最近、コードレス掃除機やサイクロン式掃除機が人気ですが、実は紙パック式掃除機に戻る人が密かに増えているのをご存知ですか?
サイクロン式掃除機のメンテナンスの面倒さや、コードレス掃除機のバッテリー問題に疲れて、掃除機はやっぱり紙パックが一番だと感じる方が多いんです。
でも紙パックは何ヶ月持つのか、使いまわしできるのかなど、疑問も多いですよね。
私も長年家電業界にいて、お客様からこうした質問をよく受けます。
確かに紙パック式には独特の魅力があり、最新モデルは以前のイメージを大きく覆すような進化を遂げているんです。
この記事では、紙パック式掃除機が再注目されている理由から、実際の使い勝手、おすすめモデルまで、知りたい情報を分かりやすくお伝えしていきます。
掃除機はやっぱり紙パックという肯定意見

紙パック式掃除機について、まずは肯定的な意見や評価されているポイントを詳しく見ていきましょう。
なぜ今、紙パック式が見直されているのか、実際の性能はどうなのか、使い方のコツまで幅広くご紹介していきます。
紙パック式掃除機に戻る人が増えている背景
最近、コードレス掃除機ブームの中でも、紙パック式掃除機を再評価する声が増えているんです。私も家電量販店で働いていて、お客様から「やっぱり紙パックが良い」という声をチラホラと耳にします。
この背景には、サイクロン式掃除機のメンテナンスの手間に疲れてしまった方が多いことがあります。
サイクロン式は確かに技術的には優れているのですが、ダストボックスの水洗いやフィルターのお手入れを定期的に行わないと、吸引力が落ちたり嫌なニオイが発生したりするんですね。
特に忙しい現代人にとって、掃除機のメンテナンスまで気を回すのは結構大変だと思います。その点、紙パック式なら紙パックを交換するだけで性能がリフレッシュされるため、「手軽さ」を重視する方が増えているのでしょう。
また、衛生面を気にする方も多くなっています。
サイクロン式では溜まったゴミを直接見る必要がありますし、ゴミ捨て時にホコリが舞い上がることもあります。コロナ禍を経験して、より清潔な環境を求める意識が高まったことも、紙パック式回帰の一因と考えられます。
価格面でも見直されています。
高性能なサイクロン式掃除機は価格が高く、紙パック式なら手頃な価格で十分な性能を得られることに気づく方が多いんです。
吸引力が弱いって本当?
「紙パック式は吸引力が弱い」という認識をお持ちの方もいらっしゃいますが、これは必ずしも正しくありません。実際には紙パック式の方が初期の吸引力は強い傾向にあるんです。
サイクロン式が「吸引力が落ちない」と宣伝されることが多いため、相対的に紙パック式の印象が悪くなってしまったのかもしれません。しかし吸引力の強さと持続性は別の話なんですね。
紙パック式掃除機は本体内部が密閉構造になっているため、強力な吸引力を発揮できます。
吸込仕事率で比較すると、紙パック式の方が高い数値を示すモデルが多いんです。例えば、600W以上の高い吸込仕事率を持つ紙パック式掃除機も珍しくありません。
ただし、紙パックにゴミが溜まってくると徐々に吸引力が低下するのは事実です。これは紙パックが目詰まりを起こすためで、避けられない現象といえるでしょう。
一方で、適切なタイミングで紙パックを交換すれば、常に新品同様の吸引力を維持できるのが紙パック式の魅力です。サイクロン式のように複雑なメンテナンスは必要なく、交換するだけで性能が復活するシンプルさがあります。
最新の紙パック式掃除機では、吸引力を長持ちさせる「パワー長もち流路」などの技術も搭載されており、以前より吸引力の持続性も改善されているんです。
何ヶ月持つ?交換頻度の目安

紙パックの交換頻度は、使用状況によって大きく変わりますが、一般的な目安をお伝えしますね。
標準的な一人暮らしや二人世帯であれば、月1回程度の掃除頻度で2〜3ヶ月に1回の交換が目安になります。ファミリー世帯で週2〜3回使用する場合は、1〜2ヶ月に1回程度の交換が必要でしょう。
