新しく食洗機を選ぶとき、多くの方がパナソニックとリンナイのどちらにするか迷われるのではないでしょうか。
国内で高いシェアを誇るこの2社は、それぞれ異なる特徴を持ち、洗浄力や静音性、価格帯などさまざまな面で比較されています。
店頭でも「結局どっちがいいの?」というご質問をよくいただきますが、実はご家庭の使い方や優先したいポイントによって、最適な選択は変わってくるんです。
口コミや評判を見ても、パナソニックの除菌機能を評価する声もあれば、リンナイの大容量に満足する声もあり、どちらも高い評価を得ています。
耐久性やアフターサポート、毎日使う上での電気代といったランニングコストも気になるところですよね。
この記事では、両メーカーの食洗機について、洗浄力や静音性、価格帯などの具体的なポイントを詳しく比較しながら、どんな人におすすめかまで丁寧に解説していきます。
あなたのキッチンに最適な一台を見つけるお手伝いができれば嬉しいです。
パナソニックとリンナイの食洗機はどっちがいい?徹底比較

- パナソニックの食洗器の特徴
- リンナイの食洗器の特徴
- 国内におけるそれぞれのシェア
- 実際の口コミや評判をチェック
まずは、パナソニックとリンナイ、それぞれのメーカーがどんな食洗機を作っているのか、基本的な特徴から見ていきましょう。
国内でのシェアや、実際に使っている方から聞こえてくるリアルな声もご紹介しますので、全体像を掴んでみてくださいね。
パナソニックの食洗器の特徴

まずは、食洗機シェアNo.1のパナソニックから見ていきましょう。やはり長年の歴史と高い技術力で、たくさんの便利な機能が搭載されているのが魅力だと思います。
これまでパナソニックのビルトイン食洗機は、引き出しのように手前にスライドさせて食器をセットする「スライドオープン式」が中心でした。日本のキッチンでは主流のタイプで、立ったまま楽な姿勢で食器を入れられるのが嬉しいポイントですよね。
ですが、近年では待望の「フロントオープン式」もリリースされています。リンナイに続いて国内メーカーの選択肢が増えたのは、私たちにとってもすごく嬉しいニュースですよね。
これにより、これまで容量でフロントオープンを選んでいた方も、パナソニックを検討できるようになったんです。
しかも、ただフロントオープンを出しただけじゃなくて、カトラリー専用のトレイがある3段構造のカゴになっていたりと、パナソニックらしい工夫が詰まっているんですよ。
もちろん、使い慣れたスライドオープン式も健在なので、キッチンの使い方や家族の人数に合わせて、ぴったりの一台を選べるようになったのが大きな特徴です。
そして、どちらのタイプを選んでも共通しているのが、その高い洗浄力と清潔機能です。
独自の技術で高い洗浄力を実現
パナソニックの食洗機は、「ストリーム除菌洗浄」という機能が多くのモデルに搭載されています。
これは、50℃以上の高温・高圧水流で洗い上げることで、洗いながら食器を除菌してくれるというもの。手洗いでは難しい温度で洗浄できるので、衛生面が気になる方にはとても安心できる機能じゃないでしょうか。
さらに、上位モデルには「3Dプラネットアームノズル」という、庫内の隅々まで水流を届けるための工夫もされています。
これによって、お皿が重なっている部分やコップの底など、汚れが残りやすい場所もしっかりキレイにしてくれるんです。
「ナノイーX」で庫内も清潔
空気清浄機などでもおなじみの、パナソニック独自のイオン技術「ナノイーX」が搭載されているモデルもあります。
洗浄後に庫内に「ナノイーX」を充満させることで、ニオイを抑制したり、菌の繁殖を抑えたりする効果が期待できるんです。まとめ洗いをする時など、少し時間をおいてから運転する場合でも、庫内を清潔に保てるのは嬉しいですよね。
他にも、食器の量や汚れ具合をセンサーが検知して、自動で最適な運転をしてくれる「AIエコナビ」など、省エネ性能が高いのも特徴です。毎日使うものだから、電気代や水道代を抑えられるのは助かりますよね。
リンナイの食洗器の特徴

リンナイは給湯器やガスコンロで有名なメーカーですが、食洗機にもその技術力が活かされています。パナソニックとはまた違った、独自の強みがあるんですよ。
リンナイの最大の特徴は、なんといっても国内メーカーで先立って「フロントオープン式」のビルトイン食洗機をリリースしていることです。
大容量で出し入れしやすい「フロントオープン式」
フロントオープン式は、オーブンのように扉が手前に大きく開くタイプです。海外の食洗機では主流の形で、とにかく大容量なのが魅力。上下2段のカゴをそれぞれ引き出して食器をセットするので、お鍋やフライパンなどの大きな調理器具も楽々入ります。
どの角度からでも食器を入れやすく、後から「あ、これも洗いたかった!」という食器を追加しやすいのも便利なポイントだと思います。家族が多かったり、一度にたくさんの食器をまとめ洗いしたいご家庭には、とても魅力的な選択肢ですよね。
