洗濯機の回し方って、意外と誰にも教わらないまま自己流でやっている方が多いのではないでしょうか?
私も家電量販店で働いていると、「このボタンは何?」「洗剤はどこに入れるの?」といったご質問をよくいただきます。
特に新しい洗濯機に買い替えたり、初めて一人暮らしを始めたりしたタイミングでは、戸惑うことも多いですよね。
基本的な使い方から、縦型とドラム式の違い、洗剤や柔軟剤を入れる場所、便利なコースの選び方まで、知っているようで知らないことはたくさんあると思います。
この記事では、洗濯機の基本的な回し方から、毎日の洗濯がもっと快適になる便利な知識まで、わかりやすく解説していきますね。
洗濯機の基本的な回し方を初心者向けに解説

まずは、洗濯機の基本的な回し方について見ていきましょう。
洗濯を始める前のちょっとした準備から、洗剤や柔軟剤を入れる場所、そして各ボタンが持つ意味まで、一つひとつ丁寧に解説していきます。この基本を押さえるだけで、洗濯の仕上がりがぐっと良くなるはずですよ。
洗濯のやり方の基本は衣類の準備から
洗濯機を回す前に、少しだけ衣類に手間をかけることが、実はとても大切なんです。
まず、洗濯表示のタグを確認する習慣をつけましょう。
桶に水が入っているマークが基本で、中の数字は水温の上限を示しています。「家庭洗濯不可」のマークがあるものは、残念ながらお家では洗えないのでクリーニングに出してくださいね。
色柄物と白いものを分けて洗うのは基本中の基本です。
特にジーンズや色の濃い新品のTシャツなどは色落ちしやすく、他の衣類に色が移ってしまう「色移り」の原因になります。最初の数回は面倒でも別に洗うと安心ですよ。
次に、洋服のポケットにティッシュやペン、リップクリームなどが入っていないか必ず確認してください。
ティッシュを一緒に洗ってしまうと、洗濯物全体に細かく付着して、乾かした後にコロコロで取るのが結構大変なんです。ペンが中で漏れてしまうと、インクが広がって大切な服が台無しになることもあります。
ファスナーやホックは、開いたままだと他の衣類に引っかかって生地を傷めてしまうので、きちんと閉じておきましょう。逆にシャツなどのボタンは、留めたままだと糸に負担がかかって取れやすくなるので、外しておくのがおすすめです。
レースやビーズなどの装飾があるデリケートな素材や、ストッキング、下着類は洗濯ネットに入れると、型崩れや傷みを防げます。
このひと手間で、お気に入りの洋服を長くきれいに保てるようになりますよ。
洗濯機の使い方で重要な洗剤と柔軟剤の投入口
洗濯機には、洗剤や柔軟剤を入れるための専用の投入口が用意されています。どこに何を入れるのか、意外と迷ってしまうポイントかもしれませんね。
多くの洗濯機では、引き出し式のケースに分かれているのが一般的です。
液体洗剤や粉末洗剤を入れる場所、そして柔軟剤を入れる場所がそれぞれ別にあります。漂白剤を入れるための投入口が設けられている機種もありますね。
場所を間違えてしまうと、それぞれの効果がうまく発揮されない原因になります。
例えば、洗剤の投入口に柔軟剤を入れてしまうと、洗いの段階で柔軟剤が流れ出てしまい、コーティング効果が十分に得られません。逆に柔軟剤の投入口に洗剤を入れると、最後のすすぎの際に洗剤が投入され、衣類に残ってしまう可能性があります。
取扱説明書には必ず投入口の図解があるので、一度確認してみるのが確実です。
もし説明書が手元になくても、投入口のフタや近くに「洗剤」「柔軟剤」といった記載があるはずなので、チェックしてみてくださいね。
意外と知らない洗濯機のボタンの意味と使い方
洗濯機の操作パネルには色々なボタンが並んでいて、どれを押せばいいのか迷うことがありますよね。 基本的なボタンの意味さえ覚えてしまえば、操作は決して難しくありませんので、一緒に見ていきましょう。
まず一番使うのは「電源」と、洗濯を開始・一時停止する「スタート/一時停止」ボタンだと思います。
そして洗濯の内容を決めるのが「コース」ボタンです。「標準」や「おまかせ」コースを選んでおけば、普段のTシャツやタオルなどの洗濯はほとんど問題ありません。
