洗濯したばかりの衣類から嫌な臭いがする、黒いワカメのようなものが付着している…そんな経験はありませんか?
その原因は洗濯槽に潜むカビや汚れかもしれません。
洗濯槽の掃除にカビキラーを使ってもいいのか、お風呂用と専用品ではどう違うのか、迷っている方も多いのではないでしょうか。
洗濯槽カビキラーと普通のカビキラーの違いを知らずに使うと、大切な洗濯機を傷めてしまう可能性もあります。
また、せっかく掃除したのに洗濯機をカビキラーしても臭いが残ったり、普通のカビキラーと間違えて使ってしまったらどうすればいいのか不安になりますよね。正しい使い方を知らなければ、効果が半減してしまうこともあります。
さらに、掃除の頻度はどれくらいが適切なのか、やりすぎると逆効果になることはあるのかといった疑問も尽きません。
この記事では、洗濯槽カビキラーの正しい知識から基本的な使い方、ドラム式洗濯機での注意点、効果を最大限に引き出すコツまで、家電量販店での経験をもとに詳しく解説していきます。
洗濯機を清潔に保ち、毎日の洗濯を気持ちよく行うための実践的な情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください!
洗濯機の掃除にカビキラー!正しい知識と使い方

- 洗濯槽カビキラーと普通のカビキラーの違い
- 浴室用のカビキラーを使ってもいい?
- 普通のと間違えた時の対処法
- 洗濯槽カビキラーの基本的な使い方
- ドラム式洗濯機でも使用できる?
- つけおきで洗浄効果をアップさせるコツ
まずは、洗濯機のカビキラーに関する基本的な知識から見ていきましょう。
「どれを使っても同じじゃないの?」と思われがちですが、実はちゃんと違いがあるんです。間違った使い方で洗濯機を傷めないためにも、ここでしっかり基本を押さえておきましょう。
洗濯槽カビキラーと普通のカビキラーの違い
「お風呂用のカビキラーが余っているから、洗濯槽にも使えないかな?」と考えたことがある方も多いのではないでしょうか。
成分は似ているのですが、この二つには洗濯機で使う上で非常に重要な違いがあるんです。
一番大きな違いは、防サビ剤(けい酸塩)が入っているかどうか、という点ですね。
洗濯槽はステンレス製のものが多いため、塩素系の洗浄剤を使うとサビてしまう可能性があります。それを防ぐために、洗濯槽カビキラーには専用の防サビ剤が配合されているというわけなんです。
下の表で成分を比較してみると、分かりやすいと思います。
製品 | 主な成分 | 特徴 |
---|---|---|
洗たく槽カビキラー(塩素系) | 次亜塩素酸塩、水酸化ナトリウム、界面活性剤、けい酸塩(防錆剤) | 洗濯槽のステンレスをサビから守る成分が入っている |
浴室用カビキラー | 次亜塩素酸塩、水酸化ナトリウム、界面活性剤、安定化剤 | 防サビ剤は含まれていない |
主成分である次亜塩素酸塩(塩素系の洗浄成分)は同じなので、カビを分解する力自体に大きな差はありません。ですが、大切な洗濯機を長く使うためには、やはり専用のものを選ぶのが安心ですよね。
浴室用のカビキラーを使ってもいい?
先ほどの違いを踏まえると、結論としては浴室用のカビキラーを洗濯槽に使うのはおすすめできません。
理由は、やはり防サビ剤が入っていないからです。
一度使っただけですぐにサビてしまうことはないかもしれませんが、繰り返し使用すると洗濯槽がダメージを受け、故障の原因になってしまう可能性も否定できません。
特にステンレス槽は、目に見えない細かい傷からサビが広がることがあります。大切な洗濯機を長く使うためにも、必ず「洗たく槽」と書かれた専用のクリーナーを使いましょう。
代用はリスクあり!
浴室用カビキラーには、洗濯槽を保護する成分が含まれていません。数百円を節約しようとして、高価な洗濯機の寿命を縮めてしまっては本末転倒ですよね。必ず用途に合った製品を選んでください。
また、浴室用は泡立ちやすいように成分が調整されている場合があり、洗濯機で使うと泡が立ちすぎてセンサーが誤作動を起こしたり、泡がうまくすすぎきれなかったりする可能性も考えられます。
普通のと間違えた時の対処法
「この記事を読む前に、間違えてお風呂用を使ってしまった…」という方も、あまり心配しすぎないでくださいね。
もし間違えて使ってしまった場合は、まず追加で「すすぎ」と「脱水」を1〜2回繰り返して、洗浄成分が洗濯槽に残らないようにしっかりと洗い流しましょう。
前述の通り、一度の使用で直ちに故障に繋がる可能性は低いと考えられます。ただし、これはあくまで応急処置です。今後は必ず洗濯槽専用のクリーナーを使用するように心がけてくださいね。
私もお客様から「間違えちゃったんだけど大丈夫?」と聞かれることがありますが、その際も「しっかりすすぎをしてくださいね」とお伝えしています。
洗浄後は、洗濯機のフタを開けたままにして、槽内をしっかり乾燥させることも忘れないでください。湿気が残っていると、またカビが繁殖しやすくなってしまいますからね。
洗濯槽カビキラーの基本的な使い方
洗濯槽カビキラーの使い方は、とっても簡単なんです。誰でも手軽にできるのが嬉しいポイントですよね。基本的な手順は以下の通りです。
また、入浴剤を入れたお風呂の残り湯は、成分によっては洗浄効果を妨げる可能性があるので使わないようにしましょう。
お湯を使う場合は、40℃くらいのぬるま湯が効果的ですが、熱湯は絶対に使用しないでください。成分が急激に分解されてしまい、効果が薄れるだけでなく、洗濯機を傷める原因にもなります。
ドラム式洗濯機でも使用できる?

