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洗濯機の電源が入らない時の対処法!メーカー別原因と復活の裏技

洗濯機の豆知識

「さあ、洗濯をしよう!」と意気込んでスイッチを押したのに、ん? 何も反応しない…。
昨日までは普通に使えていたはずの洗濯機が、突然うんともすんとも言わなくなる。この絶望感、本当によく分かります。

毎日当たり前のように動いている家電だからこそ、急に動かなくなると生活が一気にストップしてしまったような不安に襲われますよね。

「もしかして壊れた?」「修理代ってすごく高いんじゃ…」といろいろな心配が頭をよぎると思いますが、まずは一度深呼吸をして落ち着いてください。

実は、私の勤める家電量販店に駆け込んでこられるお客様の中にも、「壊れたと思ってたら、意外な原因だった」というケースが少なくありません。コンセントの挿し直しや簡単なリセット操作だけで、嘘のように復活することだってあるんです。

この記事では、現役の家電販売員としての知識と経験をフル活用して、洗濯機の電源が入らない時にまず試すべきことや、メーカーごとの故障の傾向、そして一番気になる「修理すべきか、買い替えるべきか」の判断基準まで、包み隠さずお話ししますね。

高額な修理代を払う前に、まずは自分でできる対処法を一緒に確認していきましょう。あなたの洗濯機が復活するヒントがきっと見つかるはずですよ!

この記事のポイント
  • 電源が入らない時に試すべきリセット方法と確認手順
  • 洗濯物が取り出せない時の緊急ロック解除と水抜き
  • 日立やパナソニックなど主要メーカー別の故障傾向
  • 修理費用と使用年数から考える買い替えの判断基準
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洗濯機の電源が入らない時の対処法

クリーン家電ガイド:イメージ

「電源ボタンを押しても反応がない!」そんな時でも、すぐに故障と決めつけるのはまだ早いです。実は機械的な故障ではなく、一時的なエラーや外部環境が原因であることも多いんですよ。

まずはお店に修理依頼の電話をする前に、ご自宅で確認できるポイントから順番に見ていきましょう。

電源ボタンが反応しない時の確認点

洗濯機の電源が入らない時、一番最初に疑うべきなのは「電気が正しく届いているか」という基本中の基本です。

「そんなの当たり前でしょ?」と思われるかもしれませんが、意外と見落としがちなのがコンセント周りやブレーカーのトラブルなんです。

まず、電源プラグを一度コンセントから抜き、5分ほど放置してから再度しっかりと奥まで差し込んでみてください。これは洗濯機内部のマイコンをリセットする最も簡単な方法で、一時的な誤作動ならこれだけで直ることがあります。

次に確認していただきたいのが、ご自宅のブレーカーです。
特にドラム式洗濯乾燥機で乾燥機能を使っている場合、消費電力は1000Wを超えることがあります。同じ回路でドライヤーやヒーターを使っていると、過負荷でブレーカーが落ちているかもしれません。もしブレーカーが落ちていないのに電源が入らない場合は、そのコンセント自体が生きてるかチェックしましょう。

ここで私がよくおすすめしている裏技が、「ドライヤーやデスクライトを洗濯機のコンセントに挿してみる」という方法です。もしドライヤーも動かなければ、原因は洗濯機ではなく家の電気配線にあることになりますから、電気工事業者さんへの依頼が必要になりますね。

また、操作パネル(メンブレンスイッチ)の劣化も考えられます。
長年使っていると、ボタンの接点が酸化して反応しづらくなることがあるんです。「強く押さないと反応しない」という予兆があった場合は、パネルの故障が疑われます。

まずは落ち着いて、「電気は来ているか」「リセットで直るか」の2点を確認してみてください。

チェックリスト

  • 電源プラグの抜き差し(リセット)を試したか
  • 家のブレーカーが落ちていないか
  • 同じコンセントで他の家電(ドライヤー等)が動くか

給水が始まらない症状の解決策

「電源は入ったみたいだけど、スタートボタンを押しても水が出てこない…」というケース、これも「動かない」とご相談いただくことが多い症状の一つです。

実はこれ、電源トラブルと混同されやすいのですが、給水系のトラブルである可能性が高いんですね。

まず確認してほしいのが、水道の蛇口(水栓)が開いているかどうかです。
普段開けっ放しのご家庭が多いと思いますが、大掃除の時などに閉めて、そのまま忘れてしまっているパターン、結構あるんです。

次に、給水ホースのフィルター詰まりです。
水道水には微量なサビや砂が含まれていることがあり、洗濯機の給水口にあるフィルターがこれらで詰まると、水が入っていきません。洗濯機は「水が来ない」と判断すると、安全のために運転を停止したり、電源を落としたりする制御を行うことがあります。

