玄関のざらざらしたタイルの黒ずみって、本当に厄介ですよね。
水拭きしても全然落ちないし、かといって強力な洗剤を使うのも素材が傷まないか心配で…。
そんなとき、SNSで話題のウタマロクリーナーなら安心して使えるんじゃないかと思う方も多いのではないでしょうか?
でも、ちょっと待ってください。
実は、玄関タイルの掃除にウタマロクリーナーを使う際には、知っておかないと取り返しのつかないことになる重要な注意点があるんです。特に大理石や御影石といった天然石のタイルをお使いのご家庭では、絶対に避けなければならない使い方があります。
また、ウタマロクリーナーで掃除した後に、タイル表面が白くムラになってしまった、という失敗談もよく耳にします。これには明確な原因があって、ちょっとしたコツを知っているだけで防げるんですよ。
マンションなど水を流せない環境での工夫や、ざらざらしたタイルの凹凸に詰まった頑固な汚れを効率的に落とす方法についても、実はあまり知られていないテクニックがあります。
この記事では、家電量販店でお客様から日々いただくご相談をもとに、ウタマロクリーナーを使った玄関タイル掃除の正しい手順から、素材別の注意点、使えない場合の代替方法、さらには掃除を劇的に楽にする便利グッズまで、実践的な情報を余すことなくお伝えします。
ウタマロクリーナーで玄関タイルを掃除

まずは、大人気のウタマロクリーナーを使って玄関タイルをお掃除する時の「基本」から見ていきましょう。
使えるタイルと使えないタイル、そして掃除の手順や注意点をしっかり押さえておけば、失敗なくピカピカの玄関を目指せますよ!
ウタマロクリーナーの基本的な使い方
ウタマロクリーナーは、中性洗剤なので汚れ落ちがマイルドな分、素材への攻撃性が低いのが嬉しいポイントですよね。玄関タイルにも基本的には使えますが、手順がとっても大事なんです。
まず、準備するものです。
- ウタマロクリーナー
- デッキブラシ(できれば毛足が長めのもの)
- ほうき・ちりとり
- 雑巾、バケツ
- (推奨)スクイージー(水切りワイパー)
- (必要な場合)養生テープ
手順はこんな感じです。
- 片付けと乾拭き
まず、玄関に出ている靴や傘立て、観葉植物などを全部移動させます。そして、ほうきでタイル表面の砂やホコリ、ゴミをしっかり取り除きましょう。ここで砂やゴミが残っていると、ブラシでこすった時にタイルを傷つける原因にもなるので、丁寧に掃き出してくださいね。 - (必要な場合)養生
玄関の上がり框(かまち)や壁の低い部分が、天然の木材や水に弱い素材でできているお家は多いと思います。そのまま水や洗剤をかけると、シミになったりふやけたりする可能性が…。そういう場合は、ビニールや養生テープでしっかりカバー(養生)しておくと安心ですよ。 - スプレーとブラッシング
タイル全体を水で軽く濡らしてから、ウタマロクリーナーを気になる汚れを中心にスプレーします。ただ、あまり広範囲に一気にスプレーしすぎないのがコツです。先にスプレーしたところが乾いてしまうと、ムラの原因になりますから。 スプレーしたら、デッキブラシでこすっていきます。タイルの目地(溝)や、表面の凹凸に沿って、いろんな方向からブラシをかけると汚れが落ちやすいですよ。 - すすぎと乾燥
ここが最重要ポイントです!洗剤の成分が残らないように、水でしっかり洗い流します。お庭のホースが使えるお家は楽なのですが、そうでない場合はバケツに汲んだ水を少しずつ流して、洗剤と汚れを押し出すようにすすぎます。
すすぎが終わったら、スクイージー(水切りワイパー)で汚れた水を一方向にかき集めて、雑巾で吸い取るのが効率的!
これ、かなりオススメです。
最後に、乾いた雑巾で全体の水分を拭き取って、自然乾燥させれば完了です。
養生テープって?
ホームセンターなどで売っている、貼っても剥がしやすいテープのことです。ガムテープだと粘着力が強すぎて、剥がすときに壁紙や木材を傷めてしまうことがあるので、専用の養生テープを使うのがおすすめです。緑色や白色のものが多いですね。
ウタマロクリーナーは泡立ちが良いので、ついスプレーし過ぎてしまいがちですが、泡が多いと「すすぎ」が本当に大変になります。最初は「ちょっと少ないかな?」くらいから始めてみるのがいいと思いますよ。
ざらざらしたタイルにも効果ある?
