「畳には掃除機をかけてはいけない」と聞いたことはありませんか?
実は、適切な掃除機と正しいかけ方を知れば、畳の美しさを損なわずに清潔に保つことができるのです。
畳のお手入れで迷われている方のために、畳に最適な掃除機の選び方からおすすめブラシのタイプ、コードレスタイプとキャニスタータイプの特徴、そして掃除機とほうきの使い分けまで詳しくご紹介します。
この記事では、畳の目に沿った正しいかけ方や、気になるダニ対策、さらには掃除機以外の畳のお手入れ方法まで、畳を長く美しく保つためのポイントを網羅的にお伝えします。
大切な和の空間を心地よく保つための、畳掃除の新常識をぜひ知っていただき、毎日の暮らしに役立ててください!
畳におすすめの掃除機|傷ませない選び方

畳のお部屋を心地よく保つためには、掃除機の選び方がとても大切です。
ここでは、畳を傷めずに、しっかりキレイにするための掃除機選びのポイントや、よくある疑問についてお話しします。
畳に掃除機はダメ?
「畳に掃除機をかけると傷むからダメ」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、掃除機のかけ方や種類によっては、畳を傷つけてしまう可能性があります。
例えば、回転ブラシがむき出しのヘッドでゴシゴシこすったり、畳の目に逆らって強い力で何度も往復させたりすると、い草がささくれたり、摩耗してしまったりすることがあります。
しかし、これは掃除機そのものがダメというわけではなく、使い方に気をつければ畳にも掃除機は使えます。大切なのは、畳の特性を理解して、それに合った掃除機を選び、優しく丁寧にかけることです。
最近の掃除機には、畳やフローリングに適したヘッドやモードが搭載されているものも多いんですよ。
畳はホコリや髪の毛、ダニの死骸などがたまりやすい場所でもありますので、適切な方法で掃除機を使って、清潔に保つことが大切です。
おすすめのブラシ

畳の掃除機選びで気になるのが、ヘッドのブラシ部分ですよね。
畳を傷めずに、でもゴミはしっかり吸い取りたいものです。
畳におすすめなのは、回転ブラシがない、あるいは回転をオフにできるタイプのヘッドです。
回転ブラシは、カーペットの奥のゴミをかき出すのには効果的ですが、畳の表面を傷つけてしまうことがあるため注意が必要です。
特に、毛足の硬い回転ブラシは避けた方が良いでしょう。
フローリング用のヘッドや、ブラシが付いていない「ノンブラシタイプ」、または「エアタービン式」でブラシの回転が比較的穏やかなものなどが、畳には向いています。
また、メーカーによっては「畳モード」が搭載されていて、ブラシの回転を抑えたり、吸引力を調整したりしてくれる掃除機もあります。
もしお使いの掃除機のヘッドが畳に適しているか分からない場合は、取扱説明書を確認したり、メーカーに問い合わせてみたりするのがおすすめです。
畳専用のノズルが別売りされている場合もありますので、チェックしてみるのも良いかもしれません。
コードレスとキャニスターはどちらがおすすめ?