他にも、軽い汚れ物を短時間で洗いたい時の「お急ぎ」、セーターなどデリケートな衣類を優しく洗う「ドライ(おしゃれ着)」、かさばる寝具などを洗う「毛布」といったコースがあります。
洗うものに合わせて最適なコースを選ぶことで、衣類をきれいに、そして長持ちさせることができますよ。
「水量」ボタンは、洗濯物の量に合わせて水の量を手動で設定したい時に使います。
最近の洗濯機はとても賢くて、衣類の重さを自動で検知して最適な水量に設定してくれることが多いので、あまり触る機会はないかもしれませんね。
でも、泥汚れが多い時など「もう少ししっかり水を使って洗いたいな」と感じる時には、手動で水量を増やすとすっきり洗い上がります。
「洗い」「すすぎ」「脱水」のボタンは、それぞれの工程の時間や回数を個別に設定したい時にとても便利です。
例えば、頑固な汚れがついた作業着は「洗い」の時間を長めに設定したり、肌が敏感な方や赤ちゃんの衣類は「すすぎ」の回数を2回から3回に増やして洗剤残りを防いだりできます。
また、シワをつけたくないブラウスは「脱水」の時間を1分程度に短くすると、アイロンがけが楽になりますよ。
最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると自分好みの設定で、より丁寧に洗濯できるようになります。
縦型洗濯機の回し方の特徴とポイント
縦型洗濯機は、洗濯槽の底にあるパルセーター(回転羽根)を回して、水流で衣類をもみ洗いするのが特徴です。
たくさんの水を使ってゴシゴシ洗うイメージなので、泥汚れや皮脂汚れといった頑固な汚れに強いのが嬉しいポイントですね。
ただし、衣類同士がこすれ合うため、デリケートな衣類は傷みやすいという側面もあります。
縦型洗濯機を使う時のポイントは、洗濯物を入れる順番です。
まず、洗濯槽の底にタオルなどの大きくて重いものを入れ、その上にTシャツなど軽いものを乗せていくと、中で衣類がうまく回転しやすくなります。
洗濯物を詰め込みすぎると、水流がうまく起きずに洗浄力が落ちてしまうので、容量の8割程度を目安にするのがおすすめです。
また、洗濯ネットを使いすぎると、これも水流を妨げる原因になることがあるので、本当に必要なものだけに絞ると良いでしょう。
パワフルな洗浄力が魅力の縦型洗濯機、その特徴を理解して上手に使いたいですね。
ドラム式洗濯機の回し方の手順と注意点
ドラム式洗濯機は、ドラムを回転させて衣類を持ち上げ、下に落とす「たたき洗い」で汚れを落とします。少ない水で洗えるので、節水効果が高いのが大きなメリットです。
衣類が絡まりにくく、生地へのダメージが少ないのも特徴ですね。乾燥機能が充実しているモデルが多いのも、ドラム式の魅力だと思います。
ドラム式洗濯機を回す際の注意点は、洗濯物の入れすぎです。
たたき洗いをするためのスペースが必要なので、容量の7割程度を目安にしましょう。入れすぎてしまうと、衣類がうまく持ち上がらず、洗浄力が大幅に低下してしまいます。
また、縦型に比べて洗浄力がマイルドなので、泥汚れなどがひどい場合は、あらかじめ予洗いしておくのがおすすめです。
洗剤は、泡立ちが少ないドラム式専用のものを使うと、性能を最大限に引き出せます。
ドアのパッキン部分にホコリや髪の毛が溜まりやすいので、洗濯が終わったら毎回サッと拭き取っておくと、カビの発生を防げて清潔に保てますよ。
おすすめのコース設定と水量の決め方
摩擦増
理想的
撹拌不良
最近の洗濯機はコースが豊富で、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。
普段の衣類、例えば木綿のTシャツやタオル、下着などであれば、基本的には「標準」または「おまかせ」コースで十分きれいに洗えます。
今の洗濯機はとても賢くて、スタートボタンを押すと内蔵されたセンサーが衣類の重さを量り、最適な水量や洗濯時間を自動で設定してくれるんです。ですから、一番簡単で間違いがない方法と言えますね。
汗をかいただけのタオルや、一度着ただけのパジャマなど、汚れが軽いものを少しだけ洗いたい時には「お急ぎ」や「スピード」コースが便利です。洗いやすすぎの時間が短縮されるので、30分程度で洗濯が終わる機種も多いですよ。
