手入れが面倒だと、空気清浄機を使うこと自体が億劫になってしまいますよね。
私も家電量販店で働いていると「掃除が簡単なモデルが欲しい」というお声をよく聞きます。
フィルター交換が不要だったり、お手入れが楽だったりするモデルは、忙しい毎日を送る私たちにとって本当にありがたい存在です。
でも、フィルター交換不要のモデルにはどんなデメリットがあるのか、電気代はどれくらいかかるのか、気になりませんか?
また、ダイキンやエアドッグなど、人気のメーカーにはそれぞれどんな特徴があるのでしょうか。
この記事では、手入れのいらない空気清浄機の基本的な選び方から、今人気のおすすめモデルまで、分かりやすく解説していきます。
手入れのいらない空気清浄機の選び方

まずは、手入れのいらない空気清浄機を選ぶ上で知っておきたい基本的なポイントを見ていきましょう。
フィルターのことから電気代まで、購入前に押さえておきたい大切な情報です。これを読めば、きっと自分にぴったりの一台を見つけるヒントになりますよ。
フィルター交換不要の利便性
フィルター交換が不要な空気清浄機の一番の魅力は、なんといってもその手軽さだと思います。
定期的にフィルターを買い替える手間が省けるので、交換用フィルターの型番を調べたり、お店に買いに行ったり、ネットで注文したりといった面倒から解放されるんです。
特に、メーカーや機種によってフィルターの種類は様々なので「どれを買えばいいか分からない」という悩みもなくなりますね。
また、長期的に見るとコストを抑えられる可能性があるのも嬉しいポイントです。
一般的な空気清浄機の交換用フィルターは、数千円から一万円以上するものも少なくありません。2年に一度交換するとしても、10年間使えば数万円の出費になります。
フィルター交換不要のモデルは初期費用が少し高めなこともありますが、このランニングコストがかからないのは大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
さらに、交換時期を気にする必要がないので、うっかり交換を忘れて性能が落ちたまま使い続けてしまう、なんてことも防げます。
いつでも最高のパフォーマンスで、お部屋の空気をきれいにしてくれるのは安心ですよね。
フィルター交換不要のデメリット
フィルター交換が不要な代わりに、定期的な清掃作業が発生します。
- フィルターに付着したホコリを掃除機で吸い取る
- フィルターの水洗い作業
- 本体内部の清掃
空気清浄能力の低下や嫌なニオイの原因になることも
「交換」が「掃除」に変わるだけと考えるとイメージしやすいでしょう。
フィルター交換が必要なモデルと比較して、本体価格が高めに設定されています。
高性能なフィルターや独自の技術を搭載していることが多いため
初期投資が少し大きくなることは覚悟しておいた方が良いでしょう。
万が一フィルターが破損してしまった場合、修理費用が高くつく可能性があります。
交換用フィルターのように簡単には手に入らないため、メーカー修理が必要になるケースがほとんど
お客様からもたまに心配されることがある重要なポイントです。
とても魅力的なフィルター交換不要のモデルですが、いくつか知っておきたいデメリットもあります。
まず、多くのモデルはフィルターの交換が不要な代わりに、定期的にお手入れ、つまりお掃除が必要になる点です。
例えば、フィルターに付着したホコリを掃除機で吸い取ったり、水洗いしたりといった作業が発生します。このお手入れを怠ってしまうと、空気清浄能力が低下したり、嫌なニオイの原因になったりすることもあるんです。「交換」が「掃除」に変わるだけ、と考えるとイメージしやすいかもしれませんね。
また、先ほどもお伝えしたとおり、フィルター交換が必要なモデルに比べて、本体価格が高価な傾向にあります。高性能なフィルターや独自の技術を搭載していることが多いため、初期投資が少し大きくなることは覚悟しておいた方が良いかもしれません。
そして、これはお客様からもたまに聞かれることですが、万が一フィルターが破損してしまった場合、修理費用が高くつく可能性もあります。交換用フィルターのように簡単には手に入らないため、メーカー修理が必要になるケースがほとんどです。
メリットとデメリットの両方をしっかり理解して、ご自身のライフスタイルに合っているか考えることが大切ですね。
1日つけっぱなしの電気代
「空気清浄機って、一日中つけっぱなしでも大丈夫?」
これも、家電量販店で本当によく聞かれる質問の一つです。
お部屋の空気をきれいに保つためには、24時間稼働が推奨されていることが多いですが、気になるのはやはり電気代ですよね。
実際の電気代は機種の消費電力や運転モード、契約している電力会社の料金プランによって変わりますが、一般的な目安として計算してみましょう。
例えば、標準モードの消費電力が20Wの空気清浄機の場合で計算します。
(電力料金は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価の31円/kWhで計算)
期間 | 計算式 | 電気代 |
---|---|---|
1時間 | 20W ÷ 1000 × 1時間 × 31円 | 約0.62円 |
1日(24時間) | 約0.62円 × 24時間 | 約14.88円 |
1ヶ月(30日) | 約14.88円 × 30日 | 約446.4円 |
このように計算すると、標準モードで1ヶ月つけっぱなしにしても、500円前後という場合が多いんです。
もちろん、花粉の季節などでターボ運転を多用すれば電気代は上がりますし、静音モードで運転すればもっと安くなります。
最近のモデルは省エネ性能も向上しているので、思ったよりも電気代はかからない、と感じる方が多いのではないでしょうか。
空気清浄機の買い替えは何年が目安?
