洗面所の床や排水口にすぐ溜まる髪の毛に、毎日うんざりしていませんか?
朝のドライヤー後やお風呂上がりに目につく髪の毛を、つい水で流してしまうこと、ありますよね。実はその何気ない行動が、排水溝の詰まりやヌメリの最大の原因になっているんです。
排水溝が詰まってから掃除するのは本当に大変ですし、業者さんを呼べば数万円かかることも…。
でも安心してください。
洗面所の髪の毛掃除は、床と洗面ボウル、そして排水溝という3つの場所それぞれに適した対策を知れば、驚くほどラクになります。
この記事では、家電量販店で多くのお客様の悩みを聞いてきた私が、毎日のついで掃除から詰まりを防ぐ予防グッズ、そして頑固な詰まりを解消する家電まで、洗面所を快適に保つための実践的な方法をすべてご紹介します。
重曹やクエン酸では髪の毛が溶けない理由や、パイプクリーナーの効果的な使い方、さらにヘアキャッチャーの選び方から、髪の毛が絡まないコードレスクリーナーの活用法まで、あなたの洗面所掃除が劇的に変わる情報が満載です。
洗面所の髪の毛掃除|3つの場所別対策

このセクションでは、まず洗面所の髪の毛問題が起こる「3つの場所」に注目します。「床」「洗面ボウル」「排水溝」のそれぞれで、髪の毛の性質や対処法が全然違うんです。
ここをしっかり押さえることが、効率的なお掃除への第一歩ですよ!
床の髪の毛はワイパーや掃除機で
洗面所で一番目立つのが、やっぱり「床」に落ちた髪の毛ですよね。お風呂上がりや朝のドライヤーの後、あっという間に溜まっていませんか?
洗面所の床に落ちる髪の毛は、まだ乾いていることが多いので、軽くて舞い上がりやすいのが特徴なんです。だから、エアコンの風や人の動きで、部屋の隅っこや洗濯機の下、棚の隙間なんかに集まっていきます。これを放っておくと、ホコリと絡まって見た目も不衛生ですし、気分も下がっちゃいますよね。
お手軽な掃除方法としては、フローリングワイパー(ドライシート)や粘着クリーナー(コロコロ)が定番です。
手軽な掃除ツールのメリット・デメリット
- フローリングワイパー: 立ったまま楽に掃除できますが、髪の毛を隅に押しやってしまうだけで、完全に取り切れないことも…。
- 粘着クリーナー: 目についた髪の毛をサッと取れて便利ですが、床全体をやるにはちょっと時間がかかりますよね。
もちろん、これらのツールで「ついで掃除」を習慣にするのはとっても大切です!
でも、家電店員として働いていると、「もっと根本的に、しっかり吸い取りたい!」というお客様の声を本当に多く聞きます。
そこでおすすめしたいのが、やっぱり「掃除機」なんです。特に洗面所のような狭いスペースで真価を発揮するのが、「コードレスのスティッククリーナー」や「ハンディクリーナー」ですね。
ワイパーと違って、髪の毛やホコリを「吸い取って除去」できるので、確実性が違います。最近のモデルは本当に軽くて、吸引力も十分。洗面所の隅や洗濯機の下の狭い隙間にも、ヘッドがスッと入っていくのが嬉しいポイントです。
私のお店でも、リビング用とは別に、「洗面所・脱衣所専用」として2台目に小型のコードレス掃除機を選ばれる方がすごく増えていますよ。
常に洗面所の近くに「常設」しておけば、気になった瞬間に10秒で吸い取れます。この「手軽さ」が、キレイを保つ一番の秘訣かもしれませんね。
洗面ボウルの髪は流さず拭き取る
次に見落としがちなのが「洗面ボウル」の中です。朝の洗顔やヘアセット、男性なら髭剃りの時にも、短い毛がボウルにパラパラと…。
白い洗面台だと、黒い髪の毛ってすごく目立ちますよね。
ここで、絶対にやってはいけない行動があります。それは「とりあえずキレイにしようと、水で流してしまう」こと。
これ、本当に多くの方がやりがちなんですが、実は排水溝を詰まらせる「最悪の選択」なんです…。
【厳禁】ボウル内の髪の毛を水で流す危険性
洗面ボウル内の髪の毛を水で流すと、その髪の毛は直接、排水溝の奥にある「S字トラップ」へと向かいます。これが、次のセクションでお話しする「排水溝の詰まり・ヌメリ」の直接的な原因になるんです。
「自分だけは大丈夫」と思っていても、毎日の積み重ねが、ある日突然「水が流れない!」という最悪の事態を引き起こします。
では、どうすれば良いか?