ただし、洗浄力は標準コースより少し劣るので、泥汚れや食べこぼしなどの頑固な汚れには向いていません。
ウールのセーターやシルクのブラウス、レースの付いた下着など、デリケートな衣類を洗う時は「ドライ」や「おしゃれ着」「手洗い」といったコースを選んでください。
洗濯槽の回転を抑え、優しい水流で衣類の縮みや型崩れを防ぎながら、まるで手洗いのように洗ってくれます。
水量を手動で設定したい場合は、洗濯物の量に合わせて調整します。 洗濯槽に入れた衣類が、水にしっかり浸るくらいの量が理想的な目安です。
水量が少なすぎると、洗剤が十分に溶けず洗浄力が落ちるだけでなく、衣類同士の摩擦が大きくなって生地を傷める原因にもなります。
逆に多すぎると、衣類が水に浮いてしまってうまく撹拌されず、これもまた汚れ落ちが悪くなる原因になります。
洗濯物の量に合ったコースと水量を選ぶことが、きれいに洗い上げるための大切な鍵となります。
もっと便利になる洗濯機の回し方と豆知識

基本的な回し方をマスターしたら、次はもう少し踏み込んだ便利な使い方や豆知識をご紹介します。
すすぎの回数の違いや、お風呂の残り湯を使った節約術、さらには人気のメーカーごとの特徴的な機能まで、知っていると毎日の洗濯がもっと効率的で楽しくなる情報ですよ。
すすぎ1回と2回の違いと適切な選び方
効率重視
軽い汚れ向け
安心重視
頑固な汚れ向け
洗剤のパッケージなどで「すすぎ1回でOK」という表示をよく見かけますよね。すすぎの回数を1回にするか2回にするか、どう選べばいいのでしょうか?
すすぎ1回の最大のメリットは、時短と節水・節電です。洗濯時間が短くなるのはもちろん、使う水の量も電気代も抑えられるので、環境にもお財布にも優しい選択と言えます。
「すすぎ1回対応」の洗剤は、泡切れが良く、衣類に洗浄成分が残りにくいように作られています。ただし、洗浄力や消臭力は2回すすぎに比べて少しマイルドになる傾向があります。
一方、すすぎを2回行うと、衣類に残った洗剤成分や汚れをよりしっかりと洗い流すことができます。肌がデリケートな方や赤ちゃんの衣類を洗う時には、2回すすぎの方が安心かもしれません。また汚れがひどい衣類や、ニオイが気になるものを洗う時も2回すすぎがおすすめです。
普段は「すすぎ1回」で効率的に、汚れや状況に応じて「2回すすぎ」を選ぶというように、上手に使い分けるのが賢い方法だと思います。
風呂水を使った節約になる洗濯機の回し方

お風呂の残り湯を洗濯に使う「風呂水ポンプ」機能、活用していますか?
水道代の節約に大きく貢献してくれる、とても便利な機能なんです。
一般的に、洗濯で使う水の半分以上は「洗い」の工程で使われると言われています。この「洗い」の水を残り湯でまかなうだけで、かなりの節水効果が期待できるんです。
使い方はとても簡単で、付属の風呂水ホースを浴槽に入れ、もう片方を洗濯機の給水口に接続するだけです。コース設定で「風呂水」を選択すれば、自動で残り湯を吸い上げてくれます。
注意点としては、残り湯は「洗い」の時だけに使用し、「すすぎ」はきれいな水道水を使うことです。最後のすすぎまで残り湯を使ってしまうと、お湯に含まれる雑菌や汚れが衣類に残ってしまう可能性があります。
また、入浴剤を使ったお湯は、種類によっては衣類に色やニオイが移ることがあるので、入浴剤の説明書きを確認してくださいね。
日立製洗濯機の特徴的な使い方
日立の洗濯機といえば、パワフルな洗浄力が人気ですよね。 特に縦型洗濯機「ビートウォッシュ」シリーズは、洗浄力の高さが魅力です。
最新モデル(2025年8月現在)の「BW-X120M」などでは、「衣類長もち ナイアガラ ビート洗浄」という機能で、高濃度の洗剤液をしっかり浸透させ、大流量のシャワーで洗い流すことで、布傷みを抑えながらガンコな汚れをすっきり落としてくれます。
洗剤と柔軟剤の自動投入機能も搭載されているので、毎回の計量の手間が省けてとても便利ですよ。
また、ドラム式洗濯機の「ビッグドラム」シリーズも進化しています。
