高圧洗浄機は、玄関周りやベランダ、駐車場の頑固な汚れも驚くほどきれいに落とせる便利なアイテムです。そのパワフルさを見て、「水道代は?」「節水効果は本当?」と気になる方もいるでしょう。
特に洗車や外壁掃除など広範囲に使う場合、水道代や電気代といったランニングコストは無視できません。使うたびにお金の心配をするのは避けたいですよね。
この記事を読めば、そんな高圧洗浄機のコストに関する疑問がスッキリ解消します。具体的な目安から節約方法、業者依頼時の注意点まで、知りたい情報を分かりやすく解説していきます!
高圧洗浄機の水道代|基本知識と相場

まずは、高圧洗浄機を使う上で気になる水道代の基本情報や、大まかな相場感について見ていきましょう。
「意外と安い?」それとも「やっぱり高い?」、実際のところを詳しく解説します。
高圧洗浄機の水道代はいくら?
- 必要な箇所だけピンポイントで洗浄する
- 事前に軽い汚れはブラシなどで落としておく
- 効率的な洗浄順序を計画する
- 適切な水圧設定で使用する
高圧洗浄機を使うとき、気になるのが水道代ですよね。実際のところ、どれくらいかかるのでしょうか。
家庭用の高圧洗浄機の場合、1時間あたりの水道代は数十円から百数十円程度が目安とされています。思ったよりも安いと感じる方が多いかもしれません。
例えば、一般的な家庭用高圧洗浄機の吐出水量が1分あたり5〜6リットルだとすると、1時間で300〜360リットル程度の水を使用します。
東京都水道局の料金(呼び径20mm、1か月20m³使用した場合)を参考にすると、1リットルあたりの単価は約0.24円です。
これを基に計算すると、1時間あたりの水道代は、
- 300リットル × 0.24円/リットル = 72円
- 360リットル × 0.24円/リットル = 86.4円
となり、大体70円〜90円程度になります。
もちろん、お住まいの地域の水道料金や使用する機種、使い方によって変動はありますが、ひとつの目安として考えてみてください。
一方で、外壁塗装などで業者が使用する業務用の高圧洗浄機は、家庭用よりも水圧・水量ともに大きい場合が多いです。業者が1日がかりで外壁洗浄を行うようなケースでは、水道代が1,000円〜2,000円程度かかることもあるようです。
高圧洗浄機は節水になる?
高圧洗浄機は勢いよく水が出るので、たくさん水を使っているように見えますが、実は水道ホースで水を流しっぱなしにして洗うよりも節水になることが多いんです。
一般的な水道ホース(内径15mm程度)で水を流した場合、1分間に約15〜20リットル程度の水が出ると言われています。
対して、家庭用高圧洗浄機の吐出水量は、先ほども触れたように1分あたり5〜6リットル程度の機種が多いです。
単純に比較すると、高圧洗浄機はホースで水を流す場合の約1/3〜1/4程度の水量で済む計算になります。これは、高圧洗浄機が少量の水に高い圧力をかけて効率よく噴射しているためです。
特に、洗車や広い面積の外壁、コンクリートのたたきなどを洗浄する場合、ホースで流し洗いするよりも高圧洗浄機を使った方が、使用する水の量を大幅に減らせる可能性があります。
もちろん、汚れの程度や洗浄する対象物によっては、ホースの方が手早く済む場合もあります。しかし、時間をかけてじっくり洗浄するような場面では、高圧洗浄機の節水効果がより実感できるでしょう。
水道代以外にかかる電気代
- 作業前に計画を立て、効率よく短時間で終わらせる
- 使用しない時はこまめに電源をオフにする
- 必要以上に高い水圧設定を使用しない
- 定期的なメンテナンスで効率よく使用する
高圧洗浄機を使う際には、水道代だけでなく電気代もかかります。高圧洗浄機はモーターを使って水に圧力をかけるため、当然ながら電力を消費します。
家庭用高圧洗浄機の消費電力は、機種によって異なりますが、一般的には1,000W〜1,500W程度のものが多いです。