答えはシンプルで「水で濡らす前に、物理的に取り除く」ことです。
一番いいのは、乾いたティッシュペーパーでサッと拭き取って、そのままゴミ箱にポイ!これだけです。ティッシュに消毒用エタノールを少し含ませて拭けば、髪の毛を取ると同時に除菌もできて、一石二鳥ですよ。
でも、「濡れた髪の毛に、ティッシュ越しでも触りたくない…」という気持ち、すごくよく分かります。その心理的な抵抗感が、「水で流す」というNG行動につながってしまうんですよね。
この「触りたくない」問題を家電で解決する方法があります。それが、先ほどの「ハンディクリーナー」なんです。床掃除に使ったハンディクリーナーで、そのまま乾いた状態の洗面ボウル内の髪の毛も吸い取ってしまうんです。
「えっ、床掃除のクリーナーをボウルに?」と抵抗があるかもしれませんが、例えば先端に隙間ノズルやブラシノズルを付け替えれば、直接床に触れた部分がボウルに当たることはありません。何より、髪の毛に一切触れることなく、詰まりの原因を「水に触れる前」に除去できるメリットは計り知れません。
これは、ハンディクリーナーの潜在的な活用法なんですが、私は「排水溝の詰まりを未然に防ぐための予防家電」として、この使い方を強くおすすめしたいですね!
排水溝のヌメリと詰まりの原因

さて、いよいよ洗面所の髪の毛問題の本丸、「排水溝」です。
ここが一番手ごわいですよね。水の流れが悪くなったり、嫌なニオイが上がってきたり…。
まず、排水溝の構造を簡単に知っておきましょう。入り口には「ヘアキャッチャー(ゴミ受け)」があって、その奥はグニャリと曲がった「S字トラップ(排水トラップ)」という構造になっています。
このS字トラップには、下水からの悪臭や害虫を防ぐために、常に水が溜まっている(これを「封水」といいます)んです。
問題は、ヘアキャッチャーをすり抜けた髪の毛や、洗面ボウルから「水で流された」髪の毛が、このS字トラップに溜まってしまうこと。水が溜まっている場所なので、髪の毛に石鹸カス、皮脂汚れ、整髪料などがどんどん絡みついていきます。
これがヘドロ化・ヌメリ化して、悪臭や詰まりの「原因」になるわけですね。
「詰まりには重曹とクエン酸がいい」ってよく聞きますよね?
ここでちょっと専門的な視点をお伝えします。
豆知識:重曹とクエン酸は髪の毛に効く?
重曹(アルカリ性)とクエン酸(酸性)を混ぜるとシュワシュワと発泡しますよね。この泡の力は、軽い皮脂汚れや石鹸カス(ヌメリ)を浮かせる効果は期待できます。
しかし、髪の毛の主成分であるタンパク質(ケラチン)を化学的に「溶かす」力は、残念ながらほとんどありません。そのため、髪の毛がガッツリ絡まった詰まりには、重曹とクエン酸だけでは効果が薄い、というのが実情なんです。
だからこそ、「髪の毛」が原因の詰まりには、この後ご紹介する専用の「予防グッズ」や「化学薬品」、そして「家電」が必要になってくるんですね。
詰まり予防に役立つ便利グッズ
排水溝が詰まってから掃除するのって、本当に気が重いですよね…。
だからこそ、「詰まらせない」ための予防が何よりも大切なんです!
