「奮発して買ったドラム式洗濯機、最近なんだか乾きが悪い気がする…」
「洗濯槽のニオイが気になって、洗剤の香りで誤魔化しているかも…」
毎日使うものだからこそ、こうした悩みって本当にストレスですよね。実はその不調、故障ではなくて内部に溜まった「見えない汚れ」が原因かもしれません。
この記事では、家電量販店で働く私の視点から、ドラム式洗濯機の掃除業者の選び方や、自分では掃除できない部分のメンテナンスについて詳しく解説していきます。
「プロに頼むと何が違うの?」「どの業者さんがいいの?」という疑問をスッキリ解消して、新品のときのような快適な洗濯ライフを取り戻しましょう!
- 業者選びは分解範囲で決まる
- 乾燥機能回復なら完全分解
- 大手と個人の違いを理解する
- DIYはリスク大、プロに任せる
ドラム式洗濯機の掃除業者の選び方

ドラム式洗濯機を長く快適に使うためには、適切な業者選びが何よりも重要です。
ここでは、業者ごとのサービスの違いや技術力、料金相場、そしてメーカーごとの対応状況について、家電店員の視点でわかりやすく解説していきますね。
ドラム式洗濯機の掃除業者の選び方のポイント
ドラム式洗濯機のクリーニング業者を選ぶ際、一番大切にしてほしいのは「どこまで分解してくれるか」という点です。ただ単に「分解洗浄」と書いてあっても、業者さんによってその定義はまちまちなんですよ。
例えば、洗濯槽(ドラム部分)を取り外して洗うだけの業者さんもいれば、乾燥機能の不調の原因となる「ヒートポンプユニット」までしっかり分解して洗ってくれる業者さんもいます。
乾燥時間が長くてお困りなら、絶対に後者の「乾燥経路やヒートポンプまで分解できる業者」を選ばないといけません。
また、損害賠償責任保険に入っているかどうかも重要なチェックポイントですね。ドラム式は水と電気を使う精密機械なので、万が一の水漏れや故障のリスクはゼロではありません。補償内容を事前に確認しておくと安心ですよ。
業者選びのチェックリスト
- ヒートポンプ(乾燥ユニット)の分解洗浄に対応しているか
- 所有しているメーカー(特に日立)に対応しているか
- 万が一の故障時の補償制度(損害賠償保険)があるか
ダスキンの分解掃除サービスの特徴と洗浄範囲
お掃除のプロといえば、真っ先に思い浮かぶのがダスキンかもしれませんね。知名度も抜群で安心感があります。ただ、ドラム式洗濯機に関しては、少し特徴的なアプローチをとっているんです。
基本的にダスキンでは、部品をバラバラにする「完全分解洗浄」よりも、独自の薬剤を使った「除菌洗浄」をメインにしている店舗が多い傾向にあります。
これは、分解に伴う故障リスクを避けるためとも言われていますが、専用の塩素系薬剤を使って、菌やウイルスを徹底的に除去することに重きを置いているんですね。
もちろん、一部の店舗や地域では分解洗浄に対応してくれる場合もありますが、全国一律のサービスではない点には注意が必要です。
「分解して徹底的にホコリを取りたい!」というよりは、「衛生面を気にしてしっかり除菌したい」という方に向いているサービスだと言えるでしょう。
おそうじ本舗など大手チェーンの技術力を比較
一方で、ドラム式洗濯機の「機能回復」にかなり力を入れているのおそうじ本舗です。
私が見てきた中でも、技術開発への熱意はすごいなと感じます。
特筆すべきは、「完全分解洗浄」のオプションが充実していること。洗濯槽の取り外しはもちろん、パナソニック製の機種などでは、乾燥ダクトやファンまで分解して、独自のノズルを使った高圧洗浄で汚れを吹き飛ばしてくれます。これ、乾燥トラブルに悩んでいる方には本当に嬉しいポイントなんですよ。
さらに面白いのが、「ルミテスター」という機械を使って、汚れを数値で見せてくれるサービスがあること。目に見えない汚れがどれくらい落ちたかを数字で証明してくれるので、納得感が違いますよね。
カジタク(イオングループ)なども有名ですが、ドラム式の分解に関しては、担当するスタッフさんのスキルによって少し差が出ることがある、なんてお話もチラホラ聞きます。
分解掃除の料金相場とオプション費用
さて、気になるお値段のお話です。
「高いんでしょ?」とよく聞かれますが、正直安くはありません。でも、買い替えを考えるよりはずっとお得ですよ。
ざっくりとした相場感を表にまとめてみました。
| サービス内容 | 料金相場(税込) | おすすめな人 |
|---|---|---|
| 標準分解洗浄 | 18,000円〜24,000円 | ニオイが気になる、定期メンテ |
| 完全分解洗浄 | 25,000円〜35,000円 | 黒カビが出ている、購入3年以上 |
| 乾燥機能特化 (ヒートポンプ洗浄など) |
+5,000円〜10,000円 (オプション) |
「乾かない」悩みがある人 |
安さだけで選ぶのは要注意!
