こたつの線だけ欲しい！コードの種類と共通規格を家電店員が解説

寒い冬、こたつに入ろうとしたら「あれ？電源が入らない！」なんてこと、ありませんか？

あるいは、押入れから出したこたつのコードが見当たらない…なんて絶望的な状況も。
こたつ本体はまだ使えるのに、コードがないだけで買い替えるのはもったいないですよね。

実はこれ、お店でも本当によく相談される悩みなんです。
「こたつの線だけ欲しいんだけど、どれでも合うの？」「ニトリで買ったこたつなんだけど、ホームセンターのコードでも大丈夫？」といったお客様の声を、売り場の同僚からもよく耳にします。

皆さん、最初は「純正品じゃなきゃダメなんじゃないか」って不安そうなんですが、実はあることを知ると、あっという間に解決しちゃうことがほとんどなんですよ。

私自身、家電量販店で働いていると、メーカーの垣根を超えた「意外な共通点」に気づくことが多いんです。こたつのコードもその一つ。
「線だけ」買い替えれば、数千円で済む話を、知らずに本体ごと買い替えて数万円…なんて出費は防ぎたいですよね。

この記事では、そんな「こたつの線だけ」難民のあなたのために、量販店員だからこそ知っている互換性の話や、失敗しない選び方をこっそり教えちゃいます。

規格の話から、おすすめの購入場所、さらには「コードを買い替えても直らない時」の裏技まで、たっぷり詰め込みました。これを読めば、きっと今のこたつを無事に復活させて、ぬくぬくとした冬を過ごせるはずですよ！

こたつの線だけ必要な時の選び方と互換性

「こたつの線だけ欲しいけれど、自分のこたつに合うものがわからない…」という悩みは非常に多いです。ここでは、まず一番気になる「互換性」について詳しく解説していきますね。

実はメーカーが違っても使えるケースが大半なんですが、失敗しないためには「ピンの数」や「穴の間隔」といったちょっとした確認が必要です。難しい電気の話は抜きにして、お店で実際にアドバイスしているポイントに絞ってお伝えします。

こたつのコードはどれでも合う？

まず結論から言っちゃいますね。
「こたつのコードは、規格さえ合っていれば、メーカーが違っても『どれでも合う』可能性が非常に高い」んです。

「ニトリで買ったこたつだからニトリに行かなきゃ」「山善のこたつだから山善製じゃなきゃ」と思い込んでいる方が多いんですが、こたつのヒーターユニット（熱くなる部分）を作っているメーカーって、実はかなり限られているんです。

業界の裏話を少しすると、多くの家具メーカーや家電ブランドのこたつヒーターは、「メトロ電気工業」という会社が作っているケースが圧倒的に多いんです。
つまり、外側のテーブルや布団のブランドが違っても、中身のヒーターやコードの差し込み口は同じメトロ製の規格であることもしばしば。

なので純正品が見つからなくても、ホームセンターやネットで売っている汎用のコードで代用できちゃうことがほとんどなんですよ。

ただし、全部が全部OKというわけではありません。
「ピンの数（2つか3つか）」と「穴の間隔（古い機種は注意）」の2点だけは絶対に確認が必要です。ここさえ間違えなければ、わざわざ高い純正品を取り寄せなくても、汎用品ですぐに解決できるんですよ。

「どれでも合うわけじゃないけど、合うものはすごく多い」というのが正確なところですね。
お店でも「これなら使えますよ」と汎用品をご案内して、喜んで帰られるお客様がたくさんいらっしゃいます。

