洗濯物に付着する黒いカスや洗濯機から漂う嫌なニオイに悩まされていませんか?
市販の洗濯槽クリーナーでは改善されない頑固な汚れには、洗濯機の分解洗浄を自分で行うという選択肢があります。
しかし、縦型とドラム式では難易度が大きく異なり、必要なものも変わってきます。特に専用工具の準備や作業手順を間違えると失敗のリスクが高まり、最悪の場合は洗濯機が壊れてしまう恐れもあるんです。
一方で、業者に依頼すれば安全で確実ですが、料金面での負担も気になるところでしょう。自分で挑戦するか業者に任せるか、判断に迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、洗濯機の分解洗浄を自分で行う際の具体的な手順から必要な工具、失敗を避けるためのポイント、業者依頼との料金比較まで、判断に必要な全ての情報をお伝えします。
洗濯機の分解洗浄を自分で行う前に知っておくべきこと

洗濯機の分解洗浄に挑戦する前に、まずは本当に必要な作業なのかを見極めることが大切です。
自分で行う場合の時間や労力、業者に依頼した場合の料金相場を理解した上で、どちらの選択肢が自分に適しているかを判断していきましょう。
分解洗浄は必要か?
洗濯機の分解洗浄が必要かどうかは、使用頻度や洗濯機の状態によって変わってきます。
市販の洗濯槽クリーナーでの定期的なお手入れを行っていても、洗濯物に黒いカスが付着したり、洗濯機から嫌なニオイがしたりする場合は、分解洗浄が必要なサインと言えるでしょう。通常のクリーナーでは届かない洗濯槽の奥や裏側に、頑固な汚れやカビが蓄積している可能性があります。
私が勤める家電量販店でも、こうした症状でご相談にいらっしゃるお客様は多いんです。特に、洗濯機を購入してから一度も分解洗浄を行ったことがない場合や、2年以上経過している場合は検討をおすすめしています。
ただし、分解洗浄は必ずしも必要というわけではありません。月1回程度の洗濯槽クリーナーでのお手入れを継続し、洗濯後は蓋を開けて乾燥させるなどの基本的なメンテナンスを行っていれば、分解洗浄の頻度を減らすことができます。
洗濯機の使用頻度が低い一人暮らしの方なら3年に1回程度、ファミリー世帯で毎日洗濯される方なら1~2年に1回程度が目安となります。
自分で行う場合の時間と労力
作業項目 | 所要時間 | 難易度 | 詳細 |
---|---|---|---|
事前準備 | 30分〜1時間 | ★☆☆ | 工具の準備、作業スペースの確保、取扱説明書の確認 |
分解作業 | 1〜2時間 | ★★★ | 縦型:比較的簡単 / ドラム式:高度な技術が必要 |
洗浄作業 | 2〜3時間 | ★★☆ | 各部品の漂白剤洗浄、ブラシでの物理的清掃 |
組み立て作業 | 1〜2時間 | ★★★ | 分解の逆手順、部品の正確な配置が必要 |
動作確認 | 30分 | ★☆☆ | 試運転、異音チェック、水漏れ確認 |
難易度:★☆☆
工具の準備、作業スペースの確保、取扱説明書の確認
難易度:★★★
縦型:比較的簡単 / ドラム式:高度な技術が必要
難易度:★★☆
各部品の漂白剤洗浄、ブラシでの物理的清掃
難易度:★★★
分解の逆手順、部品の正確な配置が必要
難易度:★☆☆
試運転、異音チェック、水漏れ確認
洗濯機の分解洗浄を自分で行う場合、相当な時間と労力が必要になることを覚悟しておきましょう。
プロでも縦型洗濯機の分解洗浄には2~3時間、ドラム式なら4時間程度かかります。初めて挑戦する方の場合、丸一日かけても作業が終わらず、翌日も洗濯機が使用できないケースも珍しくありません。
