最近よく耳にする光触媒空気清浄機ですが「具体的にどんな効果があるの?」「他の空気清浄機と何が違うの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
私も家電量販店で働いていると、お客様から光触媒に関する質問をいただく機会が本当に増えたなと感じます。
フィルター交換が不要なモデルがある一方で、デメリットや電気代も気になりますよね。
特にカルテックやダイキンのような人気メーカーの製品は、それぞれに特徴があるのでどれを選べばいいか迷ってしまうかもしれません。
この記事では、光触媒空気清浄機の基本的な仕組みから多くの方が気になる花粉やほこりへの効果、そして意外と知られていないデメリットまで、家電販売員の視点から分かりやすく解説していきます。
光触媒空気清浄機の効果と基本的な仕組み

まずは光触媒空気清浄機がどのようなものなのか、基本的な部分から一緒に見ていきましょう。少し専門的な話も出てきますが、できるだけ分かりやすく説明するので安心してくださいね。
これを理解すると、製品選びがもっと楽しくなると思います。
光触媒を利用した空気清浄機の仕組み
光触媒空気清浄機の心臓部とも言えるのが「光触媒」という技術です。
多くは酸化チタンという物質でできたフィルターに、紫外線ランプの光を当てることで機能します。光が当たるとフィルターの表面に強力な分解力を持つ物質が発生するんです。
その分解力が空気中に含まれるウイルスや細菌、アレルギー物質、そして気になるニオイの元などを、水や二酸化炭素といった無害な物質に分解してくれるという仕組みですね。
一般的な空気清浄機がフィルターで汚れを「捕まえる」のに対して、光触媒は汚れを「分解して無害化する」という点が大きな違いと言えます。
このためフィルター自体が汚れにくく、定期的な交換が不要なモデルが多いのは嬉しいポイントだと思います。
ただフィルターに光を当て続けるための紫外線ランプは寿命があるので、いずれ交換が必要になるケースはありますね。
花粉やほこりに対する効果は?
光触媒技術は、ウイルスやニオイの元のような非常に小さな物質を分解するのが得意分野です。
一方で、花粉やほこりペットの毛といった、比較的大きな粒子を分解するのには時間がかかる、あるいはあまり得意ではないという側面があります。
そのため多くの光触媒空気清浄機は、大きな粒子をキャッチするためのプレフィルターやHEPAフィルターなどを併用しているんです。
つまり光触媒がウイルスやニオイを分解し、物理的なフィルターが花粉やほこりを捕まえるという、ハイブリッド方式で空気をキレイにしているんですね。
ですから花粉やほこり対策を重視するなら、どのような物理フィルターが搭載されているかもしっかりチェックするのがおすすめです。
製品によっては光触媒機能に特化して、ほこりを吸い込む力が比較的マイルドなものもあるので、ご自身の目的と照らし合わせて選ぶのが良いでしょう。
購入前に知っておきたいデメリット
とても魅力的な光触媒空気清浄機ですが、購入する前に知っておいてほしいデメリットや注意点もいくつかあります。
一つ目は先ほどもお伝えしたとおり、花粉やほこりのような大きな粒子を素早く除去するのは少し苦手な場合がある点です。
ファンで空気を吸い込んで、物理フィルターで濾し取るタイプの空気清浄機に比べると、集塵スピードが緩やかに感じられるかもしれません。
二つ目は、製品によっては微量のオゾンが発生する可能性があることです。
現在の国内メーカーの製品は安全基準をクリアしているので、過度に心配する必要はないと考えられています。それでも気になる方は、オゾンフリーを明記している製品を選ぶとより安心できますね。
三つ目は、紫外線ランプの寿命です。
光触媒フィルター自体は交換不要なものが多いですが、光を当てるためのランプには寿命があり、数年での交換が必要になる場合があります。交換費用も事前に確認しておくと、長期的なコストを把握しやすいと思います。
これらの点を理解した上で、ご自身のライフスタイルに合った製品を選んでくださいね。
つけっぱなしの場合の電気代を解説
空気清浄機は24時間つけっぱなしで使うのが最も効果的とされていますが、そうなると気になるのが電気代ですよね。