私もお客様に「排水溝の掃除が面倒で…」と相談されたら、まず「予防グッズ」をおすすめしています。今は本当に便利なアイテムがたくさん出ているんですよ。
大きく分けると、3つのタイプがあります。
使い捨てネット・フィルタータイプ
これが一番手軽で衛生的かもしれません。既存のヘアキャッチャーに、網状のネットやスポンジ素材のフィルターを被せて使うタイプです。髪の毛やゴミが溜まったら、ネットやフィルターごとつまんで、そのままゴミ箱にポイ!
メリットは、ヘアキャッチャー本体が汚れにくくなること。あのヌメヌメしたゴミ受けを直接掃除する回数が劇的に減るので、掃除の心理的ハードルがぐっと下がりますよね。
高機能ヘアキャッチャー(交換タイプ)
これは、もともと付いているプラスチック製のヘアキャッチャー自体を、もっと高機能なものに交換するタイプです。特に人気なのが「ステンレス製」のもの。
ステンレスは、プラスチックと違ってヌメリやカビが付着しにくいのが最大のメリットです。汚れがついてもサッと洗い流せるので、お手入れが格段に楽になります。パンチング加工でゴミをしっかりキャッチしつつ、水はけが良いように工夫されている製品が多いですね。
水流利用(渦巻き)タイプ
これが一番ハイテクかもしれません!排水時の「水流」を利用して渦を発生させ、髪の毛やゴミを中央にクルクルと「まとめてくれる」タイプです。
もちろん、LIXIL(リクシル)のユニットバスの機能(※一部の高級洗面台にも採用例はありますが)として有名な「パッとくるりんポイ排水口」のように、設備にもともと標準装備されている高機能なものもありますが、ここで注目したいのは「後付けできる」製品です。
最大の利点は、髪の毛が自動で中央に集まるので、ゴミ捨て時に「髪の毛に触れずに捨てられる」こと!これは、あの「濡れた髪に触りたくない」という、私たちの根本的なイヤ~な気持ちを解決してくれる画期的なアイデアだと思います。
どのタイプを選ぶ?
- 掃除の手間をゼロにしたい: 「使い捨てタイプ」
- ランニングコストを抑えたい・清潔さを保ちたい: 「ステンレス製」
- 髪に絶対に触りたくない: 「渦巻き式タイプ」
ご自身のライフスタイルや、「掃除の何が一番イヤか?」を考えて選ぶのがおすすめですよ。
おすすめ高機能ヘアキャッチャー
前のセクションでご紹介した「予防グッズ」、これらはすべて、今お使いの洗面台に「後付け」できる安価なアイテムが中心です!
高額な洗面台本体を買い替えるお話ではないので、安心してくださいね。
お客様からの評判も良くて、手軽に試せる具体的な製品をいくつかピックアップしてみました!
ご自宅の洗面台の排水口に合うかどうか、サイズ(直径や深さ)をしっかり測ってから購入するのが失敗しないコツですよ!