給水ホースを外して(水が飛び出さないように蛇口を閉めてから!)、フィルターを古い歯ブラシなどで掃除してみてください。

また、冬場に多いのが「凍結」です。
給水ホース内の水が凍ってしまい、給水弁が開いても水が流れない状態です。これを故障と勘違いしてしまうこともあります。もし凍結が疑われる場合は、ぬるま湯でタオルを温めてホースに巻くなどして、ゆっくり解凍してあげてください。

給水が始まらないと、洗濯機は「仕事を始められない」と判断して沈黙してしまうので、まずは水の入り口を疑ってみるのが鉄則ですよ。

給水フィルターや緊急止水弁まわりの詳しいチェック手順は、水が少ししか出ない洗濯機トラブルの原因と対処法でも解説しているので、併せて確認してみてください。

給水弁(ソレノイドバルブ)の保護

洗濯機を使っていない時は、必ず蛇口を閉める癖をつけましょう。常時水圧がかかっていると、給水弁に負荷がかかり続け、故障や水漏れの原因になります。

緊急時にロック解除と水抜きをする手順

クリーン家電ガイド:イメージ

洗濯中に突然電源が落ちてしまい、電源が入らなくなった時、一番困るのが「中の洗濯物が取り出せない」「水が溜まったまま」という状況ですよね。

これ、本当に焦ります。
特にドラム式の場合、ドアロックがかかったまま電源が喪失すると、通常の方法では開きません。

でも安心してください。
多くの機種には、こういった緊急事態のために「強制解除」の仕組みが用意されているんです。

まず縦型洗濯機の場合、ロック機構にバイメタル式などが使われていることが多く、コンセントを抜いてから数分〜10分ほど放置して内部温度が下がると、「カチッ」と音がしてロックが自然に外れることがあります。焦らず少し待ってみるのがポイントです。

一方、ドラム式の場合は物理的な操作が必要になることが多いです。
機種によりますが、排水フィルター(糸くずフィルター)のカバーを開けた奥や、洗剤投入口付近に、緊急解除用の「ストラップ(紐)」や「レバー」が隠されていることがあります。これを取扱説明書の指示に従って操作することで、強制的にドアを開けることができます。

ただし、ここで重大な注意点があります!
洗濯槽の中に水が溜まっている状態で無理やりドアを開けると、水が床一面に溢れ出して大惨事になります。必ず先に「水抜き」を行ってください。

水抜きの手順は、洗面器やバケツを用意し、排水ホースを洗濯機から外し、ホースをできるだけ低い位置(床面すれすれ)に持っていくことで、重力(サイフォンの原理)を利用して水を排出します。

ホースの途中に上り坂があると水が出てこないので、全体をなだらかに下げるのがコツです。
この「水抜き作業」は結構大変ですが、家財を守るためにも必須の作業だと思って頑張ってください。

より詳しい強制排水の手順や、排水口まわりのトラブル原因については、洗濯機の水が抜けない原因と強制排水の方法を解説した記事も参考になります。

水漏れ注意!

排水ホースを外す際は、残った水が飛び出さないよう、ホースの根元をクリップなどで挟んでから作業することをおすすめします。

洗濯機を自分で修理するリスクと方法

メーカー保証も切れているし、修理代も高そうだから「自分で直せないかな?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。YouTubeなどで修理動画を見ることもできますし、DIYが得意な方なら挑戦したくなる気持ちも分かります。

自己修理で最もポピュラーなのが、メイン基板にある「ガラス管ヒューズ」の交換です。数百円で部品が手に入るため、コストパフォーマンスは最強です。基板上のヒューズが黒く焦げて切れていれば、それを交換することで電源が入るようになる可能性はあります。

しかし家電店員としては、安易な自己修理は正直あまりおすすめできません。
なぜなら、ヒューズが飛んだということは、「過電流が流れるような原因が他にある」ということだからです。

例えば、モーターのショートや排水弁の故障などが原因でヒューズが切れた場合、新しいヒューズに変えても、電源を入れた瞬間にまた「バチン!」と切れてしまいます。最悪の場合、発火や感電のリスクすらあります。

もし診断だけでも自分でやってみたいという場合は、きちんとした道具を使いましょう。
例えば、長谷川電機工業の「HTE-610」のような検電器や、テスター(マルチメーター)などです。これらを使えば、コンセントまで100Vが来ているか、ヒューズが導通しているかを安全に確認できます。

それでも、洗濯機は水と電気を同時に扱う家電です。漏電リスクは他の家電よりも格段に高いので、少しでも不安があれば、無理をせずプロに任せるのが賢明な判断だと思います。