分解作業では、まず洗濯機の上部パネルを外し、外槽のリングやパルセーターを取り外していきます。特に縦型洗濯機の場合、洗濯槽を固定している38mmのナットを外すのが最も困難な作業となります。この作業には専用の工具が必要で、適切な工具がなければ作業を進めることができません。
洗浄作業では、取り外した各部品を塩素系漂白剤やブラシを使って丁寧に清掃します。洗濯槽の裏側に蓄積した黒カビは非常に頑固で、完全に除去するには時間がかかります。
組み立て作業は分解の逆手順で行いますが、部品の取り付け順序を間違えると洗濯機が正常に動作しなくなる恐れがあります。そのため、分解時に写真を撮ったり、部品の配置を記録したりする準備作業も必要です。
また、作業中は洗濯機が使えないため、コインランドリーを利用するなどの代替手段も考えておく必要があるでしょう。
必要なものは何?工具と準備物リスト
カテゴリ | アイテム | 必要度 | 用途・詳細 |
---|---|---|---|
基本工具 | プラス・マイナスドライバー | 必須 | ネジの取り外し、複数サイズを準備 |
38mmソケット(縦型のみ) | 必須 | 洗濯槽固定ナットの取り外し専用 | |
差込角変換アダプター | 必須 | 3/4DR→1/2DR変換用 | |
電動工具 | インパクトレンチ | 推奨 | 固いナットの取り外し用 |
電動ドライバー | 任意 | 作業効率向上、慣れている場合のみ | |
洗浄用品 | 塩素系・酸素系漂白剤 | 必須 | カビ除去、汚れの分解 |
スポンジ・ブラシ各種 | 必須 | 物理的清掃、細かい部分用 | |
安全用品 | ゴム手袋・マスク | 必須 | 洗剤から手を保護、カビ吸引防止 |
保護メガネ | 推奨 | 洗剤の目への飛散防止 | |
その他 | ブルーシート・タオル | 必須 | 作業エリア保護、水濡れ対策 |
部品整理用容器 | 推奨 | ネジや小物の紛失防止 | |
カメラ・メモ帳 | 推奨 | 分解手順の記録用 |
洗濯機の分解洗浄に必要な工具と準備物を事前に揃えておくことで、作業をスムーズに進めることができます。
基本的な工具として、プラスドライバーとマイナスドライバーは必須です。できれば複数のサイズを用意しておくと安心でしょう。電動ドライバーがあれば作業効率が向上しますが、扱いに慣れていない場合は手動ドライバーの方が安全です。
縦型洗濯機の場合、洗濯槽を固定している38mmナットを外すために、38mmソケットと差込角変換アダプターが必要になります。インパクトレンチやインパクトドライバーがあると作業が楽になりますが、高価なため1回だけの使用なら手動工具でも対応可能です。
洗浄用品として、塩素系漂白剤または酸素系漂白剤を用意します。塩素系の方が洗浄力は高いですが、取り扱いには注意が必要です。スポンジやブラシも各種サイズを揃えておき、細かい部分の汚れも確実に除去できるようにしましょう。
安全用品として、ゴム手袋とマスクは必須です。洗剤による皮膚への刺激を防ぎ、カビの胞子を吸い込まないよう注意してください。保護メガネもあると、洗剤が目に入る心配がありません。
その他の準備物として、作業エリアを保護するためのブルーシートやタオル、部品を整理するための容器、作業手順を記録するためのカメラやメモ帳も用意しておくと良いでしょう。
懐中電灯やヘッドライトがあると、洗濯機内部の暗い部分も確認しやすくなります。
業者に依頼する場合の料金相場と作業内容
プロの業者に分解洗浄を依頼する場合の料金相場は、洗濯機のタイプによって大きく異なります。
縦型洗濯機の場合、1.2万円~1.7万円程度が相場となっています。一方、ドラム式洗濯機は構造が複雑なため、2万円~3万円程度と高額になります。大手ハウスクリーニング業者では、縦型で約1.4万円、ドラム式で約2.8万円が平均的な価格です。
