朝の忙しい時間に洗濯機のスタートボタンを押したのに、いつもと違って水がチョロチョロとしか出てこない。
もしかして故障?と不安になりますよね。
実は、洗濯機から水の出が悪い原因は、本体の故障だけとは限りません。蛇口の開き具合や給水弁フィルターの詰まり、さらには緊急止水弁が作動しているケースなど、意外と身近なところに原因が潜んでいることも多いんです。
ドラム式洗濯機をお使いの方は、節水性能の高さゆえに少しの異常でもエラーが出やすい傾向にあります。また、洗濯機からブーンというモーター音が聞こえる場合は、お湯取りポンプが空回りしている可能性も考えられます。
緊急止水弁はなぜ作動するのか、その仕組みを理解しておくことも大切です。地震などの揺れでホースが外れた際に水浸しを防ぐ安全装置なのですが、作動してしまうと水が止まってしまいます。
解除方法を知っていれば自分で対処できますし、止水弁を押しても水が出てくるといったトラブルにも落ち着いて対応できるでしょう。
この記事では、洗濯機の水が少ししか出ない症状について、考えられる原因から具体的な修理や直し方まで、家電のプロの視点でわかりやすくお伝えしていきます。
自分で解決できるケースと業者に依頼すべきケースの見極め方も含めて、あなたの洗濯機トラブルを解消するための情報をしっかりとご紹介しますね。
洗濯機の水が少ししか出ない!考えられる原因

- 水の出が悪い原因
- すすぎで水が少ししか出ない
- ドラム式洗濯機に特有のトラブル
- モーター音が聞こえる場合
- 緊急止水弁はなぜ作動するのか
まずは、洗濯機の水の出が悪くなってしまう原因を探っていきましょう。
実は、洗濯機本体の故障ではないことも多いんです。一つひとつ、心当たりがないかチェックしてみてくださいね。
水の出が悪い原因
洗濯機の水の出が悪いとき、最初に疑いたいのは、実はとても基本的なポイントだったりします。「まさかうちが?」と思わずに、一度確認してみることをおすすめします。
一番多いのは、洗濯機につながっている水道の蛇口がしっかり開いていないケースです。何かの拍子に少し閉まってしまっていたり、ご家族の誰かが閉めていたりすることもあるかもしれません。
また、大元の水道の元栓が閉まっている可能性も考えられます。特に、お家のどこかで水道工事をした後や、引っ越してきたばかりの時には見落としがちなので、一度確認してみてくださいね。
次に、特に冬場に多いのが水道管や給水ホースの凍結です。外の気温が氷点下になるような寒い日、特に洗濯機を屋外やベランダに設置しているご家庭では注意が必要です。ホースの中で水が凍ってしまい、水の通り道を塞いでしまうんですね。この場合は、気温が上がって自然に溶けるのを待つのが一番安全だと思います。
そして、もう一つ考えられるのが断水です。お住まいの地域で水道工事などが行われていないか、マンションの場合は管理組合からのお知らせなどがないか確認してみましょう。他の蛇口からも水が出なければ、断水の可能性が高いですね。
すすぎで水が少ししか出ない
「洗い」のときは問題ないのに、なぜか「すすぎ」のときだけ水の出が悪い、という少し不思議な症状もありますよね。この場合、洗濯機の設定や特定の機能が関係していることが多いんです。
まず考えられるのが、お風呂の残り湯を使う「お湯取り機能」の設定です。
洗いだけでなく、すすぎの1回目もお湯取り設定にしていると、洗濯機はお風呂の残り湯を吸い上げようとします。もし浴槽にお湯がなかったり、お湯取りホースがうまくセットされていなかったりすると、水を吸い上げられずにエラーになってしまったり、給水が止まってしまったりするんですね。一度、洗濯機の設定を見直してみると良いかもしれません。
また、洗濯槽内の水量や衣類の量を検知する「水位センサー」の不具合も考えられます。
センサーが汚れていたり、うまく機能していなかったりすると、洗濯物の量を正しく認識できず、すすぎの際に必要な水量を給水できないことがあるんです。洗濯槽のお掃除をしばらくしていない場合は、一度、槽洗浄を試してみるのも一つの手だと思います。
これらは洗濯機の故障というよりは、設定の見直しやメンテナンスで改善することが多いポイントです。すすぎの時だけ調子が悪いなと感じたら、ぜひチェックしてみてくださいね。
ドラム式洗濯機に特有のトラブル
最近主流のドラム式洗濯機は、少ない水量で効率よく洗えるのが魅力ですよね。でもその節水性能の高さから、タテ型洗濯機とは少し違ったトラブルが起きることもあるんです。
ドラム式洗濯機は、もともと使う水の量が少ないため、少しの給水異常でもエラーとして検知しやすい傾向があります。
例えば、給水フィルターにほんの少しゴミが詰まっているだけでも、必要な時間内に規定の水位に達しないと判断され、すぐにエラーで止まってしまうことがあるんですね。
また、水位センサーが非常に敏感な機種も多いです。
衣類が絡まって一時的に片寄ったりすると、センサーが異常を検知して給水を止めてしまうことも。ドラム式はたたき洗いが基本なので、衣類のバランスも給水に影響することがあるんです。
家電量販店で働いていると、「ドラム式にしてから、エラーがよく出るようになった気がする」というお声を聞くことがあります。これは節水やセンサーの性能が上がったことで、より繊細な運転管理をするようになったから、とも言えるんですね。こまめなフィルター掃除がドラム式を快適に使うコツかもしれません。
さらに、機種によっては給水フィルターの形状がタテ型と異なり、お手入れが少し複雑な場合もあります。取扱説明書を確認しながら、定期的にお掃除してあげるのが、トラブルを防ぐ一番の近道だと思います。
モーター音が聞こえる場合

洗濯機から水が出ないときに、「ブーン」とか「ジー」といった、普段はあまり聞かないモーター音が聞こえてくることはありませんか?