「1万円台でやります!」という格安業者さんもいますが、分解範囲が狭く、肝心の乾燥経路まで掃除してくれないケースがあります。「掃除してもらったのに乾かないまま…」なんてことにならないよう、作業内容と料金のバランスをしっかり確認してくださいね。
パナソニックや日立などメーカー別の対応可否
実は、持っている洗濯機のメーカーによって、業者さんに「対応できません」と断られてしまうことがあるんです。これ、意外と知られていない落とし穴なんですよね。
特に注意が必要なのが日立の「ビッグドラム」シリーズです。
日立の洗濯機は、乾燥性能を高めるために内部構造が非常に複雑になっていて、分解の難易度が最高ランクなんです。そのため、多くの業者さんで「日立製は追加料金」もしくは「対応不可」となっています。
逆にパナソニックはシェアも高く、多くの業者が分解ノウハウを持っていますが、ヒートポンプユニットまで洗えるかは業者次第です。シャープや東芝も機種によりますが、シャープは公式でサービスマンによるクリーニングを推奨していたりもします。
予約するときは、必ず「メーカー名」と「型番」を伝えて、対応可能かどうかを確認してくださいね。「当日来てみたら無理でした」なんて悲劇は避けましょう!
ドラム式洗濯機の掃除業者に依頼すべき症状

「なんとなく調子が悪いけど、これって故障?それとも汚れ?」そんな疑問を持つ方のために、プロのクリーニングを依頼すべき具体的なサインと、セルフケアの限界についてお話しします。
乾燥しない悩みはヒートポンプの分解洗浄で解決
ドラム式ユーザーの一番の悩み、それはダントツで「乾燥時間が長くなった」「生乾きで終わる」というものです。購入当初はフワフワだったのに、最近はゴワゴワ…なんてことありませんか?
これ、実は故障じゃないことが多いんです。
原因の多くは、乾燥経路やヒートポンプ(熱交換器)に溜まった「リント(繊維くず)」です。フィルターを通り抜けた微細なホコリが、内部で湿気を吸ってヘドロ状になり、風の通り道を塞いでしまっているんですね。
こうなると、いくらフィルターを掃除しても改善しません。
まずはフィルターや排水まわりのセルフチェックから始めたい方は、ドラム式洗濯機の乾燥が乾かない原因と自分でできる対策も参考にしてみてください。
それでも改善しない場合は、プロに依頼して、ヒートポンプユニットを分解し、フィンの隙間に詰まった汚れを高圧洗浄で取り除くのが唯一の解決策です。
これを行うと、劇的に乾燥時間が短縮されて、まるで新品のような性能が戻ってくることも珍しくないんですよ。
ドラム式洗濯機の分解掃除を自分でするリスク
YouTubeなどで「ドラム式洗濯機を分解してみた」という動画を見かけることがありますが、家電店員としては正直おすすめできません。
いえ、はっきり言って絶対にやめてほしいです。
ドラム式洗濯機は、精密なセンサーや基板の塊です。
素人が安易に分解すると、元に戻せなくなるだけでなく、水漏れを起こして階下の住人に損害を与えたり、最悪の場合は基板がショートして発火するリスクさえあります。
特に乾燥ダクトの掃除で、針金ハンガーなどを無理やり突っ込む方がいらっしゃいますが、これはジャバラホースを突き破る原因になります。「節約しようとして、数万円の修理代がかかった」なんてお客様、実は結構いらっしゃるんです。
餅は餅屋、プロに任せるのが一番の安全策ですよ!
