PR

炊飯器の内釜だけ買いたい!購入方法と買い替えのコツを家電店員が解説

炊飯器の豆知識

炊飯器の内釜のコーティングが剥がれてきて、炊飯器の内釜だけ買いたいと悩んでいませんか?

毎日ご飯を炊いていると、気がついたら内釜の底や側面にコーティングの剥がれを発見してしまうことってありますよね。そんな時、このまま使い続けて大丈夫なのか、それとも内釜だけでも新しく買った方がいいのか迷ってしまいます。

でも実際にどこで買えるのか分からないし、値段も気になるところです。

家電量販店で働いている私のところにも、内釜の寿命や買い替えの目安について相談に来られるお客様がとても多いんです。剥がれたコーティングは体に害があるのか心配になったり、せっかく買い替えるなら長持ちする材質を選びたいという声もよく聞きます。

最近では健康志向の高まりから、フッ素加工なしの内釜に注目する方も増えています。また、長持ちするメーカーの見分け方や正しいお手入れ方法を知っておけば、今度はもっと長く使えるはずです?

ここでは炊飯器の内釜だけ購入したいと考えている方に向けて、どこで買えるのか、どうやって選べばいいのか、長持ちさせるコツまで、家電のプロとして普段お客様にお伝えしている情報を詳しく解説していきます。

この記事を読めば、内釜選びで失敗することなく、きっと美味しいご飯を長く楽しめるようになりますよ!

この記事のポイント
  • 内釜の寿命や買い替えのタイミング
  • 内釜だけを購入する方法と注意点
  • コーティング剥がれの原因と安全性
  • 内釜を長持ちさせるお手入れのコツ
スポンサーリンク

炊飯器の内釜だけ買いたい!まず確認

クリーン家電ガイド:イメージ
  • 内釜の寿命と買い替えの目安
  • 剥がれの原因
  • 内釜だけ買いたい!別売りはどこで買える?
  • 剥がれた内釜は危険で有害?
  • 内釜の材質による違い
  • フッ素加工なしの内釜とは

内釜のコーティングが剥がれているのを見つけた時、まず頭に浮かぶのは「このまま使って平気?」という不安と、「もし買うなら、釜だけって売ってるの?」という疑問じゃないでしょうか。

高い炊飯器だった場合、本体ごと買い替えるのはためらいますし、かといって毎日のご飯が美味しく炊けないのも困りますよね。

この章では、まずその不安や疑問を解消するために、内釜の寿命や剥がれの原因、そしてどこで買えるのか、といった基本的な情報をしっかり確認していきましょう。

内釜の寿命と買い替えの目安

まず、「内釜ってどれくらい持つの?」という寿命についてです。

使い方やお手入れの頻度によって本当に差が出るのですが、一般的な目安としては「3年~5年」と言われています。毎日、高温での加熱と冷却、そして洗浄を繰り返すわけですから、コーティング(フッ素加工)が少しずつ摩耗していくのは避けられないんですね。

じゃあ、どんな状態になったら買い替え時か? というと、以下のようなサインが出てきたら要注意です。

内釜の買い替え・交換サイン
内釜の買い替え・交換サイン
ご飯がこびりつきやすくなった
フッ素加工の非粘着性が落ちてきている証拠です。
目に見えてコーティングが剥がれている
地金(アルミなど)が見えている状態。
炊きムラや焦げ付きが増えた
剥がれた部分だけ熱の伝わり方が変わり、うまく炊けなくなることがあります。
内釜に歪みやヒビ、割れがある
特に土鍋釜や本炭釜は、落としたりすると割れるので即交換が必要です。

このような症状が出てきたら、内釜の交換か、炊飯器本体の買い替えを検討するタイミングだと思います。

ここで一緒に考えたいのが、炊飯器本体の寿命です。本体の電子部品やパッキンなどを含めた設計上の標準使用期間は、だいたい「7年~10年程度」に設定されていることが多いんです。