「うちの玄関タイル、滑り止めなのか表面がザラザラしてるんだけど、ウタマロって効くの?」
これ、お客様からもよくご質問いただくんです。テラコッタ調のおしゃれなタイルとか、最近多いですよね。
結論から言うと、ザラザラしたタイルにこそ、ウタマロクリーナーとブラシの組み合わせは効果的だと思います!
なぜかというと、ザラザラしたタイルの表面には、目に見えないくらいの細かーい凹凸がたくさんあります。そこに、靴裏から持ち込まれた土砂やホコリ、さらには排気ガスなどに含まれる油分が混じり合って、どんどん蓄積してしまうんです。
これが頑固な黒ずみの正体なんですね。
雑巾で水拭きしただけでは、この凹凸の奥に入り込んだ汚れはまったく取れません。 そこでウタマロクリーナーの出番です。
ザラザラタイル掃除のコツ
- ウタマロクリーナーの界面活性剤が、油分を含んだ汚れを浮かせてくれます。
- スプレーした後、すぐにこすらず、2~3分ほど置いて汚れと馴染ませると効果がアップしやすいです(ただし、乾かないように注意!)。
- デッキブラシは、毛足が長くて、少し硬さのあるタイプがおすすめです。短い毛だと、凹凸の奥まで届かないんです。
- こする時も、一方向だけじゃなく、縦・横・斜め・円を描くように…といろんな角度からブラシを当てて、汚れを「かき出す」イメージでこすってみてください。
ただし、ここでもやっぱり大事なのが「すすぎ」です。ザラザラしているということは、洗剤の成分も凹凸に残りやすいということ。ツルツルしたタイルの何倍も、しっかり、しつこいくらいに水で洗い流す必要があります。
「しっかりこすって、しっかり流す」
これができれば、ウタマロクリーナーはザラザラタイルの強い味方になってくれるはずですよ!
大理石や御影石に使えない?

はい、ここがこの記事で一番お伝えしたい、最も重要な警告です。
もし、ご自宅の玄関タイルが「大理石」や「御影石(みかげいし)」、あるいはそういった「天然石」でできている場合、絶対にウタマロクリーナーを使わないでください!
天然石へのウタマロクリーナー使用は厳禁です
「え、中性洗剤なのにどうして?」って思いますよね。 理由は、ウタマロクリーナーの液性(中性)ではなく、主成分である「界面活性剤」にあります。
大理石や御影石のような天然石は、一見ツルツルに見えても、実は目に見えない微細な「孔(あな)」がたくさん空いている「多孔質(たこうしつ)」という素材なんです。 そこにウタマロクリーナー(に限らず、食器用洗剤なども)の界面活性剤が浸透すると、石材が内部から変色し、まるで水に濡れたような「濡れ色」と呼ばれるシミが発生してしまうことがあるんです。
このシミは、表面の汚れとは違って、石材の内部で化学変化が起きているようなもの。一度できてしまうと、プロのクリーニング業者でも除去は非常に困難、と言われています。取り返しがつかないんです。
「じゃあ、人工大理石なら大丈夫?」という疑問も湧きますよね。システムキッチンなどで使われる人工大理石(人造大理石)は、樹脂で固められていることが多いのですが、これも素材によっては界面活性剤との相性が悪く、シミが発生するリスクが報告されています。
ウタマロクリーナーの公式でも「使えないもの」には含まれていませんが、「使えます」とも書かれていません。リスクを考えると、人工大理石への使用も避けた方が賢明だと私は思います。
ご自宅のタイルが天然石かどうか分からない…という場合は、住宅の図面を確認するか、施工業者さんに問い合わせるのが一番確実です。 それが難しい場合は、専用の洗剤(後ほどご紹介しますね)を使うか、「水拭きだけ」にしておくのが、大切な玄関を守るために最も安全な選択ですよ。
頑固な黒ずみ掃除とメラミンスポンジ
ウタマロクリーナーとデッキブラシで頑張ってこすってみたけど、どうしても落ちない…そんな頑固な黒ずみ、ありますよね。
特に、タイルの凹凸にこびりついたような黒いシミ。これは土砂と油分が長い時間をかけて固着してしまった手ごわい相手です。
そんな時の「奥の手」として、「メラミンスポンジ」(「激落ちくん」などが有名ですね)を使う方法があります。ウタマロクリーナーと併用することで、洗浄力がアップするんです。
ウタマロ + メラミンスポンジの手順
- まず、ほうきでホコリやゴミを取り除き、タイル全体を水で濡らします。
- 気になる黒ずみ部分に、ウタマロクリーナーをシュッとスプレー。
- メラミンスポンジに水を含ませ、軽く絞ります。
- そのメラミンスポンジで、黒ずみ部分を優しく、円を描くようにこすります。(手のひらサイズにカットすると力が入りやすいですよ)
- 汚れが浮いてきたら、すぐに洗剤成分と汚れを水でしっかり洗い流します。
- 最後に雑巾で拭き取って完了です。
ウタマロの界面活性剤が汚れを浮かせ、メラミンスポンジが物理的に汚れをかき出す、という相乗効果ですね。 これで落ちる黒ずみ、結構あります。
…ただし! メラミンスポンジを使う際には、絶対に知っておいてほしい注意点があるんです。
メラミンスポンジは「研磨剤」です!
