毎日の生活の中で、掃除機をかける頻度について悩んでいる方は多いのではないでしょうか？
家族構成ごとに最適なペースは異なりますし、赤ちゃんやペットがいる家庭では特別な配慮も必要になります。毎日掃除機をかける人もいれば、週1回で十分と考える人もいて、どちらが正しいのか迷ってしまいますよね。
また、掃除機をかける時間帯にも近所迷惑にならないマナーがありますし、忙しい現代人にとって時短テクニックは欠かせない知識です。
家電量販店で働く私も、お客様から「うちの場合はどのくらいの頻度で掃除すればいいの？」とよく相談を受けます。実は掃除機をかける頻度に絶対的な正解はありませんが、家族構成やライフスタイルに合わせた目安は存在するんです。
この記事では、一人暮らしから四人家族まで、それぞれの家庭に最適な掃除機の頻度をお伝えします。さらに掃除にまつわる興味深い雑学や、忙しい方でも実践できる効率的な清掃方法もご紹介していきますね。
掃除機をかける頻度｜家族構成編
家族の人数や生活スタイルによって、掃除機をかける最適な頻度は大きく変わってきます。
一人暮らしと四人家族では汚れの蓄積具合も違いますし、共働きか専業主婦がいるかでも事情は異なりますよね。ここでは、それぞれの家庭環境に合わせた現実的な掃除頻度をご紹介していきます。
一人暮らしの場合
一人暮らしの方にとって、掃除機をかける頻度は週1回程度が目安になります。これは、朝早くから夜遅くまで仕事をしていることが多く、自宅にいる時間が限られているためです。
実際のアンケート調査では、一人暮らしの方の37.3％が「1週間に1回程度」と回答しており、これが最も多い結果となっています。
ただし、完全に掃除をサボってしまうのは衛生面で問題があります。2〜3日に1度は軽く掃除機をかけ、週に1回は時間を取って家全体を掃除するのが理想的です。一人暮らしでは掃除するスペースもそれほど広くないことが多いので、「使ったついでに」「気付いたら」というタイミングで少しずつ掃除をしておけば、大掃除をせずとも清潔な部屋を保てます。
忙しい平日は、フローリングワイパーやコロコロなどの音が出ない掃除道具を活用するのも良い方法です。朝家を出て夜に帰る生活をしていれば、床がほこりまみれになることも少ないため、掃除機をかけるのは週1回以下でも十分対応できるでしょう。
二人暮らしの場合
二人暮らしの場合、一人暮らしと比べて汚れが溜まりやすくなるため、掃除の頻度を少し増やす必要があります。店舗での調査結果によると、二人暮らし以上の家庭では3人に1人が「2〜3日に1回程度」掃除機をかけており、一人暮らしよりも掃除頻度が高くなっています。
共働き世帯では、どうしても仕事が生活の中心になってしまい、平日は掃除する時間を取れないケースが多いです。そのため休日にまとめて掃除をしている家庭がほとんどですが、平日に一切掃除をしないと5日分のほこりや汚れが溜まって週末の掃除に時間がかかってしまいます。
二人暮らしで特に注意したいのは、キッチンや浴室・トイレなどの水回りです。使用頻度が高くなる分、汚れも蓄積しやすくなります。家にいることが多いカップルや夫婦の場合は掃除回数も多くなってくるため、簡単な掃除を定期的にしていれば大きな掃除が必要ない場合もあります。
効果的なのは、家事を分担することです。例えば、一人が掃除機担当、もう一人が水回り担当といったように役割を決めておくと、負担も軽減されます。ライフスタイルに合わせて、無理のないように掃除を続けていくことが何より大切ですね。
四人家族の場合
四人家族での掃除機頻度は、専業主婦がいるか共働きかによって大きく変わってきます。専業主婦の家庭では毎日掃除機をかける方が多く、こまめに掃除している家庭がほとんどです。一方、共働きの家庭では平日遅くまで仕事をしているため、週1回程度掃除機をかける方が多くなっています。