コードの種類と2ピンや3ピンの違い

こたつのコード選びで一番最初に確認してほしいのが、プラグの「穴の数」です。大きく分けて「3ピン（3穴）」タイプと「2ピン（2穴）」タイプの2種類があります。

ここを間違えると物理的に刺さらないので、まずは今お使いのこたつ（ヒーター部分）の差し込み口を覗き込んでみてください。

【3ピンタイプ】

最近のこたつの主流はこれです。穴が3つあります。

このタイプの特徴は、手元に温度調節コントローラーがついていること。3本のピンのうち、2本で電気を送り、残りの1本で温度制御の信号を送っているんです。

もしあなたが「手元で温度を弱～強に変えたい」と思っているなら、間違いなくこの3ピンタイプを選ぶ必要があります。

【2ピンタイプ】

少し古いこたつや、リーズナブルなこたつに多いのがこのタイプ。穴は2つだけで、機能は単純に電源のON/OFFのみ。

コードの途中にあるスイッチは「入/切」だけで、温度調節はこたつの中に頭を突っ込んで、ヒーター本体のつまみを回して調整するスタイルですね。

「とりあえず暖まればいい」「安く済ませたい」という方はこのタイプを使っていることが多いかも。

この2つは全く互換性がありません。
3ピンの差し込み口に2ピンのコードは刺さりませんし、その逆もNGです。まずは「穴が2つか3つか」、これだけは必ずチェックしてくださいね。

お店でも、スマホで差し込み口の写真を撮ってきてもらうのが一番確実な方法としておすすめしています。

手元コントローラーと3ピンの互換性

「ウチのは3ピンタイプで、手元で温度調節ができるやつだ！」という方、おめでとうございます。

実はこのタイプ、交換用コードが見つけやすいパターンなんです。
それは先ほどお話しした「メトロ電気工業」というメーカーの規格が、事実上の業界標準（デファクトスタンダード）になっているからなんです。

例えば、ニトリ、山善、コイズミなどのこたつを使っている場合でも、3ピンの手元コントローラータイプなら、メトロ製の汎用コード「BC-KE21D」という商品が使える確率が非常に高いです。

これはもう、お店の定番商品中の定番。
「コードが壊れた」と来店されるお客様の7〜8割くらいは、このコードで解決している印象ですね。

ただし、ごく稀に古いサンヨー製や東芝製などで独自の3ピン規格を採用しているものもあります。でも、ここ10〜20年以内に買ったこたつで、プラグの形状が「四角い感じ」や「L字型」なら、ほぼメトロ規格で間違いありません。

もし不安なら、ネット通販の商品ページで「適合表」を見るか、メトロ電気工業のサイトを確認すると安心ですよ。

ヒーター側の差し込み口を確認する

「ウチのこたつ、かなり古いんだけど大丈夫かな…」
そんな方が特に注意すべきなのが、2ピンタイプの「穴の間隔（ピッチ）」と「差し込み口の形状」です。

3ピンタイプは規格が統一されていることが多いんですが、古い2ピンタイプには「落とし穴」があるんです。

まず、定規を用意してください。
ヒーター側の差し込み口の、2つの金属ピンの中心から中心までの距離を測ってみてください。ここが「22mm（2.2cm）」であれば、現在の汎用規格品が使えます！

ホームセンターで売っているELPAやオーム電機の「各社共通」と書かれたコードは、ほとんどがこの22mmピッチで作られています。

また、差し込み口の周りの「形」も見てあげてください。

四角い枠なのか、丸い枠なのか。
汎用コードのプラグが大きすぎて、こたつの枠に当たって奥まで刺さらない…なんてトラブルもたまに聞きます。

できれば、今ある壊れたコードのプラグ部分を持ってお店に行くか、形状をよく観察してから購入するのがベストです。「なんとなく」で買うと、開封後に「刺さらない！」って泣くことになりますから、ここだけは慎重にいきましょう。

メーカーが異なってもコードは共通？

これ、皆さん本当によく気にされるポイントですよね。
「こたつ本体はコイズミなんだけど、メトロのコードを使って大丈夫？壊れない？」って。

結論から言うと、「OEM（相手先ブランド製造）」の関係にあるメーカー同士なら、全く問題なく共通で使えます。

先ほども少し触れましたが、こたつヒーター市場におけるメトロ電気工業のシェアは本当にすごいです。

多くの有名家電メーカーや家具量販店が、自社でヒーターを一から作っているわけではなく、メトロから部品供給を受けて、自社のブランドロゴをつけて販売しているんです。

なので、ラベルには「販売元：〇〇」と書いてあっても、中身の電気的な仕様はメトロそのもの。
この場合、コードも当然共通規格で作られています。

もちろん、全てのメーカーがそうだとは言い切れません。
でもお店で見る限り、現在流通しているこたつの多くはこの「互換性の輪」の中に入っています。例えば、山善のヒーターユニットなんかも、メトロ製と互換性があるものが多いですね。

