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洗濯機キャスターを買う前に!おすすめしないと言われる訳を徹底考察

洗濯機のマメ知識

洗濯機の下を楽にお掃除できるキャスター付きの台。

これまで当サイトでは、便利な家事楽アイテムとして何度かご紹介してきましたし、私も家電量販店でお客様とお話しする際は、メリットを中心にお伝えすることが多かったんです。

ですが最近、「洗濯機のキャスターは実はおすすめしない」という意見をよく耳にするようになりました。便利なはずなのに、一体どうしてなのでしょうか?

そこで今回は、いつもと視点を変え、あえて「おすすめしない派」の立場に立って、その主張の裏にある理由やデメリットの実態を徹底的に調査してみることにしました。

巷で言われている振動や騒音のリスク、ドラム式洗濯機との相性、さらには賃貸物件での注意点など、気になるポイントはたくさんありますよね。

この記事では、なぜキャスターがおすすめされないのか、その具体的な理由を深く掘り下げ、「ふんばるマン」のような固定台との違いも比較しながら、安全な洗濯機環境について考えていきます。

この記事のポイント
  • 洗濯機にキャスターをおすすめしない理由
  • キャスター付き台のメリットとデメリット
  • ふんばるマンなど他のかさ上げグッズとの違い
  • それでもキャスターを選ぶ際の注意点

洗濯機にキャスターをおすすめしない理由とは?

クリーン家電ガイド:イメージ

それでは早速、多くの方が疑問に思っている「なぜ洗濯機のキャスターはおすすめしないのか」という点について、掘り下げて見ていきましょう。

便利なはずのキャスターが推奨されないのには、いくつかの明確な理由が存在するんです。
ここでは、具体的なデメリットや潜んでいるリスクについて、一つひとつ丁寧に解説していきますね。

洗濯機キャスター付き台のデメリット

洗濯機にキャスター付きの台を設置すると、確かにお掃除は楽になります。
ですが、その手軽さと引き換えに、いくつかのデメリットがあることも知っておいてほしいんです。

まず、一番の問題は洗濯機の安定性が損なわれることですね。

洗濯機、特に脱水時は高速で回転するため、かなりの振動が発生します。足元が固定されていないキャスター台では、その振動を吸収しきれず、ガタガタと大きく揺れてしまうことが多いんです。

この揺れが、騒音の大きな原因にもなります。

また、キャスターのストッパー機能だけでは、長期間の使用で徐々に位置がずれてしまうこともあります。そうなると、給水ホースや排水ホースに余計な力がかかり、水漏れの原因になる可能性も否定できません。

さらに、床の素材によってはキャスターの跡が付いてしまったり、傷の原因になったりすることも考えられます。せっかくお掃除しやすくしたのに、床を傷つけてしまっては本末転倒ですよね。

このように、移動できる便利さの裏には、安定性の低下やそれに伴う様々なリスクが隠れているんです。

振動や騒音による事故のリスク

先ほどもお伝えしたように、キャスター台は洗濯機の振動を大きくしてしまう可能性があります。

この振動が、単に「うるさい」という問題だけでなく、思わぬ事故につながるリスクをはらんでいるんです。

家電量販店で働いていた時のお客様の話ですが、脱水時の激しい揺れで洗濯機がキャスター台からずり落ちてしまった、というケースがありました。

幸い大きな故障には至らなかったそうですが、一歩間違えれば、洗濯機が転倒して給水ホースが外れ、床が水浸しになる大惨事につながっていたかもしれません。

特に、最近の洗濯機は節水タイプが多く、ドラム式などは本体重量が80kgを超えるモデルも珍しくありません。そんな重たいものが倒れてきたら、人や建物に被害が及ぶ可能性も十分に考えられます。

また、振動は建物の構造を伝って、ご近所への騒音トラブルに発展することもあります。アパートやマンションなどの集合住宅では、この騒音問題は特に深刻ですよね。

自分にとっては少しの音でも、階下や隣の部屋の方にとっては大きなストレスになっているかもしれません。便利さだけを追求してキャスター台を選んだ結果、ご近所付き合いが悪化してしまっては、元も子もないのではないでしょうか。

賃貸物件では禁止の場合もある?