はい、ドラム式洗濯機でもご使用いただけます。
ただし、一つ注意点があります。
ドラム式洗濯機に使えるのは、液体タイプの「洗たく槽カビキラー(塩素系)」です。粉末タイプの「アクティブ酸素で落とす 非塩素系」は、泡が立ちすぎてしまうため、ドラム式洗濯機では使用できない場合が多いんです。

ドラム式洗濯機は、少ない水でたたき洗いをする構造上、泡が大量に発生すると、センサーが異常を検知して運転が止まってしまったり、泡がドアの隙間から漏れ出してしまったりすることがあります。
使い方は縦型とほとんど同じですが、ドラム式の場合は「槽洗浄コース」が搭載されていることが多いので、そちらのコースを利用するのが最も効果的です。槽全体に洗浄液が行き渡るように設計されているので、隅々までキレイになりますよ。
もし使い方が分からない場合は、洗濯機の取扱説明書を確認するか、メーカーに問い合わせてみるのが確実です。ドラム式は機種によって細かい仕様が違うことがありますからね。
つけおきで洗浄効果をアップさせるコツ
洗濯槽カビキラーは、「独自の浸透成分のおかげで基本的につけおきは不要」とされています。
これは忙しい方にとってはとても嬉しいポイントですよね。
ですが、初めて掃除する場合や、汚れがひどいと感じる時は、つけおきをすることで、さらに洗浄効果を高めることができるんです。
やり方はとても簡単です。
たったこれだけです。
つけおきすることで、洗浄成分がカビの根の奥深くまでじっくり浸透し、頑固な汚れを分解しやすくしてくれます。
私も、新しい洗濯機を使い始めて1年くらい経った最初の掃除の時は、念のため3時間つけおきをしました。目に見える汚れは少なくても、気分的にスッキリしますよ!
洗濯機の「槽洗浄コース」には、自動でつけおきが含まれている長時間コースがある場合も多いので、お使いの洗濯機の機能を確認してみてください。長時間つけおきしても、洗濯機を傷めることはないので安心してくださいね。
洗濯機のカビキラーで失敗しないためのQ&A

