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賃貸のエアコン掃除マニュアル!費用負担のルールから業者選びまで

エアコン掃除

賃貸のお部屋についているエアコン、夏や冬に大活躍してくれますよね。
でも、ふと吹き出し口を覗いたときに黒いカビを見つけてしまったり、運転すると変な臭いがしてきたり…そんな経験ありませんか?

「これって自分で掃除していいの?」
「業者を呼んだら費用は誰が払うの?」
そんな疑問を抱えている方、実はとても多いんです。

実は、賃貸のエアコン掃除には明確なルールがあって、フィルター掃除は入居者の責任、内部の専門的な洗浄は大家さんの負担というのが基本なんです。
でも、契約書の特約や使い方によっては入居者負担になるケースもあるから、知らないと損をしてしまうかもしれません。

この記事では、国土交通省のガイドラインに基づいた費用負担のルール、自分でできる掃除の範囲と絶対にやってはいけないこと、業者に依頼する際の相場や選び方、さらには入居時や退去時の注意点まで、賃貸ならではのエアコン掃除の全てを詳しく解説していきます。

正しい知識を身につけて、快適なお部屋で過ごしましょう!

この記事のポイント
  • 賃貸のエアコン掃除で誰が費用を負担するか
  • 自分で掃除して良い範囲と危険な範囲
  • カビを防ぐための具体的な家電の使い方
  • 入居時から退去時までのトラブル回避策
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賃貸のエアコン掃除|費用負担は誰?

クリーン家電ガイド:イメージ

私も家電量販店で働いていると、お客様から「賃貸のエアコン掃除、大家さんに言っていいんでしょうか?」なんてご相談を結構いただきます。

この問題、実は「どこを掃除するか」によって、法律やガイドラインでしっかりルールが決まっているんです。知らずに自分で業者を手配しちゃうと、思わぬトラブルになることもあるんですよ。

まずは、この「費用負担」のルールから一緒に見ていきましょう!

費用負担は大家?入居者?

この問題の「答え」を先に言ってしまうと、「プロによる内部の分解洗浄」は大家さん(家主)「自分でできるフィルター掃除」は私たち入居者、というのが基本的なルールなんです。

これは、国土交通省が出している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」という、賃貸のルールブックみたいなものに書かれています。ちょっと難しく聞こえるかもしれませんが、とっても大事なことなので、少しお付き合いくださいね。

家主さん(大家さん)の負担になるケース

ガイドラインでは、エアコン本体は「設備」として扱われます。

私たちが普通に使っていて(例えば、夏に毎日冷房をつけるとか)、内部のファンや熱交換器に自然とカビが生えたり、ホコリが溜まったりした場合、その専門的な「内部洗浄」の費用は、原則として大家さんの負担とされています。

これは、エアコンという「設備」の性能を維持するためのメンテナンス費用、という考え方なんですね。だから、「最近カビ臭いな…」と思ったら、まずは大家さんや管理会社に相談する権利が私たちにはあるんです。

私たち入居者の負担になるケース

一方で、私たち入居者にも「善管注意義務(ぜんかんちゅういぎむ)」という義務があります。簡単に言うと、「借りているものなんだから、ちゃんと普通に管理して使ってね」というお約束事です。

エアコンでいうと、具体的には「日常的なフィルター掃除」がこれにあたります。フィルターって、エアコンが空気を吸い込む一番最初の「玄関」ですよね。ここがホコリで目詰まりすると、エアコンは無理やり空気を吸おうとして余計な力がかかります。

そうすると、内部で異常な結露が起きやすくなって、結果的にカビがものすごく増えちゃう…なんてことに。もし「フィルター掃除を全然していなかった」ことが原因でカビだらけになったと判断されると、「それは入居者の管理が悪かったからですよね」と、内部洗浄の費用を請求されちゃう可能性も出てくるんです。

負担分けの基本ルール

  • 大家さん(家主)負担:設備のメンテナンスとしての「内部の分解洗浄」(普通に使っていて発生した汚れやカビ)
  • 入居者負担:善管注意義務としての「日常的なフィルター掃除」、または通常でない使い方(タバコのヤニなど)による汚れ

(参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

この「フィルター掃除をちゃんとしていたかどうか」が、交渉の時にすごく大事なポイントになるんです。だから、面倒でもフィルター掃除だけは、ちゃんとしておくのが吉ですね。