もし、お使いの炊飯器が購入から5年以上経過している場合、結構悩ましいところです…。
例えば、高級モデルの内釜を部品として買うと、平気で1万5千円や2万円以上することもあります。

「あと数年しか本体が持たないかもしれないのに、その内釜に出費するのは…」と考えるお客様も多く、結果的に本体ごと最新機種に買い替えた方が、結果的に満足度(コストパフォーマンス)が高くなるケースも多いんですよ。

最近の炊飯器は省エネ性能も上がっていますし、何より炊き上がりの美味しさが格段に進化しているので、本体の使用年数と内釜の価格を天秤にかけて判断するのがおすすめです。

剥がれの原因

「大切に使っていたつもりなのに、どうして剥がれちゃうの?」とショックを受ける方もいらっしゃるかもしれません。

内釜のコーティングが剥がれてしまう主な原因は、先ほどもお伝えした「経年劣化」のほかに、日々の使用による「物理的な傷」がほとんどなんです。

特に、私たちがお店でお客様から使い方をお伺いしていると、「あ、それが原因かもしれません…」と思い当たる、やりがちなNG行動がいくつかあります。

内釜を傷つけるNG行動ワースト5
内釜を傷つけるNG行動ワースト5
1
食器類のつけ置き
これがダントツで一番多い原因です!食べ終わったお茶碗やスプーン、フォークなどを内釜に入れて水につけておく行為。陶器や金属が内釜のコーティングにガシガシ当たって、傷だらけになってしまいます。
2
硬いもので洗う
食器洗い用のスポンジの硬い面、メラミンスポンジ、金属たわし、クレンザー(磨き粉)の使用は絶対にNGです。「汚れが落ちやすいから」とメラミンスポンジで洗ってしまう方が意外と多いのですが、あれは細かい研磨剤で表面を削っているので、コーティングまで削り取ってしまいます。
3
金属製の調理器具の使用
金属製のしゃもじや泡だて器(お粥を混ぜるなど)は、一発で深い傷をつけてしまいます。付属のプラスチック製しゃもじ以外は使わないでください。
4
調味料や酢の放置
炊き込みご飯の素や、酢飯を作るためのお酢を内釜に入れたまま長時間放置すること。目に見えない小さな穴(ピンホール)から酸や塩分が侵入し、コーティングを内側から浮かせてしまう原因になります。
5
内釜での洗米
最近はOKな機種も増えましたが、やはりお米や爪が当たって細かい傷がつく原因にはなります。特に力を入れて研ぐのは禁物です。

毎日使っていれば熱や水分で少しずつ劣化はしますが、上記のような「傷つける行為」を避けるだけで、内釜の寿命は本当に2倍、3倍と変わってくるんですよ。

内釜だけ買いたい!別売りはどこで買える?

クリーン家電ガイド:イメージ

「内釜だけ新しくしたい!」と思った時、どこで買えるのかが問題ですよね。
内釜は「部品・消耗品」扱いになりますが、主に以下の場所で購入が可能です。

内釜の主な購入先
内釜の主な購入先
1
購入した家電量販店(お店)
私たちのような家電量販店の店頭でも、もちろんご注文いただけます。その際は、炊飯器の「型番」を控えてきてくださいね。ただ、内釜は基本的に「お取り寄せ」になることがほとんどです。在庫を置いているお店はまず無いと思ってください。型番さえ分かれば、店員が確実に適合する部品を探しますので、一番安心な方法かもしれません。
2
メーカーの公式オンラインストア(部品販売ページ)
象印やタイガー、パナソニックなど、各メーカーは自社の公式サイトで部品販売を行っています。型番を入力してご自身で検索する必要がありますが、純正品が確実に手に入ります。
3
Amazonや楽天市場などのネット通販サイト
ネット通販でも多くの内釜が販売されています。価格が少し安くなっている場合もありますが、ここで絶対に間違えてはいけないのが「炊飯器の型番」です。