電気料金は、契約している電力会社やプランによって異なりますが、ここでは仮に1kWhあたり31円(税込、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価)として計算してみましょう。
消費電力が1,300W(=1.3kW)の高圧洗浄機を1時間使用した場合の電気代は、
1.3kW × 1時間 × 31円/kWh = 40.3円
となります。
水道代(先ほどの例で約70円〜90円)と合わせると、1時間あたりの光熱費は約110円〜130円程度ということになりますね。
もちろん、これも機種の消費電力や使用時間、電気料金の単価によって変わってきます。高圧洗浄機のスペック表には消費電力が記載されているので、ご自身の使う機種で一度計算してみると、より具体的なコスト感が掴めるでしょう。
機種別の使用水量と時間
高圧洗浄機には様々な種類があり、機種によって性能、特に「吐出水量」と「吐出圧力」が異なります。これらは水道代や洗浄能力に直接関わってきます。
- コンパクトで扱いやすい
- 自転車や網戸、軽い汚れの洗浄向き
- 水道代・電気代は比較的安価
- 洗車やベランダ、外壁など、幅広い用途に対応
- バランスの取れた性能
- 頑固な汚れや広範囲の洗浄もパワフルにこなす
- 農機具の洗浄などにも
- 水道代・電気代は高めになる傾向
特徴 | エントリーモデル | ミドルクラスモデル | ハイエンドモデル |
吐出水量 | 毎分5リットル前後 | 毎分6〜7リットル前後 | 毎分7リットル以上 |
吐出圧力 | 低〜中程度 | 中〜高程度 | 高〜非常に高い |
主な用途 | 自転車、網戸、軽い汚れ | 洗車、ベランダ、外壁 | 頑固な汚れ、広範囲、農機具 |
水道代目安(1時間) | 約70円〜 | 約85円〜 | 約100円〜 |
また、多くの家庭用高圧洗浄機には「定格使用時間」が定められています。これは、安全に連続して使用できる時間の上限で、一般的には1時間程度とされている機種が多いです。
定格時間を超えて使用すると、モーターの過熱や故障の原因になる可能性があるため、必ず守るようにしましょう。1時間使用したら、1時間程度休ませるのが一般的です。
どのくらいの頻度で、何を洗浄したいのかによって、最適な機種は変わってきます。水道代や電気代といったランニングコストも考慮しながら、自分の用途に合ったモデルを選ぶことが大切です。
排水管洗浄の費用と水道代

戸建て住宅などで、専門業者に排水管の高圧洗浄を依頼する場合もありますよね。この場合の費用や水道代はどのようになるのでしょうか。
まず、排水管の高圧洗浄にかかる費用ですが、これは業者や住宅の状況(戸建てか集合住宅か、配管の長さや複雑さなど)によって大きく異なります。
一般的な戸建て住宅の場合、費用相場は2万円〜4万円程度と言われています。マンションなどの集合住宅の場合は、全戸一括で行うか、個別に行うかなどでも変わってきます。
この排水管洗浄で使われる水は、通常、依頼主(家主)の水道を使用します。そのため、洗浄にかかった分の水道代は依頼主の負担となるのが一般的です。
業者によっては、作業時間や使用水量が明記された報告書を提出してくれる場合もあります。気になる場合は、事前に業者へ確認しておくと良いでしょう。
排水管の洗浄は、詰まりや悪臭の予防に効果的ですが、頻繁に行う必要はありません。一般的には数年に一度程度が目安とされています。ただし、油をよく流す、配管が古いなどの場合は、もう少し短い間隔での洗浄が推奨されることもあります。
費用の安さだけで業者を選ぶと、十分な洗浄が行われなかったり、後から追加料金を請求されたりするトラブルも考えられます。信頼できる業者か、事前に口コミや実績を確認することも大切です。
外壁塗装時の水道代は誰が負担?
