさん出ています。
また、オフシーズンに布団を外した時に、いかにも「こたつです」という見た目にならないデザイン性の高いものを選べば、一年中リビングテーブルとして出しっぱなしにできて収納場所に困りません。
ご高齢の方がいらっしゃるご家庭なら、床に座るスタイルではなく、椅子に座って使える「ダイニングこたつ(ハイタイプ)」が断然おすすめです。膝への負担が少なく、立ち座りが楽なので、プレゼントとしても非常に人気がありますよ。
このように、「誰が、どこで、どう使うか」をイメージして選ぶことで、こたつは邪魔なものではなく、冬の生活を豊かにする最高のパートナーになります。
一人暮らしに推奨するパーソナル型
「ワンルームだからこたつなんて置けない」と諦めている一人暮らしの方、あるいは「テレワーク中に自分だけ温まりたい」という方に、ぜひ知っていただきたいのが「パーソナルこたつ」です。
これ、今ものすごく売れているんですよ!
サイズは60cm四方くらいのコンパクトなものが多く、デスクと椅子、そして専用の布団がセットになっているタイプが主流です。
これなら場所を取りませんし、椅子に座って作業ができるので、長時間のデスクワークでも足元はポカポカ、頭はスッキリという「頭寒足熱」の理想的な環境が作れます。
具体的におすすめなのが、山善の「ぬくもり庵」シリーズです。椅子と布団がセットになっていて、届いたその日からすぐに使える手軽さが魅力。組み立ても簡単なので、女性一人でも安心です。
このようなパーソナルこたつは、オフシーズンには布団を外せばそのままパソコンデスクやサイドテーブルとして使えるので、収納スペースのない一人暮らしのお部屋でも邪魔になりません。
冬の電気代節約のために、あえて一人暮らしでこたつデビューする方が増えていますよ!
ヒーターの種類と暖かさの比較解説
こたつを選ぶ際、デザインやサイズばかり気にしがちですが、実は一番重要なのが「ヒーターの種類」です。ここを間違えると「思ったより暖かくない」「電気代が高い」なんてことになりかねません。
主要な3つのタイプについて、家電販売員の視点から分かりやすく比較してみますね。
| 種類 | 特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| 石英管ヒーター | 遠赤外線効果で体の芯からじんわり温まる。即暖性は低め。 | 昔ながらの暖かさが好きな方、価格を抑えたい方。 |
| ハロゲンヒーター | スイッチを入れて数秒で暖かくなる即暖性が魅力。寿命も長め。 | 帰宅後すぐに温まりたい方、速暖性重視の方。 |
| フラットヒーター | ヒーターが薄く広く、こたつの中が広々。暖かさはマイルド。 | 寝転がりたい方、ムラなく温まりたい方、省エネ重視の方。 |
一番ポピュラーなのが「石英管ヒーター」です。
お手頃価格のこたつによく搭載されていますね。じんわり温まる感じが心地よいですが、暖まるまでに少し時間がかかります。
もし「帰ってきてすぐ暖まりたい!」というせっかちさん(私もそうです笑)なら、「ハロゲンヒーター」一択です。スイッチオンですぐにポカポカになりますよ。
そして最近人気急上昇中なのが「フラットヒーター」です。
ヒーター部分が面状になっていて非常に薄いので、こたつの中で寝返りを打っても腰骨や膝がヒーターに当たりません!これ、地味ですがすごく快適なんです。
ニトリの「リビングこたつ フロットC」などがこのタイプですね。消費電力も少なめで省エネなんですが、ガンガン温めるパワーは少し弱めなので、優しい暖かさを好む方向けですね。
ダニ対策や掃除など日々の手入れ法

こたつ生活でどうしても気になるのが「衛生面」ですよね。
暖かくて湿気があるこたつの中は、残念ながらダニにとっても天国なんです。「足が痒くなった」なんてことにならないよう、日々のメンテナンスは欠かせません。
まず基本は、こたつ布団のケアです。晴れた日にはできるだけ天日干しをして乾燥させましょう。
最近は「洗えるこたつ布団」も増えていますので、購入時に洗濯機で洗えるかどうかチェックすることをおすすめします。コインランドリーの大型乾燥機を利用するのも、ダニを一網打尽にできて効果的ですよ。
それから、意外と忘れがちなのが「ヒーターユニットの掃除」です。ここにホコリが溜まっていると、焦げ臭い匂いの原因になったり、最悪の場合は発火の恐れもあったりして危険です。
掃除機に隙間ノズルをつけて、金網部分のホコリを吸い取ってあげてください。これだけで暖房効率も上がって一石二鳥です。
また、こたつ敷き布団の下に「アルミ保温シート」を敷くのもおすすめです。
熱を逃がさないだけでなく、床からの湿気を遮断してくれるのでカビ対策にもなります。100円ショップでも売っていますので、ぜひ試してみてくださいね。
最高気温20度を超えたら片付ける
出す時期があれば、しまう時期も必ずやってきます。
「いつしまおうか迷って、結局ゴールデンウィークまで出しっぱなし」なんていうのも”こたつあるある”ですが、適切な片付け時を知っておくことも大切です。
目安としては、「最高気温が20度を超える日が続くようになったら」です。
だいたい4月中旬から5月上旬くらいでしょうか。この気温になると、室内でも汗ばむことが増えてきますし、こたつ布団が暑苦しく感じられます。
また、湿気が高くなってくる時期でもあるので、カビやダニのリスクを考えても、梅雨入り前には必ず片付けておきたいですね。
片付ける際は、必ず天気の良い乾燥した日を選んで、布団をしっかり干してから収納袋に入れましょう。湿気が残ったまましまうと、次の冬に出した時にカビだらけ…なんて悲劇が待っています。
ヒーター部分のホコリも掃除機で吸って、コードも断線がないかチェックしてからしまうと、来シーズンも安心して使えますよ。
こたつは何度から使い始めるか総括
ここまで、こたつを出すタイミングや選び方についてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。
最後に、記事の要点を分かりやすくまとめましたので、復習してみてください。
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準備の目安:最低気温15℃ 肌寒さを感じたら準備開始。まずは布団セットだけしてプレオープン。 |
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稼働の目安:最低気温10℃ 室温が下がりきる前にスイッチオン。我慢は禁物です。 |
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電気代対策:エアコンよりお得 こたつは最強の省エネ家電。電気代高騰の強い味方です。 |
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選び方:ライフスタイルに合わせて 一人暮らしなら「パーソナル」、シニアなら「ハイタイプ」が正解。 |
「こたつは何度になったら出すの?」という疑問、解消されましたか?
気温を目安にするのはもちろん大切ですが、一番大切なのは「あなたが心地よいと感じるかどうか」です。
15度でも寒がりな方は早めに出していいですし、暑がりな方はもう少し待ってもいい。この基準をベースに、ご自身の体調やライフスタイルに合わせて調整してみてくださいね!