それでは、人気の「後付け」アイテムを表にまとめてみます。
| タイプ | 製品名 (例) | メーカー (例) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 渦巻き式 | AG+まとまるヘアストッパー | レック (LEC) | 後付け可能。特殊な羽がうずまき水流を発生。髪の毛が中央にまとまる。銀イオン(Ag+)抗菌仕様なのも嬉しいポイント。 |
| ステンレス | tower 洗面排水口ゴミ受けネットホルダー | 山崎実業 (Yamazaki) | デザイン性の高いtowerシリーズ。ステンレス製でヌメリにくく、掃除が楽。別売りのネットを併用するタイプです。 |
| ステンレス | 洗面台排水口 ゴミ受け (パンチング) | Haodex (などの汎用メーカー) | ステンレス製でパンチング(細かい穴あき)加工。ゴミをしっかりキャッチしつつ、水はけが良く、お手入れが簡単な定番タイプ。 |
| 使い捨て | 髪の毛トリトリ Easyネット | ボンスター販売 | 既存のゴミ受けに被せるだけ。ネットごと捨てられて衛生的。お客様からの「掃除が本当に楽になった」という声が非常に多い人気商品です。 |
| スポンジ | 洗面台ゴミガード スポンジタイプ | Crea (などの汎用メーカー) | スポンジ素材が、髪の毛だけでなく細かな石鹸カスなどもしっかりキャッチしてくれます。こちらも使い捨てタイプです。 |
私のお店でも、山崎実業のtowerシリーズはデザインがおしゃれで、洗面所をスッキリ見せたい方に人気ですね。
でも、掃除の手間を極限まで減らしたい!という方には、やっぱり「髪の毛トリトリ Easyネット」のような使い捨てタイプが根強い支持を集めている印象です。
「渦巻き式」のレック「AG+まとまるヘアストッパー」は、「本当に触らずに捨てられて感動した」という声を聞いたことがあります。ご自宅の排水口に合うなら、試してみる価値は大きいと思いますよ!
髪の毛を溶かす?洗面所の詰まり掃除

ここまでは「予防」のお話が中心でした。
でも「予防」が間に合わなくて、すでに「水の流れが悪い…」「なんだか臭う…」となってしまったら…?
このセクションでは、いよいよ詰まってしまった時の「対処法」を見ていきます。重曹やクエン酸では溶けない髪の毛に、どうアプローチしていくか。
化学薬品を使った方法から、私たち家電のプロがおすすめする「最終兵器(家電)」まで、詳しくご紹介しますね!
髪の毛を溶かすパイプクリーナー
詰まりの初期段階や、定期的なメンテナンスとして活躍するのが、ドラッグストアなどでもおなじみの「パイプクリーナー」です。
「重曹では髪の毛は溶けない」とお話ししましたが、市販のパイプクリーナーは、まさにその髪の毛(タンパク質)を溶かすために作られています。
どうして髪の毛が溶けるの?
主な成分は「水酸化ナトリウム」と「次亜塩素酸ナトリウム」です。
- 水酸化ナトリウム: 強力なアルカリ性で、髪の毛のタンパク質を化学的に分解・溶解します。
- 次亜塩素酸ナトリウム: いわゆる塩素系の成分で、ヌメリやカビを強力に除去・除菌します。
この2つの成分の相乗効果で、排水管にこびりついた髪の毛やヘドロを溶かしてくれるんですね。
選び方と効果的な使い方
最近のトレンドは「高粘度ジェル」タイプです。粘度の高いジェルが、パイプの側面に垂れずにピタッと密着して、汚れに長く留まってくれるんです。
また、「PRO」や「濃縮」と書かれた製品は、水酸化ナトリウムの濃度が高めで、より強力な溶解効果が期待できますね。
使い方もちょっとしたコツで効果が変わってきますよ!
パイプクリーナーの効果UP術
- まず、ヘアキャッチャーの目に見える髪の毛やゴミを、ティッシュなどで(触りたくないですが…)物理的に取り除きます。
- ボトルに記載されている規定の量を、排水溝に流し込みます。
- そのまま30分程度(製品の指示に従ってください)放置します。
- 放置後、勢いよく多量の水(できればお湯)で一気に洗い流します!
ポイントは「1」。先に物理的なゴミを取っておくことで、洗剤がパイプ内部の「本丸」の汚れに無駄なく集中できて、洗浄効果が格段にアップするんです。
ジョンソン(SC Johnson)の「パイプユニッシュ PRO」や、花王(Kao)の「パイプハイター 高粘度ジェル」などは、ご来店されるお客様にも定番の人気商品です。
使用上の最重要注意点!