空気清浄機の寿命は、一般的に「10年」が一つの目安とされています。
これは、多くのメーカーが製品の補修用性能部品(製品の機能を維持するために必要な部品)を、製造打ち切り後も保有している期間が関係しています。
この期間を過ぎると、故障しても修理部品がなくて直せない、という可能性が出てくるんですね。
また、本体だけでなく、集じんフィルターや脱臭フィルターの寿命も買い替えを考える大切なポイントです。
最近は「10年間交換不要」をうたう長寿命フィルターが増えていますが、これはあくまで定期的なお手入れをしていることが前提です。
使用環境、例えばタバコを吸うお部屋やペットのいるご家庭などでは、フィルターの劣化が早まることもあります。
フィルターの汚れやニオイが取れなくなってきたら、本体がまだ使えても買い替えを検討するサインかもしれません。
10年経ったからといって、すぐに使えなくなるわけではありませんが、空気清浄の技術も年々進化しています。
より高い性能を求めるなら、10年を目安に見直してみるのがおすすめですね。
フィルターが水洗い禁止の理由
お手入れでフィルターのホコリを取る際、「いっそ水で丸洗いできたら楽なのに」と感じたことはありませんか?
ですが、多くの空気清浄機で使われている「HEPAフィルター」や「集じんフィルター」は、水洗いが禁止されています。
その理由は、フィルターの構造にあります。
これらのフィルターは、非常に細かい繊維が複雑に絡み合ってできていて、目に見えないような小さな粒子を捕まえる仕組みなんです。
水洗いしてしまうと、この繊維がダメージを受けたり、型崩れを起こしたりして、フィルターの目が詰まったり、逆に目が粗くなったりしてしまいます。
そうなると、本来の集じん性能を十分に発揮できなくなってしまうんですね。
さらに、フィルターを濡れたままにしておくと、カビや雑菌が繁殖する原因にもなります。
せっかくお部屋の空気をきれいにするための機械なのに、そこからカビなどを放出してしまうなんてことになったら本末転倒ですよね。
ですから、フィルターのお手入れは、取扱説明書に書かれている方法、例えば掃除機で吸う、といった方法を必ず守ることが大切なんです。
一部の特殊なフィルター(TPAフィルターなど)は水洗いできるものもありますので、お使いの機種の説明書をしっかり確認してくださいね。
お手入れが簡単な機種を選ぶコツ
本体の吸込口近くにある一番外側のフィルターで、ペットの毛や大きなホコリを最初にキャッチします。
プレフィルターがお手入れしやすいと、内部のメインフィルターの汚れを軽減でき、結果的にお手入れの頻度を減らすことができます。
- 取り外しやすい設計
- 掃除機でサッとホコリを吸える
- 機種によっては丸洗い可能
シャープの一部のモデルなどに搭載されている便利な機能です。
面倒なホコリ掃除の手間がかなり省けるので、忙しい方には特に嬉しい機能です。
加湿機能付きのモデルを選ぶ際は、お手入れのしやすさが特に重要になります。
- 給水タンクの口が広い
- タンク内まで手を入れて洗える
- 加湿フィルターのお手入れが簡単
銀イオン(Ag+)カートリッジなどで、タンク内の水のぬめりや菌の繁殖を抑えてくれる機能があると、清潔に保ちやすいです。
お手入れの負担を少しでも減らすためには、機種選びの段階でいくつかのポイントをチェックするのがおすすめです。
まず注目したいのが「プレフィルター」です。
これは、本体の吸込口近くにある一番外側のフィルターで、ペットの毛や大きなホコリなどを最初にキャッチしてくれる部分です。
このプレフィルターが取り外しやすく、掃除機でサッとホコリを吸えたり、機種によっては丸洗いできたりすると、内部のメインフィルターの汚れを軽減でき、結果的にお手入れの頻度を減らすことにつながります。