ここが一番大事なポイントです!
炊飯器の型番は、本体の側面や背面に貼られているシールに必ず記載されています(例:「NP-XXXX」「JPI-XXXX」など)。
ネット通販の場合、1文字でも違うと、全く合わない別の内釜が届いてしまいます。「似たような型番だから大丈夫だろう」は通用しません。メーカーと型番は必ず正確に確認してくださいね。

また、注意点として、炊飯器などの家電は部品の保有期間が決まっています。
これは「補修用性能部品の保有期間」と呼ばれ、製造終了から約6年程度が目安です(メーカーによって異なる場合もあります)。
あまりに古い機種(10年以上前など)だと、メーカーにも部品の在庫がなく、「内釜だけ欲しくても、もう手に入らない」という場合があるので注意が必要です。

剥がれた内釜は危険で有害?

これは、店頭でも本当によく聞かれる質問の一つです。

「剥がれたコーティング、ご飯と⼀緒に⾷べちゃってるかも…体に害はないの?」と心配になりますよね。

これについては、象印やタイガーといった主要メーカーの公式サイトでも「健康への害はない」と公表されています。

参考:象印マホービン「よくあるご質問」

多くの炊飯器のコーティングに使われているフッ素樹脂(PTFE)は、化学的に非常に安定した物質で、体温程度では変化しません。万が⼀、剥がれたものを⾷べてしまっても、体内に吸収されずにそのまま排出されるとされています。

ですから、健康面での危険性は心配しなくて大丈夫だと思います。

ただし、もちろんデメリットはあります。
「害はない=使い続けて良い」というわけではないんです。

先ほどもお伝えしたとおり、コーティングが剥がれると、そこにご飯がこびりつきやすくなります。これでは洗うのがとても大変になりますよね。

それだけではなく、剥がれた部分と残っている部分で熱の伝わり方が不均一になり、炊きムラができたり、そこだけ焦げ付きやすくなったりします。ご飯の風味が落ちる可能性は十分に考えられます。

また衛生面でも、剥がれたコーティングの隙間や、露出した地金の細かい傷に汚れが残りやすくなり、雑菌が繁殖する原因にもなりかねません。

「害はないけど、美味しく炊けなくなるし、お手入れも面倒になる」というのが、剥がれた内釜を使い続ける場合の現実的な問題点ですね。

内釜の材質による違い

最近の炊飯器は、内釜の材質が本当に多様化していて、ここが価格の差に直結していると言っても過言ではありません。

材質によって、熱の伝わり方(熱伝導性)や熱を保つ力(蓄熱性)が全く違うので、炊き上がりの食感も変わってくるんです。

もし買い替えるなら、どんな材質があって、どんな人に向いているのか知っておくと選びやすいですよ。

内釜の材質特徴炊き上がりメリットデメリット
多層釜
(アルミ+ステンレスなど)
最も一般的。異なる金属を重ねて、熱伝導と蓄熱のバランスを取った釜。標準的・バランス型・軽く扱いやすい
・価格帯が広い
・上位モデルほどの強い火力や蓄熱性はない
鉄釜
(南部鉄器など)
IHと相性が良く、非常に高い発熱性を持つ。一気に高温に。しゃっきり・粒立ち・強い火力で炊き上げる
・お米一粒一粒が立つ
非常に重い
・錆びやすいためコーティングが必須
土鍋釜
(タイガーなど)
土鍋の高い蓄熱性と遠赤外線効果でじっくり加熱。泡立ちも細かい。もっちり・甘みが強い・ふっくら、もっちり
・お米の甘みを引き出す
割れやすい(衝撃厳禁)
・重い
本炭釜
(三菱電機など)
炭素材を削り出した釜。遠赤外線効果が高く、釜全体が発熱。しゃっきり・旨み・一粒一粒に火が通る
・お米の旨みを引き出す
割れやすい(衝撃厳禁)
・高価
銅釜
(東芝など)
熱伝導率が非常に高い「銅」を使用している。ふっくら・炊きムラなし・釜全体に一気に熱が伝わる
・炊きムラが少ない
・高価