独自の洗浄技術と清潔機能
もちろん、リンナイも洗浄力にこだわっています。深型のモデルには「タワーウォッシャー」という機能が搭載されていて、庫内中央のノズルが上下に伸びながら回転し、隅々までパワフルに洗浄してくれます。
また、シャープの「プラズマクラスター」技術を搭載したモデルもあり、こちらも庫内のカビ菌の繁殖やニオイを抑制する効果が期待できます。
さらに、自然由来の重曹を使って洗浄できる「重曹コース」があるのもユニークな点。洗剤にこだわりたい方や、環境への配慮を重視する方には嬉しい機能じゃないでしょうか。
フロントオープンは海外製が主流の中で、使い慣れた国内メーカーから選べるというのは、パナソニックと並んでリンナイの大きな強みです。
アフターサポートの面でも安心感がありますし、価格も海外製に比べると比較的手に取りやすい設定になっています。
国内におけるそれぞれのシェア

ここで、国内のビルトイン食洗機市場で、パナソニックとリンナイがどれくらいのシェアを占めているのか見てみましょう。
正確な数字は調査機関によって多少異なりますが、一般的に言われているのは、パナソニックが約6割、そしてリンナイが約3割という状況です。残りの1割を三菱電機などの他メーカーが占めている感じですね。
やはり、日本で最初に食洗機を発売したパナソニックのブランド力は絶大で、長年にわたってトップシェアを維持しています。
特に、キッチンのリフォームだけでなく、賃貸住宅でも設置できる卓上型食洗機のラインナップが豊富なことも、パナソニック全体のシェアを押し上げている理由の一つだと思います。
一方、リンナイはビルトイン食洗機に特化していますが、先ほどもお伝えしたように「フロントオープン」という個性で確固たる地位を築いています。
「大容量のフロントオープンがいいけれど、海外メーカーはちょっと不安…」という方の受け皿になっているんですね。
メーカー | シェア率 | 主な特徴 |
---|---|---|
パナソニック | 約60% | 高い洗浄技術と豊富な機能。 |
リンナイ | 約30% | 国内では初となるフロントオープンを採用。 |
その他(三菱電機など) | 約10% | 静音性などに特化したモデルを展開。 |
このように見ると、市場全体ではパナソニックが優勢ですが、リンナイも特定のニーズに応えることで強い支持を得ている、という構図が見えてきますね。
実際の口コミや評判をチェック
カタログスペックだけではわからないのが、実際に使ってみての感想ですよね。私もお店でお客様から、いろいろな生の声をお聞きします。
ここでは、私が直接聞いたパナソニックとリンナイの評判を少しご紹介しますね。
パナソニックの口コミ・評判
パナソニックを選ばれるお客様から一番よく聞くのは、やはり「洗浄力がすごい」というお声です。
「カレーやミートソースのお皿も予洗いなしでピカピカになる」と感動される方が多いですね。特に、お子さんが小さいご家庭では、「ストリーム除菌洗浄」があることで、「哺乳瓶も安心して洗える」と喜ばれています。
また、「ナノイーX」搭載モデルを使っている方からは、「まとめ洗いしても庫内が臭くならないのが良い」という声もよく聞きます。静音性に関しても満足されている方が多く、「夜に動かしても全く気にならない」とのことでした。
一方で、「多機能だけど、結局いつも同じコースしか使っていないかも…」というお声や、「ハイエンドモデルは少し価格が高い」と感じる方もいらっしゃるようです。
リンナイの口コミ・評判
リンナイの評判で圧倒的に多いのは、「フロントオープンの大容量がとにかく便利!」というものです。「週末に作り置きした時の調理器具が全部一気に入る」「食器を入れる順番を考えなくていいから楽」など、その収納力に満足されている方がほとんどです。
「海外製と迷ったけど、操作が分かりやすくて、日本の食器に合わせたカゴの作りになっているのが決め手だった」という方もいらっしゃいました。国内メーカーならではの細やかな配慮が、使いやすさに繋がっているんですね。
リンナイのフロントオープンについては、「下のカゴに食器を入れるとき、少しかがむ必要があるのが少し大変」という小柄な女性からの声もありました。ショールームなどで、実際の使い勝手を試してみるのが良いかもしれませんね。
どちらのメーカーも、それぞれの強みが高く評価されているのがわかりますね。ご自身の使い方をイメージしながら、どちらの声に共感できるか考えてみるのも、機種選びのヒントになると思います。
結局どっちがいい?パナソニックとリンナイ食洗機の選び方

- 気になる洗浄力の比較
- 夜間も安心な静音性の比較
- 気になる耐久性の比較
- 本体や工事費など価格帯の比較
- 毎日の使用で気になる電気代の比較
- どんな人におすすめか?