個人業者に依頼すれば5,500円程度から対応してもらえる場合もありますが、対応機種が限られていたり、技術力にばらつきがあったりするため注意が必要です。
作業内容としては、洗濯槽の完全な取り外し洗浄が基本となります。洗濯機本体の内側・外側の清掃、洗濯パンの清掃、作業場所の簡易清掃も含まれることが多いです。
プロの作業では、専用の洗剤や高圧洗浄機を使用し、自分では届かない奥底の汚れまで徹底的に除去します。また、分解から組み立てまでの全工程を約3時間で完了させてくれるため、洗濯機を長時間使用できないという心配もありません。
ヤマダデンキなどの家電量販店でも分解クリーニングサービスを提供していますが、預かり修理となる場合が多く、10日~2週間程度洗濯機が使えなくなることがあります。
自分での作業と業者依頼の比較
比較項目 | 🛠️ 自分で作業 | 👨🔧 業者に依頼 |
---|---|---|
費用 |
工具代 + 洗剤代のみ 初期投資除けば数千円程度 専用工具購入で1〜2万円 |
縦型:1.2〜1.7万円 ドラム式:2〜3万円 一回の費用は高め |
時間 |
6〜10時間(初心者) 翌日まで使用不可の可能性 準備・学習時間も必要 |
約3時間で完了 待っているだけでOK 予約〜完了まで最短即日 |
仕上がり |
手の届く範囲のみ 経験不足で洗浄力に限界 見落としやすい部分あり |
プロ用洗剤で徹底洗浄 専用機材で隅々まで 新品同様の仕上がり |
リスク |
故障時は保証対象外 高額修理費用のリスク 組み立て失敗の可能性 |
損害保険で安心 万が一の故障も保証 技術力で失敗リスク最小 |
学習効果 |
洗濯機構造の理解 今後のメンテナンスに活用 DIYスキル向上 |
学習効果は限定的 プロの技術を見学可能 時間を他のことに使える |
初期投資除けば数千円程度
専用工具購入で1〜2万円
ドラム式:2〜3万円
一回の費用は高め
翌日まで使用不可の可能性
準備・学習時間も必要
待っているだけでOK
予約〜完了まで最短即日
経験不足で洗浄力に限界
見落としやすい部分あり
専用機材で隅々まで
新品同様の仕上がり
高額修理費用のリスク
組み立て失敗の可能性
万が一の故障も保証
技術力で失敗リスク最小
今後のメンテナンスに活用
DIYスキル向上
プロの技術を見学可能
時間を他のことに使える
自分で分解洗浄を行う場合と業者に依頼する場合を比較すると、それぞれにメリットとデメリットがあります。
費用面では、自分で行う場合は工具代と洗剤代のみで済むため、初期投資を除けばコストを大幅に抑えることができます。しかし、専用工具を揃える必要があり、38mmソケットやインパクトレンチなどの購入費用を考慮すると、1回だけの作業なら業者依頼の方が経済的な場合もあります。
時間と労力の観点では、業者依頼が圧倒的に有利です。プロなら半日で完了する作業が、素人では丸一日以上かかることも珍しくありません。また、作業に失敗して洗濯機を故障させてしまうリスクも考慮する必要があります。
仕上がりの品質については、プロの技術と専用機材には敵いません。業者は洗濯機の構造を熟知しており、効率的かつ安全に作業を進めることができます。また、万が一作業中に洗濯機が故障した場合の損害保険にも加入しているため、安心して任せることができます。
ただし、自分で作業することで洗濯機の構造を理解できたり、今後のメンテナンスに活かせたりする学習効果もあります。機械いじりが好きな方や時間に余裕がある方には、挑戦する価値があると言えるでしょう。
失敗を避けるための注意点
作業段階 | 注意点 | 失敗を防ぐコツ |
---|---|---|
重要 | 事前準備
