ガスファンヒーターのつけっぱなしのガス代は？24時間試算と節約術

寒い朝、布団から出るのが辛くてガスファンヒーターをつけっぱなしにして寝てしまいたい、そんな誘惑に駆られることってありますよね。

私も家電量販店のバックヤードで働いていると、同僚とそんな話題で盛り上がることがよくあります。でも、翌月の請求書を見て青ざめるのは絶対に避けたいところ。

実は、ガスファンヒーターをつけっぱなしにしたときのガス代は、お使いのガスの種類や家の断熱環境によって驚くほど変わってくるんです。特にプロパンガスを使っている方は、都市ガスと同じ感覚で使っていると大変なことになるかも。

この記事では、私が個人的に調べた最新料金事情や、実際に店頭でお客様から聞いたリアルな失敗談を交えながら、賢い使い方を徹底解説します。

単なる節約術だけでなく、結露によるカビ問題や、意外と知られていない「隠れ脱水」などのリスクについても触れていきますね。

これを読めば、高額請求に怯えることなく、ポカポカ快適な冬を過ごすためのヒントがきっと見つかるはず。一緒に、お財布にも体にも優しい暖房ライフを目指しましょう！

つけっぱなし運用のガスファンヒーターのガス代｜月額料金試算

ここでは、ガスの種類による単価の違いや、24時間使い続けた場合の衝撃的なシミュレーション結果を包み隠さずお話しします。

これを知っておけば、請求書を見て倒れそうになるのを防げるはずです（笑）

都市ガスとプロパンガスの料金格差と単価の違い

ガスファンヒーターのコストを語る上で、絶対に避けて通れないのが「都市ガス」と「プロパンガス（LPG）」の壁です。これ、本当にとてつもない差があるんですよね。

私のお店に来るお客様でも、「引っ越したらガス代が倍になった！」と嘆いている方が結構いらっしゃいます。

2025年の予測データや市場動向を見ていると、都市ガス（13A）の熱量単価は1Mcalあたり約13.2円から16.0円程度で推移しています。

一方で、プロパンガスはどうだと思いますか？
なんと、約29.5円なんです。単純計算で約2倍の開きがあるということになります。

これ、笑い事じゃないですよね。
同じように部屋を暖めているつもりでも、プロパンガスのエリアに住んでいるだけで倍のお金を払っているようなものなんです。

家庭用LPガスの価格動向は、（出典：資源エネルギー庁「LPガス価格調査」）でも確認できます。

都市ガスは公共料金的な側面が強くて価格も比較的安定していますが、プロパンガスは自由料金制。大家さんやガス会社さんとの契約次第では、平均価格よりもさらに高い単価設定になっていることも珍しくありません。

都市ガスとプロパンガスが「同じに見えて全然違う」理由や、物件選びで失敗しないコツまで深掘りしたい場合は、都市ガスとプロパンガスの料金差と物件選びも参考になります。

この事実を知らずに「SNSで見た節約術」なんかを鵜呑みにしてつけっぱなし運転をしてしまうと、本当に痛い目を見ることになります。

まずはご自宅のガス種と単価を把握することが、節約への第一歩ですよ。

24時間連続運転した場合のコストシミュレーション

では、禁断のシミュレーションをしてみましょうか。
「もしも24時間、ガスファンヒーターをつけっぱなしにしたらどうなるか」

モデルケースとして、木造11畳の部屋、外気温5℃、設定温度20℃という、冬によくある環境を想定してみます。

まず、断熱性が普通の住宅で、標準的な運転（平均消費量0.20m³/h程度）を続けた場合を計算してみますね。

都市ガス（単価160円/m³想定）の場合、1時間あたり約32円。24時間で768円。
これを30日間続けると、なんと月額約23,040円になります。

「あれ、意外といけるかも？」と思いましたか？
でもこれがプロパンガス（単価700円/m³、熱量換算補正済み）だと話は別です。同じ条件で計算すると、月額約100,800円という衝撃的な数字が叩き出されます。

プロパンガス環境でのつけっぱなしは、経済的にほぼ「破綻」すると言っても過言ではありません。
都市ガスで、かつ高断熱住宅なら月1万円台で収まる可能性もありますが、それでも決して安い金額ではないですよね。