次に、「自動おそうじ機能」が付いているかも大きなポイントです。
シャープの一部のモデルなどに搭載されている機能で、プレフィルターに溜まったホコリを自動でブラシがかき集めて、ダストボックスに捨ててくれるんです。
この機能があれば、面倒なホコリ掃除の手間がかなり省けるので、忙しい方には特に嬉しい機能だと思います。
また、加湿機能付きのモデルの場合は、給水タンクの口が広くて中まで手を入れて洗いやすいか、加湿フィルターのお手入れがしやすいかも重要です。
銀イオン(Ag+)カートリッジなどで、タンク内の水のぬめりや菌の繁殖を抑えてくれる機能があると、清潔に保ちやすいですよ。
デザインのシンプルさだけでなく、こうしたお手入れのしやすさも、ぜひ購入前にチェックしてみてください。
おすすめの手入れがいらない空気清浄機

ここからは、具体的な機種を挙げながら、おすすめの手入れがいらない空気清浄機をご紹介しますね。
各メーカーから、お手入れの手間をぐっと減らしてくれる、魅力的なモデルがたくさん出ています。それぞれの特徴を知って、あなたの生活にぴったりの一台を見つけてください。
メンテナンスフリーな加湿空気清浄機
空気清浄と加湿、一台で二役こなしてくれる加湿空気清浄機はとても人気ですが、お手入れが面倒というイメージはありませんか?
特に加湿機能は、水を使うのでぬめりやカビが気になりますよね。
そこでおすすめしたいのが、シャープのプラズマクラスター加湿空気清浄機「KI-SX100」です。
このモデルのすごいところは、先ほども少し触れた「プレフィルター自動おそうじ機能」です。約48時間ごとに自動でプレフィルターのホコリを掃除してくれるので、面倒な掃除の手間がほとんどありません。
加湿部分のお手入れも簡単なんです。
給水タンクやトレーに「Ag+イオンカートリッジ」が搭載されていて、タンクキャップに装着することで、タンクやトレーのぬめりやニオイの原因となる水中の菌を抑制してくれます。
また、運転をしていないときには、加湿フィルターにプラズマクラスターイオンの風を送って乾燥させることで、清潔を保ちやすくなっています。
もちろん、集じんフィルターと脱臭フィルターは10年間交換不要です。
「加湿機能は欲しいけど、お手入れは楽な方がいい」というわがままを叶えてくれる、まさにメンテナンスフリーに近い一台だと思います。
ダイキンのフィルター交換不要モデル
ダイキンといえば、やはり独自の「ストリーマ技術」が有名ですよね。
空気清浄機内部で有害物質を分解するこの技術は、フィルターのお手入れにも貢献してくれます。
おすすめは、ダイキンの加湿ストリーマ空気清浄機「MCK70Z」です。
このモデルに搭載されている「TAFU(タフ)フィルター」は、10年間交換が不要な高性能フィルターです。撥水・撥油効果の高い素材を使っていて、汚れが広がりにくく、静電力も落ちにくいのが特徴なんです。
つまり、10年間高い集じん性能を維持してくれるということですね。
さらに、ストリーマ技術がフィルターに付着した有害物質を分解してくれるので、フィルター自体を清潔に保つ効果も期待できます。
加湿機能の水の除菌や、内部の脱臭もしてくれるので、一台で何役もこなす働き者です。
フィルター自体のお掃除は基本的に不要で、ホコリが気になったら掃除機で吸う程度でOK。
ダイキンの空気清浄機は、パワフルな空気清浄能力と、お手入れの手軽さを両立させたい方にぴったりの選択肢だと思います。
エアドッグの口コミと評判
テレビCMなどでもおなじみのエアドッグは、店頭でもお客様からの関心が非常に高いモデルの一つです。
「実際のところ、どうなの?」というお声もよくいただきます。
エアドッグの最大の特徴は、何といっても「TPAフィルター」ですよね。