取扱説明書の確認必須 メーカー保証期間の確認 作業スペースの確保 |
機種別の分解方法を事前学習 保証期間内なら分解を避ける 十分な照明と換気を確保 |
危険 | 電源・配線
電源コードは必ず抜く ホース取り外し時の水濡れ注意 配線の位置を記録 |
コンセント確認を二重チェック タオルで水受けを準備 配線は写真で記録する |
コツ | 分解作業
部品の取り外し順序を記録 ネジの紛失に注意 無理な力を加えない |
各段階で写真撮影 ネジは容器で分類保管 固い部品は潤滑剤使用 |
安全 | 洗浄作業
洗剤の適切な希釈 換気を十分に行う 他の洗剤と混合禁止 |
ゴム手袋・マスク着用 窓を開けて風通し良く 洗剤は一種類ずつ使用 |
重要 | 組み立て
部品の向きを間違えない ネジの締めすぎ注意 組み立て後の動作確認 |
分解時の写真を参照 手締め後に工具で適度に締める 試運転で異音チェック |
洗濯機の分解洗浄で失敗を避けるためには、事前の準備と正しい手順の把握が欠かせません。
最も大切なのは、作業前に取扱説明書を必ず確認することです。洗濯機のメーカーや機種によって分解方法が異なるため、自分の洗濯機に対応した正しい手順を把握しておく必要があります。
作業中は、部品を取り外した順序を写真やメモで記録しておきましょう。特に小さなネジやワッシャーなどは、どの部分に使用されていたかを明確にしておかないと、組み立て時に困ることになります。
電源コードは作業開始前に必ずコンセントから抜き、給水ホースと排水ホースも安全に取り外しておきます。水が残っている場合があるため、タオルを用意して水濡れに注意しながら作業を進めてください。
無理な力をかけないことも重要なポイントです。プラスチック部品や電子部品は破損しやすく、一度壊してしまうと修理費用が高額になる場合があります。固くて外れない部品がある場合は、潤滑剤を使用したり時間をおいたりして、慎重に作業を進めましょう。
また、洗剤の取り扱いにも注意が必要です。塩素系漂白剤を使用する際は換気を十分に行い、他の洗剤と混ぜないよう注意してください。
壊れた時のリスクと対処法

自分で分解洗浄を行う際に最も心配なのが、洗濯機を壊してしまうリスクです。
分解作業中に起こりやすいトラブルとしては、プラスチック部品の破損、電子基板への水の浸入、配線の断線などがあります。特に、無理な力で部品を外そうとした際に起こる破損は、修理費用が高額になることが多いです。
組み立て時のトラブルも深刻です。部品の取り付け順序を間違えたり、ネジの締め付けが不十分だったりすると、洗濯機が正常に動作しなくなります。最悪の場合、運転中に異音がしたり水漏れが発生したりする恐れもあります。
自分で分解して故障させてしまった場合、メーカー保証の対象外となることがほとんどです。修理を依頼する際は、実費での対応となるため、新しい洗濯機を購入するのと変わらない費用がかかる場合もあります。
対処法としては、まず作業前にメーカーの保証内容を確認しておくことが大切です。保証期間内であれば、分解洗浄は避けて通常のメンテナンスに留めることをおすすめします。
万が一故障させてしまった場合は、すぐにメーカーのサービスセンターに連絡しましょう。自分で修理しようとせず、プロの診断を受けることが重要です。
リスクを最小限に抑えるためには、高価な洗濯機や購入したばかりの機種では分解洗浄を避け、古い機種で練習することをおすすめします。
洗濯機を自分で分解洗浄する方法とタイプ別の難易度

ここからは、実際に洗濯機を分解洗浄する具体的な方法をご紹介します。
縦型とドラム式では作業の難易度が大きく異なるため、それぞれの特徴を理解した上で挑戦するかどうかを決めることをおすすめします。