さて、ここからは、洗浄力や静音性、コスト面など、より具体的なポイントに絞って両メーカーを比較していきましょう。
「私の家にはどっちが合うんだろう?」という疑問に、さらに深くお答えしていきますね。
気になる洗浄力の比較
食洗機を選ぶうえで、一番譲れないポイントはやっぱり「洗浄力」ですよね。どちらのメーカーも高い技術を持っていますが、汚れを落とすためのアプローチに少し違いがあります。
パナソニックは、先ほどもご紹介した「3Dプラネットアームノズル」が特徴です。これは、従来の下段ノズルに加えて、庫内中央にもノズルを搭載し、立体的な水流で洗浄する仕組みです。
この複雑な水流によって、高密度な水が庫内の隅々まで行き渡り、頑固な汚れもしっかり洗い流してくれます。特に、油汚れやこびりつき汚れに強い印象ですね。
一方のリンナイは、深型のスライドオープンモデルに「タワーウォッシャー」を搭載しています。これは、水圧で上下に伸びるタワー型のノズルが、庫内の上から下までまんべんなく洗浄水を噴射するというもの。食器が重なりやすい部分や、スプーンやフォークといった細かいものにもしっかり水流が届くように設計されています。
フロントオープンモデルでは、上下2段にそれぞれ回転ノズルが付いていて、こちらもパワフルな水流で庫内全体を洗浄します。
パナソニック | リンナイ | |
---|---|---|
主な洗浄技術 | 3Dプラネットアームノズル、ストリーム除菌洗浄 | タワーウォッシャー(深型)、上下2段回転ノズル |
得意な汚れ | 油汚れ、こびりつき | 様々な形状の食器のムラない洗浄 |
除菌機能 | 50℃以上の高温高圧水流 | 除菌スチーム洗浄、銀イオンカートリッジなど |
ちなみに、国内メーカーの食洗機は基本的に100Vの電源で動作します。海外製の200Vモデルに比べるとパワーが少し控えめなため、「ひどい汚れは予洗いした方が良い」と言われることもありますが、最近のモデルは性能が向上しているので、ほとんどの汚れは予洗いなしでキレイになると思いますよ。
どちらも高い洗浄力を持っていますが、あえて言うなら、「とにかくパワフルにガンコな汚れを落としたい!」という方はパナソニック、「食器の形や量に関わらず、ムラなく安定して洗いたい」という方はリンナイ、という選び方もできるかもしれませんね。
夜間も安心な静音性の比較
電気代が安い夜間に食洗機を運転させたい方や、小さなお子様がいるご家庭、集合住宅にお住まいの方にとって、「静音性」はとても重要なポイントになりますよね。
音の大きさは「dB(デシベル)」という単位で表されますが、一般的に40dB以下だと「静か」と感じられるレベルです。これは、図書館の中くらいの静けさに相当します。
パナソニックの食洗機は、多くのモデルで運転音が約37dB~39dB程度に抑えられており、非常に静かです。モーターの音を抑える工夫や、本体の振動を吸収する設計がしっかりされているんですね。これなら、リビングとキッチンが一体になっているお部屋でも、テレビの音を邪魔したり、会話を妨げたりすることなく使えると思います。
リンナイの食洗機も、運転音は約38dB~44dB程度と、こちらも十分に静かな設計です。特に、一部のモデルにはさらに静かに運転する「サイレントコース」が搭載されており、これを選ぶと運転音を約36dBまで下げることができます。時間は少し長くなりますが、就寝中に運転する際にはとても便利な機能ですよね。
お客様からも、「前の食洗機と比べて音が全然しないから、動いているか不安になるくらい」なんて言われることもありますよ。最近の食洗機は本当に静かになりましたね。
静音性に関しては、パナソニック、リンナイともに非常に高いレベルにあると言えます。どちらを選んでも「音がうるさくて後悔した」ということは、まずないと考えて良いのではないでしょうか。
気になる耐久性の比較
毎日使う家電だからこそ、長く安心して使えるかどうか、つまり「耐久性」も気になるところですよね。
まず、ビルトイン食洗機の寿命は、一般的に約10年が目安とされています。もちろん、使用頻度やお手入れの状況によって変わってきますが、10年を過ぎると、部品の劣化などから不具合が出やすくなる傾向があります。
