最近、朝晩の冷え込みが厳しくなってきましたね。私が働くお店でも、ヒーターコーナーに足を止めるお客様が増えてきて、「そろそろ冬支度だなあ」としみじみ感じています。
そんな中、最近特に増えているのが「今使っている普通のテーブルをこたつに変えることはできないか?」というご相談なんです。
実はその願い、意外と簡単な方法で叶うんですよ。
大がかりなリフォームなんて必要ありません。市販のヒーターユニットを後付けしたり、専用の布団を使ったりと、やり方は様々。
しかも、こたつはエアコンに比べて電気代がかなり抑えられるので、家計にも優しいのが嬉しいポイントですよね。
この記事では、家電量販店勤務の私が失敗しない「テーブルのこたつ化」テクニックを徹底解説します。初心者でもできるDIYの手順から、一番大切な安全対策まで、現場の知識をフル活用してお伝えしますね!
- テーブルをこたつ化する手順
- 後付けヒーターの選び方
- 布団なしこたつの特徴
- 電気代と安全面の注意点
普通のテーブルをこたつに変えるDIY手順

ここでは、愛着のあるテーブルをそのまま使いながら、冬の寒さを乗り切るための具体的な改造方法をご紹介します。
ローテーブルからダイニングテーブルまで、それぞれの形状に合わせた最適なアプローチを知ることで、誰でも簡単に暖かい空間を作ることができますよ。
ローテーブルをこたつにする方法
リビングで普段使っているローテーブルや座卓、これをこたつにできたら最高ですよね。
まず確認してほしいのが、テーブルの裏側です。
もし、天板の裏に「枠」があるタイプならラッキーです!
多くのこたつ用取替ヒーター(例えば業界標準のメトロ MHU-601E など)は、29cm角の木枠に取り付ける規格になっています。枠さえあれば、ドライバー1本で簡単に取り付けられることが多いんですよ。
「えっ、うちのテーブル、裏が平らで枠なんてないんだけど…」という方も安心してください。実は、私も以前使っていたテーブルがそのタイプでした。
枠がない場合は、ホームセンターで角材を買ってきてDIYで枠を作るか、あるいは「アタッチメント金具」を使ってヒーターを固定する方法があります。
さらに手軽なのが、マグネット式のヒーターです。
スチール製のデスクやテーブルなら、クレオ工業のテーブルヒーターのように、磁石でパチッとくっつけるだけで設置完了。これなら工具もいらないので、DIYが苦手な方でも本当に簡単です。
ヒーター選びのコツ
すぐに温まりたいなら「ハロゲン」、じんわり芯から温めたいなら「カーボン」がおすすめですよ。
ダイニングテーブルからのこたつ化
最近、お店でも「椅子に座ったままこたつに入りたい」というご要望がすごく多いんです。膝や腰が楽なので、ご年配の方だけでなく、テレワーク用のデスクとしても人気なんですよね。
ダイニングテーブルをこたつ化する場合、最大の課題は「熱が逃げやすい」こと。高さがある分、冷たい空気が入り込みやすいんです。
そこで重要になるのが、ヒーターのパワーです。
一般的なこたつヒーターよりも出力の高い、600Wクラスのハロゲンヒーターを選んでください。これなら広い空間でも強力なファンで温風を回してくれるので、足元までしっかり温まります。
また、普通のこたつ布団だと長さが足りなかったり、椅子が邪魔で隙間ができたりしがちです。タンスのゲンなどで販売されている「ダイニングこたつ用布団」なら、椅子の部分にスリット(切れ込み)が入っているので、熱を逃さず快適に使えますよ。
寒さ対策のポイント
足元の冷えが気になる場合は、さらに下にホットカーペットや厚手のラグを敷くと完璧です。
普通のテーブルに布団を掛けるとこたつになる?