- 洗濯槽カビキラーでも汚れが取れない原因
- 洗濯機をカビキラーしても臭いのはなぜ?
- 洗浄をかけた後はどうしたらいい?
- 効果的な頻度とやりすぎの注意点
- 非塩素系タイプとの使い分け
- 掃除後に白い粉が残った時の対処法
ここからは、実際に使ってみて「あれ?」と感じるような、よくある疑問にお答えしていくQ&Aコーナーです。
せっかくお掃除するなら、スッキリ解決して気持ちよく洗濯したいですもんね。お客様からもよく頂く質問を中心にまとめてみました。
洗濯槽カビキラーでも汚れが取れない原因
「カビキラーを使ったのに、洗濯物にまだ黒いワカメみたいなカスがついてくる…」これは、結構ショックですよね。でも、これは洗浄効果がなかったわけではないんです。
主な原因は、洗濯槽の汚れが想像以上にひどく、1回の洗浄ではすべての汚れを剥がしきれなかった、ということが考えられます。
長年掃除をしていなかったり、洗濯頻度が高かったりすると、カビや洗剤カスがミルフィーユのように何層にもなってこびりついてしまいます。洗濯槽カビキラーが表面の汚れを分解しても、その下にまだ汚れが残っている状態なんですね。
特に、洗浄後に汚れがたくさん浮き出てきた場合は、それだけ汚れが溜まっていた証拠です。一度で取り切れないのは、ある意味仕方がないことかもしれません。
対処法はとてもシンプルで、もう一度、洗濯槽カビキラーを使って洗浄することです。
続けて使用しても洗濯機に影響はありませんので、安心してください。汚れが気にならなくなるまで、1〜2回追加で試してみてください。一度リセットできれば、その後は定期的なお掃除でキレイな状態をキープしやすくなりますよ。
洗濯機をカビキラーしても臭いのはなぜ?
洗濯槽の洗浄をしたのに、まだ生乾きのような嫌なニオイが取れない…。
これもよくあるお悩みです。
この場合、ニオイの原因が洗濯槽の裏側だけではない可能性が高いですね。洗濯機には、他にもニオイの発生源となりやすい場所がいくつかあるんです。
洗濯槽カビキラーは、あくまで「洗濯槽」をキレイにするためのものです。もしニオイが残る場合は、これらの箇所も合わせてチェックし、お掃除してみてください。
見落としがちな部分をケアするだけで、ニオイが劇的に改善されることも多いですよ。
洗浄をかけた後はどうしたらいい?
洗濯槽の洗浄が終わった後、すぐに洗濯物を入れても基本的には問題ありません。使用方法通りに運転すれば、洗浄成分はきちんとすすがれているからです。
ただ、より安心して使うために、いくつかやっておくと良いことがあります。
洗濯が終わった後、すぐにフタを閉めてしまう方も多いのですが、これはカビにとって最高の環境を作ってしまいます。普段から洗濯後はフタを開けておく習慣をつけるだけで、カビ予防に大きな効果がありますよ!
効果的な頻度とやりすぎの注意点

洗濯槽を清潔に保つための効果的な使用頻度は、ズバリ「1〜2ヶ月に1回」が目安です。
メーカーもこの頻度を推奨しています。定期的に洗浄することで、汚れがひどくこびりつく前にリセットでき、常にクリーンな状態を維持できます。
カレンダーに印をつけたり、スマホのリマインダー機能を使ったりして、「毎月1日は洗濯槽洗浄の日」などと決めておくと忘れずに習慣化しやすいかもしれませんね。
一方で、「キレイ好きだから毎週やりたい!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、やりすぎはあまり意味がなく、おすすめはできません。
1〜2ヶ月に1回の定期メンテナンスを基本として、洗濯物が多い時期や湿気が気になる梅雨時などは少し頻度を上げる、といった調整をするのが賢い使い方だと思います。
非塩素系タイプとの使い分け
お店でも「塩素系と非塩素系(酸素系)、どっちがいいの?」とよく聞かれます。
これらは汚れを落とす仕組みが違うので、特徴を理解して使い分けるのがおすすめです。
洗たく槽カビキラー(塩素系) | アクティブ酸素で落とす(非塩素系) | |
---|---|---|
タイプ | 液体 | 粉末 |
洗浄方法 | カビや菌を分解して溶かす | 汚れを浮かせて剥がし取る |
特徴 | ・殺菌力が非常に高い ・汚れが溶けるので、洗浄後のゴミが残りにくい ・つけおき不要で手軽 | ・剥がれた汚れ(ワカメ状のカス)が目に見える ・塩素特有のツンとしたニオイがない |
おすすめな人 | ・とにかく強力に除菌したい人 ・洗浄後のゴミ取りが面倒な人 ・ドラム式洗濯機を使っている人 | ・塩素のニオイが苦手な人 ・汚れ落ちを自分の目で確認したい人 ・環境への優しさを重視する人 |
注意点 | ・塩素特有のニオイがする(要換気) ・酸性タイプと混ぜると有毒ガスが発生し危険 | ・ドラム式洗濯機には使えない場合が多い ・剥がれたゴミをすくう手間がかかることがある |
このように、それぞれに得意なことと注意点があります。
個人的には、しっかり除菌したい時やドラム式の場合は「塩素系」、塩素のニオイが苦手な方や定期的なメンテナンスで汚れ落ちを実感したい場合は「非塩素系」、という風に使い分けるのが良いのではないかと思います。
掃除後に白い粉が残った時の対処法
洗浄が終わった後に、洗濯槽に白い粉のようなものが残っていることがあります。
これはカビではなく、主に2つの原因が考えられます。
どちらの場合も、人体に有害なものではありませんので、過度に心配する必要はありませんよ。
対処法としては、乾いた布で拭き取るか、もう一度「すすぎ」運転を行えばキレイになります。
もし、すすぎを繰り返しても出てくるようなら、まだ洗濯槽の裏側に洗剤カスなどが残っている可能性があるので、日を改めてもう一度洗浄してみるのも良いでしょう。
総括:洗濯機はカビキラーでスッキリ清潔
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。