管理会社への連絡と許可は必須

「じゃあ、フィルター掃除はしてるけど、やっぱり臭いが取れない!よし、業者を呼ぼう!」
…と、その前に。

賃貸の場合、自分で勝手に業者を手配するのは、絶対にNGなんです。
必ず、まず管理会社や大家さんに連絡して「許可」をもらう。これが鉄則です。

これには、私たち入居者自身を守るための、ちゃんとした理由が3つあります。

理由1:大家さんが費用を出してくれるかもしれないから

先ほどの話の通り、内部洗浄は原則大家さん負担です。
「フィルター掃除はしてるんですが、内部の臭いが取れなくて…」と相談すれば、「じゃあ、こちらで業者を手配しますね」と、大家さんの費用でやってもらえる可能性が一番高いんです。

自分で先に払っちゃったら、後から請求しても「なんで先に言わなかったの?」って、払ってもらえないかもしれません。

理由2:万が一、故障した時の「賠償責任」を負うから

これが一番怖いですね…。
エアコンって、すごく精密な「家電製品」です。内部には電子基板とかモーターとか、水に弱い部品がいっぱい。もし、私たちが勝手に呼んだ業者が掃除中に水をかけてしまって、エアコンが壊れたら…。

大家さんから見れば、「入居者が許可なく分解して壊した」ということになります。
この場合、エアコンの修理代や、最悪「本体の交換費用」全額を請求されても文句は言えないんです。怖くないですか?

エアコンの基板交換って数万円かかるケースも普通にありますから、本当に危険です。

理由3:大家さん指定の業者がいるかもしれないから

大家さんによっては、エアコンのメンテナンスはいつもこの業者、と決めている場合があります。それ以外の業者が分解することを「無断での改造」とみなされて、トラブルになるケースもあるんです。

無断手配はハイリスク!

許可なく業者を手配すると、

  1. 本来大家さん負担だったかもしれない費用を、自分で払うことになる。
  2. 清掃業者がエアコンを故障させた場合、入居者が大家さんへの賠償責任を負う。

という、二重のリスクを抱えることになります。良いことは一つもないんです。

だから、どんなに急いでいても、まずは「フィルター掃除はしていますが、内部のカビ臭が取れません。専門業者による洗浄をお願いしたいのですが、どうすればよろしいでしょうか?」と、管理会社や大家さんに連絡してください。

この時、電話じゃなくてメールや管理アプリのチャットなど、「証拠(履歴)が残る形」で連絡するのが、後々のトラブル防止にもなるのでおすすめですよ。

入居時にカビ臭い場合の対処法

クリーン家電ガイド:イメージ

新生活だ!と思って引っ越したお部屋で、さっそくエアコンをつけたら…「うわっ、カビ臭い!!」ってなったら、本当にテンション下がりますよね…。

でも、落ち込まないでください。
これは、入居者にとって有利な状況なんです。

ポイントは、「いつ気づいたか」
もし、入居してすぐ(できれば荷解きを始める前、遅くとも1週間以内)に気づいたなら、それは「入居前からの既存の汚れ」である可能性が極めて高いです。

これは、私たち入居者の責任ではまったくないですよね。
前の入居者が退去した後、大家さん側(管理会社)が清掃やメンテナンスをちゃんとしていなかった、という管理上の問題になります。

こういう時は、絶対に泣き寝入りしないですぐに連絡です!

入居直後に異臭がしたら!即アクション!

  1. 証拠を残す:エアコンの吹き出し口の汚れを写真で撮る。可能なら、臭いがわかるように動画(運転開始時の様子)も撮る。
  2. すぐに連絡:管理会社や大家さんに、写真や動画を添えて「入居したばかりで本日エアコンを試運転したら、ひどいカビ臭がする。入居前からの汚れだと思われるので、早急に内部洗浄の手配をお願いします」とメールで連絡する。
  3. 「試運転」を強調:荷物を運び込む前に、まず家電の「試運転」をするのは基本です。「試運転で発覚した」と伝えることで、入居後の使用による汚れではないことを強く主張できます。

入居時のバタバタで「まぁいいか…」と後回しにして、1ヶ月も経ってから「臭いんですけど」と言っても、「いや、あなたが入居してから汚れたんじゃないの?」と言われかねません。