「ヒーターを付けるのは面倒だから、とりあえず布団だけ掛けてみようかな?」なんて思ったことありませんか?実はこれ、ちょっと注意が必要なんです。
もちろん、布団を掛けるだけでも自分の体温で多少は温かく感じるかもしれません。でも熱源がない状態では、真冬の寒さをしのぐのは正直厳しいですね。
さらに気をつけてほしいのが、既存のテーブルの天板と脚の間に布団を挟むことになるので、天板が滑りやすくなるという点です。
普通のテーブルは天板をネジで固定していることが多いですが、布団を挟むとその固定ができなくなります。熱いお茶を置いている時に天板がズレたら…想像するだけで怖いですよね。
もし簡易的にこの方法をとるなら、必ず天板と布団の間に滑り止めシートを挟むなどの対策をしてください。ただ、やはりヒーターがないと「こたつ」としての満足度は低いので、後付けヒーターの検討をおすすめします。
こたつ化における天板の熱対策と固定

ここ、意外と見落としがちなんですが、一番大事なポイントかもしれません。普通のテーブルは、裏側から熱を加えられることを想定して作られていないんです。
特に無垢材や突板の高級なテーブルの場合、ヒーターの熱で木が乾燥して、反ってしまったり、最悪の場合は割れてしまったりすることがあります。
これ、家具好きとしては絶対に避けたい事態ですよね。
そこで必須なのが「断熱処理」です。
ヒーターと天板の間に、ハードボード(木質繊維板)やコルクシートなどの断熱材を必ず挟んでください。こたつ専用のテーブルには最初からこのボードが付いているんですが、普通のテーブルにはないので自分で用意する必要があります。
また、先ほどもお話しした「天板の固定」ですが、100円ショップのダイソーなどで売っている「耐震マット」や「滑り止めシート」を使うのが裏技です。これを挟むだけで、天板が驚くほど動かなくなりますよ。
100均アイテム活用術
ウレタン製の耐震マットは粘着力があって優秀です。天板ズレ防止にぜひ試してみてください。
布団のいらないこたつという選択肢
「こたつは置きたいけど、布団があると部屋が狭くなるし、掃除も面倒…」そんな悩みをお持ちの方に朗報です!
最近は「布団レスこたつ」や「ステルスこたつ」と呼ばれる、布団がいらない画期的な製品が出ているんです。ディノスなどでも取り扱われていて、一見するとおしゃれなダイニングテーブルにしか見えないのに、実は暖かいという優れものです。
このタイプの秘密は、熱の伝え方にあります。従来のこたつが空気を温めるのに対し、こちらは太陽の光のように熱を直接足に届ける「輻射熱(ふくしゃねつ)」を利用しているんです。だから、周りを囲わなくても暖かいんですね。
これなら、シーズンオフに布団を片付ける手間もありませんし、一年中出しっぱなしでOK。インテリアにこだわりたい方や、ミニマリストの方には特におすすめの選択肢です。
普通のテーブルをこたつに変える際の疑問点

実際にこたつ化を進めようとすると、「本当に温かいの?」「電気代はどうなの?」といった現実的な疑問が湧いてきますよね。
ここでは、私が店頭でお客様からよく聞かれる質問にお答えします。
布団なしで使うとどうなる?
「布団なしで本当に温かいの?」これ、一番よく聞かれます。
正直にお話ししますと、従来のこたつのような「熱気の中に閉じ込められる感覚」とは少し違います。布団なしのこたつは、ヒーターの光が当たっている部分はポカポカと日向ぼっこをしているように温かいですが、光が当たらないふくらはぎの裏側などは、室温によっては少しひんやり感じることもあるんです。
ただ、それが逆に「頭寒足熱」で快適だという声も多いんですよ。空気がこもらないので眠くなりにくいですし、勉強や仕事をするには最適かもしれません。もし寒さが気になる場合は、ひざ掛けを一枚プラスしたり、足元にパネルヒーターを置いたりして調整するのがおすすめです。
布団なしでの電気代
電気代の高騰、主婦としては本当に頭が痛い問題ですよね。布団なしのこたつは、熱を閉じ込めない分、電気代が高くなるんじゃないかと心配される方も多いです。
でも安心してください。最新のヒーターユニットには、人の動きを感知して自動でOFFになる人感センサーや、無駄な電力をカットする省エネ機能がついているものが増えています。
具体的な目安でお伝えすると、強運転で1時間あたり約5円〜10円程度のものが多いですね。エアコンが1時間あたり数十円かかることを考えると、これでも十分節約になります。
さらに、局所的に温めるので、部屋全体のエアコンの設定温度を下げられるという相乗効果もあります。トータルで見れば、冬場の電気代を大きく下げる救世主になってくれるはずです。
また、こたつとエアコンの1時間あたりの電気代を比較したデータについては、東京電力エナジーパートナーが公開している試算も参考になります。
(出典:東京電力エナジーパートナー「こたつvsエアコン」)
こたつの消費電力の考え方や古いこたつで電気代を節約する具体的なテクニックについては、古いこたつの電気代の目安と節約方法を詳しく解説した記事も参考になります。
家計へのメリット
エアコンとこたつの併用設定にすることで、無理なく快適に節電ができますよ。
フラットヒーターの欠点と対策
デザイン重視の方に人気の「フラットヒーター」。薄くて目立たないし、こたつの中で寝転がっても腰がぶつからないのが最高ですよね。
後付けできるタイプとしてクレオ工業のテーブルヒーター(KH1800)などが人気ですが、これにも少し弱点があります。
それは「即暖性がない」ことです。スイッチを入れてから温まるまでに少し時間がかかるのと、ファンが付いていないタイプが多いので、ハロゲンヒーターのような強烈な暖かさは期待できません。
「じゃあ寒いの?」と思われるかもしれませんが、対策はあります!