店頭でも好みは分かれますね。
「やっぱりご飯はしゃっきり粒立ってないと!」という方には、鉄釜本炭釜が人気です。カレーやチャーハンにも向いています。

「冷めても美味しい、もっちり甘いご飯が好き」という方には、土鍋釜がすごく人気があります。

ただ、土鍋釜と本炭釜は「落としたら割れる」というリスクがあるので、そこを心配される方には、扱いやすくてバランスの良い多層釜銅釜をおすすめしています。

フッ素加工なしの内釜とは

最近、健康志向の高まりから「フッ素加工(コーティング)なし」の炊飯器を探されるお客様も増えてきました。

先ほどお伝えしたように、フッ素加工は健康に害はないとされていますが、それでも気になる…という方や、コーティングの剥がれ自体を心配したくない、という方に選ばれています。

フッ素加工なしの内釜というと、主に以下の2つが代表的です。

フッ素加工なしの代表例
フッ素加工なしの代表例
土鍋釜(タイガーの一部など)
タイガーさんの上位モデル「土鍋ご泡火炊き」などは、内釜が本物の土鍋で、フッ素加工がありません。遠赤外線効果で美味しく炊けます。
鋳物ホーロー鍋(バーミキュラなど)
炊飯器として販売されている「バーミキュラ ライスポット」なども、鋳物ホーロー鍋なのでフッ素加工はありません。

これらのメリットは、もちろん「コーティングが剥がれる心配が一切ない」ことです。金属たわしなどでゴシゴシ洗っても(推奨はされませんが)大丈夫なくらい丈夫です。

一方で、デメリットもあります。

やはりフッ素加工がない分、ご飯がこびりつきやすい傾向はあります。炊飯器の「非粘着性」という便利な機能を手放すことになるわけですね。

お手入れの際は、しっかり水に浸けてふやかすなど少しコツが必要になるかもしれません。

また、土鍋は「割れ」、ホーローは「重さ」という、フッ素加工とは別のデメリットもあるので、お手入れの手間も「食の楽しみ」として受け入れられるか、ご自身のライフスタイルに合わせて選びたいですね。

炊飯器の内釜だけ買いたい時の判断基準

クリーン家電ガイド:イメージ
  • 長持ちするメーカーや機種は?
  • 洗い方や頻度について
  • 内釜での米とぎはOK?
  • 剥がれや割れた時の修理方法
  • 内釜の捨て方と再利用アイデア

ここまでで、基本的な知識はOKですね。
でもいざ「買う・買わない」を決める時、さらに迷うのが「じゃあ、どこのメーカーが丈夫なの?」「どう使えば長持ちするの?」といった、具体的な行動指針だと思います。

この章では、メーカー選びのコツや正しいお手入れ方法、万が一の時の対処法まで、一歩踏み込んで解説します。

長持ちするメーカーや機種は?

「どうせ買うなら、コーティングが長持ちするメーカーがいい!」というのは、誰もが思うことですよね。

これを見分ける一番わかりやすいポイントは、「内釜の保証期間」です。

炊飯器本体のメーカー保証は通常1年ですが、それとは別に「内釜のコーティング(フッ素加工)の剥がれ」に対して、3年や5年、長いものでは6年といった長期保証を付けているメーカーや機種があります。

メーカー別・内釜保証の例
メーカー別・内釜保証の例
日立
「大火力 沸騰鉄釜」など、一部の高級機種で内釜の6年保証を付けていることがあります。これは業界でも最長クラスで、コーティングの丈夫さにかなり自信があるのがわかりますね。
パナソニック
「ダイヤモンド竈釜」などで、5年保証や3年保証を付けている機種が多いです。
象印・タイガー
多くの機種で、内釜は3年保証となっています。
(※保証期間は機種や年度によって変わるため、必ず購入時にご確認ください)