先ほどの排水管洗浄に続き、今度は外壁塗装のお話です。
家の外壁塗装を行う際、通常は塗装前に高圧洗浄で壁の汚れを落とす工程があります。この時に使う高圧洗浄機の水道代は、一体誰が負担するのでしょうか。
先ほどと同様に、外壁塗装時の高圧洗浄にかかる水道代は、一般的に「依頼主(家主)」の負担となります。
塗装業者は、依頼主の家の外にある水道(散水栓など)を使わせてもらって高圧洗浄作業を行います。業者に水を持ってきてもらうとなると、運搬費などがかえって高額になってしまうため、依頼主の水道を使用するのが通例です。
「え、水道代払うの?」と少し驚かれるかもしれませんが、外壁塗装全体の費用から見ると、高圧洗浄にかかる水道代(前述の通り、1,000円〜2,000円程度が目安)は、それほど大きな割合を占めるわけではありません。
むしろ、ここで水道代を気にして「あまり水を使わないで…」とお願いしてしまうと、洗浄が不十分になり、せっかくの塗装の仕上がりや耐久性に影響が出てしまう可能性があります。外壁の汚れや古い塗膜をしっかり落とすことは、新しい塗料を密着させるために非常に重要な工程です。
そのため、塗装業者には「水道代は気にせず、しっかりと洗浄してください」と伝えるのが、結果的に良い塗装につながると言えるでしょう。
もちろん、事前に業者から水道使用に関する説明があるはずですが、もし疑問点があれば、契約前にしっかりと確認しておくことをおすすめします。
高圧洗浄機の水道代|節約と注意点

ここまでは高圧洗浄機の水道代に関する基本的な情報を見てきました。
ここからは、さらに一歩進んで、水道代を少しでも抑えるための工夫や、使用する上での注意点について解説していきます。賢く使って、コストを抑えつつ安全に高圧洗浄機を活用しましょう。
水道代を抑える高圧洗浄機の使い方
高圧洗浄機はホースよりも節水になるとはいえ、使い方次第では無駄な水を使ってしまうことも。ちょっとした工夫で、さらに水道代を抑えることができますよ。
- 広範囲の洗浄 → バリオスプレーランス(扇状に広がる)
- 頑固な汚れ → サイクロンジェットノズル(一点集中)
- 大きなゴミやホコリを除去
- 洗浄範囲を区分けする
- 上から下へ順に洗浄する
- すすぎは最後にまとめて行う
漏水チェックの方法
「最近、特に水を使った覚えがないのに水道代が高い気がする…」そんな時は、もしかしたら家の中や敷地内のどこかで水漏れ(漏水)が起きているかもしれません。高圧洗浄機の使用とは別に、漏水の可能性も疑ってみましょう。
簡単にできる漏水チェックの方法をご紹介します。
- キッチンの蛇口
- 洗面所の蛇口
- お風呂・シャワーの蛇口
- トイレの給水
- 洗濯機の給水栓
- 屋外の散水栓
- 食洗機などの接続
- 戸建ての場合:敷地内の地面(多くの場合、道路側の境界付近)
- マンションの場合:玄関横のパイプスペースや共用廊下など
もし漏水が疑われる場合は、すぐに自治体の水道局や指定の水道工事業者に連絡して、点検・修理を依頼しましょう。漏水を放置すると、水道代が高くなるだけでなく、建物の土台などに影響が出る可能性もあります。
高圧洗浄機を使った後に水道代が上がったと感じても、一度この漏水チェックを行ってみることをおすすめします。
業者依頼時の費用と悪徳業者対策

高圧洗浄を自分で行うのではなく、専門業者に依頼する場合、費用はどれくらいかかるのでしょうか。また、残念ながら存在する悪徳業者に騙されないための注意点も知っておきましょう。
業者に依頼する高圧洗浄の費用は、洗浄する場所や範囲、汚れの程度によって大きく変動します。
洗浄箇所 | 料金相場 | 推奨頻度 |
エアコン室外機 | 数千円〜1万円程度 | 1〜2年に1回 |
ベランダ・バルコニー | 1万円〜3万円程度 | 1〜2年に1回 |
外壁全体 | 数万円〜十数万円 | 3〜5年に1回 |
屋根 | 数万円〜十数万円 | 3〜5年に1回 |
排水管 | 2万円〜4万円程度 | 2〜3年に1回 |
業者を選ぶ際に注意したいのが、悪徳業者の存在です。
「無料点検」と言って訪問し、不安を煽って高額な契約を結ばせようとしたり、「キャンペーン価格」などと言って実際は相場より高い料金を請求したりする手口があります。
悪徳業者を避けるためのポイントは以下の通りです。
大切な家を任せるのですから、費用だけでなく、信頼性や実績もしっかりと見極めて業者を選ぶことが重要です。
総括:高圧洗浄機の水道代のリアルな話
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。