「今年の冬こそは暖房費を抑えたい…でも寒いのは絶対にイヤ!」
そんな風に思って、リモコンの設定温度とにらめっこしていませんか?
実は、石油ファンヒーターの設定温度、ただ下げればいいってものじゃないんです。
私もお店でお客様とお話ししていると、「設定温度って何度が正解なの?」という声を毎日のように耳にします。
結論から言っちゃうと、推奨されているのは「20℃」。
でも「えっ、それじゃ寒くない?」って思いますよね。ここがポイントなんです。
この記事では、単に我慢するのではなく、20℃設定でも「ポカポカ快適」に過ごすためのプロの裏技や、最新機種の賢い選び方を、私の販売員としての経験も交えながらたっぷりとお話しします。
これを読めば、灯油代を浮かせながら、きっと今まで以上に暖かい冬が過ごせるようになりますよ!
- 設定温度20℃で快適に節約
- サーキュレーターで足元暖房
- 加湿と断熱で体感温度UP
- 最新機種のエコ機能活用法
石油ファンヒーターのおすすめ設定温度

まずは一番気になる「設定温度の正解」について、なぜその温度なのか、どうすればその温度で満足できるのか、具体的な数字やテクニックを交えて深掘りしていきましょう。
20℃設定が最適な理由
「暖房の設定温度は20℃にしましょう」なんて言葉、テレビやニュースで一度は聞いたことがあるかもしれません。
これ、実は環境省が推奨している「ウォームビズ」の基準なんですけど、単なる精神論じゃないんですよ。
(出典:環境省「ウォームビズ(WARMBIZ)とは」)
お店でお客様に「20℃設定をおすすめしています」とお伝えすると、大抵の方は「えーっ、それじゃ寒くて風邪ひいちゃうわよ!」って驚かれます。
お気持ち、すごく分かります。
外から帰ってきたばかりの冷え切った体には、20℃の風って物足りなく感じるんですよね。
でもこの20℃という数字は、エネルギー効率と私たちが健康的に過ごせる生理的な快適さのバランスが一番取れているポイントとして定義されているんです。
設定温度を上げれば上げるほど、ファンヒーターは「もっと部屋を暖めなきゃ!」と頑張って灯油をゴクゴク飲み込んでしまいます。
私が普段お店で接客していて感じるのは、多くの方が「室温」と「設定温度」を混同されているということ。20℃設定でも、部屋全体が均一に暖まっていれば、人間って意外と寒さを感じないものなんですよ。
「設定温度=体感温度」ではない、ということをまずは押さえておいてくださいね。
無理は禁物です
あくまで「目安」が20℃です。お年寄りや小さなお子様がいるご家庭、体調が優れない時は、無理せず快適な温度に設定してくださいね。健康が第一ですから!
設定を1℃下げた際の節約効果
「たった1℃下げたくらいで、そんなに変わるの?」ここ、皆さん一番気になりますよね。私も主婦なので、1円でも安くしたい気持ちは痛いほど分かります。
でも、この「たった1℃」のパワー、侮れないんです。
具体的なデータをお見せしますね。
石油ファンヒーターの設定温度を例えば21℃から20℃へ、「1℃」下げたとします。そうすると、ひと冬でどれくらい節約できると思いますか?
1℃下げた時の年間節約効果(目安)
- 灯油削減量:約15.91リットル
- 灯油代換算:約1,370円の節約
- 電気代換算:約120円の節約
※灯油単価や電気代の変動によりますが、一般的な基準値です。
なんと、灯油代だけで約1,370円も浮く計算になるんです!