縦型洗濯機の基本的な分解手順
手順 | 作業内容 | 難易度 | 所要時間 | 使用工具 |
---|---|---|---|---|
1 安全確保 |
電源コード抜取り 給水・排水ホース取り外し 作業エリアの準備 |
簡単 | 15分 | タオル、容器 |
2 上部パネル除去 |
カバーを外してネジを露出 背面・側面のネジを取り外し 上部パネルを慎重に取り外し |
簡単 | 20分 | ドライバー |
3 パルセーター除去 |
中央ネジまたはナットを確認 回転羽根を慎重に取り外し カビ汚れの状態を確認 |
普通 | 15分 | ドライバー、潤滑剤 |
4 38mmナット除去 |
38mmソケットを準備 変換アダプターを装着 固いナットを慎重に回す |
困難 | 30分 | 38mmソケット、インパクト |
5 洗濯槽取り外し |
外槽上部リングを除去 洗濯槽を中心軸から抜き取り 複数人で重量に注意 |
困難 | 20分 | 補助者、軍手 |
6 洗浄作業 |
各部品を漂白剤につけ置き ブラシで物理的清掃 外槽内部の汚れ除去 |
普通 | 120分 | 漂白剤、ブラシ、手袋 |
7 組み立て |
分解の逆手順で組み立て 部品の向きと位置を確認 ネジの適切な締め付け |
普通 | 60分 | 分解時の写真、工具一式 |
縦型洗濯機の分解洗浄は、正しい手順を踏めば比較的取り組みやすい作業です。
まず、安全確保のために電源コードをコンセントから抜き、給水ホースと排水ホースを取り外します。水栓を閉めてからホースを外し、残った水はタオルで拭き取ってください。
次に、洗濯機の上部パネルを外していきます。多くの機種では、背面や側面にあるネジを外すことで上部パネルが取り外せます。ネジにはカバーが付いている場合があるため、マイナスドライバーで慎重に外しましょう。
洗濯槽内部のパルセーター(回転羽根)を取り外します。中央のネジまたはナットを外すことで取り外せますが、固く締まっている場合は潤滑剤を使用して慎重に作業してください。
外槽上部のリングを取り外したら、いよいよ洗濯槽本体の取り外しです。洗濯槽を固定している38mmナットが最も難しい部分で、専用工具がないと外すことができません。この作業が縦型洗濯機分解の最大の難所と言えるでしょう。
ナットが外れたら、洗濯槽を中心軸から慎重に抜き取ります。重量があるため、一人での作業は避けて必ず複数人で行ってください。
取り外した各部品は、塩素系漂白剤を薄めた水溶液につけ置きした後、スポンジやブラシで汚れを除去します。洗濯槽の外側と底面は特に汚れが蓄積しやすい部分なので、念入りに清掃しましょう。
組み立ては分解の逆手順で行いますが、部品の向きや取り付け位置を間違えないよう、分解時の写真を参考にしながら慎重に進めてください。
ドラム式洗濯機の分解が難しい理由

ドラム式洗濯機の分解洗浄は、縦型と比較して格段に難易度が高い作業となります。
最大の理由は、構造の複雑さです。ドラム式洗濯機は外側カバー、内側カバー、ドラム槽、乾燥ダクトなど、多数の部品が精密に組み合わされており、分解には高度な技術と知識が必要になります。
分解手順も複雑で、まず外側カバーとドアを順番に取り外し、次にドラム槽を覆う内側カバーを外していきます。この過程で大量のネジを扱うことになり、1つでも紛失したり取り付け位置を間違えたりすると、正常に組み立てることができません。
乾燥機能付きのドラム式では、熱交換器や乾燥ダクトの清掃も必要になります。これらの部品は非常にデリケートで、少しでも損傷すると乾燥性能に大きな影響を与えてしまいます。
また、ドラム式洗濯機は重量が重く、一人での作業は困難です。部品の取り外しや取り付けには複数人での作業が不可欠で、適切な作業スペースも確保する必要があります。