子育て家庭では、日中をリビングで過ごしたり子どもを昼寝させたりするため、リビングの掃除を特にきっちりするのが一般的です。リビングは週1〜2回ほど掃除し、ホコリやゴミが残らないようにします。ただし、掃除機を使うと音が出てしまうため、子どもの昼寝中はお掃除シートや粘着クリーナーなどで簡単にお手入れを済ませる家庭も多いです。
共働きの四人家族では、平日に1回と土日祝に1回、週に2回程度掃除機をかけている方もいます。こまめに気をつけている家庭では、掃除機をかけるのではなくフローリングシートで床のホコリを取る方法も人気です。家庭ごとの忙しさによって掃除機をかける頻度は変わってくるため、無理のない範囲で継続することが大切になります。
「掃除機を毎日かける」と決めてしまうと、いつかしんどくなってしまう可能性があります。あまり気負いせず、「ホコリが気になったら掃除機をかける」くらいの気持ちで過ごすのがおすすめです。
赤ちゃんやペットがいる場合
赤ちゃんがいる家庭では、理想的には毎日掃除機をかけたいところです。これは、赤ちゃんがホコリやゴミを誤って口に入れたり吸ったりしないようにするためですね。
実際のアンケート調査では、赤ちゃんがいるママの多くが週1〜2回の頻度で掃除機をかけており、少数ながら毎日かけるキレイ好きママもいます。
赤ちゃんがハイハイするようになると床の汚れが特に気になってきます。また離乳食が始まり赤ちゃんが自分で食べるようになると、食べこぼしが増えて衛生的にもダイニング周辺の掃除は必要になってくるでしょう。赤ちゃんの成長によって掃除機の頻度が増えることもよくあります。
ただし、掃除機を使用する際は注意点があります。赤ちゃんを別の部屋やベビーベッドに移動させるなど、排気口から離すよう心がけましょう。掃除機から排気される風にはアレルギーの原因となるアレルゲンが多く含まれており、免疫や抵抗力の弱い赤ちゃんがこの空気を吸い込んでしまうと、将来的にアレルギーを発症する可能性が高まってしまうからです。
ペットがいる家庭では、基本的に毎日の掃除が理想的になります。
また、ブラシやローラーに絡まる抜け毛対策も考える必要があります。そのまま使い続けてしまうと掃除機の吸引力が低下し、故障の原因にもなります。
毎日掃除機をかけるのが難しい場合は、コロコロやフローリングシートなどでホコリやゴミをささっと取り除く方法も効果的です。
掃除機をかける頻度｜雑学編
後半では、掃除にまつわる雑学をお話していきます。
また、効率的な掃除のコツや時短テクニックも併せてお伝えします。
毎日は意味ない？
掃除機を毎日かけることについては、実際のところ賛否両論があります。
パナソニックの調査では約3割の方が「毎日」と回答していますが、頻度が下がるほど「時間や手間に関するコメント」が目立つ結果となっています。「毎日かけたいが、仕事と育児と家事でやっている暇がない」「毎日かけたいけど忙しいので2〜3日に一度です」という声が多く聞かれます。
興味深いのは、毎日掃除機をかけていた人が週1回に減らしても「とくにホコリやチリに悩まされることはない」という体験談があることです。また、過去のアンケートでは「掃除機を毎日かける」という回答が7割を超えたケースもありますが、一方で「嫌いな家事」を問うアンケートでは常に「掃除」が上位にランクインしているという矛盾もあります。
環境面から考えると、現代の家事はすればするほど資源を使うことになっています。掃除機をかければ電気を消費し、環境に負荷をかけることになります。こまめにやろうと頑張りすぎず、家事頻度を減らす工夫をすることが、結果的に地球環境にも貢献するのではないでしょうか。
日本は衛生観念が高く、素足の生活のためホコリや汚れに敏感な傾向があります。しかし「朝、掃除機をかけても夕方にはホコリがダンスしていてストレス」という声もあるように、完璧を求めすぎるのも考えものです。
毎日掃除機をかけることに意味がないわけではありませんが、無理をして続ける必要もないのが実情です。自分のライフスタイルに合わせた頻度を見つけることが一番大切だと思います。
かけすぎは病気になる？