これ、ちょっといいランチが食べられちゃう金額ですよね。
もしリビングと寝室、子供部屋と複数の部屋でファンヒーターを使っていたら、この節約効果は2倍、3倍になります。
設定温度を高くするということは、それだけ燃料消費を「対数的」に、つまり急激に加速させてしまうリスクがあるんです。「今日はちょっと寒いから25℃!」なんて設定しちゃうと、お財布の中身まで寒くなっちゃうかも…。
我慢して温度を下げるのではなく、「1℃下げても快適な環境を作る」ことが、賢い節約の近道ですよ。
より詳しいシミュレーションや光熱費の目安を知りたい方は、ファンヒーターの設定温度を見直して節約するコツを詳しく解説した記事も参考にしてみてください。
足元を暖める循環技術
「設定温度を20℃にしたら、顔ばっかり熱くて足元がスースーする…」これ、ファンヒーターあるあるですよね。これを専門用語で「温度成層」って言うんですけど、要は暖かい空気は軽くて天井に逃げちゃうからなんです。
ここで登場するのが、私の大好きなアイテム「サーキュレーター」です!
お店でもファンヒーターとセットで購入されるお客様が本当に増えました。サーキュレーターで部屋の空気をぐるぐる混ぜてあげる(撹拌する)ことで、天井に溜まった暖気を床に戻してあげることができるんです。
これをやるだけで、設定温度が20℃のままでも、体感温度は劇的に上がります。足元が暖かいと、人間って全身が暖かく感じるんですよね。
特におすすめなのが、アイリスオーヤマの「サーキュレーターアイ DC JET (PCF-SDC15T)」です。これ、本当に優秀なんですよ。
ここが推しポイント!
- ボール型で風が強い:遠くまで風が届くので、部屋の空気がしっかり混ざります。
- DCモーターで省エネ:電気代がすごく安いので、長時間つけっぱなしでも安心。
- 静か:テレビの音を邪魔しないので、リビングでも使いやすいんです。
「冬に扇風機なんて寒いじゃん!」って思われるかもしれませんが、風を直接体に当てるのではなく、天井に向けて回すのがコツですよ。
具体的な置き方や風の向きのコツは、ファンヒーターとサーキュレーターを併用して暖房効率を高める方法で詳しく解説しています。
湿度を上げて体感温度を高めるコツ
サーキュレーターの次は「湿度」のお話です。実は、体感温度って湿度にすごく影響されるんです。同じ20℃でも、湿度が30%のカラカラ状態と、60%の潤った状態では、60%の方が断然暖かく感じるんですよ。
しかも、石油ファンヒーターから出る温風って、どうしても部屋の相対湿度を下げてしまうんです。だからこそ、加湿は絶対にセットで行うべきなんです。
私が個人的にも激推ししているのが、ダイニチの「ハイブリッド式加湿器 HD-LXシリーズ (HD-LX1224 / HD-LX1024)」ですね。ダイニチはファンヒーターも有名ですけど、加湿器のシェアもトップクラスなんですよ。
この加湿器のすごいところは、そのパワー。
LXシリーズだと最大1200mL/hという、とんでもない加湿能力を持っています。ファンヒーターの強力な暖房に負けずに、しっかり湿度をキープしてくれます。
あと、「カンタン取替えトレイカバー」といって、汚れたらポイっと捨てられるトレイカバーが本当に便利!家事の手間が一つ減るのは嬉しいですよね。
コールドドラフトを防ぐ方法

「窓際に行くとヒヤッとする…」これも暖房効率を下げる大きな原因です。
暖房の熱の約50%は「窓」から逃げていくってご存知でしたか?
冷やされた空気は重くなって、窓を伝って床に降りてきます。そして床を這うように私たちの足元を直撃する…。
これが「コールドドラフト現象」です。
これがある限り、いくらファンヒーターで暖めても足元は冷たいままなんです。
そこでおすすめしたいのが、ニトムズの「窓ガラス断熱シート (E1535)」です。ホームセンターでもよく見かける、あのプチプチみたいなシートですね。
これを窓に貼るだけで、空気の層ができて熱が逃げるのを防いでくれます。
見た目はちょっと…と思うかもしれませんが、効果は絶大です!