電子部品や配線が複雑に配置されているため、水濡れや静電気による故障リスクも高くなります。一度故障すると修理費用が非常に高額になることが多く、新品購入を検討する必要が出てくる場合もあります。
これらの理由から、ドラム式洗濯機の分解洗浄は、機械に詳しい方や十分な経験がある方以外にはおすすめできません。多くの場合、プロの業者に依頼する方が安全で確実と言えるでしょう。
ワカメみたいなゴミの原因と取り方

洗濯物に付着する「ワカメみたいなゴミ」の正体は、洗濯槽の裏側に蓄積した黒カビが剥がれ落ちたものです。
このワカメ状のゴミが発生する原因は、洗濯槽の二重構造にあります。洗濯槽の裏側は手が届かない場所で、溶け残った洗剤や石鹸カス、衣類から出た皮脂汚れなどが蓄積しやすい環境です。湿度も高く保たれるため、カビが繁殖するには最適な条件が揃っています。
特に、洗濯槽の底面や凸凹した部分には、厚く黒カビが付着することが多く、これが洗濯時の水流によって剥がれ落ちてワカメ状のゴミとなって現れます。
衣類に付着したワカメ状のゴミを取り除く方法としては、まず酸素系漂白剤を使ったつけ置き洗いが効果的です。40~50度のお湯に酸素系漂白剤を溶かし、30分程度つけ置きしてから通常の洗濯を行います。
頑固な汚れの場合は、塩素系漂白剤の原液を綿棒や歯ブラシで直接塗布し、しばらく放置してから洗濯する方法もあります。ただし、色落ちの心配がない白い衣類に限定して使用してください。
洋服ブラシやガムテープを使って物理的に除去することも可能ですが、繊維の奥に入り込んだカビは完全に除去できない場合があります。
根本的な解決には、洗濯槽自体の清掃が必要です。市販の洗濯槽クリーナーを月1回程度使用し、それでも改善されない場合は分解洗浄を検討しましょう。
予防策として、洗濯後は必ず蓋を開けて内部を乾燥させる、汚れた衣類を洗濯機内に放置しない、洗剤の使用量を適切に調整するなどの日常的なメンテナンスが効果的です。
分解洗浄後のメンテナンス

分解洗浄を行った後も、適切なメンテナンスを継続することで洗濯機を清潔に保つことができます。
最も基本的なメンテナンスは、洗濯後の乾燥です。洗濯が終わったら必ず蓋を開けて内部の湿気を逃がし、カビの発生を防ぎましょう。乾燥機能付きの洗濯機なら、週1回程度は衣類の乾燥コースを使用して内部を乾燥させることをおすすめします。
糸くずフィルターの清掃も重要です。理想的には洗濯のたびにゴミを取り除き、週1回程度は取り外して水洗いしましょう。フィルターにゴミが蓄積すると排水効率が低下し、カビの原因にもなります。
洗剤投入口や柔軟剤投入口も定期的に清掃してください。溶け残った洗剤が固まって汚れの原因となることがあります。月1回程度は取り外して水洗いし、細かい部分は歯ブラシなどで清掃しましょう。
市販の洗濯槽クリーナーを使った清掃は、分解洗浄後も月1回程度継続してください。酸素系クリーナーを定期的に使用し、汚れがひどい場合のみ塩素系クリーナーを使用するという使い分けが効果的です。
洗剤の使用量も適切に調整しましょう。多すぎると溶け残りが発生し、少なすぎると汚れが十分に落ちません。洗濯物の量や汚れ具合に応じて、適量を使用することが大切です。
汚れた衣類を洗濯機内に長時間放置することは避け、洗濯の直前まで洗濯カゴで保管するようにしてください。
これらのメンテナンスを継続することで、分解洗浄の効果を長期間維持し、次回の分解洗浄までの期間を延ばすことができるでしょう。
総括:洗濯機の分解洗浄は自分でできるか
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。