こたつの線だけ買うための販売店と対処法

自分のこたつに合うコードのタイプがわかったら、次は「どこで買うのが一番早くてお得か」が気になりますよね。

ここでは、ホームセンターやニトリなどの実店舗での入手方法から、ネット通販の活用法、さらには「コードを変えても直らなかった場合」の対処法まで、具体的な商品名を挙げながらご紹介します。

交換用コードはどこで売ってる？

「こたつのコードが断線した！今夜から寒い！」
そんな緊急事態なら、まずは近所のホームセンターか家電量販店に走るのが正解です。

冬のシーズン中（10月〜3月頃）であれば、ほとんどのお店でこたつ売り場の近くや電材コーナーに交換用コードが並んでいます。

逆に、夏場や春先に「来シーズン用に買っておこう」と思った場合は注意が必要です。
多くの実店舗では、こたつ関連商品は「季節家電」扱いなので、シーズンが終わると倉庫に下げられてしまいます。

オフシーズンなら、迷わずAmazonや楽天などのネット通販を利用しましょう。ネットなら一年中在庫がありますし、何より「型番検索」で確実に合うものを探せます。

実店舗に行くメリットは、「現物を確認できる」こと。
壊れたコードをお店に持っていけば、店員さんに「これと同じ規格のものはありますか？」と直接聞くことができます。もし不安なら、現物持参でお店に行くのが一番確実な方法ですね。

ただ、最近は品揃えを絞っている店舗もあるので、事前に電話で「こたつの取り替え用コードは置いてますか？」と確認しておくと無駄足になりませんよ。

ホームセンターで買えるメーカーと特徴

ホームセンターに行くと、いくつかのメーカーのコードが並んでいて迷うかもしれません。

お店によって取り扱いメーカーに「色」があるので、それぞれの特徴を知っておくと選びやすくなりますよ。

カインズなどの大型店では、メトロ製の純正コードが置いてある確率が高いですね。

3ピンの手元コントローラータイプを探しているなら、まずはここをチェック。
タイマー付きの「BC-KET22D」なんていう便利な上位機種もあったりして、切り忘れが心配なご高齢の方にも人気です。

一方、コーナンなどの「プロも行くようなホームセンター」では、ELPA製品が強い印象。

ELPAの「WK-30NP」というグレーのコードは、2ピンL字型のド定番。古いこたつを復活させたいなら、このパッケージを探してみてください。

DCMやコメリでは、オーム電機やPB（プライベートブランド）商品が充実しています。価格も1,500円〜2,000円程度とお手頃。

最近では、こたつコードにスマホ充電用のUSBポートがついた面白い商品（ノア製など）を置いているお店もあって、テレワーク中の方に密かな人気なんですよ。

ニトリの製品に合うコードの探し方

「ニトリのこたつを使ってるから、ニトリのお店に行けばあるはず！」
そう思ってお店に行ったのに、在庫がなかったり、取り寄せに時間がかかると言われてガッカリ…という話をよく聞きます。ニトリは商品の入れ替えが早いので、数年前のモデルの専用パーツを常時在庫しているとは限らないんですよね。

でも、安心してください。
ニトリで販売されているこたつコードの多くは、実は先ほどからお話ししている「メトロ電気工業」のOEM製品なんです。ニトリで売っている補修用コードの型番（例：BC-KE21DAなど）をよく見ると、メトロの型番と同じだったりします。

つまり、ニトリのお店に在庫がなくても、近くのホームセンターでメトロ製の「BC-KE21D」を買ってくれば、そのまま使える可能性が非常に高いんです。「ニトリ専用」というラベルに縛られず、「メトロ規格」として探すのが、最短で温まるための裏技です。

もちろん、デザインや色が微妙に違うことはあるかもしれませんが、機能としては全く問題ありません。「取り寄せで1週間待ち」なんて言われたら、その足でホームセンターの電材売り場を覗いてみてください。

接触不良なら接点復活剤を試してみる

「コードを新しく買ったのに、まだ電源がついたり消えたりする…」
「プラグの差し込み口が異常に熱くなる！」
そんな時は、コードではなく「こたつ本体側のピン」が汚れているのが原因かもしれません。