もし、「ブーン」という低いモーター音がしているなら、それはお風呂の残り湯を吸い上げる「お湯取りポンプ」が動いている音の可能性が高いです。
先ほどもお伝えしたように、お湯取り設定になっているのに浴槽に水がないと、ポンプが水を吸い上げられず、空回りして「ブーン」という音を立て続けることがあるんです。この場合は、お湯取り設定をオフにすれば解決することがほとんどですね。
一方で、「ジー」という少し甲高い音が続く場合は、給水弁の不具合が疑われます。
給水弁は、電気の力で水の通り道を開け閉めする部品なのですが、これが故障しかけていると、うまく開かずに異音を発生させることがあります。この音が聞こえるのに水が全く出てこない、という場合は、給水弁自体の交換が必要になるかもしれません。
音が聞こえるということは、洗濯機が「水を入れよう」と頑張っている証拠でもあります。どんな音がしているかを注意深く聞いてみると、原因を特定する大きなヒントになりますよ。
緊急止水弁はなぜ作動するのか
「緊急止水弁」という言葉、あまり聞き馴染みがないかもしれませんね。これは、洗濯機の給水ホースと蛇口をつなぐ部分に付いている、とても大切な安全装置なんです。
この装置の役割は、その名の通り、万が一の事態が起きた時に、自動で水の供給を止めてくれることです。
例えば、大きな地震の揺れで給水ホースが蛇口から外れてしまった場合を想像してみてください。もしこの装置がなければ、水が噴き出し続けてお部屋が水浸し…なんて大惨事になってしまいますよね。
そうした事態を防ぐために、ホースが外れるなどの異常を検知すると、弁が作動してピタッと水を止めてくれる仕組みなんです。
ですから、もし緊急止水弁が作動していたとしても、それは故障ではなく安全装置がきちんと仕事をしてくれた証拠なんです。
原因がわからず水が出ないときは、一度、給水ホースの接続部分を確認してみてください。もし弁が作動しているようなら、まずは落ち着いてホースが外れていないかなどをチェックすることが大切ですね。
洗濯機の水が少ししか出ない時の対処法

- まずは確認するべきこと
- 給水弁フィルターのお手入れ方法
- 緊急止水弁の正しい解除方法
- 緊急止水弁を押しても出てくるときは?
- 簡単な修理と直し方のポイント
- 業者に依頼するべきケースとは
原因の見当がついたら、次はいよいよ対処法です。
専門的な知識がなくても、自分で解決できることは意外とたくさんあります。慌てず、一つひとつ安全に試していきましょう。
作業を始める前には、念のため洗濯機の電源プラグを抜いておくと、より安心ですね。
まずは確認するべきこと
具体的な作業に入る前に、もう一度だけ基本的なポイントを確認しておきましょう。
原因究明のパートでも触れましたが、対処法を試す前の最終チェックとして、以下の点を見直してみてください。この段階で解決すれば、一番簡単ですもんね。
確認項目 | チェックするポイント |
---|---|
蛇口・元栓 | 洗濯機用の蛇口は全開になっていますか?お家の水道の元栓は閉まっていませんか? |
断水情報 | お住まいの地域で水道工事などの予定はありませんか?マンションの掲示板なども確認してみましょう。 |
給水ホース | ホースが折れ曲がっていたり、何か重いものに潰されたりしていませんか? |
洗濯機の設定 | 「お湯取り」設定になっていませんか?「槽洗浄」コースの途中ではありませんか? |
特に給水ホースの折れ曲がりは、洗濯機を壁際にぴったりつけていると起こりやすいトラブルです。少し洗濯機を前に出して、ホースの状態を確認してあげるだけでも、水の流れが改善することがありますよ。
給水弁フィルターのお手入れ方法
水の出が悪い原因として非常に多いのが、この給水弁フィルターの目詰まりです。水道水に含まれるわずかなサビや砂、ゴミなどが少しずつ溜まって、水の通り道を狭くしてしまうんですね。
ここをお掃除するだけで、まるで新品の時のように水の勢いが戻ることも多いので、ぜひ試してみてください。
このお手入れは、できれば半年に1回くらいのペースで行うのがおすすめです。
特に井戸水を使っているご家庭はゴミが溜まりやすいので、もう少しこまめにチェックすると良いかもしれませんね。
緊急止水弁の正しい解除方法
もし原因が「緊急止水弁の作動」だった場合、この安全装置をリセットしてあげる必要があります。初めてだと少し戸惑うかもしれませんが、手順さえ分かれば難しくありません。落ち着いて作業すれば大丈夫ですよ。
緊急止水弁が作動しているかどうかは、蛇口から給水ホースを外したときに、蛇口の先に白いプラスチックの突起(弁)が見えているかで判断できます。この突起が出ている状態が「作動中」のサインです。
私も昔、自宅でこれをやったことがあるんですが、水圧を下げるという手順を知らなくて、弁が固くて全然動かなかった経験があるんです。力ずくでやろうとすると故障の原因にもなるので、「水圧を下げる」というステップが一番のポイントですよ。
緊急止水弁を押しても出てくるときは?