退去時のクリーニング特約に注意

入居中も無事に過ごして、いよいよお引越し。その「退去時」にも、エアコン掃除の罠が待っていることがあるんです。

それが、賃貸契約書に潜む「特約(とくやく)」というルールです。

さっき、基本ルールでは「内部洗浄は大家さん負担」と言いましたよね。でも、実はあの国土交通省のガイドラインは、あくまで「指針」であって、法律そのものではないんです。

だから、契約書に「退去時のハウスクリーニング費用(エアコンクリーニング代含む)は、賃借人(入居者)の負担とする」という「特約」が書かれていて、私たちがそれに合意してサインしていたら…。

残念ながら、その「特約」がガイドラインよりも優先されます
これが現実なんです。

家電を買い替えに来るお客様が、お引越しの話をしてくれる時にも「契約書に書いてあったから、結局2万円取られちゃったよ」なんて話をよく聞きます。
入居時にちゃんと読んでいなかった…という方がすごく多いんですよね。

契約書のココをチェック!

入居時(できれば契約前)や退去時に、契約書の「原状回復」や「特約事項」の欄を必ず確認してください。

  • 「ハウスクリーニング代 一式 〇〇円(賃借人負担)」
  • 「エアコン内部洗浄費用は、使用状況に関わらず賃借人の負担とする」

こんな一文があったら、覚悟が必要です。ただし、あまりにも高額すぎる(例えばエアコン掃除だけで5万円!とか)場合は、暴利的な特約として無効を主張できる可能性もありますが、交渉はかなり大変だと思います。

もちろん、特約が「ない」のであれば、堂々と基本ルール(ガイドライン)を主張できます。「私は善管注意義務(フィルター掃除)を果たしていました。通常使用による内部の汚れまで負担する義務はありません」と交渉できるわけです。

退去時に慌てないためにも、一度、今のお部屋の契約書を見返してみるのもいいかもしれませんね。

タバコのヤニ汚れは入居者負担

これまでは「普通に使っていたら」というお話でしたが、例外があります。
それが、タバコのヤニや、ペットの毛・臭いによる汚れです。

これらは、残念ながら「通常の使用を超える損耗・汚損」とみなされてしまいます。
議論の余地なく、100%入居者の費用負担となるんです。

タバコのヤニって、本当に厄介で…。
壁紙が黄ばむだけじゃなくて、エアコンが吸い込んだ空気と一緒になかにこびりついちゃうんです。フィルターはもちろん、奥の熱交換器やファンまでベッタリ…。

こうなると、普通のエアコンクリーニングでは臭いが取れなくて、「完全分解洗浄」や「ヤニ専用の特殊洗浄」が必要になって、費用がものすごく高額になるケースがあります。これは「特約」があろうがなかろうが、お部屋を元に戻す「原状回復義務」として請求されます。

喫煙者・ペット飼育者は「空気清浄機」併用を!

もしお部屋でタバコを吸う方や、ペット(特に毛が舞いやすい犬・猫ちゃん)を飼っている方は、エアコン暖房や冷房を使う時は、必ず「空気清浄機」を併用してください

エアコンが吸い込む前に、空気清浄機にヤニやペットの毛をできるだけ吸わせるんです。これだけで、エアコン内部の汚れ方は全然違ってきますよ。

家電店でおすすめするなら、やっぱりシャープの「プラズマクラスター」や、パナソニックの「ナノイーX」搭載モデルが人気ですね。特にタバコの臭いやペット臭に特化したフィルターを積んでいるモデルは、効果が期待できると思います。

退去時の高額請求を防ぐための「保険」だと思って、空気清浄機への投資は惜しまない方がいいかもしれません。

賃貸エアコン掃除|自分でやる?業者?

クリーン家電ガイド:イメージ

費用のルールがわかったところで、次の悩みは「じゃあ、どこまで自分でやっていいの?」ってことですよね。カビが見えると、つい自分でなんとかしたくなっちゃう気持ち、よーくわかります。

でも、賃貸のエアコンは「借り物」。ここでも「やっていいこと」と「絶対ダメなこと」の境界線がはっきりあるんです。この見極めを間違えると、さっきお話しした「賠償責任」問題に直結しちゃいますから、しっかり確認していきましょう!