掃除機には、コードレスタイプとキャニスタータイプがありますが、畳のお掃除にはどちらが良いのでしょうか。
これは、お部屋の広さや使い方、重視するポイントによって変わってきます。
コードレスタイプは、なんといっても手軽さが魅力です。
コンセントの場所を気にせず、サッと取り出して使えるので、こまめに掃除したい方にはとても便利です。畳の部屋が複数ある場合や、階段があるお家でも持ち運びが楽ですね。
ただし、一般的にキャニスタータイプに比べて吸引力が持続しにくいモデルや、運転時間が短い場合があるため、一度に広範囲をしっかり掃除したい場合には、バッテリーの持ちなどを確認する必要があります。
一方、キャニスタータイプは、コードがあるため取り回しに少し手間はかかりますが、吸引力が強く安定しているモデルが多いのが特長です。広いお部屋や、畳の目に詰まったゴミまでしっかり吸い取りたい場合には心強いでしょう。
最近では、本体が軽量化されたモデルや、コードの取り回しがしやすい工夫がされたものも出ています。
畳の掃除では、先ほどもお伝えしたように、ヘッドの種類やかけ方が重要なので、コードレスかキャニスターかという本体の形状だけで一概にどちらが良いとは言えません。ご自身のライフスタイルや畳の状態に合わせて、使いやすい方を選ぶのが一番です。
畳におすすめの掃除機|使い方のコツ

畳に適した掃除機を選んだら、次はその使い方です。
ちょっとしたコツを押さえるだけで、畳を傷めにくく、よりきれいにすることができますよ。
傷めないかけ方と向き
畳の掃除機がけで一番大切なのは、畳の目に沿ってかけることです。
畳のい草は、長手方向に目が通っています。この目に逆らって掃除機をかけてしまうと、い草がささくれたり、傷んだりする原因になってしまいます。
また、畳の目に沿ってかけることで、目の間のホコリやゴミも吸い取りやすくなるんです。
掃除機をかける際は、畳1枚1枚の目の向きを確認しながら、ゆっくりとヘッドを動かすのがポイントです。急いでゴシゴシかけるのではなく、1畳あたり40秒~60秒くらい時間をかけるようなイメージで、丁寧に掃除しましょう。
特に、掃除機を引くときにゴミがよく吸い取れると言われていますので、押すときよりも引くときに少し意識を向けると良いかもしれません。
お部屋の敷き方によって、畳の目の向きが交互になっていることもありますので、その都度かける方向を変えるようにしてくださいね。
ダニは吸える?
畳のダニ、気になりますよね。
特に小さなお子さんやアレルギー体質の方がいらっしゃるご家庭では、心配な問題だと思います。
掃除機で畳のダニを完全に除去するのは難しいと言われていますが、正しくかけることで、ダニの死骸やフン、そして生きているダニもある程度吸い取る効果が期待できます。
ダニ対策として掃除機をかける場合も、やはり畳の目に沿ってゆっくりと、時間をかけて吸引することが大切です。
1ヶ所あたり20秒程度、できれば1平方メートルあたり1分くらい時間をかけるとより効果的だと言われています。掃除機のヘッドを畳に密着させ、じっくりと吸い込むイメージです。
また、ダニは暗い場所を好むため、掃除をする前に1時間ほど部屋を暗くしておくと、ダニが畳の表面に出てきやすくなり、掃除機で吸い取りやすくなるという話もあります。
掃除機をかけた後は、吸い取ったダニやホコリが排気から再び室内に広がらないように、ゴミをすぐに処理することもポイントです。
紙パック式の掃除機ならこまめにパックを交換し、サイクロン式ならダストカップのゴミをこまめに捨てるようにしましょう。
掃除機とほうきはどっちがよい?

畳のお掃除といえば、掃除機とほうき、どちらが良いか悩むところですよね。
実は、それぞれに得意なことと苦手なことがあるので、一概にどちらが良いとは言えず、使い分けるのが理想的です。
ほうきは、畳の目に沿って掃くことで、目の間の細かなホコリやゴミをかき出すのに適しています。また、掃除機のように排気が出ないので、ホコリが舞い上がりにくいというメリットもあります。
夜間など、掃除機の音が気になる時間帯でも気にせず使えるのも良い点ですね。特に新しい畳や、い草の風合いを大切にしたい場合は、ほうきでの優しいお掃除がおすすめです。
一方、掃除機は、ほうきでは取りきれないような細かなハウスダストや、ダニの死骸、フンなどを吸引する力に優れています。先述のように、時間をかけて丁寧に吸引することで、畳の奥に入り込んだアレルゲン物質の除去も期待できます。
なので普段のサッとしたお掃除にはほうきを使い、週に1~2回程度、掃除機でしっかりとゴミを吸い取る、というように使い分けるのがおすすめです。
また、大きなゴミはほうきで集めてから掃除機で吸うと、掃除機への負担も減らせます。
畳用掃除機おすすめ3選!