長年使っていると、ピンの表面に酸化膜ができたり、カーボン汚れが付着して接触不良（抵抗）を起こすんです。これ、放置すると発熱してプラスチックが溶けたり、最悪の場合は発火する恐れもあるので本当に危険です。

こうした配線器具まわりのホコリや接触不良による火災リスクについては、（出典：独立行政法人製品評価技術基盤機構（NITE）「ホコリも積もれば事故となる ～年末は配線器具の掃除・チェックもお忘れなく～」）でも注意喚起されています。

そこでおすすめしたいのが、「接点復活剤」を使ったメンテナンス。
私が個人的に推しているのは、KURE（呉工業）の「接点復活スプレー #1047」です。

これの何が良いかというと、「ゴムやプラスチックにかかっても安心」という点。
こたつの差し込み口周辺は樹脂パーツが多いので、強力すぎるパーツクリーナーを使うと割れてしまうことがあるんですが、これなら安心です。

たったこれだけで、「壊れたと思ってたこたつが復活した！」という事例をいくつも見てきました。コードを買い替える前に、まずは数百円のスプレーで掃除を試してみる価値は十分にあります。

ついでに、エレコムのエアダスター「AD-ECOM」などでヒーター内部のホコリも吹き飛ばしておけば、焦げ臭いにおいも解消できて一石二鳥ですよ。

こたつ内部のほこり掃除の重要性や、100均グッズ・エアダスターを使った具体的な手順を詳しく知りたい方は、こたつのほこりをエアダスターや100均グッズで安全に掃除する方法も参考にしてみてください。

線だけでなくヒーターユニットごとの交換

「コードを変えてもダメ、掃除してもダメ。もう寿命かな…」
「ウチのこたつ、古いナショナル製で、ピッチが特殊だから合うコードがない…」

そんな八方塞がりな状況でも、まだ諦めないでください！
最後の手段として、「ヒーターユニットごと交換する」というウルトラC級の解決策があります。

実は、こたつのヒーター部分って、天板の裏からネジ4本くらいで留まっているだけで、簡単に取り外せるんです。そして、この取り付け枠のサイズ（29cm×29cmなど）は、昔からある程度規格が決まっています。

ここでおすすめなのが、山善（YAMAZEN）の取替用ヒーターユニット「YHF-M607DN」などの製品です。

この取替用ヒーターは、古いこたつにも取り付けられるように「スペーサー」という調整部品が付属していることが多く、ドライバー1本あれば女性でもDIYで交換できちゃいます。

これなら、コードだけじゃなくヒーター本体も新品になるので、暖かさが段違い！
しかも、最新のファン付きヒーターなら省エネ性能も上がっています。

古いヒーターをそのまま使った場合の電気代や安全面が気になる方は、古いこたつの電気代と火災リスク、最新ヒーターへの交換メリットを解説した記事もチェックしてみてください。

特殊なコードを必死に探してプレミア価格の中古品を買うくらいなら、5,000円〜6,000円くらいでヒーターごと最新にしちゃう方が、安全だしコスパも良いんですよね。

「こたつは枠と布団だけ残して、中身はリノベーションできる」
これを知っておくと、選択肢がグッと広がりますよ。

こたつの線だけ交換して冬を乗り切る

ここまで、こたつのコードに関する選び方や互換性、購入場所についてお話ししてきました。

「たかがコード、されどコード」
線一本ないだけで、あの幸せなぬくもりが奪われてしまうのは辛いですよね。でも、今回ご紹介した知識があれば、もう迷うことはないはずです。

最後に、こたつコード選びの重要ポイントを整理しておきましょう。

私としては、まずは手持ちのヒーターの差し込み口をスマホで撮影し、サイズを測ってみることから始めるのをおすすめします。

そして、もし汎用コードで解決できそうなら、メトロ製やELPA製の信頼できるコードを選んでください。どうしても合わなければ、思い切ってヒーターユニットごとの交換も検討を。

古いコードをビニールテープで補修して使い続けるのだけは、火事の元なので絶対にNGですよ！

安全で快適なこたつライフを取り戻して、今年の冬もみかんを食べながらぬくぬく過ごしてくださいね。
この記事が、あなたの「寒さ」を解決するヒントになれば、家電量販店員としてこれ以上嬉しいことはありません！