アパートやマンションなどの賃貸物件にお住まいの方は、特に注意が必要です。

実は、物件の管理規約によっては、洗濯機の下にキャスター付きの台を置くことを禁止している場合があるんです。

なぜなら、先ほどからお話ししている振動や騒音が、他の入居者への迷惑行為とみなされる可能性があるからですね。

脱水時の大きな音や振動は、床や壁を伝って予想以上に広範囲に響いてしまいます。夜間に洗濯機を回すことが多いご家庭では、騒音トラブルのリスクはさらに高まります。

また、万が一、振動で洗濯機が転倒し、給水ホースが外れて水漏れを起こした場合、階下の部屋まで被害が及ぶ大問題に発展しかねません。そうなると、ご自身の家財だけでなく、階下の方への損害賠償責任も発生してしまいます。

このようなトラブルを未然に防ぐため、大家さんや管理会社が規約でキャスター台の使用を制限しているケースは少なくありません。

もし、規約で禁止されているにもかかわらず使用してトラブルになった場合、責任を問われるのはご自身です。キャスター台を購入する前には、必ず賃貸借契約書や管理規約を確認することをおすすめします。

わからない場合は、管理会社や大家さんに直接問い合わせてみると安心ですね。

メーカーがキャスター台を推奨しない理由

実は、パナソニックや日立、東芝といったほとんどの洗濯機メーカーは、純正オプションとしてキャスター付きの置き台を販売していません。

それどころか、取扱説明書などで「キャスター付きの台には設置しないでください」と注意喚起している場合がほとんどです。

これにはちゃんとした理由があるんです。

洗濯機メーカーは、製品を設計する際に、日本の一般的な住環境である「固く平らな床」に直接設置されることを前提として、振動や騒音を抑えるためのバランス設計をしています。

高性能なサスペンションや振動吸収の仕組みは、足元がしっかり固定されていて初めてその能力を最大限に発揮できるんですね。

ところが、キャスター台の上に置いてしまうと、その土台が不安定になるため、メーカーが想定した振動抑制効果が得られなくなってしまいます。

結果として、異常な振動や騒音が発生しやすくなるんです。

また、最新の洗濯機には、脱水時のアンバランスを検知して回転を調整するなどの安全機能が搭載されていますが、キャスター台の上ではそのセンサーが正常に働かず、エラー停止の原因になったり、最悪の場合は故障につながったりする可能性も考えられます。

メーカーとしては、推奨外の環境で使用された場合の製品保証はできません。これがメーカーがキャスター台をおすすめしない、とても大きな理由なんです。

ふんばるマンとキャスターはどっちが良い?

洗濯機のかさ上げグッズとして、キャスター台とよく比較されるのが「ふんばるマン」のような固定式の置き台です。

どちらが良いか迷う方も多いですよね。

結論から言うと、安全性や静音性を重視するなら、断然ふんばるマンをおすすめします。

ふんばるマンは、ゴム製のしっかりとした土台で洗濯機の四隅を支えるため、安定感が抜群です。床にしっかりと固定されることで、脱水時の振動を吸収し、騒音をかなり軽減してくれる効果が期待できます。

一方のキャスター台は、最大のメリットである「移動のしやすさ」と引き換えに、安定性を犠牲にしています。

お掃除の頻度が非常に高く、どうしても毎回洗濯機を動かしたい、という特別な事情がなければ、振動や騒音、転倒のリスクを考えると、ふんばるマンの方がはるかに安心して使えます。

価格もふんばるマンの方が手頃な場合が多いですし、設置も洗濯機の下に敷くだけなので比較的簡単です。

「掃除はしたいけど、安全性も気になる」という方には、まさにぴったりの選択肢ではないでしょうか。

防水パンありでもキャスターは使える?