「手順通りに緊急止水弁を解除しようとしたら、押したところから水が噴き出してきてパニックに!」というケースも、実は少なくありません。これは、作業の手順がどこかで間違っているサインかもしれませんね。
緊急止水弁を押したときに水が出てきてしまう一番の原因は、洗濯機用の蛇口を閉め忘れていることです。
蛇口が開いたままだと、弁を押した瞬間に水の出口ができてしまうため、当然水が出てきてしまいます。解除作業を始める前には、必ず蛇口が完全に閉まっていることを確認してください。
もう一つの原因として考えられるのは、水道管の水圧が十分に下がりきっていないことです。
前の項目で説明したように、一度他の蛇口を開けて圧力を抜く必要がありますが、この作業が不十分だと、残った圧力で水が押し出されてしまうことがあります。元栓を閉めた後、他の蛇口から水がチョロチョロとしか出なくなるまで、少し待ってから作業すると確実です。
どうしても上手くいかない場合や、作業に不安を感じる場合は、無理をせずに水道の元栓を閉めた状態で、専門の水道修理業者さんに相談するのが一番安全で確実だと思います。
簡単な修理と直し方のポイント

フィルターの掃除や緊急止水弁の解除を試しても改善しない場合、もう少しだけ踏み込んだ修理に挑戦してみるという選択肢もあります。
ただし、工具が必要になったり、少し難易度が上がったりするので、DIYに自信がある方向けの方法ですね。
一つは、給水ホース自体の交換です。
長年使っていると、ホースの内部が劣化したり、ゴミが固着してしまったりすることがあります。また、見た目ではわからなくても、内部で折れ曲がって水の流れを妨げていることも。給水ホースはホームセンターや家電量販店でも手に入るので、新しいものに交換するだけで劇的に改善する可能性があります。
もう一つは、蛇口内部の「コマパッキン」という部品の交換です。
蛇口を閉めたまま長期間使わないでいると、このゴム製のパッキンが固着してしまい、蛇口を開けても水が出なくなることがあります。これはモンキーレンチなどの工具が必要になりますが、部品自体は数百円で手に入ります。水道の元栓を閉めて、蛇口のハンドル部分を分解して交換する作業になります。
ただ、少しでも「難しいな」と感じたら、無理は禁物です。中途半端な作業は、かえって水漏れなどの大きなトラブルにつながる可能性もありますからね。
業者に依頼するべきケースとは
これまで紹介した方法をすべて試しても、どうしても水の出が改善しない…。そんなときは、いよいよ洗濯機本体の内部部品の故障や、ご家庭の水道設備に問題がある可能性が考えられます。
こうなると、残念ながら自分で対処するのは難しいので、プロの力を借りるタイミングです。
以下のような症状が見られる場合は、専門業者への相談を検討してみてください。
洗濯機本体の故障が疑われる場合は、まずは購入した販売店か、メーカーの修理相談窓口に連絡するのが良いでしょう。保証期間内であれば、無償で修理してもらえる可能性もあります。
連絡する際は、洗濯機の型番と、表示されているエラーコード、試した対処法などを伝えると、話がスムーズに進みますよ。
家全体の水圧が低いなど、水道設備の問題が考えられる場合は、お住まいの地域の水道局指定工事店(水道修理業者)に相談することになります。
どこに頼めばいいかわからない場合は、マンションであれば管理会社に一度相談してみるのも良い方法だと思います。
総括:洗濯機の水が少ししか出ないを解決
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。