最新のコードレス紙パック式掃除機の中には、4ヶ月に1回程度の交換で済むモデルもあります。これは紙パック内でゴミを圧縮する機能が搭載されているためで、従来よりも長期間使用できるんです。
交換のタイミングを見極めるポイントはいくつかあります。
まず、吸引力の低下を感じたときが一つの目安です。また、排気のニオイが気になり始めたら交換時期のサインと考えて良いでしょう。
紙パックの容量も交換頻度に影響します。
集じん容量が1L前後のモデルなら、2ヶ月程度は使用できることが多いです。ただしペットを飼っている家庭や花粉の時期など、普段よりもゴミが多い状況では交換頻度が高くなることもあります。
紙パックが満杯になる前に交換することをおすすめします。満杯近くまで使用すると吸引力が著しく低下し、モーターにも負担がかかってしまうからです。
目安としては、紙パックの8割程度まで溜まったら交換を検討すると良いでしょう。定期的にチェックする習慣をつけることが大切ですね。
使いまわしできる?衛生面での注意点

紙パックの使いまわしについて質問を受けることがありますが、基本的には使い捨てが原則です。衛生面と掃除機の性能維持のために、一度取り外した紙パックの再利用は避けることをおすすめします。
紙パックは文字通り「紙」でできているため、一度使用すると微細な穴が開いたり強度が低下したりします。再利用するとゴミが漏れ出したり、破れて掃除機内部に散乱したりする可能性があるんです。
また、衛生面でも問題があります。
一度ゴミを吸い込んだ紙パックには、ダニやカビ、細菌などが付着している可能性があります。これらを再び掃除機内に戻すことは、排気の質を悪化させる原因になりかねません。
ただし、まだ新しい紙パックで少しだけゴミが入っている程度なら、短期間であれば再装着することは可能です。例えば掃除中に何かの拍子で紙パックが外れてしまった場合などですね。
紙パックの衛生を保つためには交換時の注意点もあります。
交換作業はできるだけゴミやホコリが舞わない環境で行いましょう。マスクを着用することも推奨されます。
使用済みの紙パックは、口をしっかりと閉じてから可燃ゴミとして処分してください。紙パックから中身を取り出して分別する必要はありません。
新しい紙パックを装着する際はしっかりと奥まで差し込み、正しく固定されていることを確認してから使用することが大切です。
交換したら吸わなくなる?
紙パックを新しいものに交換したのに吸引力が回復しない場合、いくつかの原因が考えられます。
まず確認していただきたいのは、紙パックが正しく装着されているかどうかです。
紙パックが奥まで入っていなかったり、斜めに装着されていたりすると、空気漏れが発生して吸引力が低下します。一度取り外して、再度正しい位置に装着し直してみてください。
次に考えられるのは、純正ではない紙パックを使用している場合です。
各社共通タイプの紙パックは価格が安いのですが、サイズや材質が微妙に異なることがあり本来の性能を発揮できないことがあります。
ホースやノズルの詰まりも原因の一つです。
紙パックを交換しても、吸引経路のどこかに詰まりがあれば吸引力は回復しません。ホースを外して詰まりがないか確認してみましょう。
フィルターの汚れも見逃せません。
紙パック式掃除機にも排気フィルターが付いているモデルが多く、これが汚れていると吸引力に影響します。フィルターのお手入れや交換も検討してください。
モーターの劣化という可能性もあります。
長年使用している掃除機では、モーターの性能が徐々に低下することがあります。この場合は修理や買い替えを検討する必要があるでしょう。
ヘッドやブラシの状態も確認してください。
ブラシに髪の毛や糸くずが絡まっていると、床面への密着度が悪くなり吸引効率が下がります。
最後に電源電圧の問題も考えられます。