電磁場を使って有害物質を吸着させる仕組みで、一般的なHEPAフィルターが捕集しにくいと言われる、より細かい粒子まで除去できるとされています。
そして、このフィルターは定期的に水洗いできるので、交換が不要なんです。
お客様からは「フィルターを買い替えなくていいのが経済的で嬉しい」「汚れたフィルターを洗って、きれいになるのが目に見えるのが気持ちいい」といったポジティブな評判をよく聞きます。
一方で、「少し運転音が気になる」「本体価格が他のメーカーに比べて高い」といった声も耳にします。
また、人によっては、電磁場を発生させる仕組みから微量のオゾンが出るとされており、その独特なニオイが気になるという方もいらっしゃるようです。
とはいえ、その高い集じん性能とフィルターを交換しなくてよいという手軽さは、他にはない大きな魅力です。
高性能なモデルを長く使いたい、という方には、満足度の高い一台になるのではないでしょうか。
アイリスオーヤマのフィルター交換なしモデル
「手頃な価格で、シンプルで使いやすいモデルが欲しい」という方に人気なのが、アイリスオーヤマの空気清浄機です。
アイリスオーヤマの製品は、厳密には「フィルター交換が全く不要」というモデルは少ないのですが、お手入れが非常にシンプルで分かりやすいのが特徴です。
例えば、「IAP-A110」のようなモデルでは、プレフィルター、集じんHEPAフィルター、活性炭フィルターの3層構造になっています。
お手入れは、プレフィルターに付いたホコリを定期的に掃除機で吸い取るだけと、とても簡単です。
集じんフィルターと活性炭フィルターは一体型になっていて、交換時期が来たらユニットごと交換する仕組みです。
交換時期の目安は約3年と長めですし、交換作業もフタを開けて入れ替えるだけなので、誰でも迷わず行えると思います。
「フィルター交換不要」にこだわりすぎず、「お手入れや交換が簡単で、本体価格も抑えたい」という視点で選ぶなら、アイリオーヤマは非常に良い選択肢になります。
複雑な機能は要らないから、とにかく空気清浄に特化したシンプルなものが欲しい、という方におすすめしたいメーカーですね。
お手入れ簡単なおすすめ人気機種
これまで様々なメーカーのモデルをご紹介してきましたが、最後に総合的な視点から「お手入れが簡単で人気」な機種をもう一つご紹介しますね。
それは、パナソニックの加湿空気清浄機「F-VXW90」です。
このモデルはパナソニックの最新上位モデルにあたり、高い空気清浄能力とお手入れのしやすさを両立しているのが大きな魅力なんです。
最大の特徴は、なんといっても進化した「ナノイーX(48兆)」です。メーカーによると日本の主要な花粉を一年中無力化するとされています。
さらに、3方向への立体的な気流で部屋全体を効率よく循環させてくれるのもポイントですね。季節を問わず、お部屋の空気を快適に保ちたい方には嬉しい機能だと思います。
お手入れ面では、「洗える集じんフィルター」を搭載しているのがポイントです。約10年間交換不要でありながら、汚れが気になったときには自分で水洗いできるので、清潔さを保ちやすいんです。
また、加湿トレーには「イオン除菌・防カビユニット」が搭載されており、定期的な水洗いは必要ですが、ぬめりやニオイの原因となる菌を抑制してくれます。前面のパネルがフラットなデザインになっているので、サッと拭き掃除がしやすいのも、地味に嬉しいポイントだと思います。
「とにかく性能にこだわりたい、でもお手入れの手間は省きたい」という、まさに欲張りな願いを叶えてくれる一台ではないでしょうか。
総括:手入れのいらない空気清浄機
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。