結露も防げるので、カビ対策にもなって一石二鳥。水で貼れるタイプなら、賃貸の方でも安心して使えますよ。
カーテンも重要です
断熱シートが面倒な方は、厚手のカーテンに変えるだけでも違います。カーテンの裾を床につくくらいの長さにすると、冷気の侵入をブロックできますよ。
自動制御のエコモードで快適さを保つ
ここまで色々な工夫をお話ししましたが、「いちいち設定温度を変えるのは面倒くさい!」という方も多いはず。
そんな時は、ファンヒーターの「エコ機能」に頼っちゃいましょう。
最近の機種は本当に賢いんです。
各メーカーとも、センサー技術を駆使して「快適さを保ちつつ、勝手に節約してくれる」機能を搭載しています。
例えば、設定温度を20℃にしておけば、室温が上がってきたら自動で火力を弱めたり、場合によっては消火してくれたりします。
特に私が注目しているのは、コロナの「新ecoモード」です。
これ、ボタン一つ押すだけで、設定温度に関わらず自動的に「20℃」に設定してくれるんです。
「今日は何度にしよう?」なんて迷う必要なし!
強制的に省エネ運転にしてくれるので、ズボラさん(失礼!)にはもってこいの機能ですよ。
石油ファンヒーターおすすめ設定温度と安全対策

ここからは、実際にどんなファンヒーターを選べばいいのか、そして安全に使うためにはどうすればいいのか、少し真面目な話も含めて解説していきますね。
主要メーカーエコ機能比較
「どこのメーカーがいいの?」という質問もよくいただきます。
大手3社(ダイニチ、コロナ、トヨトミ)はそれぞれ個性が全然違うんです。エコ機能に絞って比較してみましょう。
| メーカー | エコ機能の特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| コロナ | 「新ecoモード」で強制的に20℃設定へ。室温上昇で自動消火も。 | 自分で設定するのが面倒な人。徹底的に節約したい人。 |
| ダイニチ | 「Wエコプラス」で室温と人の動きをダブル検知。不在時は燃焼抑制。 | 部屋の出入りが多いご家庭。大家族のリビングなど。 |
| トヨトミ | 室温を徐々に下げて体感温度を維持。人感センサーで消し忘れ防止。 | 自然な暖かさを求める人。うっかり消し忘れが心配な人。 |
コロナは「20℃厳守!」という感じで一番ストイックに節約してくれます。
一方、ダイニチやトヨトミは「人感センサー」を使って、人がいない時の無駄遣いをカットすることに力を入れていますね。
ご自身のライフスタイルに合わせて、「誰がどう使うか」を想像しながら選ぶのがポイントです。
燃費と快適性を両立する最新モデルの選び方
では、具体的に2025年シーズンの推しモデルをご紹介します!
私が店頭でお客様に提案するならコレ、という機種を厳選しました。
給油の手間をとにかく減らしたいなら:ダイニチ「FW-6724SDX-W」
ダイニチの魅力はなんと言っても「着火スピード」の速さと「タンクの大きさ」です。
このSDXタイプは、なんと9リットルタンクを搭載しています。一般的なタンクが5~7リットルなので、給油回数が劇的に減ります!
重い灯油タンクを運ぶのって、本当に重労働ですよね。
特に女性やご高齢の方には、この9リットルタンクは救世主だと思います。「ワンタッチ汚れんキャップ」で手が汚れないのも嬉しいポイント。
電気代も節約したい&デザイン重視なら:コロナ「FH-WZシリーズ」
コロナは「消費電力の低さ」がピカイチです。
点火には少し時間がかかりますが、運転中の電気代はDCモーター搭載機種なら業界トップクラス。電気代が高騰している今、これは見逃せません。
あと、デザインがすごくおしゃれ!
「グランブラック」とか、もう家具みたいな高級感です。ルーバーが閉じてニオイ漏れを防いでくれるので、寝室やお客様を通す部屋にもぴったりですよ。
すぐに暖まりたい&灯油切れが不安なら:トヨトミ「LC-SHB40N」
トヨトミの独自技術「ハイブリッドヒーター」です。
これ、電気セラミックヒーターと石油ファンヒーターが合体しているんです。スイッチを入れると電気ですぐに温風が出て、その間に石油バーナーが準備をするという仕組み。
「点火待ちの時間」が実質ゼロなんです!