洗濯機の電源が入らない原因とメーカー別傾向

クリーン家電ガイド:イメージ

一口に「電源が入らない」と言っても、実はメーカーごとの設計思想や構造の違いによって、故障の原因や前兆に特徴があるんです。

「うちのは日立だから…」「シャープ独特のあの機能が…」といった視点で見ていくと、より具体的な原因が見えてきますよ。

日立の洗濯機で電源トラブルが起きる原因

「ビートウォッシュ」や「ビッグドラム」でおなじみの日立ですが、洗浄力の高さは本当に素晴らしいですよね。ただ、その強力な洗浄力を支えるダイレクトドライブモーターや複雑な制御を行っている分、基板への負荷もそれなりにあるようです。

日立製品で電源が入らない、あるいは「一瞬だけLEDが点くけどすぐに消える」といった症状の場合、メイン基板(ロード基板)のトラブルが多く見受けられます。基板上の半田クラック(経年劣化によるヒビ)や、ヒューズ切れが代表的です。

特にドラム式(型番でいうとBD-SX110やBD-NX120系など)の場合、メイン基板の交換が必要になると、修理費用がかなり高額になる傾向があります。部品代・技術料・出張費を含めると、税込で5万円〜7万円後半という見積もりが出ることも…。

これを聞くと「えっ、新品買えるじゃん!」と驚かれるお客様も多いですね。

また、縦型洗濯機(BW-DX120Jなど)では、電源投入時の「蓋ロック」の初期チェックでつまずくケースもあります。ロック機構に洗剤カスや糸くずが噛み込んでいて、センサーが「ロック解除できてないよ!」と誤検知すると、安全装置が働いて電源自体を遮断してしまうんです。この場合は、蓋周りを徹底的に掃除してコンセントリセットを試すと、復旧する可能性があります。

おすすめモデル:日立 BW-X100M

最新の日立「BW-X100M」などは、液体洗剤・柔軟剤の自動投入機能を搭載しています。洗剤のこぼれによる汚れが減るため、センサー異常の原因を減らすことにも繋がるおすすめ機種です。

シャープ製で排水異常と電源が切れる関係

シャープの洗濯機といえば、洗濯槽に穴がない「穴なし槽」が有名ですよね。節水効果も高く、黒カビが侵入しにくいので清潔好きな方に大人気です。

しかし、この独自の構造ゆえのトラブルも存在します。シャープ製で電源が入らなくなる原因の一つに、「排水関連の部品故障からの連鎖」があるんです。

具体的には、排水弁(排水モーター)が故障してショート状態になると、それが原因でメイン基板のヒューズが飛び、結果として「電源が入らない」という状態に陥ることがあります。つまり、大元の原因は排水部品にあるのに、症状としては電源トラブルとして現れるわけです。

最近のモデル(ES-TX6J-Wなど)でも、排水異常を検知すると強制停止する機能がありますが、部品そのものがショートしてしまうと制御不能になります。

ちなみにシャープは、修理料金の目安が比較的明確です。電源が入らない場合の一般修理料金は、概ね2万円〜2万6千円程度(税込)と案内されています。日立の基板交換に比べると少し安価な印象ですが、これもモーター交換などが加わると高くなります。

注意点として、出張診断を依頼して「やっぱ修理やめます」となった場合でも、出張診断料として5,500円程度(距離による)がかかる点は覚えておいてくださいね。

パナソニックのHエラーと電源遮断

パナソニックの「LXシリーズ」やおしゃれな「Cuble」をお使いの方も多いと思います。
パナソニック製品は「エコナビ」をはじめとした多数のセンサーで賢く制御されているのが特徴ですが、その分、センサー異常にはシビアに反応します。

パナソニックの洗濯機で電源が入らなくなる直前に、液晶パネルに「H」から始まるエラーコード(例:H01、H21など)が一瞬表示されませんでしたか?

この「H」のエラーコードは、基本的にユーザー側では直せないハードウェアの故障を意味しています。例えば水位センサー異常や、基板の通信異常などです。

対して「U」のエラー(U11など)は「ドアが開いてますよ」「排水できませんよ」といった、ユーザーが直せる内容です。

Hエラーが表示された後に電源が落ちて入らなくなった場合、内部の保護回路が働いて、システムを強制的にシャットダウンしている可能性が非常に高いです。この状態になると、コンセントの抜き差しをしても復帰しないことがほとんどです。

Hコードを見逃してしまった場合でも、電源が入らない=基板レベルの重篤な故障の可能性が高いため、早めの修理相談が必要です。

メンテナンスのススメ

センサーを守るには、「パナソニック N-W1A」などのメーカー純正・塩素系クリーナーでの年1回の洗浄が効果的です。カビ汚れによるセンサー誤作動を未然に防げます。

東芝製品における電源スイッチの故障

東芝の「ZABOON(ザブーン)」シリーズは、ウルトラファインバブル洗浄で繊維の奥まで洗えるのが魅力ですよね。私も個人的にあの洗浄力は大好きです。

東芝製品、特に縦型洗濯機において、長く使っていると発生しやすいのが「電源ボタン自体の物理的な故障」です。操作パネル(メンブレンスイッチ)の内部接点が、湿気や経年劣化で酸化・腐食してしまい、通電しなくなるケースです。