これらの洗浄剤は非常に強力です。必ずゴム手袋を着用し、十分に換気しながら使用してください。酸性の洗剤(お酢やクエン酸など)と絶対に混ぜないでください!有毒な塩素ガスが発生して大変危険です。
また、予防として使う場合も、頻繁すぎると排水管を傷める可能性がゼロではありません。製品の指示にもよりますが、「2週間に1回~月1回程度」を目安にするのが良いと思います。
頑固な詰まりには加圧式クリーナー
「パイプクリーナーを使っても、全然流れが良くならない…」
「髪の毛以外の何か(例えば、子供が落とした砂や小さな固形物)が詰まったかも…」
そんな、化学薬品ではどうにもならない「頑固な詰まり」には、いよいよ「家電」の出番です!
私たち家電店員が「詰まりの最終兵器」としてお客様にご紹介するのが、「加圧式パイプクリーナー(ポンプ式)」です。
これは、手動のポンプで本体内に空気を圧縮し、トリガーを引くことで「圧縮空気の衝撃波」を一気に放出して、詰まりを物理的に吹き飛ばすという、とてもパワフルなアイテムなんです。
お店で実演するわけにいかないので(笑)、私も最初は半信半疑だったんですが、購入されたお客様からの「感動のレビュー」が本当にすごいんですよ!
お客様から聞いた「加圧式のココがすごい!」
- 「見た目はおもちゃみたいだったのに、一発で『ゴボッ!』と音がして、新築の時みたいに水が流れるようになった!」
- 「業者さんを呼ぶか悩んでたけど、数千円で解決して本当に助かった!」
- 「野球部の息子のユニフォームを洗うからか、砂が詰まりやすくて…。薬品じゃダメだったけど、これで2発やったらスルスル流れて感動!!」
化学薬品では溶かせない「砂」のような詰まりにも対応できるのが、物理的な力で押し出す加圧式の最大の強みですね。
様々なメーカーから販売されていますが、基本的な仕組みは同じです。一家に一台、「お守り」として常備しておくのを強くおすすめします。
ちなみに、さらにプロ仕様のものとして、「電動パイプクリーナー(電動ドレンクリーナー)」という、モーターで強力なワイヤーを回転させて詰まりを粉砕する機械や、ケルヒャーなどの高圧洗浄機に専用の「パイプクリーニングホース」を付けて洗浄する方法もあります。
ただ、これらはかなり強力で、配管を傷つけるリスクも伴う上級者向け・DIY上級者向けソリューションですね。
最終手段は「S字トラップの分解洗浄」ですが…
何をしてもダメな場合の最後の手段が、洗面台の下にあるS字トラップを「物理的に分解して洗う」ことです。しかし、これには「モンキーレンチ」などの専用工具が必要ですし、元に戻すときに水漏れさせてしまうリスクもあります。
専門業者さんに頼むと、詰まりの状況にもよりますが、数千円から数万円(場合によっては2~3万円!)の費用がかかることも…。そうなる前に、日々の「予防」と、手軽な「加圧式クリーナー」で対処するのが、賢い選択だと私は思います!
とはいえ、どうしても解決しない場合はプロに頼むのが安心です。
「くらしのマーケット」では、あらゆるおうちのトラブルや清掃に対応してもらえるので、一度相談してみてはいかがでしょうか。
詰まり予防におすすめの掃除機
頑固な詰まりの話をしたら、余計に「詰まらせたくない!」という気持ちが強くなりますよね(笑)
そこでお話を「予防」に戻します。
「詰まりの最大の原因」は、洗面ボウルや床に落ちた髪の毛を、水で流してしまうことでした。つまり、「水に触れる前に、髪の毛を吸い取ってしまう」ことが、最強の詰まり予防になるわけです。そのための家電が「コードレス掃除機」なんですね。
リビング用の掃除機を選ぶ時とは、ちょっと視点を変える必要があります。洗面所(兼 詰まり予防)で使う掃除機選びの基準は…
- 軽量・コードレスであること(サッと使える手軽さ)
- デザイン性が良いこと(洗面所に「常設」できるか)
- そして何より、「髪の毛がヘッドに絡まりにくい」こと!