私もお客様から「一ヶ月つけっぱなしにするといくらくらい?」とよく聞かれます。
光触媒空気清浄機の電気代は、モデルや運転モードによって変わりますが、一般的なリビング用モデルを例に計算してみましょう。
仮に消費電力が標準モードで、20Wの製品を24時間30日間つけっぱなしにしたとします。
電気料金の目安単価を1kWhあたり31円で計算すると…
20W ÷ 1000 × 24時間 × 30日 × 31円/kWh = 約446円
このようになります。
もちろん、静音モードならもっと安くなりますし、パワフルなモードで運転すれば高くなります。加湿機能などが付いているモデルは、その分消費電力も上がりますね。
多くの最新モデルは省エネ性能がとても高いので、思ったよりも高くないと感じる方が多いのではないでしょうか。
古い家電を使い続けるよりも、最新の省エネモデルに買い替えた方が結果的に電気代を抑えられるケースも少なくありません。
実際に使った人の口コミや評判
ここでは、私が家電量販店の店頭でお客様から直接お伺いしたリアルな声をご紹介しますね。
良い口コミ・評判
一番多いのは、やはり脱臭効果に関する声です。
「ペットのニオイが本当に気にならなくなった」「料理の後のニオイがすぐに消える」といったお話はよく聞きます。特に、生活臭に悩んでいた方からの評価はとても高い印象ですね。
また「フィルター交換の手間がないのが嬉しい」という声も多いです。
光触媒フィルターの多くは定期的にお手入れするだけで交換が不要なので、ランニングコストを抑えたい方や、フィルターの在庫を気にしたくない方には大きなメリットだと感じられているようです。
デザイン性の高さを評価する声もあって「リビングに置いてもインテリアに馴染む」と喜ばれる方もいらっしゃいます。
気になる点・少し残念な口コミ
一方で「ホコリを吸う力は思ったより弱いかも」という声も時々耳にします。
先述のように光触媒はニオイや菌を分解するのが得意なので、パワフルな集塵機能を期待して購入すると、少し物足りなく感じる場合があるのかもしれません。
また「静音モードは静かだけど、通常モードだと少し音が気になる」というご意見もあります。寝室で使うことを検討している方は、購入前に運転音のデシベル(dB)表記を確認するのがおすすめです。
光触媒の仕組み上、紫外線ランプの光が少し漏れて見えることがあり「夜は光が気になる」という方もいらっしゃいました。
ライフスタイルや設置場所によって感じ方が違う部分なので、ぜひ参考にしてみてください。
おすすめの光触媒空気清浄機の選び方

さて、ここからは数ある製品の中から自分にピッタリの一台を見つけるための選び方について解説していきます。
メーカーごとの特徴や、お部屋の広さ、どんな目的で使いたいかによって、おすすめのモデルは変わってくるんです。
一緒に最適な選び方を見つけていきましょう。
主要メーカーごとの特徴を比較
光触媒空気清浄機を販売しているメーカーはいくつかありますが、ここでは特に人気のメーカーの特徴を比較してみたいと思います。
メーカー | 主な技術・特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
カルテック | 独自の光触媒技術。フィルター交換不要。薄型・壁掛けなどデザイン性が高い。 | デザイン性を重視する方、フィルター交換の手間をなくしたい方 |
ダイキン | ストリーマ技術と光触媒フィルターの組み合わせ。高い集塵・加湿性能。 | 高い集塵能力や加湿機能も求める方、リビングなど広い空間で使いたい方 |
フシコー | MaSSC(マスク)クリーン技術。コンパクトで軽量なモデルが多い。 | 寝室や子供部屋などパーソナルな空間で使いたい方 |
このように、メーカーごとに強みが異なります。
カルテックは光触媒技術に特化していて、お手入れの手軽さとデザインで選ばれていますね。
ダイキンは空気清浄機全体の高い技術力の中に光触媒を組み込んでいるイメージで、総合力で選ぶ方が多いです。
フジコーはコンパクトなモデルに強みがあります。
ご自身の優先順位に合わせてメーカーを絞り込むのも、一つの方法だと思います。
話題のメーカー「カルテック」とは
最近、光触媒空気清浄機の中でも特に注目を集めているのが「カルテック」というメーカーです。大手電機メーカー出身の技術者たちが設立した会社で、光触媒技術に特化して製品開発を行っています。