自分で掃除できる範囲はフィルター

まず、私たちが「やってもいい」というか、むしろ「やらなきゃいけない」範囲。
それは、先ほど何度も出てきた「フィルター掃除」です。

これは大家さんの許可もいりませんし、入居者の「善管注意義務」として定められた、れっきとした「お掃除の担当範囲」なんです。エアコンの効率を保って電気代を節約するためにも、そして退去時に「ちゃんと管理してましたよ!」と主張するためにも、ここはしっかりやりたいところですね。

メーカーは「月に1度」を推奨していますけど、リビングなど使う時間が長いエアコンは、冷暖房をよく使う夏と冬は「2週間に1回」やるのが理想です。私も家電店で、お客様に電気代節約のアドバイスとして必ずお伝えしています。

そして、このフィルター掃除、簡単なようで「正しい手順」を間違えると、逆にフィルターを目詰まりさせてしまうことがあるんです!

プロが教える!正しいフィルター掃除の手順

  1. 電源プラグを抜く:安全第一!必ずコンセントから抜いてください。
  2. フィルターを外す:説明書を見て、優しく外します。
  3. 掃除機(表から)一番大事!ホコリが付いている「表側」から、掃除機でガーッと吸い取ります。
  4. 水洗い(裏から):浴室などで、シャワーを「裏側」(キレイな方)から当てて、汚れを押し出すように洗い流します。
  5. 洗剤(必要な場合):油汚れがひどい時は、薄めた中性洗剤と古い歯ブラシなどで優しくこすります。たわしはNG!
  6. 完全乾燥:タオルで水気を拭き取り、陰干しで「完全に」乾かします。濡れたまま戻すのは故障とカビの原因になるので絶対ダメです!

なぜ手順3と4の「向き」が大事かというと、もし掃除機を裏から当てたり、シャワーを表から当てたりすると、ホコリがフィルターの網目に押し込まれて、二度と取れない「目詰まり」を起こしちゃうからなんです。

家電店では、掃除機用の細い「すきまノズル」や「ブラシ付きノズル」もたくさん置いています。こういうアタッチメントを使うと、フィルターの網目を傷めずに効率よくホコリが吸えるので、おすすめですよ。

ダイソンとかマキタのコードレスクリーナーをお持ちなら、専用ノズルを探してみるのもいいと思います。

洗浄スプレーは故障とカビ悪化の元

さて、ここからが「危険領域」です。

フィルターは掃除した。
でも、吹き出し口から中を覗くと…見える…黒いツブツブ(カビ)が…。

こんな時、ドラッグストアで売ってる「エアコン洗浄スプレー」に手が伸びそうになりますよね。

でも、待ってください!あれは絶対に使っちゃダメです!

家電スタッフとして、これは本当に強くお伝えしたいです。
あのスプレーが原因で「エアコンが動かなくなった」というご相談、夏場に本当に多いんですよ…。

スプレーを使ってはいけない理由

そもそも「そこ」用じゃない

私たちが一番キレイにしたいのって、奥で見えている「黒いファン(送風ファン)」ですよね?

でも、市販のスプレー缶の注意書きをよーく見てみてください。「フィン(金属のギザギザ部分)用」って書いてありませんか?

そして、「送風ファンには使用しないこと」って、はっきり禁止されているんです。

火災・ショートの危険性

エアコンは家電です。内部には電子基板やモーター、配線がいっぱい。スプレーの洗浄液が、そういう電気部品にかかったら…?

当然、ショート(短絡)します。
最悪の場合、発煙や発火につながる重大な事故になる危険性があります。

メーカー(ダイキンや三菱電機など)も公式に「市販スプレーは使わないで」と警告しているのは、この火災リスクが一番大きいからなんです。

メーカー保証が効かなくなる

もしスプレーが原因で故障した場合、たとえ保証期間内でも「お客様の誤った使用が原因」として、メーカー保証は一切適用されません

賃貸でこれをやると、大家さんの所有物を「メーカー保証対象外」の状態にした、ということで、全額賠償問題に発展します。

カビが悪化する(一番最悪なパターン)

プロの業者は「高圧洗浄機」で大量の水を使って、洗剤と汚れを完全に洗い流します。

でも、市販のスプレーは噴射圧が弱いですよね。
だから、中途半端に剥がれた汚れと洗剤成分が、内部にベッタリ残っちゃうんです。

そして、その「洗剤の残りカス」が、カビの新しい「栄養」になって、以前よりひどい悪臭とカビの温床(ブロック)を作り出す…という最悪の悪循環に陥ります。

スチームクリーナーも高圧洗浄機もNG!