家電店員として断言します。お客様が掃除機に感じる最大のストレスは、「ヘッドのブラシに絡まった髪の毛を、手やハサミで取り除く作業」なんです。ここ、本当に重要なポイントですよ!
最近は、この「毛がらみ」対策に各メーカーがものすごく力を入れています。
ダイソン
「Digital Motorbar™ (デジタル モーターバー) クリーナーヘッド」がすごいです。ヘッド内部に56個のコーム(櫛)が内蔵されていて、吸引と同時にブラシに絡まろうとする髪の毛を自動で「ほどいて」吸い込んでくれるんです。お手入れの手間が劇的に減りますね。
このヘッドを搭載しているモデルとしては、「Dyson V12 Detect Slim」などが代表的です。軽量クラスなのに吸引力もあって、すごく使いやすいと思います。
また、同じ「V12 Detect Slim」シリーズなどに搭載されている「Fluffy Optic™ クリーナーヘッド」は、緑色のレーザー光で床を照らして、肉眼では見えにくい髪の毛や微細なホコリを「可視化」してくれます。「掃除したつもり」を防げるので、洗面所の床掃除にも最適です。
シャーク
シャークも「ヘッドに髪の毛がからまない」という点で、お客様から絶大な支持を得ています。
「うちの掃除機、これにしてから一度もヘッドの髪の毛取ったことないわよ」というリアルな声も聞くほどです。独自の「パワーフィン」と「ソフトローラー」を組み合わせたヘッドが、長い髪の毛も強力に吸い込んでくれます。
例えば「EVOPOWER SYSTEM NEO+ (エヴォパワーシステム ネオプラス)」シリーズなどは、自動ゴミ収集ドックが付いているモデルもあって、掃除の手間をとことん減らしたい!という方にすごく人気がありますよ。
パナソニック
パナソニックの「からまないブラシ」も優秀です。中央が細くなった「円錐形のダブルブラシ」が、吸い込んだ髪の毛を自動的に中央に集めて、そのままシュッと吸引口に持っていく仕組み。これも本当によく考えられています。
このブラシは、パナソニックのコードレススティック掃除機「パワーコードレス」シリーズの多くに搭載されていますね。例えば「MC-SB85K」などのモデルは、本体も軽くて(約1.8kg)、洗面所のような狭い場所でもスイスイお掃除できると評判です。
これらの高機能な掃除機を「洗面所の近くに常設」し、床もボウルもサッと吸う。これが最強の「詰まり予防家電」としての使い方なんです。
毎日できる簡単な掃除のコツ

高機能な家電があっても、結局は「毎日続ける」ことが一番大切で、一番難しいんですよね。
でも、大丈夫です。
「掃除するぞ!」と意気込むから大変なのであって、「何かのついで」に組み込むのが習慣化の最大のコツです。
私がおすすめする「理想の掃除ルーティン」はこんな感じです。
洗面所「ついで掃除」ルーティン
- 毎日(朝と夜の2回)
朝、顔を洗ってヘアセットした後、夜、お風呂に入る前に。
対象: 床と洗面ボウル
方法: 「常設」しておいたハンディクリーナーで、目に見える髪の毛を10秒だけ吸い取る。 - 週に1回(例:土曜日の朝)
対象: 排水口のヘアキャッチャー(および予防グッズ)
方法: 溜まったゴミを捨てる。予防グッズ(ネットなど)を使っている場合は、ここで新しいものに交換する。 - 2週間に1回〜月1回(例:第1・第3日曜日)
対象: 排水管(S字トラップ)内部
方法: パイプクリーナー(化学薬品)による「予防的メンテナンス」を実行。見えない場所でのヘドロ化を防ぐ。
どうでしょうか?
これならできそうな気がしませんか?