しかも、もし灯油が切れても電気だけで運転を続けられるので、灯油切れのブザーでせかされるなんて事からも解放されます。
つけっぱなし運転のリスクと安全な代替案
ここから少し怖い話もします。
よく「寒いからつけっぱなしで寝てもいい?」と聞かれますが、これは絶対にNGです。
ダメ、絶対!
理由は大きく3つあります。
一つ目は「一酸化炭素中毒」のリスク。
寝ている間は換気ができませんから、万が一不完全燃焼が起きても気づけません。
二つ目は「脱水症状」。
温風に当たり続けると、寝ている間にどんどん水分が奪われて、喉がカラカラになったり、最悪の場合は脱水症状を起こします。
三つ目は「結露」。
外との温度差で窓がびしょびしょになり、カビだらけになっちゃいます。
「でも朝起きる時寒いじゃん!」という方には、ユーレックスの「ヘリテイジヒーター」のようなオイルレスヒーターをおすすめします。
火を使わないので空気が汚れませんし、風が出ないので喉も乾燥しにくい。じんわりとした暖かさで、朝までぐっすり眠れますよ。
オイルレスヒーターの暖まり方や電気代の目安が気になる方は、オイルレスヒーターが暖かくないと感じる原因と解決策を解説した記事もチェックしてみてください。
正しい換気のタイミング

最近の住宅は気密性が高いので、昔の家以上に「換気」が重要です。
目安としては、「1時間に1~2回、1分程度」窓を開けてください。
「せっかく暖まったのにもったいない!」って思いますよね。でも、新鮮な空気を取り入れないと、酸素が減って不完全燃焼の原因になります。
ファンヒーターが「換気サイン」を出したり、「延長ボタン」が点滅したりしたら、それは「苦しいよ~酸素くれ~」という悲鳴です。
決して無視せず、すぐに窓を開けてあげてくださいね。
安全第一です!
フィルター掃除の重要性
最後に、意外と見落としがちな「フィルター掃除」について。
ファンヒーターの背面にあるファンフィルター、ホコリまみれになっていませんか?
ここにホコリが溜まると、空気をうまく取り込めなくて燃焼効率が悪くなります。
つまり、無駄に灯油を使ってしまうんです。
最悪の場合、内部の温度が上がって安全装置が働き、途中で止まってしまうことも。
掃除は簡単です。週に1回くらい、掃除機で吸ってあげるだけでOK。
私のおすすめグッズは、100円ショップ(セリアやダイソー)で売っている「そうじ機用すみっこブラシノズル」です。
先端にブラシがついているので、網目に詰まったホコリをかき出しながら吸い取れるんです。これ、本当に気持ちいいくらい取れますよ(笑)
たった100円で燃費が良くなるなら、やらない手はないですよね。
まとめ:石油ファンヒーターのおすすめ設定温度
長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます!
石油ファンヒーターの設定温度、そして快適に過ごすための工夫について、イメージできましたでしょうか?
最後に、今回の大事なポイントをまとめておきますね。
快適&節約のためのチェックリスト
- 設定温度は基本「20℃」を目指す。
- 「寒い」と感じたら温度を上げる前に、サーキュレーターと加湿器を投入!
- 窓には断熱シートを貼って、冷気の侵入をブロック。
- 買い替え時は、ライフスタイルに合ったエコ機能搭載モデルを選ぶ。
- 寝る時は必ず消して、換気とフィルター掃除を忘れずに。
「設定温度を下げなきゃ」と我慢するのではなく、「周辺機器をうまく使って、設定温度が低くても快適な環境を作る」というのが、これからの賢い冬の過ごし方かなと思います。
ぜひ、今日から試せることから始めてみてください。
あなたの冬が、今までよりもポカポカで快適なものになりますように!


