掃除機の音が気になって、夜間や早朝の掃除を諦めていませんか?
多くの方は、「集合住宅での騒音トラブルを避けたい」「赤ちゃんが眠っている間に掃除したい」といったお悩みを抱えているのではないでしょうか。
静かな掃除機は何デシベルが目安なのか、静かに掃除機をかけるにはどんなコツがあるのか。このような疑問にお答えするため、家電量販店での経験を活かして詳しく解説していきます。
最新のランキング情報から具体的なデシベル値の基準、赤ちゃんがいるご家庭での選び方まで、静音掃除機に関する幅広い情報をお届けします。音を気にせず快適に掃除できる理想的な掃除機選びのお手伝いができれば嬉しいです。
この記事では、静音掃除機の基礎知識から最新おすすめモデル、使い方のコツまで、掃除機選びで失敗や後悔をしないための情報を網羅的にご紹介します。
静音掃除機の基礎知識と選び方のポイント

掃除機選びで最も重要なのは、自分の生活環境に合った静音レベルを理解することです。
デシベル値の基準から実際の使い方のコツまで、静かな掃除を実現するための基礎知識を詳しく解説していきます。
静かな掃除機は何デシベル?
掃除機の運転音を表すデシベル(dB)という単位について、まずは理解しておくことが大切です。一般的な会話音が60dB程度ですから、これより低い数値の掃除機であれば比較的静かだと考えられます。
深夜や早朝にお掃除をする場合は、40dB以下のモデルがおすすめです。40~50dBと表示されている掃除機は、静かに作業を行いたい場合に最適な選択肢となります。50dB台の掃除機は非常に静かで、隣室や階下への音漏れも気にならないレベルです。
マンションや団地などで夜間に掃除機をかけることを考えると、65dB以下のモデルを選ぶのが良いでしょう。一般的に稼働音が60dB以下の掃除機であれば、静音性に優れていると言えます。小さな子どもがいる方や近隣への騒音が気になる方は、50dB以下のモデルを検討してみてください。
ただし、同じ騒音値でも音の「色」(周波数帯)が機種によって違うので、実際に聞いてみることができればそれが一番です。一般に「キーン」という高い音が含まれているとうるさく感じるものです。
掃除機の音を抑える工夫

掃除機メーカーでは、さまざまな静音技術を採用して運転音を抑える工夫を行っています。吸込口のブラシの回転も運転音に影響するため、ブラシの回転数をコントロールできる機能を搭載したモデルもあります。
新しい流路構造により風の流れを効率化し、振動をエラストマで吸収する技術も注目されています。さらに穴あきスポンジによる吸音効果で、快適な清掃環境を提供するモデルもあります。
プレフィルタとスポンジフィルタがメッシュパイプの風切音を低減し、低騒音を実現している製品もあります。独自の低騒音化技術により、耳障りな音を抑制する工夫も見られます。
サイクロンユニットを機体上部に設置し、吸音用の穴あきスポンジも付いて低騒音化を実現しているモデルも存在します。これらの技術により、従来の掃除機よりも大幅に運転音を抑えることが可能になっています。
ただし、吸引力とのバランスも考慮する必要があります。極端に吸引力を抑えてしまうと、掃除機本来の性能を発揮できなくなってしまうので注意が必要です。
静かな掃除機のかけ方
掃除機を少しでも静かに使用するには、運転モードを使い分けることが効果的です。大まかに「強」「中」「弱」と三段階程度に分かれている掃除機が多いですが、夜間の使用時にはこの運転モードを上手く使い分けましょう。
掃除機の騒音値はモーターの稼働率が高くなると大きくなります。運転モードを「強」にすると吸引力も上がるためモーターが一生懸命に働き、大きな騒音を出してしまいます。夜間使用の際は「弱」モードから試してみることをおすすめします。
「弱」モードだと吸引力が物足りなく感じる場合には、掃除機をかける前に床を拭くなどして掃除の一工夫をすることも騒音対策になります。
掃除機の動かし方でも音を抑えることができます。掃除機のヘッド部分を床にくっつけたままで動かすよう心がけると、ヘッドを上下に動かすことが減りますので床への振動が軽減されます。
コードやノズルが床に当たる音も意外に響いてしまうものです。これらの音を最小限に抑えるためにも、丁寧な操作を心がけることが大切ですね。
赤ちゃんがいる家庭の静音掃除機選び