断熱性の高いこたつ布団を使うことや、下に敷くラグを厚手のものにすることで、熱を逃がさず保温効果を高めることができます。
また、最近人気のUSBほっとクッションなどをこたつの中で併用して、お尻や腰を直接温めるのも賢い使い方ですね。パワー不足は「保温」と「補助暖房」で十分カバーできますよ。
フラットヒーターを長く安全に使うためのほこり掃除やメンテナンス方法については、こたつヒーターのほこり掃除と火災リスクを詳しく解説した記事も一度チェックしてみてください。
こたつに敷布団は絶対に必要?
フローリングの上に直接こたつ布団を掛けて使おうとしている方、ちょっと待ってください!
敷布団(ラグ)は、実は掛け布団と同じくらい重要なんです。
床からの冷気って、想像以上に底冷えの原因になるんです。
敷布団がないと、せっかくヒーターで温めた熱が床にどんどん奪われてしまって、全然温まらない…なんてことになりかねません。
それに、硬いフローリングに直に座るとお尻も痛くなっちゃいますよね。
例えば、アイリスオーヤマのラ・クッションラグのように厚みが3cm以上あるものなら、長時間座っていてもお尻が痛くなりませんし、床からの冷気をシャットアウトしてくれます。
断熱効果の高いアルミシート入りのラグや、こうした極厚ラグを敷くことで、こたつの熱効率は劇的にアップします。結果的にヒーターの設定温度を「弱」にしても十分温かくなるので、電気代の節約にもつながります。
「こたつと敷布団はセット」と考えていただいた方が、間違いなく幸せになれますよ。
アルミ保温シートや上掛けを組み合わせた具体的な断熱アイデアについては、古いこたつの電気代削減と断熱対策をまとめた記事で写真付きで詳しく紹介しています。
普通のテーブルをこたつに変える豊かな生活
ここまで、普通のテーブルをこたつに変えるための色々な方法や知識をお伝えしてきました。
最後に、それぞれのヒーターの特徴をわかりやすくまとめてみますね。
| ヒーター種類 | こんな人におすすめ | 代表的な特徴 |
|---|---|---|
| ハロゲンヒーター | とにかく早く温まりたい! ダイニングで使いたい |
速暖性が最強。 パワフルだけど電気代はやや高め。 |
| カーボンヒーター | 体の芯から温まりたい 冷え性が気になる |
遠赤外線効果が高い。 暖かさと省エネのバランスが良い。 |
| フラットヒーター | デザイン重視 こたつで寝転がりたい |
超薄型で邪魔にならない。 温まるのはゆっくり。 |
普通のテーブルをこたつに変えることは、単に暖房器具を増やすということ以上の価値があります。家族が自然と一つのテーブルに集まって会話が増えたり、電気代を気にせずゆっくり読書を楽しめたり…。そんな「豊かな時間」を生み出してくれる魔法のようなアイテムなんですよね。
DIYで愛着のあるテーブルをパワーアップさせるのも素敵ですし、思い切って布団レスのスタイリッシュなこたつを取り入れるのも新しい生活の始まりです。
ぜひ、あなたのライフスタイルに合った方法で、この冬をぬくぬくの笑顔で過ごしてくださいね。