さて、畳のお掃除に適した掃除機の選び方や使い方のコツをお伝えしてきました。
ここからは、「具体的にどんな掃除機があるの?」という方のために、畳のお手入れにおすすめの掃除機を3機種ご紹介しますね。
畳へのやさしさや使い勝手を考えて選んでみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
かるティスティック MC-NS10K
かるパッく CV-KP90K
Be-K(ビケイ) TC-FD2C
パナソニック コードレススティック掃除機「かるティスティック」MC-NS10K
まずおすすめしたいのが、パナソニックのコードレススティック掃除機「かるティスティック」MC-NS10Kです。この掃除機の魅力は、なんといってもその軽さと、髪の毛やペットの毛が絡まりにくい「からまないブラシ」です。畳の上をスイスイお掃除できますし、ブラシが高速で回転するタイプではないので、畳を傷める心配も少ないでしょう。 また、ノズルの先端がT字になっており、壁際までしっかり届きやすいのもポイント。畳の縁や部屋の隅のゴミもきれいに吸い取ってくれます。クリーンドック付きで、掃除後のゴミ捨ても簡単、清潔なのも嬉しいですね。手軽にサッと使いたい、でも畳への配慮も欲しいという方にはぴったりの一台だと思います。
日立 紙パック式クリーナー「かるパッく」CV-KP90K
次にご紹介するのは、日立の紙パック式キャニスタークリーナー「かるパッく」CV-KP90Kです。キャニスター型ならではのしっかりとした吸引力がありつつ、本体質量が2.7kgと軽量なのが特徴です。畳の目に沿って丁寧に掃除したいけれど、重い掃除機はちょっと…という方におすすめです。 このモデルに搭載されている「ごみハンターヘッド」は、ブラシの回転を止めることができる「ブラシコントロール機能」が付いています(一部機種)。畳を掃除する際は回転をオフにすることで、い草を傷つけにくく、優しくお掃除できます。また、「ごみくっきりライト」で畳の上の細かなホコリも見えやすく、取り残しを防いでくれるのも便利な機能です。
三菱電機 紙パック式掃除機「Be-K(ビケイ)」TC-FD2C
最後におすすめするのは、三菱電機の紙パック式掃除機「Be-K(ビケイ)」シリーズのTC-FD2Cです。この掃除機は、本体質量が2.1kgと非常に軽く、取り回しが楽なのが最大の魅力です。コンパクトなので、お部屋の移動や収納にも困りにくいでしょう。 搭載されている「かるスマ 自走式パワーブラシ」は、ブラシの工夫で畳の目に入り込んだゴミもかき出しやすく、自走式なので軽い力でスイスイ進みます。もちろん、畳への負担を軽減するため、ブラシの回転数を抑えたり、優しい素材を使ったりといった配慮もされています。さらに、壁ぎわのゴミまでしっかり吸い取れる「壁ぎわスッキリバンパー」も畳のお部屋には嬉しい機能ですね。とにかく軽くて扱いやすい掃除機をお探しの方、そして畳のゴミをしっかり取りたい方に向いています。
ここでご紹介した機種はあくまで一例ですが、畳のお掃除を快適にしてくれる機能がたくさん詰まっています。
ご自身の使い方やお部屋の状況に合わせて、最適な一台を見つけてくださいね。
掃除機以外の方法
畳のお手入れは、掃除機やほうきだけでなく、他にもいくつか方法があります。
これらを組み合わせることで、より畳を清潔で長持ちさせることができますよ。
まず、基本的なことですが、お部屋の換気をこまめに行うことが大切です。
畳は湿気を吸いやすい性質があるため、換気をして湿気を逃がすことで、カビやダニの発生を抑える効果が期待できます。
特に梅雨時期などは、除湿器などを活用するのも良いでしょう。
拭き掃除をする場合は、固く絞った雑巾で畳の目に沿って優しく拭きます。
水拭きは畳を傷めたり、カビの原因になったりすることがあるため、基本的には乾拭きか、もし水拭きをする場合は雑巾を本当に固く絞り、拭いた後はしっかりと乾燥させることが重要です。
お酢を数滴垂らしたお湯で絞った雑巾を使うと、殺菌効果や汚れ落ちが良くなるとも言われています。
もし畳に何かをこぼしてしまった場合は、すぐに乾いた布で吸い取るようにしましょう。
液体が染み込んでしまうとシミになりやすいので、素早い対処が肝心です。
また、年に1~2回程度、畳を上げて陰干しする「畳干し」も効果的なお手入れ方法です。
ただしこれは重労働ですし、現代の住宅では難しい場合もありますので、無理のない範囲で行いましょう。
総括:おすすめの畳用掃除機
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。