洗濯機用の防水パンが設置されているお宅も多いと思います。
「この防水パンの中にキャスター台を置いてもいいの?」という質問もよくいただきます。

物理的にサイズが収まれば設置自体は可能ですが、正直なところ、あまりおすすめはできません。

その理由は、やはり安定性の問題です。

防水パンの多くは、中央に排水口があったり、水が流れやすいようにわずかな傾斜が付いていたり、底面が完全にフラットではなかったりします。

そのような場所にキャスター台を置くと、さらに不安定さが増してしまい、ガタつきや振動がひどくなる原因になります。

また、防水パンのフチの高さによっては、せっかくのキャスターが引っかかってしまい、スムーズに移動させられないという本末転倒な事態も起こりえます。

無理に動かそうとすると、防水パン自体を傷つけたり、破損させたりする恐れもありますね。

防水パンは、万が一の水漏れから床を守るための大切な設備です。その中で不安定なキャスター台を使うのは、リスクを高めるだけになってしまうかもしれません。

もし防水パンの中でかさ上げをしたいのであれば、先ほど紹介したふんばるマンのような、点で支える固定式の台を選ぶのが賢明だと思います。

おすすめしないけど洗濯機キャスターを選ぶ時の注意点

クリーン家電ガイド:イメージ

ここまでキャスター台のデメリットを中心にお話ししてきましたが、「それでもやっぱり、こまめに掃除したいからキャスターを使いたい」という方もいらっしゃると思います。

そこでこの章では、リスクを理解した上で、どうしてもキャスター台を選びたいという方に向けて、選び方のポイントや注意点について解説していきますね。

後悔しないためにも、ぜひ参考にしてください。

ドラム式洗濯機にキャスターは危険?

縦型洗濯機よりも、ドラム式洗濯機にキャスター台を使いたいと考えている方は、特に注意が必要です。

はっきり言ってしまうと、ドラム式洗濯機にキャスター台を組み合わせるのは、非常に危険なのでおすすめできません。

その理由は、まず本体の重量にあります。

ドラム式洗濯機は、機種によっては80kgを超えるものも珍しくなく、縦型とは比べ物にならないほど重たいです。この重量を、小さな四隅のキャスターだけで支えるのは、台にとってかなりの負担になります。

さらに、ドラム式は洗濯槽が横向きに回転するため、脱水時には特有の横揺れが発生しやすいという特徴があります。この「重さ」と「横揺れ」が組み合わさることで、キャスター台の上では極めて不安定な状態になってしまうんです。

最悪の場合、台が破損したり、洗濯機が台からずり落ちて転倒したりする重大な事故につながる恐れがあります。

私がお店にいたら、ドラム式洗濯機をお使いのお客様には、間違いなくキャスター台以外の方法をおすすめします。安全には代えられませんからね。

業者で設置してくれないケースも

新しい洗濯機を購入した際、配送と一緒に設置までお願いするのが一般的ですよね。
しかし、ここで一つ落とし穴があります。

それは、ご自身で用意したキャスター台の上に、設置業者が洗濯機を乗せてくれないケースがほとんどだということです。

これは、業者が意地悪をしているわけではありません。
先ほどメーカーが推奨しない理由でもお話ししたように、キャスター台への設置はメーカーの保証対象外となる行為だからです。

もし、業者がキャスター台に設置して、その後で振動や故障、水漏れなどのトラブルが発生した場合、その責任を問われかねません。

そのため、設置業者は社内ルールとして「メーカー指定外の台への設置はお断りする」と定めている場合がほとんどなんです。

つまり、業者さんは防水パンや床の上に洗濯機を置くまでが仕事。
そのあと、重たい洗濯機を自分たちで持ち上げてキャスター台に乗せる、という大変な作業が待っていることになります。

この手間とリスクを考えると、本当にキャスター台が必要なのか、もう一度考えてみる価値はあるのではないでしょうか。

洗濯機をかさ上げするメリット

これまでキャスター台のリスクについてお話ししてきましたが、洗濯機を「かさ上げ」すること自体には、たくさんのメリットがあるんですよ。

キャスター台もかさ上げの一種ですが、ここでは安定した固定式の台を使った場合を考えてみましょう。

洗濯機かさ上げ台のメリット
お掃除のしやすさ
洗濯機の下に数センチの隙間ができるだけで、掃除機のノズルやフローリングワイパーがスッと入るようになります。ほこりや髪の毛が溜まりやすい場所なので、これを簡単にお掃除できるのは嬉しいポイントです。
排水の改善
洗濯機を高くすることで、排水ホースに適切な勾配をつけやすくなります。これにより、排水がスムーズになり、ホース内に水が残りにくくなるため、汚れの付着やニオイの発生を防ぐ効果が期待できます。
振動・騒音軽減
しっかりとした防振ゴム製のかさ上げ台を選べば、振動や騒音を軽減する効果もあります。マンションやアパートでの騒音対策としても有効です。
腰への負担軽減
特にドラム式洗濯機の場合、少し高さを出すことで、洗濯物の出し入れの際に腰をかがめる負担が減るという、思わぬメリットもあります。

最大のメリットは、やはりお掃除のしやすさですね。

洗濯機の下に数センチの隙間ができるだけで、掃除機のノズルやフローリングワイパーがスッと入るようになります。ほこりや髪の毛が溜まりやすい場所なので、これを簡単にお掃除できるのは嬉しいポイントです。