赤ちゃんがいる家庭では、掃除機選びは慎重になりますよね。
やっぱりおすすめとしては、赤ちゃんが寝ている間に素早くかけられる「音が静かで、強力な吸引力のある」掃除機です。それは、使用時の音が60dB以下でも十分な吸引力があること。できれば50dB以下の掃除機を選びたいところです。
ハウスダストを除去する吸引力も重要な要素です。1mm以下の小さいホコリ「ハウスダスト」には、ダニ、ダニの死骸、卵、カビ、洋服の繊維、ペットの毛などが含まれ、これらはアレルギーの原因となります。じゅうたんやたたみに入り込んだハウスダストも吸い上げる吸引力が必要です。
排気のクリーンさにもこだわりたいところです。0.3ミクロンもの微細な粒子を99.97%以上捕らえるポストモーターフィルターを搭載している掃除機なら、排気は部屋の空気よりもきれいになります。
コードレス掃除機は比較的静音性に優れているものが多く、コードを引っ張ることもないので動きもスムーズです。赤ちゃんが活動している時間帯でも、音を気にせずにサッと掃除できる点が魅力的だと思います。
タイプ別静音掃除機の特徴と選び方

静音掃除機には様々なタイプがあり、それぞれに特徴があります。
紙パック式、サイクロン式、コードレス、ハンディタイプなど、各タイプの静音性能と選び方のポイントをご紹介します。
紙パック式静音掃除機
紙パック式掃除機は、集塵方式の特性上、音がやや抑えられる傾向があります。これは、ゴミを分離する必要がないため、サイクロン式と比較して騒音レベルが低めになるからです。
紙パック式の最大のメリットは、お手入れがラクなことです。紙パックに溜まったごみを捨てるだけなので、フィルターのお掃除もあまり必要ありません。ゴミ捨ての際にホコリが舞い上がることも少なく、衛生的に使用できます。
ただし、デメリットとしてランニングコストが高い点があります。ほぼ毎月別売りの紙パックを購入しなくてはいけません。また、ゴミがたまると吸引力は徐々に落ちる特性もあります。
三菱電機の紙パック掃除機は、すべての部品を軽量設計した代表的なモデルです。本体は2.4kgと軽量で、付属のブラシやホース、パイプも1.2kg以下となっています。「ぜんぶ軽い」をコンセプトに使いやすさにこだわった設計です。
マキタのCL107FDSHWは紙パック式集じん&ワンタッチスイッチの充電式クリーナーで、隙間に入り込んだゴミもしっかり吸引するパワフル吸引が特徴です。薄暗い場所などのお掃除に便利なLEDライトつきで、本体重量も1.1kgと軽量になっています。
サイクロン式静音掃除機

サイクロン式掃除機は、高い遠心力でゴミを分離し、吸引力が持続するため、音量が大きくなりやすい特性があります。しかし、最近では静音技術の向上により、従来よりも大幅に運転音を抑えたモデルが登場しています。
サイクロン式の大きなメリットは、紙パックが不要でランニングコストがかからないことです。また、ゴミの分離性能が高く、フィルターの目詰まりが少ない設計なので吸引力が長持ちします。
一方、お手入れに手間がかかる点がデメリットです。ダストカップやフィルターの定期的な水洗いが必要で、ゴミ捨ての際にホコリが舞い上がる可能性もあります。
シャープのサイクロン式掃除機は、57dBと最小クラスの音が小さい掃除機として注目されています。高速に旋回する気流でごみを分離する遠心分離サイクロンを採用し、HEPAクリーンフィルターで微細なホコリもキャッチして逃しません。
東芝のトルネオミニは、強力な気流でゴミを圧縮する機能を搭載し、ネット部へのゴミの付着も低減してゴミ捨ても簡単です。フィルターとダストカップは丸ごと水洗いが可能な設計になっています。
コードレス掃除機の静音モデル
コードレス掃除機は一般的に静音性に優れているものが多く、取り回しが良いため音の発生源となる接触音も軽減されます。バッテリー式は電気式特有の静かさがあり、エンジン式と比較すると圧倒的に音が小さいです。
スティック型は小型になっているためモーターも小さめの場合が多く、キャニスター型に比べて騒音レベルは若干低めです。接地面が少ないので音の伝達が抑えられ、タイヤの動く音なども低減されるメリットがあります。
マキタの40Vmax充電式クリーナーCL001GRDCOは、ハイパワーブラシレスモータを搭載しながら、エコモード時54dB、パワフルモード時でも65dBという低騒音設計を実現しています。新開発の流路構造により風の流れを効率化し、振動をエラストマで吸収する技術が採用されています。
ダイソンの最新モデルV12 Detect Slim Fluffyでは、従来とは変わらない吸引力の高さを維持しつつも静音化を実現し、パワーモードでも75.7dB、エコモードなら67.2dBという静音性を誇ります。
ただし、コードレス掃除機は連続使用時間が限られるため、こまめな充電が必要です。また、コード式と比較して吸引仕事率が低いものが多い点も考慮する必要があります。
ハンディクリーナーの静音モデル
ハンディクリーナーは常に手に持って作業をするため、疲れずに家事をするために重量が軽く、静音性に優れたものを選ぶことが大切です。コンパクトな設計により、モーター音も比較的小さく抑えられているモデルが多くあります。
マキタとダイソン製を比べると、圧倒的に軽いのはマキタ製です。ダイソン製のハンディクリーナーの重さは約2kgですが、マキタ製はその半分の約1kg程度となっています。重さの大部分はバッテリーが占めており、本体やパイプなどは非常に軽く作られています。
京セラの充電式クリーナーPOWERは、コンパクトながら使いやすさを追求したモデルです。静音設計により、早朝や夜間の掃除でも周りを気にせず使用できる設計となっています。紙パック式を採用しており、ごみ捨ての際の手間を最小限に抑えられます。
ボッシュのコードレスクリーナーBBS1223WJPは、DIY用電動工具と共用可能な18Vバッテリーを採用した高性能なモデルです。静音設計により使用する時間や場所を選ばず、急速充電対応で約60分でフル充電が可能です。
ハンディクリーナーを選ぶ際は、充電時間の短さも静音性と同様に重要な要素です。使いたい時にすぐに使える利便性があると、音を気にせずにこまめな掃除ができるようになります。
40db以下の静かな掃除機