「じゃあケルヒャーみたいなスチームクリーナーは?」これもダメです!高温のスチームは、エアコン内部のプラスチック部品を変形・溶解させて、異音や故障の原因になります。

もちろん、家庭用の高圧洗浄機をそのまま使うなんて、電子部品を確実に浸水させて即破壊する行為なので、もってのほかです。

結論:自分でやっていいのは「フィルター」と「外装パネルを拭く」まで!内部に何かを噴射する行為は、全て「危険領域」だと覚えておいてください。

自分でできるカビ予防「内部クリーン」

クリーン家電ガイド:イメージ

「じゃあ、フィルター掃除以外は何もできないの?」というと、そんなことはありません!
私たちにできる、最強のカビ「予防」策があるんです。

それが、エアコンのリモコンについている「内部クリーン」や「内部乾燥」というボタンです。
(メーカーによって名前が違います)

これ、勘違いしてる方がすごく多いんですが、「お掃除」機能じゃありません。
これは「乾燥(ドライ)」機能なんです。

どういう仕組みかというと、冷房や除湿運転を停止した後に、自動的に「送風」や「弱い暖房」運転を1~2時間行って、エアコン内部をカラッカラに乾燥させる機能です。カビは「水分」がないと繁殖できませんから、その水分を断ち切るわけですね。

これを、冷房を使った後に毎回やるだけで、カビの発生率は劇的に変わってきますよ!

「内部クリーン」の正しい使い方

  • 目的:カビの「予防」。発生してしまったカビを殺す効果はゼロ。
  • タイミング:冷房・除湿運転を使った「後」。
  • 注意点:すでにカビ臭いエアコンで作動させると、内部のカビ胞子を部屋中に撒き散らし、一時的に「さらに臭く」感じることがあります。あくまで予防!
  • 機能がない場合:古い機種などでボタンがない場合は、冷房停止後に手動で「送風」モード(または30℃設定の「暖房」)を1時間ほど運転すればOKです!

そして、もう一歩進んだカビ予防として、家電店スタッフとしてぜひおすすめしたいのが「他の家電との連携(エコシステム)」です。

エアコン単体で頑張らせるんじゃなくて、他の家電に助けてもらうんです。

予防策1:サーキュレーター

エアコンと「サーキュレーター」の併用は、もはや常識ですよね!

お部屋の空気をかき混ぜて、冷暖房の効率を上げる(=エアコンの稼働時間を短くする)効果はもちろん、お部屋全体(とエアコン内部)を早く乾燥させるのにも役立ちます。

アイリスオーヤマの「サーキュレーターアイ DC JET」みたいに、静かでパワフルなDCモーター搭載機が、電気代も安くて終日運転にぴったりだと思います。

予防策2:除湿機

特に梅雨時や、お部屋で洗濯物を干す方!カビの最大の原因は「室内の湿度」です。
こういう時は、エアコンの除湿より「除湿機」を動かすのが一番です。

シャープのプラズマクラスター除湿機みたいに、衣類乾燥に強いモデルや、一年中効率よく除湿できる「ハイブリッド式」の除湿機は、エアコンの結露負荷を減らす「最高の相棒」になりますよ。

業者依頼の相場と選び方

予防も頑張ったけど、それでもやっぱり臭いが…となったら、いよいよプロの出番です。
もちろん、大家さん・管理会社さんの許可をもらってから、ですよ!

さて、業者さんを(自分で選ぶ許可が出たとして)どう選ぶか。
大きく分けて2種類あります。

業者さんのタイプ

  • フランチャイズ系(おそうじ本舗、ダスキンなど):全国チェーンで、価格やサービス内容が標準化されています。作業研修もしっかりしていて、万が一の「損害賠償保険」や「作業後保証」が充実しているのが安心ポイント。価格は少し高めです。
  • マーケットプレイス系(くらしのマーケットなど):地域の個人事業主さんや中小企業がたくさん登録していて、価格競争があるので安価な業者さんを見つけやすいのが魅力。ただし、技術力や保険・保証の有無は「玉石混交」。私たちがしっかり見極める必要があります。

家電店のお客様からは、両方の評判を聞きますね。

「ダスキンはやっぱり高かったけど、ピカピカで安心だったわ」という声もあれば、「くらしのマーケットで口コミが良い人に頼んだら、安くてすごく丁寧だった!」という声も。本当に人によりますね。

料金が跳ね上がる「お掃除機能付き」とは?