メラミンスポンジが汚れを落とす仕組みは、洗剤とは違います。あれは、非常に硬いメラミン樹脂の細かい網目で、汚れを「削り取って」いるんです。つまり、「消しゴム」というより「紙やすり(研磨剤)」に近いんですね。
ということは… ツルツルした光沢のあるタイルや、表面に特殊なコーティングが施されているタイルに使用すると、傷がついて光沢が失われてしまう可能性があります。
ザラザラしたタイルでも、強くこすりすぎれば表面を傷めるかもしれません。 使う場合は、必ず玄関の隅っこの目立たない場所で試し拭きをして、タイルに傷がつかないか、光沢が変わらないかをチェックしてからにしてください。これは本当に絶対のお約束です!
泡残りやタイルが白くなる原因は?
「ウタマロで掃除したら、乾いた後なんだかタイルが白っぽくムラになっちゃった…」
「目地のあたりに、泡が乾いた跡が残ってる…」
これも、玄関タイル掃除の「あるある」な失敗談ですね。せっかく頑張って掃除したのに、これじゃあガッカリですよね。
この現象の原因、なんだと思いますか?
答えは、ここまで何度もお話ししてきた…そう、ほぼ100%「すすぎ不足」が原因です。
ウタマロクリーナーは、泡立ちが良くて汚れ落ちも良い反面、その主成分である界面活性剤が、タイル表面や、特にザラザラしたタイルの凹凸、目地の溝に、思っている以上に残りやすいんです。
掃除が終わった直後はキレイに見えても、洗い流しきれなかった洗剤成分が、水分が蒸発した後にタイル表面に残り、それが「白いムラ」や「乾いた泡の跡」として見えてくるわけですね。
白いムラを防ぐ!徹底すすぎのコツ
- スプレーしすぎない まず基本ですが、洗剤が多ければ多いほど、すすぎは大変になります。適量を心がけましょう。
- スクイージー(水切りワイパー)の活用 ブラシでこすって汚れを浮かせたら、すすぎの前に、まずスクイージーで「泡と汚水」をできるだけかき集めて、雑巾などで取り除いてしまいましょう。これだけで、すすぎに使う水の量と時間を大幅に減らせます。
- 水の「かけ流し」を意識 スプレーで水をかけて拭くだけでは不十分です。「水で汚れと洗剤を押し流す」という意識が大事です。
- 乾拭きで仕上げる 最後のすすぎが終わったら、乾いた雑巾や吸水性の高いマイクロファイバークロスで、タイル表面の水分を迅速に拭き上げてください。微量に残った洗剤成分も、乾燥する前に物理的に除去できます。
特にザラザラしたタイルや、目地が深いタイルの場合は、「もういいかな?」と思ってから、さらにもう一回すすぐくらいの気持ちでちょうど良いかもしれませんよ。
マンションで水を流せない時の工夫
「ウタマロ掃除に『すすぎ』が命なのはわかったけど、うちはマンションだからホースでジャージャー水なんて流せない!」
はい、そうですよね。
日本の住宅事情、特にマンションやアパートの玄関では、水を使った丸洗いが難しいケースがほとんどだと思います。
でも、諦めないでください!