保証期間が長いということは、それだけメーカーが「うちのコーティングは丈夫ですよ」と自信を持っている証拠とも言えます。一つの大きな判断基準になると思います。

ただし、ここで本当に大きな注意点があります。

この長期保証は、あくまで「コーティングの剥がれ」に対する保証です。
内釜の「割れ」「ヒビ」「へこみ」は、保証期間内であっても対象外となることがほとんどです。

特に、タイガーの「土鍋釜」や三菱の「本炭釜」は、落としたりぶつけたりすると割れてしまうことがありますが、これはお客様の過失による「破損」扱いとなり、保証は適用されません。

「土鍋釜や本炭釜は、どんなに保証が長くても『落としたら終わり』と思ってください、と店頭では必ずお伝えしています」

高価な釜だからこそ、この違いはしっかり理解しておいてくださいね。

洗い方や頻度について

内釜を長持ちさせるには、日々の正しいお手入れが一番重要です。
これはもう断言できます!

まず、お手入れの「頻度」ですが、これはもう結論が決まっています。
内釜も内蓋(うちぶた)も、炊飯するたびに「毎回」洗ってください。

「えっ、内蓋も毎回?」と思うかもしれませんが、炊飯時の蒸気には、お米のでんぷん質(おねば)がたくさん含まれています。
それを放置すると、雑菌が繁殖してニオイの原因になったり、内蓋にこびりついた汚れが落ちてご飯の味を損ねたり、最悪の場合はカビの原因にもなってしまいます。

そして「洗い方」のポイントです。

内釜・内蓋の正しい洗い方
内釜・内蓋の正しい洗い方
柔らかいスポンジと中性洗剤で優しく洗う。
硬いスポンジ、金属たわし、メラミンスポンジ、クレンザーは絶対に使わないでください。(先述の通りです!)
内釜に食器などを入れて「つけ置き」しないこと。
蒸気口キャップなど、外せるパーツも毎回(または最低でも2~3回に1回)洗いましょう。ここも汚れが溜まりやすいポイントです。

ちなみに、食器洗い乾燥機(食洗機)は、ほとんどのメーカーが使用を推奨していません。

理由は、食洗機の高温(80℃以上)や強い水圧、そして食洗機用洗剤(多くがアルカリ性)が、コーティングの変形や劣化を早めてしまう可能性があるためです。

内釜と内蓋は、面倒でも優しく手洗いしてあげてくださいね。

内釜での米とぎはOK?

クリーン家電ガイド:イメージ

「剥がれの原因」でも少し触れましたが、「内釜での米とぎ」について、もう少し詳しく解説しますね。

昔は「内釜で研ぐと傷がつくからダメ」というのが常識でした。私も親からそう教わりました(笑)

しかし、最近は内釜のコーティング技術が非常に進化しています。特に日本の大手メーカーのものは本当に丈夫になりました。
そのため、象印など、多くのメーカーが「内釜で洗米OK」と取扱説明書に記載するようになっています。

ただし、これにはもちろん条件があります。

内釜で研ぐ時の注意点
内釜で研ぐ時の注意点
優しく研ぐ
お米をゴシゴシと力強く研ぎつけるのはNGです。あくまで「洗う」感覚で、優しくかき混ぜる程度にしてください。
硬いものを使わない
泡だて器やザルを内釜に入れて使うのはもってのほかです。
アクセサリーに注意
指輪などをしたまま研ぐと、内釜に当たって傷がつく原因になります。必ず外してから研いでください。

個人的には、最近の一般的な炊飯器であれば優しく研ぐ分には問題ないと思います。ボウルを別に出す手間も省けて便利ですよね。

ただ「やっぱり心配…」という方や、特にデリケートな「土鍋釜」「本炭釜」といった高級モデルをお使いの方は、万が一のことを考えて別のボウルやザルで研ぐ方がより安心して長く使えると思いますよ。