掃除機をかけすぎることが病気につながるかどうかは、実はあまり知られていない話題です。まず、掃除をしないことで発生するリスクから見てみましょう。ホコリが身体に及ぼす影響として、ハウスダストによるアレルギーがあります。くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、皮膚の炎症などの症状が出ることがあります。
より深刻なものとしては、肺アスペルギルス症があります。これは空気中や土壌などに広く分布している「アスペルギウス」というカビが肺に侵入して起こる疾患です。健康であれば問題ありませんが、結核・ぜんそく・肺気腫などの持病がある方や免疫力が低い方は要注意です。
一方で、掃除のしすぎが問題になるケースもあります。強迫性障害の症状として、1日に何度も掃除機をかけたり、極度に清潔さを求めてしまう場合があります。実際に「半年くらい前から、1日に何度も掃除機をかけたり、外出前に何度も確認しなければ落ち着かない」という相談事例もあります。
毎日掃除機をかけることについて「やりすぎなきがする」と感じている方もいます。「病気にならない程度の掃除がしたい」という声もあり、完璧を求めすぎることへの疑問を持つ人も少なくありません。
大切なのはバランスです。極端に掃除をしないのも、極端に掃除をしすぎるのも、どちらも問題になる可能性があります。自分の生活スタイルや体調、精神状態を考慮しながら、適度な清掃頻度を見つけることが健康的な生活につながるでしょう。
1ヶ月かけないとどうなる？
掃除機を1ヶ月かけないと、目に見えない部分で様々な問題が発生します。
最も深刻なのはダニの繁殖です。掃除機では布団の表面に生息するダニとダニの死骸やフンはある程度吸い取れますが、布団の内部に潜り込んでいるダニはほぼ吸い取ることができません。ダニの脚先は吸盤のような形状をしているため、布団の繊維にしがみつき、掃除機ではなかなか吸い取れないのです。
ダニの繁殖環境について説明すると、ヒョウヒダニ類の大好物は人間のフケやアカ、汗なので、人がよくいる布団やカーペット、布製ソファーがお気に入りの場所になります。温度25℃以上、湿度60％以上の高温多湿になると2カ月で約3000匹に大繁殖することもあるのです。
毎日ていねいに掃除機をかけていても、生きたまま残ってしまうダニが多く、掃除機だけでは効果はそれほど高くありません。専門家によると、掃除機がけを行う際には週に1〜2回、1平方メートルあたり20秒が目安とされています。ノズルを密着させ、ていねいに表面から吸引することが大切です。
興味深いのは、掃除機がけの時間を2倍、3倍と長くしても、ダニやフンが2倍、3倍取れるわけではないことです。掃除機をかけ始め20秒程度の時間で、表面にあるダニやフンなどのホコリの多くは回収されるため、それ以上に長い時間をかけるよりも繰り返すことが大切になります。
1ヶ月掃除機をかけないと、これらの問題が蓄積されてしまいます。特に布製品は潜り込みやすく、ダニにとって居心地の良い環境になってしまうため、定期的な掃除機がけは欠かせません。
最適な時間帯
掃除機をかける最適な時間帯について、まず近隣への配慮を考える必要があります。
平日に掃除機を使用するのであれば、朝8時以降がおすすめです。8時以降であればすでに活動し始めている人が多く、眠りの邪魔をする心配が少なくなります。また仕事や学校で外出している人が多い時間帯のため、掃除機の音が気になりにくいと言えるでしょう。
夜に掃除機がけをしたい場合は、20時までを目安に終わらせることが大切です。20時以降は周囲も静かになる時間帯で、うるさい物音が日中より目立ってしまうため、掃除機を使うのは避けた方が良いでしょう。
土日の場合は少し事情が変わってきます。土日に掃除機を使う場合は朝10時〜夜20時の時間帯を目安にしましょう。特に土日の朝に掃除機をかける場合、平日よりも遅い時間を心がけることが大切です。仕事が休みで朝ゆっくりしている人が多いため、早い時間から掃除機を使うと「せっかくゆっくりしていたのに」と不快にさせてしまう恐れがあります。