水を大量に使えなくても、工夫次第で「すすぎ不足」は防げます。
秘密兵器は「蓄圧ポンプ」
私がお客様におすすめしているのが、園芸用の「蓄圧ポンプ(スプレー)」です。 ホームセンターなどで1,000円~2,000円くらいで売っている、手動でシュコシュコ圧力をかけて水を噴射するアレです。
あれ、すごく便利なんですよ! バケツの水を雑巾でかけるのとは違って、少量の水でも「水圧」をかけて噴射できるので、タイルの凹凸や目地に入り込んだ洗剤を効率的に洗い流すことができます。
霧吹き状じゃなくて、水流がストレートに出るタイプに切り替えられるものを選ぶのがポイントですね。
蓄圧ポンプを使ったお掃除の手順はこんな感じです。
- (養生、ゴミ取り、スプレー、ブラシこすり、までは同じ)
- スクイージーで泡と汚水をできるだけかき集め、雑巾で回収します。
- 蓄圧ポンプで、タイル全体、特に目地や凹凸部分に水を噴射して、残った洗剤を浮かせます。
- 浮いてきた汚水を、再度スクイージーでかき集め、雑巾で回収。
- これを、回収した水が泡立たなくなるまで、2~3回繰り返します。
- 最後に、固く絞ったキレイな雑巾で全体を水拭きし、乾拭きで仕上げます。
この方法なら、床が水浸しになることもなく、最小限の水で「すすぎ」が完了します。 蓄圧ポンプがなければ、普通の霧吹きスプレーでも代用できますが、水圧がない分、こまめに雑巾で拭き取る作業が必要になりますね。
「水が流せないから…」と諦めていた方も、ぜひ試してみてほしい方法です!
ウタマロクリーナー以外の玄関タイル掃除

ここまでウタマロクリーナーを使ったお掃除方法を詳しく見てきましたが、万能ではありません。
「大理石で使えない」
「ウタマロを使ってみたけど、汚れがイマイチ落ちない…」
そんなケースも当然ありますよね。
ここからは、ウタマロクリーナー以外の選択肢、別のアプローチをご紹介しますね。
ウタマロで汚れが落ちない時の対処法
ウタマロクリーナーは「中性」です。中性洗剤は、手肌や素材に優しい反面、洗浄力はマイルド。特に、アルカリ性や酸性の性質を持つ汚れに対しては、専門の洗剤に比べてパワーが劣ることがあります。
ウタマロで落ちない汚れには、「洗剤の液性(pH)」を変えてアプローチしてみましょう。
油分を含むしつこい黒ずみには「アルカリ性」
玄関の黒ずみは、土砂だけでなく、道路のアスファルトや排気ガスに含まれる「油分」が混じっていることが多いんです。油汚れには、アルカリ性のクリーナーが効果的です。
セスキ炭酸ソーダ: 重曹よりもアルカリ度が高く、油汚れに強いのが特徴です。水500mlにセスキ炭酸ソーダ小さじ1杯程度を溶かした「セスキ水」をスプレーボトルに入れ、ウタマロクリーナーの代わりに使ってみてください。スプレーしてしばらく置いてからブラシでこすると、油分が分解されて汚れが浮きやすくなりますよ。
白っぽい汚れには「酸性」
もし、汚れが白っぽく、カリカリしているようなら、それは「アルカリ性」の汚れ(例えば、雨水が蒸発した後のカルシウム汚れや、セスキなどを流しきれなかった残留物)かもしれません。 この場合は、酸性のクリーナーが有効です。
クエン酸: 水200mlにクエン酸小さじ1杯程度を溶かした「クエン酸水」を雑巾に含ませて拭いてみます。アルカリ性の汚れを中和して落としてくれます。
酸性・アルカリ性洗剤の注意点
中性のウタマロと違い、これらの洗剤はタイルや目地を傷めるリスクも高くなります。 特にクエン酸(酸性洗剤)は、タイルの目地(セメント)を溶かしてしまう可能性があるので、長時間の放置は絶対にダメ!使った後は、中性洗剤(ウタマロ)で掃除した時以上に、徹底的に水拭き・水洗いをして、洗剤成分を残さないようにしてくださいね。
また、「混ぜるな危険」でおなじみの塩素系漂白剤とは絶対に混ぜないでください!