次に、排水の改善です。

洗濯機を高くすることで、排水ホースに適切な勾配をつけやすくなります。これにより、排水がスムーズになり、ホース内に水が残りにくくなるため、汚れの付着やニオイの発生を防ぐ効果が期待できます。

また、しっかりとした防振ゴム製のかさ上げ台を選べば、振動や騒音を軽減する効果もあります。

特にドラム式洗濯機の場合、少し高さを出すことで、洗濯物の出し入れの際に腰をかがめる負担が減るという、思わぬメリットもありますよ。

逆にかさ上げが推奨されない理由

メリットの多いかさ上げですが、ご家庭の環境によっては、逆におすすめできないケースも存在します。

洗濯機かさ上げ台の注意点
注意
高さの問題
かさ上げすることで洗濯機全体の高さが増すため、上に棚があったり、窓があったりする場所に設置できなくなる可能性があります。

また、縦型洗濯機の場合、本体が高くなりすぎて、小柄な方だと洗濯槽の底にある洗濯物が取り出しにくくなってしまうこともあります。
注意
給水用蛇口の位置
洗濯機を高くしたことで、給水ホースが蛇口に届かなくなったり、無理な角度で接続することになったりする場合があります。

ホースに負担がかかると、水漏れの原因になるので注意が必要ですね。
注意
設置場所の安定性
もともと床が柔らかかったり、傾いていたりする場所に不安定なかさ上げ台を置くと、かえってガタつきがひどくなることも考えられます。

設置前には床の状態をしっかりと確認することが重要です。

まず考えられるのが、高さの問題です。

かさ上げすることで洗濯機全体の高さが増すため、上に棚があったり、窓があったりする場所に設置できなくなる可能性があります。

また、縦型洗濯機の場合、本体が高くなりすぎて、小柄な方だと洗濯槽の底にある洗濯物が取り出しにくくなってしまうこともあります。

次に、給水用の蛇口の位置です。

洗濯機を高くしたことで、給水ホースが蛇口に届くなくなったり、無理な角度で接続することになったりする場合があります。ホースに負担がかかると、水漏れの原因になるので注意が必要ですね。

さらに、設置場所の安定性も重要です。

もともと床が柔らかかったり、傾いていたりする場所に不安定なかさ上げ台を置くと、かえってガタつきがひどくなることも考えられます。

かさ上げを検討する際は、設置スペースの寸法を正確に測り、蛇口の位置や床の状態を事前にしっかりと確認することが大切です。

ご自宅の環境に合っているかどうかを、冷静に判断してみてくださいね。

最終結論!キャスター台は必要か

ここまで、洗濯機にキャスター台を使うことのメリットとデメリット、そして注意点について詳しく見てきました。

それを踏まえて、「結局、キャスター台は必要なの?」と聞かれたら、家電のプロとしての私の答えは、「ほとんどのご家庭では、リスクを考えると積極的におすすめはできない」です。

確かにお掃除が楽になるというメリットは魅力的ですが、それ以上に、振動や騒音の悪化、転倒や水漏れといった事故のリスクが大きすぎると感じます。

特に、重量のあるドラム式洗濯機や、集合住宅にお住まいの方には、デメリットの方がはるかに上回るのではないでしょうか。

洗濯機の下を清潔に保ちたいという目的であれば、ふんばるマンのような安定性の高い固定式のかさ上げ台で十分対応できます。

隙間ができるのでお掃除もしやすくなりますし、何より安心して洗濯機を使えます。

もし、どうしても移動させる必要がある特別な理由がある場合にのみ、耐荷重や安全性を十分考慮した上で、自己責任で使う、という選択肢になると思います。

毎日の家事を安全で快適にするために、ぜひ慎重な判断をしてくださいね。

総括:洗濯機キャスターをおすすめしない理由

それでは最後に、この記事の内容をまとめます。

  • キャスター台は掃除を楽にする
  • しかし安定性が著しく低下する
  • 脱水時の振動と騒音が悪化しやすい
  • 洗濯機が転倒する事故リスクがある
  • 水漏れや故障の原因になりうる
  • 床に傷や跡が付く可能性がある
  • 賃貸物件では規約で禁止の場合も
  • 騒音による近隣トラブルに注意
  • 洗濯機メーカーは使用を推奨していない
  • メーカーの保証対象外になることも
  • ドラム式洗濯機での使用は特に危険
  • 設置業者が取り付けを断るケースが多い
  • 安定性なら「ふんばるマン」が優れる
  • 防水パンとの併用は不安定さを増す
  • 安全性と利便性を天秤にかける必要がある

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