このルーティンが成功するかどうかの鍵は、もうお分かりですよね。
「ハンディクリーナーが、洗面所のすぐ手に届く場所にあるか」にかかっています。
掃除機がクローゼットの奥にしまってあったら、「10秒のついで掃除」は絶対にできません。だからこそ、洗面所に出しっぱなしにできる「軽量・コードレス・スタイリッシュ」な家電を選ぶことが、掃除の道具選び以上に重要なんだと私は思います。
床掃除におすすめのハンディ家電
前のセクションでは「毛が絡まない」高機能なスティッククリーナーをご紹介しましたが、あれはリビングと兼用する「メイン機」としての側面も強いですよね。
ここでは、もっと特化して、「洗面所の常設」や「ついで掃除」に最適な、小型・軽量なハンディ家電をいくつかピックアップします。お客様からの「これ、洗面所に置いとくのにちょうど良いわ」という声が多いモデルたちです。
フォアベルク「コーボルトVC100」
これはもう「洗面所に常設するため」に生まれてきたような、デザイン性の高いハンディクリーナーですね。ドイツのメーカーで、白くてスリムなボディは、出しっぱなしでも生活感がありません。
吸引力もハンディとしては十分で、重さも約650gと超軽量。まさに「ついで掃除」にぴったりです。
マキタ 「充電式クリーナー」
プロの清掃現場で愛用されているだけあって、その信頼性は抜群です。余計な機能がない分、軽量(モデルによりますが1kg前後)で、耐久性が高く、吸引力が強いのが特徴。
バッテリーが着脱式なのも、長く使う上で嬉しいポイントですね。「見た目より実用性!」という方には、マキタが本当におすすめです。
アイリスオーヤマ「マジカリーナ」
アイリスオーヤマは、高機能ながらコストパフォーマンスに優れたモデルが多いのが魅力です。「MagiCaleena」シリーズは、ブラシレスモーター搭載でパワフルなのに軽量。
モデルによっては、暗い隙間を照らしてくれるLEDライトがヘッドに付いているものもあって、これが洗濯機の下や棚の隙間を掃除するときに、ものすごく便利なんですよ!
もう一つの「擦る」家電:電動お掃除ブラシ
「吸い取る」家電とは別に、排水口の「ヌメリ」対策として「電動お掃除ブラシ」も便利ですよ。排水口のヘアキャッチャーやその周辺って、カビ取り剤をかけた後、古い歯ブラシでゴシゴシ擦るのが大変じゃないですか?
ブラック・アンド・デッカー(Black & Decker)などから出ている小型の電動ブラシ(バスブラシなど)があると、この「擦る」作業を自動化できます。排水口の「入り口」のヌメリやカビを効率よく除去できて、日々の清掃ストレスがぐっと減りますよ。
快適な洗面所の髪の毛掃除まとめ
ここまで、洗面所の髪の毛掃除について、場所別の対策から予防グッズ、そして頼れる家電まで、一気にご紹介してきました!
一番お伝えしたかったのは、洗面所の掃除は「点」ではなく「線」でつながっている、ということです。
「床」や「洗面ボウル」という目に見える場所の髪の毛掃除をサボると、それが「排水溝」という目に見えない場所の詰まりや悪臭に直結してしまいます。これが「負のスパイラル」ですよね…。
でも、このスパイラルは断ち切れます!
その鍵を握るのが、「洗面所に常設されたコードレスクリーナー」なんです。これが「掃除が面倒」という最初のハードルを壊してくれます。
床や乾いたボウルの髪の毛を、水に触れる前にサッと吸い取る。この毎日の「ついで掃除」が習慣になれば、排水溝に流れていく髪の毛が激減します。その結果、一番厄介な「排水溝の詰まり」という最大の問題が「予防」できるんです。これこそが、私たちが目指したい「正のスパイラル」だと思いませんか?
だから、洗面所に置くハンディクリーナーは、単なる「床掃除機」じゃないんです。「排水溝の詰まりを防ぐ、最も効果的で手軽な予防家電」として、その価値をぜひ見直してみてほしいなと思います。
毎日のちょっとした習慣が、未来の大きなトラブルや高額な出費を防いでくれます。ご自身に合った掃除方法や家電を見つけて、ストレスのない快適な洗面所ライフを送りたいですよね!