まずはセスキ水から試してみて、それでもダメならクエン酸、という順番が良いかもしれません。どちらも、目立たない場所で試してから使ってくださいね。
天然石OK?リンレイの専用洗剤
「じゃあ、ウタマロが使えない大理石や御影石の玄関は、どうやって掃除すればいいの!?」
そうですよね、一番困るのはそこだと思います。
水拭きだけでは、やっぱり汚れは蓄積していきますし…。
ご安心ください。
ちゃんと、天然石の玄関タイルにも安心して使える専用の洗剤が販売されています。
例えば、業務用や家庭用のワックス・洗剤で有名な株式会社リンレイさんの「玄関・ベランダ専用洗剤」。
リンレイ「玄関・ベランダ専用洗剤」
この製品、私もお客様にご案内することがあるのですが、すごいのは、ウタマロクリーナーと同じ「中性」でありながら、メーカーが「使用可能な床材:天然石(大理石・御影石)、テラゾー、磁器タイル、コンクリート等」と、はっきり「天然石OK」を明記している点なんです。
これは、石材に浸透してシミを作る原因となる成分を配合せず、石材に影響を与えないよう、ものすごく配慮された界面活性剤が使われている、ということなんですね。 「中性だから何でもOK」ではなく、「天然石専用に開発された中性」だということが分かります。
さらに、泡切れが良く、ベタつきが少ない設計になっているそうなので、ウタマロ掃除の難点だった「泡残り・白いムラ」の問題も起きにくいと考えられます。これは嬉しいポイントですよね!
お値段は、ウタマロクリーナーと比べると少し高価になってしまいます。
でも、万が一、大理石の玄関にシミを作ってしまって、その修復に何万円も(あるいは修復不可能)…という最悪の事態を考えれば、「安心を買う」ための投資として、専用洗剤を選ぶのが最も賢明な判断だと私は思います。
天然石の玄関をお持ちで、洗剤選びに悩んでいる方は、ぜひ「天然石使用OK」と明記された専用クリーナーを探してみてくださいね。
最強の掃除道具はデッキブラシ?

洗剤の話が続きましたが、玄関タイル掃除って、洗剤(化学的な力)と同じくらい、いやそれ以上に「道具(物理的な力)」が重要なんです!
私も色々試したり、お客様の評判を聞いたりするのですが、玄関タイル掃除、特に「ザラザラしたタイル」の掃除において、今すごく注目されているブラシがあるんです。
それは、アズマ工業さんの「玄関タイル ブラシスポンジF」という製品です。
ここがすごい! ブラシスポンジF
このブラシ、雑誌の比較検証記事などで「A+評価」を獲得しているのをよく見かける、実力派アイテムなんです。 お客様からの評判もすごく良くて、「これ、すごいよ!」と教えていただくことも。
何がすごいかというと…
- 緑色の長い繊維(ブラシ) 研磨剤は使われていないのに、ツンツンした緑色の長い繊維の毛足が、タイルの凹凸の奥の奥までしっかり入り込んで、詰まった汚れを物理的に「かき出してくれる」んだそうです。「本当に水だけで汚れが落ちた!」というお声も聞くほど。洗剤の使用量を減らせるかもしれませんね。
- 水切りゴム(スクイージー)の一体化 そして、私が一番「賢い!」と思うのがコレ!ブラシの反対側に、水切り用のゴム(スクイージー)が一体化しているんです。 ブラシでこすって汚れを浮かせる → ひっくり返してスクイージーで汚水を集める → 蓄圧ポンプですすぐ → またスクイージーで水気を切る… この一連の流れが、道具を持ち替えずに1本で完結するんです!ウタマロ掃除の難点だった「泡残り・汚水処理」を完璧にサポートしてくれる、まさに「神ツール」じゃないでしょうか。
もちろん、昔ながらの硬いデッキブラシでゴシゴシこするのも一つの手です。でも、C評価のブラシとウタマロクリーナーの組み合わせよりも、A+評価のブラシ(AZ297)と水だけの組み合わせのほうが、結果的に汚れが落ちて、しかも掃除が楽…という可能性は十分にあると思います。
洗剤で悩む前に、まず「道具」を見直してみる。これもお掃除上手への近道かもしれませんよ。
オキシクリーンを使ったオキシ漬け
SNSなどで「#オキシ漬け」と検索すると、真っ白な泡で玄関全体を漬け置き洗いしている写真、よく見かけますよね。酸素系漂白剤の「オキシクリーン」を使った、ダイナミックなお掃除方法です。
ブラシでこすっても取れない広範囲の汚れや、目地の黄ばみなどを一掃したい!という時の「最終手段」として、非常に強力な方法であることは間違いありません。
手順としては、玄関の上がり框(かまち)をビニールやテープで「ダム」のように塞き止め、玄関タイル全体にお湯(40~60℃)を張り、オキシクリーンを溶かして数時間放置し、時間が来たら栓を抜いて(あるいは雑巾で汲み出して)、ブラシでこすりながら洗い流すというものです。
見た目のインパクトもあって、汚れも劇的に落ちることがあるのですが… 私は、ご家庭でこれをやるのは、かなりの覚悟と準備が必要だと思っています。
玄関オキシ漬けの注意点(必ず読んでください!)