カルテックの最大の魅力は、独自開発の光触媒技術により、フィルター交換が不要な点でしょう。数ヶ月に一度、光触媒フィルターを浸け置き洗いするだけで性能が再生するので、ランニングコストを抑えられます。
また、デザイン性が非常に高いことも人気の理由です。
特に壁掛けタイプの「ターンド・ケイ KL-W01」は、厚さ約8.3cmと非常にスリムで、壁に掛けても圧迫感がありません。
床に置くスペースがないお部屋や、小さなお子様やペットがいるご家庭でも安心して使えると好評ですね。
他にも、持ち運べる首掛けタイプの除菌脱臭機など、ユニークな製品を多くラインナップしていて、新しいライフスタイルを提案してくれる注目のメーカーです。
ダイキン製品のフィルターの特徴
空気清浄機の分野で高いシェアを誇るダイキンも、光触媒技術を活用した製品を販売しています。
ダイキンの場合、光触媒単体というよりは、独自の空気清浄技術「ストリーマ」との組み合わせが特徴です。
ストリーマ技術は、プラズマ放電の一種で、有害物質やニオイの元を強力に分解します。その分解力は、一般的なプラズマ放電の1000倍以上とも言われています。
そして、そのストリーマで分解しきれなかった物質を、集塵フィルターや脱臭フィルターでキャッチする仕組みです。
一部のモデルでは、集塵フィルターに「TAFU(タフ)フィルター」を採用しています。これは撥水・撥油効果が高い素材でできており、10年間交換不要とされています。
また、脱臭フィルターにも光触媒(アパタイト光触媒)が使われることがあり、ニオイを吸着・分解する能力が長持ちするよう工夫されていますね。
このように、複数の技術を組み合わせることで、高い空気清浄能力とフィルターの長寿命を両立させているのがダイキン製品の強みと言えるでしょう。
小型で人気のモデルはある?
「リビング全体というよりは、寝室や書斎、玄関のようなパーソナルな空間で使いたい」というニーズも非常に増えています。
そんな方には小型モデルがおすすめです。
カルテックの「ターンド・ケイ MY AIR KL-P02」は、首から掛けて使える充電式のパーソナル除菌脱臭機です。
自分の顔周りの空気をキレイにできるという新しい発想の製品で、電車の中やオフィスなど、様々なシーンで活用できます。
また、もう少し広い空間、例えば6畳程度の個室で使うなら、フジコーの「BlueDeo S MC-S101」も人気があります。
コンパクトで軽量なので持ち運びも簡単ですし、デザインもシンプルでどんなお部屋にも合わせやすいと思います。
小型モデルは、適用床面積が限られている分、価格が手頃なものが多いのも魅力ですね。
初めて光触媒空気清浄機を試してみたいという方が、まず小型モデルから使ってみるというケースも多いですよ。
ご自身の使いたい場所に合わせて、最適なサイズを選んでください。
用途別のおすすめモデルを紹介
最後に、具体的な利用シーンを想定して、どのようなモデルがおすすめかをご紹介します。
リビングなど広い空間で使いたい方
家族が集まるリビングには、やはりパワフルな空気清浄能力が求められます。
適用床面積が広く、加湿機能も搭載されているダイキンのうるるとさらら空気清浄機「MCZ70W」などがおすすめです。高い集塵性能とストリーマ技術で、広い空間の空気を効率よくキレイにしてくれます。
寝室や子供部屋で静かに使いたい方
寝室で使うなら、運転音の静かさはとても重要ですよね。
カルテックの製品は静音性の高さに定評があります。
壁掛けタイプの「ターンド・ケイ KL-W01」なら、運転音も静かで、床のスペースを取らないので、寝室にもピッタリだと思います。
ペットやタバコのニオイが気になる方
脱臭効果を最優先するなら、光触媒の分解能力が強みになるでしょう。
カルテックの製品は、ニオイの元を分解することに特化しているので、ペットやタバコのニオイ対策として選ばれる方が非常に多いです。複数の部屋で使いたい場合は、持ち運びしやすいコンパクトなモデルを選ぶのも良い方法ですね。
総括:あなたに合う光触媒空気清浄機の見つけ方
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。