延長コードを使用している場合や、他の家電と同じコンセントを使用している場合は、十分な電力が供給されていない可能性があります。
掃除機はやっぱり紙パック|おすすめモデル紹介

ここからは、実際に購入を検討されている方に向けて、具体的なおすすめモデルをご紹介していきます。
選び方のポイントから、コード式・コードレス式それぞれの特徴まで、あなたにぴったりの一台が見つかるよう詳しく解説していきますね。
ランニングコストを検証
紙パック式掃除機を選ぶ際に気になるのが、紙パックの維持費ですよね。実際のランニングコストを詳しく検証してみましょう。
純正の紙パックは、メーカーや種類にもよりますが、1枚あたり10円から100円程度が相場です。
消臭機能付きや高性能フィルター機能付きの紙パックになると、5枚セットで1,000円程度の商品もあります。
一般的な使用頻度であれば、年間に必要な紙パックは6〜12枚程度です。
平均的な紙パック価格を50円とすると、年間のランニングコストは300円から600円程度になります。月割りすると25円から50円程度ですから、決して高額とは言えないでしょう。
各社共通タイプの紙パックを使用すれば、さらにコストを抑えることができます。
ネット通販では10枚入り300円程度から購入できるため、年間コストを200円程度まで下げることも可能です。ただし先ほどもお伝えしたように、掃除機の性能や故障リスクを考えると純正品の使用をおすすめします。
サイクロン式掃除機と比較してみると、紙パック式のランニングコストは決して高くありません。
サイクロン式でもフィルターの交換が必要なモデルがあり、高性能フィルターは1個1,000円以上することも珍しくないんです。
また、紙パック式は本体の寿命が長い傾向にあります。
サイクロン式に比べて構造がシンプルで、メンテナンスの手間も少ないため、10年以上使用できるケースも多いです。
長期的に見ると、本体の買い替え頻度を考慮すればトータルコストは紙パック式の方が安くなることもあります。
電気代の面では、紙パック式の方が若干高い傾向にあります。
最大消費電力が1,150W程度のモデルが多く、サイクロン式の720W程度と比べると差があります。ただし、この差は年間で数百円程度の違いでしかありません。
失敗しない選び方

ここからは、紙パック式掃除機を選ぶ際のポイントをお伝えしますね。
まず重要なのは吸込仕事率です。
400W以上あれば一般的な家庭用としては十分で、500W以上なら絨毯などもしっかりと掃除できます。
集じん容量も大切な要素です。
1L前後の容量があれば、紙パック交換の頻度を2ヶ月に1回程度に抑えることができるでしょう。大容量のモデルなら、さらに交換頻度を減らせます。
掃除機の形状選びも重要です。
キャニスター型は集じん容量が大きく、パワフルな吸引力を持つモデルが多いのが特徴です。ただし本体を引きずって移動する必要があるため、階段の掃除などには不向きかもしれません。
スティック型は取り回しが良く収納場所も取らないため、一人暮らしや狭い住空間には最適です。重量も1kg前後の軽量モデルが多く、気軽に掃除を始められます。
電源タイプの選択も考慮すべき点です。
コード式は吸引力が安定しており充電切れの心配もありません。広い家や掃除時間が長い場合には向いているでしょう。
コードレス式は取り回しが良く階段や車内の掃除にも便利です。ただしバッテリーの持続時間に限りがあるため、使用パターンを考慮して選ぶ必要があります。
静音性も重要な要素です。
集合住宅にお住まいの方や、早朝・夜間に掃除をする可能性がある方は、60dB以下の静音モデルを選ぶと良いでしょう。
ヘッドの性能にも注目してください。
自走式のパワーヘッドなら絨毯の上でも軽い力で掃除ができます。LEDライト付きのヘッドなら家具の下などの暗い場所のゴミも確認しやすくなります。
紙パックサイクロンどっちがあなたに向いている?