パナソニックとリンナイは、どちらも日本を代表する大手メーカーなので、製品の品質や耐久性については高い信頼性があります。基本的な作りがしっかりしているので、すぐに壊れてしまうようなことは考えにくいですね。
重要なのは、万が一故障してしまった時のアフターサポート体制です。
耐久性やアフターサポートの面では、パナソニックとリンナイの間に大きな差はないと言って良いでしょう。どちらを選んでも、長期間安心して使える体制が整っています。
ただし、10年以上経過した食洗機が故障した場合、部品がなくて修理できなかったり、修理費用が高額になったりすることがあります。その場合は、新しいモデルに買い替えた方が、省エネ性能も向上しているので結果的にお得になることも多いですね。
本体や工事費など価格帯の比較
食洗機を導入する上で、やはり気になるのはコスト面ですよね。本体価格だけでなく、設置工事費も含めたトータルで考える必要があります。
ビルトイン食洗機の価格は、容量や機能によって幅広く、一般的に本体価格は10万円前後から30万円以上するものまで様々です。これに加えて、設置工事費が5万円~10万円程度かかります。
パナソニックとリンナイの価格帯を比較してみると、同程度の容量や機能を持つスライドオープン式のモデルでは、両者にそれほど大きな価格差はありません。
例えば、スタンダードな機能を持つミドルタイプ(浅型)であれば、工事費込みで15万円~20万円程度が相場になります。多機能なディープタイプ(深型)になると、20万円~30万円程度を見ておくと良いでしょう。
価格の差が出てくるのは、やはり「フロントオープン式」を選ぶ場合です。フロントオープン式は、構造が複雑なこともあり、スライドオープン式に比べて価格が高くなる傾向があります。
それでも、同じフロントオープン式である海外メーカーの製品(ミーレやボッシュなど)と比較すると、リンナイのモデルはかなりリーズナブルな設定になっています。
「フロントオープンに憧れるけど、海外製は高くて手が出ない…」という方にとって、リンナイは本当に良い選択肢になると思いますよ。
ご自身の予算と、求める機能や容量のバランスを考えながら、比較検討していくことが大切ですね。
毎日の使用で気になる電気代の比較

初期費用だけでなく、毎日使っていく上でのランニングコスト、特に電気代や水道代も気になるところですよね。
まず大前提として、食洗機は手洗いと比べて、水道代を大幅に節約できるという大きなメリットがあります。機種にもよりますが、手洗いの約1/9の水量で洗えると言われているんですよ。すごいですよね。
電気代については、どちらのメーカーも省エネ性能を重視したモデルを開発しています。
パナソニックには、先ほども触れた「AIエコナビ」機能があります。食器の量や汚れをセンサーで検知し、洗い方や乾燥時間を自動で最適化してくれるので、無駄な電力消費を抑えることができます。
一方、リンナイにも「エコギア」という機能があり、こちらも食器量などを検知して、すすぎの回数や庫内温度を自動で調整してくれます。また、電気料金が安くなる夜間にゆっくり洗浄・乾燥を行う「夜エココース」なども搭載されています。
1回あたりの標準コース運転にかかるコスト(電気代+水道代+洗剤代)の目安は、どちらのメーカーも約25円~35円程度と、大きな差はありません。
少しでもランニングコストを抑えたい場合は、乾燥機能を使わずに「洗浄のみ」で運転し、終わったらドアを開けて自然乾燥させるというのも一つの手です。電気代をかなり節約できますよ。
結論として、電気代や水道代といったランニングコストの面でも、パナソニックとリンナイの間に決定的な差はないと言えます。どちらも非常に高い省エネ性能を持っているので、安心して選んでいただけると思います。
どんな人におすすめか?
ここまで色々な角度から比較してきましたが、最後にそれぞれのメーカーがどんな人におすすめなのかをまとめてみたいと思います。
ご自身のライフスタイルや、食洗機に何を一番求めるかを考えながら、ぜひ参考にしてみてくださいね。
総括:パナソニックとリンナイの食洗機はどっちがいいか
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。