業者さんの料金表を見ると、必ず「標準タイプ」と「お掃除機能付き」で値段が分かれています。「お掃除機能付き」は、内部がものすごく複雑で、分解と再組立てに高度な技術と時間がかかるため、料金が1.5倍~2倍近く高くなるんです。

ご自宅のエアコンがどっちか、見分けるポイントは…

  • リモコンに「フィルター掃除」「手動おそうじ」ボタンがある。
  • フィルターの手前に、なにやらゴチャゴチャした機械(ダストボックスやブラシユニット)が付いている。
  • (目安として)本体がすごく分厚い(奥行き30cm以上とか)。

※「内部クリーン」ボタンは「お掃除機能」ではありません!これは「標準タイプ」料金ですよ。

エアコンクリーニング 料金相場(目安)
業者タイプ 標準タイプ
(お掃除機能なし)
お掃除機能付き 備考
フランチャイズ系
(おそうじ本舗など)
約 12,000円 ~ 約 20,000円 ~ オプション(防カビコート等)は別料金
マーケットプレイス系
(くらしのマーケットなど)
約 8,000円 ~ 10,000円 約 13,000円 ~ 19,000円 保険・保証の有無を必ず確認

くらしのマーケット

マーケットプレイス系で選ぶ時の重要チェック点

価格だけで選ぶのは危険です!予約前に必ず以下を確認してください。

  • 口コミ:「時間通りに来たか」「説明は丁寧だったか」は基本。一番大事なのは、「清掃後に水漏れした」等のネガティブ口コミに対して、その業者がどう対応したか(再訪問・修理保証など)です。誠実な対応をしている業者は信頼できます。
  • 保険・保証:「損害賠償保険に加入していますか?」「作業後の保証期間はありますか?」と、チャットで必ず確認しましょう。
  • 追加料金:「汚れ具合による追加料金」や「駐車料金」の有無も確認です。

エアコンクリーニングは、家の設備(しかも家電)を他人に分解してもらう、かなり専門的なサービスです。料金はあくまで目安として、最終的な判断は、複数の業者を比較し、専門家の説明をしっかり聞いた上で決定してくださいね。

賃貸のエアコン掃除はルールが重要

ここまで賃貸のエアコン掃除について、お金の話から法律の話、自分でできること、プロに頼むことまで、一通りお話ししてきました。

結構、賃貸ならではの「ルール」がたくさんありましたよね。

家電店で色々な家電をご案内していても、エアコンは特に「買い替え」よりも「メンテナンス」が大事な家電だなぁ、とつくづく思います。

賃貸のエアコン掃除でトラブルを避けて、快適に過ごすための鍵は、突き詰めると2つだけだと思うんです。

  1. 法律(ルール)を知って、自分の「責任範囲」を知ること。
  2. カビを「やっつける」ことより、カビを「発生させない予防」を頑張ること。

この2つさえ押さえておけば、大家さんとの余計なトラブルも、プロの高いクリーニング費用も、最小限に抑えられるはずです。

賃貸エアコン掃除 行動指針まとめ

  • 入居時:すぐ試運転!臭いや汚れがあれば即、証拠写真とメールで管理会社へ!
  • 入居中:「フィルター掃除(2週に1回)」と「内部クリーン(毎回)」を徹底する。サーキュレーターなども活用する。
  • 臭い発生時DIYスプレーは絶対NG!まず管理会社へ「許可」を求める連絡(メール推奨)!
  • 退去時:契約書の「特約」を確認。タバコのヤニなどは全額負担を覚悟する。

一番の防御策は、私たち入居者が「やるべきこと(フィルター掃除)は、ちゃんとやってましたよ!」と胸を張って言える状態にしておくこと。これが、大家さんと交渉する時の何よりの武器になりますからね。

この記事に書かれている費用や法律に関する情報は、あくまで一般的な目安やガイドラインに基づいています。実際の契約内容や状況によって異なりますので、最終的な判断や交渉は、必ずご自身の契約書を確認し、管理会社や大家さん、または消費生活センターなどの専門家にご相談くださいね

正しい知識と予防策で、賃貸のお部屋でも快適なエアコンライフを送りましょう!

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