「最近、電源ボタンをかなり強く押し込まないと反応しないなぁ」と感じていたなら、それが最終的に全く反応しなくなった原因かもしれません。この場合、洗濯機内部のメイン基板やモーターは元気なのに、入り口のスイッチが壊れているせいで動かないという、なんとももどかしい状態になります。

また、ウルトラファインバブルを発生させるための加圧ユニットなど、他社にはない独自の電装部品を積んでいるため、それらの部品故障が電源系に悪影響を及ぼすことも稀にあります。

スイッチ部分の故障であれば、操作パネルごとの交換で直ることが多いですが、部品保有期間が過ぎていると修理不可となるので注意が必要です。

故障時の修理代と買い替えの判断基準

さて、ここまで原因を見てきましたが、最終的に一番悩むのが「直すか、買うか」の決断ですよね。

ここで判断基準の一つにしてほしいのが、「7年の壁」です。

家電製品には「補修用性能部品の保有期間」というのが決まっていて、洗濯機の場合は製造打ち切りから大体6〜7年なんです。つまり、製造から7年以上経っている洗濯機は、直したくても「部品がありません」と断られる可能性が非常に高いんです。
(出典:パナソニック「補修用性能部品の保有期間」)

また、修理代との兼ね合いも重要です。

例えば、購入から5年以内で、修理見積もりが2〜3万円なら、直して使い続ける価値は十分にあります。でも購入から7年近く経っていて、修理代が5万円を超えるようなら…正直、新しい機種に買い替えた方が長期的にはお得かなと思います。

最新の洗濯機は省エネ性能も上がっていますし、洗剤自動投入などの便利な機能も増えていますから、高い修理代を払って延命するより、新しい相棒を迎える良いタイミングかもしれません。

経過年数 修理代目安 おすすめの判断
購入〜5年 保証適用または〜3万円 修理推奨(まだ長く使えます)
6年〜7年 3万円〜5万円 要検討(他も壊れるリスクあり)
8年以上 部品なしの可能性大 買い替え推奨

※修理代はあくまで目安です。正確な金額はメーカー見積もりをご確認ください。

寿命を示す洗濯機の壊れたサイン

クリーン家電ガイド:イメージ

電源が入らなくなる前に、洗濯機から「SOS」が出ていませんでしたか?
もし以下のような症状があった場合、それは単なる故障ではなく、洗濯機としての「寿命」を迎えているサインかもしれません。

  • 異音: 脱水時に「ゴーッ!」「キーッ!」というジェット機のような爆音がする。これは軸受け(ベアリング)やモーターの摩耗が限界に来ています。
  • 異臭: 運転中に焦げ臭いにおいがする。ベルトの摩耗や電気部品が熱を持っている証拠で、火災の前兆でもあり非常に危険です。
  • 水漏れ: 洗濯機の下から水が漏れている。パッキンの劣化や内部ホースの亀裂が疑われます。この漏れた水が電気部品にかかってショートし、今回の電源トラブルを引き起こした可能性もあります。

これらの症状が出ていて、さらに電源が入らなくなったのであれば、もうその洗濯機は「大往生」です。修理を考えるよりも、「今までありがとう」と感謝して、新しい機種への買い替えを強くおすすめします。

より具体的な寿命の目安や買い替えサインを知りたい場合は、洗濯機の寿命や電気代・水道代の違いまで詳しく解説した記事も参考にしてみてください。

洗濯機の電源が入らないトラブルの総括

最後に、今回のトラブル対応をまとめておきましょう。
突然のことでパニックになりがちですが、手順を追って確認すれば無駄な出費を抑えられるかもしれません。

対応フローチャート
  • STEP 1:現状確認
    コンセントの抜き差し(リセット)を試し、他の家電が使えるかチェックする。
  • STEP 2:安全確保
    中に水や衣類がある場合は、手動でロック解除と水抜きを行う。
  • STEP 3:意思決定
    使用年数(7年の壁)と前兆(異音・異臭)を照らし合わせる。
  • STEP 4:行動
    5年以内なら修理相談。7年以上で不調続きなら買い替えへ。

洗濯機の電源が入らなくて困っているあなたの不安が、この記事で少しでも軽くなれば嬉しいです。

もし買い替えになる場合は、ぜひお近くの家電量販店で実機を見てみてくださいね。最近の洗濯機は本当に進化していて、家事の負担をグッと減らしてくれますよ。

毎日の家事を支える大切なパートナーですから、納得のいく選択ができることを応援しています!