最新モデルの「BD-STX130KL」などに搭載されている「らくはや風アイロン」は、大風量の高速風でシワを伸ばしながら乾燥させるので、アイロンがけの手間をぐっと減らせるんです。洗濯容量13kg、乾燥7kgと大容量なのも嬉しいポイントですね。
他にも、AIが洗い方や時間を自動で判断してくれる「AIお洗濯」など、賢い機能がたくさん搭載されています。
日立の洗濯機は、しっかり洗いたい、そして家事の手間を少しでも減らしたい、というニーズに応えてくれるモデルが多い印象です。
パナソニック製洗濯機の便利な使い方
パナソニックの洗濯機は、きめ細かい泡で汚れを浮かせて落とす技術が魅力です。
ドラム式・縦型問わず多くのモデルに搭載されている「スゴ落ち泡洗浄」は、洗剤を素早く泡立てて衣類に浸透させることで、繊維の奥の汚れまでしっかりアプローチします。
最新のドラム式洗濯機(2025年8月現在)「NA-LX129D」シリーズなどでは、温水機能と組み合わせることで、諦めていた黄ばみやニオイの原因菌まで洗い流す効果が期待できるとされています。
また、パナソニックといえば「ナノイーX」という独自のイオン技術も有名ですね。
水洗いできないコートや制服、ぬいぐるみなどを、イオンの力で除菌・消臭してくれるコースが搭載されているモデルもあります。頻繁に洗えないもののお手入れにとても便利です。
さらに、液体洗剤・柔軟剤に加えて、おしゃれ着洗剤まで自動で投入してくれる「トリプル自動投入」機能も、多くのお客様から支持されています。
計量の手間が省けるだけでなく、洗剤の入れすぎも防げるので、経済的で使いやすいと好評です。
パナソニックの洗濯機は、清潔さにこだわりたい方や、便利な機能で家事を楽にしたい方にぴったりの選択肢だと思います。
ジェルボールの正しい使い方と注意点

ポンと1粒入れるだけで計量の手間いらずのジェルボール、とても便利ですよね。
私も忙しい時はつい頼ってしまいます。
このジェルボールですが、正しい使い方をしないと効果が半減してしまうことがあるんです。
一番のポイントは、洗濯槽の底、つまり洗濯物の一番下に入れることです。
衣類の上に乗せてしまうと、水が十分に行き渡る前にジェルボールが衣類に包まれてしまい、フィルムが溶け残る原因になることがあります。
先にジェルボールを入れてから、その上に洗濯物を入れる、この順番をぜひ守ってください。
注意点としては、すすぎ1回に対応している製品が多いですが、念のためパッケージの表示を確認しましょう。
また、「お急ぎ」コースなど、洗濯時間が極端に短いコースでは、フィルムが溶けきらない可能性があるので、標準コースでの使用が推奨されています。
濡れた手で触るとフィルムが溶けてベタベタしてしまうので、必ず乾いた手で取り扱うようにしてくださいね。
手軽で便利なジェルボールですが、正しい使い方でその性能を最大限に引き出してあげましょう。
エラー表示が出た時の基本的な対処法
洗濯機が途中で止まって、操作パネルにアルファベットと数字の組み合わせが表示されること、ありますよね。これは洗濯機が「何か問題が起きていますよ」と教えてくれているサインなんです。
慌てずに、まずは表示されている内容を確認しましょう。
非常によくあるのが、給水に関するエラーです。
「C01」や「U11」といった表示が出たら、まずは水道の蛇口がしっかり開いているか確認してください。次に、給水ホースが折れ曲がっていないか、フィルターにゴミが詰まっていないかもチェックポイントです。
排水がうまくいかない時のエラー(「C02」や「U12」など)も多いですね。
この場合は、排水ホースが折れたり潰れたりしていないか、そして排水口が詰まっていないかを確認します。排水口の掃除は忘れがちですが、定期的にチェックするとトラブルを防げます。
また、洗濯物が片寄ってうまく脱水できない時にもエラーで止まります。
一度フタを開けて、中の洗濯物を均等にならし直してから、再度スタートボタンを押してみてください。
多くの場合は、これらの基本的な確認で解決することが多いですよ。
総括:洗濯機の正しい回し方について
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。