オキシクリーンは「アルカリ性」の洗剤です。ということは…
- 天然石(大理石・御影石)には絶対に使えません。変色・変質の原因になります。
- ツルツルした光沢のあるタイルも、アルカリ性洗剤との相性が悪いと光沢が失われる可能性があります。
- 上がり框の「養生」が不十分だと最悪です。木材が水分とアルカリ成分を吸って、シミになったり、ふやけて変形したりするリスクが非常に高いです。
- アメリカ版(界面活性剤なし)と日本版(界面活性剤入り・中国産)で成分が異なり、泡立ちや洗浄特性が変わります。
- そもそも、大量のお湯を玄関まで運ぶのが、とてつもない重労働です…。
また、強力な洗浄力を持つ高圧洗浄機を使う、という手もあります。 これならタイルの凹凸の奥の汚れまで吹き飛ばしてくれますし、最近はマンションでも使えるように「タンク式」(バケツから給水できるタイプ)の高圧洗浄機も、アイリスオーヤマなどから出ていますよね。
オキシ漬けも高圧洗浄機も、強力な反面、素材を傷めたり、準備が大変だったりというデメリットがあります。
本当にそこまでやる必要があるのか、まずは「メラミンスポンジ」や「専用ブラシ」で対応できないかを試してから、最終手段として検討するのが良いと思いますよ。
玄関タイル掃除とウタマロクリーナー総まとめ
さて、ウタマロクリーナーを使った玄関タイルのお掃除について、いろんな角度から詳しく見てきました。最後に、これだけは覚えておいてほしい!というポイントを総まとめしますね。
ウタマロで玄関タイル掃除!成功の心得
- 【最重要】素材を確認!天然石は絶対NG! ご自宅の玄関が磁器タイルやセラミックタイルならOK。でも、大理石や御影石(天然石)には絶対に使わないでください。「濡れ色」のシミができたら、もう元には戻せません。
- 【最難関】最大の敵は「すすぎ不足」! 掃除後にタイルが「白くムラになる」原因は、ほぼ「すすぎ不足」です。ウタマロは泡立ちが良い分、凹凸や目地に残りやすいことを忘れずに。
- 【解決策】スクイージーと蓄圧ポンプを駆使すべし! こすった後の「泡・汚水」は、まずスクイージーで回収すること。マンションなどで水が流せない環境では、園芸用の「蓄圧ポンプ」で水圧をかけてすすぐのが最強の解決策です。
- 【道具】洗剤より「ブラシ」が命かも? ザラザラタイルの凹凸の奥に届く「毛足の長い専用ブラシ」(アズマ工業AZ297など)を使うと、掃除の効率と仕上がりが劇的に変わる可能性があります。
- 【奥の手】メラミンスポンジは「研磨剤」と心得よ! 頑固な黒ずみには有効ですが、あれは「紙やすり」と同じ。光沢のあるタイルには使わず、使う場合も必ず目立たない場所で試してからにしてくださいね。
ウタマロクリーナーは中性で使いやすく本当に素晴らしいクリーナーです。でも「万能」というわけではなく、特に玄関タイル掃除においては「素材の確認」と「徹底したすすぎ」が成功の鍵を握っているんですね。
もし、ご自宅のタイルの素材がどうしても分からなくて不安な場合は、無理にウタマロを使わず、リンレイのような「天然石OK」と書かれた専用洗剤を選ぶのが、一番確実で安心な方法だと思います。
一度リセットしてキレイになった玄関を保つコツは、結局のところ「こまめな掃き掃除」です。 汚れが固着してしまう前に、砂やホコリを外に掃き出す。これが一番の予防策なんですよね。
もし、ご自身で掃除してもシミが取れない、あるいは素材が分からず不安…という場合は、無理をせず、ハウスクリーニングの専門家にご相談されることをお勧めします。 安全に関わる情報や最終的な判断は、専門家の意見を仰いでくださいね。
正しい知識と道具で、皆さんの玄関がピカピカになりますように!