紙パック式とサイクロン式、どちらを選ぶべきか迷う方も多いと思います。それぞれの特徴を理解して、ライフスタイルに合った選択をしていきましょう。
紙パック式が向いているのは、掃除機のメンテナンスに時間をかけたくない方です。
紙パックを交換するだけで性能がリフレッシュされるため、フィルターの水洗いなどの手間がかかりません。
また、衛生面を重視する方にも紙パック式がおすすめです。
ゴミに直接触れることなく処分でき、ホコリが舞い上がるリスクも低いんです。アレルギーをお持ちの方や、小さなお子様がいる家庭には特に適しているでしょう。
ゴミ捨ての頻度を減らしたい方にも紙パック式が向いています。
サイクロン式は掃除のたびにゴミを捨てることが推奨されますが、紙パック式なら1〜4ヶ月に1回程度で済みます。
一方、サイクロン式が向いているのはランニングコストを抑えたい方です
紙パックの購入費用がかからないため、長期的には経済的と考えられます。
吸引力の持続性を重視する方にもサイクロン式がおすすめです。
適切にメンテナンスされていれば、ゴミが溜まっても吸引力が落ちにくい構造になっています。
透明なダストボックスで吸引されたゴミを確認したい方や、掃除の達成感を得たい方にもサイクロン式が合っているでしょう。
ただしサイクロン式を選ぶ場合は、定期的なメンテナンスが必要であることを理解しておく必要があります。ダストボックスの水洗いやフィルターのお手入れを怠ると、性能が大幅に低下してしまいます。
結論的には、手軽さと衛生面を重視するなら紙パック式、ランニングコストと吸引力の持続性を重視するならサイクロン式という選び方が良いでしょう。
コード式紙パックおすすめモデル
コード式の紙パック掃除機は、安定した吸引力と長時間使用が可能な点が魅力です。おすすめモデルをご紹介しますね。
パナソニックのMC-PJ24Gは、2025年2月に発売された最新モデルです。
吸込仕事率600Wのハイパワーで、軽量2.7kgという使いやすさを両立しています。V字型ブラシ構造により、吸引力の強い中央部分にゴミを集めて効率的に吸い取れます。
日立のCV-KP90Mは、「かるパック」シリーズの人気モデルです。
620Wの強力な吸込仕事率を持ちながら、自走機能付きヘッドで軽い力での操作が可能です。絨毯の上でもスムーズに動かせるため、力の弱い方にもおすすめできます。
選ぶ際のポイントとしては、まず使用する部屋の広さを考慮してください。
広いリビングや複数の部屋を一度に掃除する場合は、高い吸込仕事率と大容量の集じんボックスを持つモデルが適しています。
コードの長さも重要な要素です。
コンセントの位置と掃除範囲を考慮して、十分な長さがあるかどうか確認しましょう。延長コードを使用すると吸引力が低下することがあるため、できるだけ本体のコードで届く範囲で使用することが理想的です。
コードレス紙パックおすすめモデル
コードレス紙パック式掃除機は、取り回しの良さと手軽さが魅力です。最新のおすすめモデルをご紹介します。
日立のかるパックスティックPKV-BK50Lは、ベストセラーの注目モデルです。
本体重量わずか0.97kgという軽量設計ながら、4ヶ月に1回程度の紙パック交換で済む大容量が特徴です。「パワー長もち流路」により、紙パックいっぱいまでゴミを溜められます。
シャープのEC-KR2は、「パックinカップ」構造が特徴的なモデルです。
紙パックに触れることなく、ボタンを押すだけでゴミ捨てができる衛生的な設計になっています。約35分の長時間運転も可能で、広い家でも安心して使用できます。
コードレスモデルを選ぶ際は、バッテリーの持続時間と充電時間を確認することが大切です。標準モードで30分以上使用できるモデルなら、一般的な家庭の掃除には十分対応できるでしょう。
また、バッテリーが着脱式かどうかも重要なポイントです。着脱式なら予備バッテリーを用意することで、長時間の使用も可能になります。
総括:掃除機はやっぱり紙パック派が増加中の理由
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。