掃除の効率を考えると、朝に使用するのが最もおすすめです。夜間は人の動きが少ないため、部屋の中のほこりは床に落ちて溜まっています。朝起きてからすぐの状態で掃除機をかけると、床に溜まったほこりが舞い上がる前に効率よく吸い込めます。
ただし、いきなり掃除機をかけると排気によってほこりが舞い上がる可能性があるため注意が必要です。夜寝る前に部屋や床の片付けをしておいて、朝一番に掃除機をかけると効率よくホコリやゴミを取り除くことができます。
アンケート調査では、朝は「8時から」なら良いと感じている人が半数以上で、夜は「21時まで」なら良いと感じている人が半数という結果になっています。
忙しい人のための時短テクニック
| テクニック | 詳細・効果 |
|---|---|
| ついで家事の活用 | トイレは1日1回サッと拭く、洗面所やキッチンは寝る前に汚れを落とすだけで清潔を維持。汚れをため込まない習慣が時短の鍵です。 |
| 掃除用品の配置 | 掃除機や使い捨て用品をしまい込まず、汚れがたまりやすい場所のそばに配置。気づいたときにすぐ掃除でき、汚れの蓄積を防げます。 |
| 物の定位置決め | 使ったらすぐ元の場所に戻す習慣で部屋が散らからない。掃除機をかける前の片付けが不要になり、掃除時間を大幅短縮できます。 |
| 時短家電の活用 | ロボット掃除機やコードレス掃除機を使用。外出中の自動掃除や気づいたときのサッと掃除で、家事時間を年間26時間も節約可能です。 |
| 拭き取り掃除の併用 | フロアモップで朝にサッと埃を取り、週に数回掃除機で本格清掃。掃除機は時間がかかるため、拭き取り掃除と使い分けると効率的です。 |
忙しい現代人にとって、掃除の時短は切実な問題です。時短家事コーディネーターが提案する基本的な考え方は、「掃除はとにかく時短にちょっとだけを毎日しておくこと」です。
家事を効率化することは決して手抜きではなく、今の時代に合った様々な仕組みを取り入れて丁寧な暮らしをしながら時短していくことが大切になります。
「ついで家事」は掃除の分野で特におすすめです。トイレは一日一回サッと拭く、洗面所やキッチンのシンクは夜寝る前に気になる汚れを落とすだけでも、きれいな状態を維持しやすくなります。掃除機や使い捨てのお掃除用品はしまい込まずに、汚れがたまりやすい場所のそばに置くと、気づいたときにすぐ掃除でき、汚れをため込まずに済みます。
ホコリは人の動きによって空中を舞うので、家族が眠っている間に床に落ちます。つまり朝一番はホコリが床に落ちているため、朝が掃除機をかけるベストな時間帯です。部屋の入り口から奥に向かって掃除機をかけるのは効率が悪いため、部屋の奥から掃除機がけをスタートし、後退しながら手前に向かうのがコツです。
時短に役立つ家電の活用も効果的です。私たちが1日の中で家事に使う時間の平均は約3時間と言われており、1週間では約21時間にもおよびます。ロボット掃除機は仕事で家にいない時間などに自動で掃除をしてくれますし、コードレス掃除機は気づいたときにサッと掃除ができて便利です。
「汚れをため込まないこと」も時短の鍵となります。家のさまざまな所に掃除グッズを置き、汚れに気付いたらすぐに掃除ができるようにするのがおすすめです。例えば、洗面台に小さなスポンジやミニタオル、リビングにモップ、玄関にほうき、テレビ横にハンディクリーナーなどを配置しておくと良いでしょう。
「毎日、掃除機をかけるのは難しい」という場合は、「普段の拭き取り掃除」と余裕ができたときに掃除機をかける「吸い取り掃除」を併用するのが現実的です。フロアモップなどで朝起きたときにサッと埃を取っておき、週に何度かは掃除機をかけて埃やハウスダストを隅々まで綺麗に吸い取る方法が効果的ですね。
総括：掃除機をかける頻度と時間
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。