剥がれや割れた時の修理方法

万が一、剥がれたり割れたりしてしまった時の対処法です。
これは知っておくと慌てずに済みます。

コーティングが「剥がれた」場合

メーカーに修理を依頼しても、コーティングを塗り直すことはしません。基本的には「新品の内釜と交換」という対応になります。

内釜の保証期間内(3年や5年など)であれば無償交換してもらえますが、保証が切れていると、内釜の部品代(数千円~2万円以上)がそのままかかります。

そこで、もう一つの選択肢があります。

実は、フライパンや炊飯釜のフッ素加工を専門に塗り直してくれる会社(「センテック」さんなどが有名ですね)があるんです。

費用は釜の材質やサイズによりますが、数千円(+往復送料)で再加工してもらえることが多いです。新品の釜を買うより安く済む可能性があります。

デメリットは、加工に数週間かかるため、その間炊飯器が使えなくなること。また、機種によっては水量の目盛りが消えてしまう場合もあるようです。

依頼する前にご自身の釜が対応可能か確認が必要ですね。

内釜が「割れた」場合(土鍋釜・本炭釜)

これは、残念ながら修理する方法はありません。

瞬間接着剤などでくっつけるのは絶対にやめてください。炊飯時は高温・高圧がかかりますし、水漏れが本体の故障(ショートなど)を引き起こす可能性があり非常に危険です。

先述の通り、割れはメーカー保証の対象外になることがほとんどです。

対処法は「新品の内釜を部品として購入する」しかありません。
土鍋釜や本炭釜は部品代も非常に高額(2万円~)になるため、もし割ってしまったら、本体の使用年数を考えて、炊飯器自体の買い替えも視野に入れた方が良いかもしれません。

内釜の捨て方と再利用アイデア

新しい内釜を買ったり、本体を買い替えたりして、古い内釜が不要になった場合の処分方法ですね。

内釜の捨て方

これはお住まいの自治体のルールによりますが、一般的には「不燃ごみ」「小さな金属類」として捨てられることが多いです。

ただし、自治体によっては「一番長い辺が30cmを超えるものは粗大ごみ」といったルールがあるため、サイズによっては粗大ごみ扱いになる可能性もあります。お住まいの地域の分別ルールを確認してみてください。

(炊飯器本体を捨てる場合は、「小型家電リサイクル」の対象か「粗大ごみ」になります。これも自治体のルールに従ってくださいね)

内釜の再利用アイデア

コーティングが剥がれた内釜を、お鍋の代わりに使うのはおすすめできません。

IH炊飯器の釜はIHクッキングヒーターで反応することもありますが、底が丸く不安定で危険ですし、取っ手もないため火傷の恐れがあります。そもそも調理用には設計されていません。

私のお客様の中には、「植木鉢カバー」として使っている方がいらっしゃいました。
特に高級モデルの釜はデザインが凝っていて重厚感もあるので、観葉植物を入れるとオシャレだと仰っていましたよ。

あとは、キッチンの「小物入れ(お玉や菜箸立て)」や、ペットフードの「エサ入れ」などに使っているという話も聞きますね。

調理以外で、うまく活用できると良いですね。

総括:炊飯器の内釜だけ買いたい時のあれこれ

それでは最後に、この記事の内容をまとめます。

  • 内釜の寿命は3年~5年が目安
  • 炊飯器本体の寿命は7年~10年が目安
  • 本体が5年以上経過している場合、高価な内釜交換より本体買い替えがオトクな場合も
  • 剥がれの原因は「物理的な傷」がほとんど
  • 「食器のつけ置き」「硬いスポンジ洗い」は最悪のNG行動
  • 内釜だけ買うことは可能。家電量販店やネットで注文できる
  • 注文時はメーカー名と「型番」の確認が必須
  • 剥がれたフッ素樹脂を口にしても健康への害はないとされている
  • 害はないが、こびりつきや炊きムラ、衛生面のデメリットがある
  • 内釜の材質(鉄・土鍋・炭など)で炊き上がりの食感が変わる
  • 長持ちするメーカーは「内釜の長期保証(3年・5年・6年)」で判断
  • 内釜の「割れ」や「へこみ」は保証対象外なので注意
  • お手入れは内釜も内蓋も「毎回」洗うのが基本
  • 食洗機はコーティング劣化の原因になるため非推奨
  • 「割れた」場合は修理不可。「再コーティング」は剥がれのみ対応

炊飯器に関連する参考記事