ほこり詰まりや排水口の汚れ原因とプロの清掃
「排水エラー(U11など)が頻繁に出る」というのも、業者依頼のタイミングです。
これは排水フィルターだけでなく、その奥の排水経路や、洗濯機下の排水口に汚れが詰まっているサインです。
ただ、ドラム式洗濯機って80kgくらいあって、一度設置すると動かせないですよね。だから排水口の掃除は事実上不可能なんです。
プロの業者さんは、専用の機材で洗濯機を持ち上げたり、特殊な高圧洗浄ホースを使って排水管の中まできれいにしてくれます。
店員からのアドバイス:かさ上げ台の設置
もし業者さんに来てもらうなら、ついでに「かさ上げ台」の設置をお願いするのがおすすめです。洗濯機の下にスペースができるので、今後の掃除が劇的にラクになりますし、振動音も静かになりますよ。
おすすめは、私たちもよく推奨する因幡電工の「ふんばるマン」です。頑丈で安定感が違います。洗濯機の下敷きや防振ゴムの必要性と「ふんばるマン」のメリット・デメリットも詳しくまとめているので、どのかさ上げ台にするか迷っている方は参考にしてみてください。
掃除業者に依頼する最適な頻度とタイミング
「どれくらいのペースで頼めばいいの?」という質問もよくいただきます。
一般的な目安としては、購入から2〜3年経過した頃が最初の依頼タイミングかなと思います。
使用頻度や家族構成にもよりますが、毎日乾燥機能を使っているご家庭なら、2年も経てば内部には相当なホコリが蓄積しています。
「乾燥フィルターの掃除ランプが頻繁に点くようになった」「洗濯槽クリーナーを使ってもワカメみたいな黒いカスが出る」といった症状が出たら、年数に関わらずプロの手を借りることを検討してください。
定期的にメンテナンスを入れることで、洗濯機自体の寿命を延ばすことにも繋がります。高い家電ですから、長く大切に使いたいですよね。
クリーニング後の清潔さを保つ日々の手入れ
せっかくプロにピカピカにしてもらったら、その状態を少しでも長くキープしたいですよね。そのためには、日々のちょっとしたケアと、正しいクリーナー選びが重要です。
まず、月1回程度の槽洗浄には、メーカー純正の「塩素系クリーナー」を使ってください。例えばパナソニックなら「洗濯槽クリーナー N-W2」などが最強です。
ドラッグストアで売っている数百円のものとは、成分の濃さが桁違いなんですよ。カビを溶かして無くしてくれるので、ドラム式には特におすすめです。
具体的な槽洗浄の手順や洗剤選びについては、パナソニック製ドラム式洗濯機の槽洗浄方法と洗剤の選び方も参考にしてみてください。
さらに、高濃度塩素系クリーナーの黒カビ除去効果については、(出典:パナソニック公式サイト「黒カビ除去に。[塩素系]洗濯槽クリーナーはココが違う」)で試験データが公開されています。
また、乾燥フィルターの奥のホコリ取りには、専用のブラシを使いましょう。パナソニックの「おそうじブラシ (AXW22R-9DA0)」や、コジットの「毛づまりごっそりパイプ職人」などは、内部を傷つけずに奥まで届くので、私も愛用しています。
まとめ:ドラム式洗濯機の掃除業者活用術
ここまで、ドラム式洗濯機の掃除業者について詳しく見てきました。
最後に、今回の内容を振り返ってみましょう。
快適な洗濯ライフを取り戻すために
| 業者の選び方 | 乾燥トラブルなら「ヒートポンプ洗浄」ができる業者を指名する |
| 依頼の目安 | 購入後2〜3年、または乾燥時間が延びてきたら |
| 注意点 | 日立製などは対応可否を事前確認。DIY分解はリスクが高いので避ける |
| 長持ちのコツ | 純正の塩素系クリーナーでの定期洗浄とかさ上げ台の設置 |
ドラム式洗濯機は、私たちの家事を助けてくれる最高のパートナーです。でも、高性能だからこそ、定期的なプロのメンテナンスが必要不可欠なんですね。
「2〜3万円かぁ…」と迷う気持ちもわかりますが、それで毎日の洗濯ストレスから解放されて、乾燥時間が短くなることで電気代の節約にもなると考えれば、決して高い投資ではないと思いますよ。
ぜひ一度、プロの技で愛用の洗濯機をリフレッシュさせてあげてくださいね!