40dB以下の超静音掃除機は、深夜や早朝の使用に最適なレベルです。世界保健機関(WHO)の環境騒音ガイドラインでは、夜間の騒音レベル40dBが睡眠障害の閾値とされており、睡眠に影響を与えないためにはおおむね35~45dBを目安に騒音レベルを抑えることが望ましいとされています。
40dB程度の静音掃除機は、無音の室内とほぼ変わらない数値で、24時間使用していても静かだと感心できるレベルです。サーキュレーターの弱モードで38.1dBという製品もあり、静音表記基準の35dBに限りなく近い性能を実現しています。
ただし、40dB以下の掃除機は台数が限られており、吸引力とのバランスを考慮する必要があります。あまりに静かな掃除機では吸引力が満足でない場合もあるため、用途に応じて選択することが大切です。
主に軽い掃除や維持清掃に適しており、本格的な掃除には向かない場合があります。フローリング中心のお部屋や、メイン掃除機とは別のサブ掃除機として活用するのがおすすめです。
選択の際は、カタログに記載されている測定条件も確認しましょう。騒音レベルは距離が離れれば小さくなるため、どれだけ離れて測定したかによって数値が変わります。製品カタログに測定時の距離などの条件が書いてある場合は、それを参考にして比較することができます。
掃除機静音ランキングTOP3

2025年7月時点での静音掃除機ランキングをご紹介します。これらのモデルは静音性と性能のバランスが優れており、多くのユーザーから高い評価を得ています。
第1位:マキタ CL001GRDCO 充電式クリーナー
エコモード時54dB、パワフルモード時65dBという圧倒的な静音性を誇ります。40Vmaxバッテリーを搭載し、吸込仕事率125Wという強力な清掃力も実現しています。新流路構造により風の流れを効率化し、振動をエラストマで吸収する技術が採用されています。
第2位:日立 かるパックスティック PKV-BK3L
軽量1.1kgと強力パワーを両立した紙パック式コードレススティッククリーナーです。ハイパワーのファンモーターで、さまざまな場所のごみをしっかり吸い込みます。ゴミ捨ては約2か月に1回でOKという手軽さも魅力的です。
第3位:シャープ RACTIVE Air EC-SR10
57dBと最小クラスの静音性を実現したサイクロン式掃除機です。高速に旋回する気流でごみを分離する遠心分離サイクロンを採用し、HEPAクリーンフィルターで微細なホコリもキャッチして逃しません。フィルターはつまみを回すだけで簡単にクリーニングできるため、お手入れの手間も軽減されます。
これらのモデルは価格帯もそれぞれ異なるため、予算と必要な機能を考慮して選択することをおすすめします。マキタ製は2~3万円、ダイソン製は5~6万円という価格差があるため、コストパフォーマンスも重要な選択基準になるでしょう。
総括:静音掃除機の選び方完全ガイド
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。