この数字を見ると、こまめな調整がいかに大切か実感できると思います。

設定温度と燃焼量による消費ガス量の変化

ガスファンヒーターは賢い家電なので、常に全力で燃えているわけではありません。室温と設定温度の差を見ながら、炎の大きさを自動で調整しています。この「燃焼フェーズ」を理解するのが、ガス代コントロールのカギなんです。

一番ガスを食うのが、スイッチを入れた直後の「立ち上がり時（最大燃焼フェーズ）」です。冷え切った部屋を一気に温めるために、通常の2倍以上のガスを消費します。

例えば4.07kWクラスのヒーターだと、この時は1時間あたり60円〜70円（都市ガス）分も燃やしていることになります。

一方で、部屋が温まった後の「温度維持（比例制御フェーズ）」や、さらに安定した「微小燃焼フェーズ」に入ると、ガスの消費量はガクンと落ちます。

微小燃焼なら1時間あたり13円〜16円程度まで下がるんです。

つまり、「つけっぱなし＝常に高コスト」というわけではなく、いかに早く、長く「微小燃焼」の状態をキープできるかが勝負なんです。

断熱性の高いお部屋なら、一度温まればチョロチョロとした燃焼だけで温度を維持できるので、意外とコストは抑えられます。

灯油ストーブやエアコン暖房とのコスパ比較

「じゃあ、他の暖房器具と比べたらどうなの？」って気になりますよね。
特に灯油ファンヒーターは、ガスファンヒーターの強力なライバルです。

2025年1月時点での灯油価格は18リットル缶で2,220円前後。
これを熱量単価に直すと、1Mcalあたり約14.0円になります。

思い出してください、都市ガスの熱量単価は約13.2円〜16.0円でしたよね。
そうなんです、実は都市ガスと灯油のコスト差はかなり縮まってきているんです。

灯油を買いに行く手間や、給油時のあの独特な臭い、こぼした時の悲劇を考えると、都市ガスエリアにお住まいなら、無理に灯油に切り替えるメリットは薄いかもしれません。
ガスコードを繋ぐだけで燃料切れの心配がないガスファンヒーターの利便性は圧倒的ですから。

でも、プロパンガスエリアの方は話が別です。
プロパンの単価は約29.5円/Mcalですから、灯油を使えばコストを半分以下に抑えられます。これは大きいです。

エアコンはどうでしょうか。
エアコン（ヒートポンプ）は、電気1のエネルギーで数倍の熱を生み出せるので、ランニングコスト最強説は揺るぎません。ただ、あの温風が苦手という方や、足元の冷えが解消されないという声もよく聞きます。

電気代とガス代の差を条件別にもう少し具体的に知りたい方は、ガスファンヒーターとエアコンはどちらが経済的？光熱費とコスパ比較も参考になるはずです。

つけっぱなし運用のガスファンヒーターのガス代｜その他の注意点

お金の話の次は、もっと大事な「安全」と「環境」の話です。

ガスファンヒーターを長時間使い続けるということは、家の中でずっと火を燃やし続けるということ。そこには様々なリスクが潜んでいます。快適に過ごすための対策をしっかり押さえておきましょう。

燃焼に伴う結露発生メカニズムとカビ対策

「ガスファンヒーターを使うと窓がビショビショになる…」これ、あるあるですよね。

実はこれ、故障でもなんでもなく、化学反応の必然なんです。都市ガスの主成分であるメタンが燃えると、化学反応で大量の水蒸気が発生します。

具体的に言うと、ガスを1kg燃やすと、なんと約2.25kgもの水が発生するんです。
一晩つけっぱなしにすると、1.5リットルから2リットルくらいの水を部屋に撒いているのと同じことになります。これだけの水分があれば、窓が結露するのは当たり前ですよね。

怖いのは、その結露を放置すると湿度80%以上を好む黒カビたちの天国になってしまうこと。カビは喘息やアレルギーの原因にもなりますから、健康被害に直結します。

そこで私が激推ししているのが、窓の断熱対策です。

特にニトムズの「窓ガラス 結露防止シート」は優秀ですよ。
プチプチみたいな見た目ですが、これを貼るだけで窓ガラスの表面温度が下がりにくくなり、劇的に結露が減ります。「水貼りタイプ」なら、賃貸でも糊残りを気にせず使えて便利です。

フィルター掃除による燃費維持と寿命延長

皆さんはファンヒーターの裏側にあるフィルター、どれくらいの頻度で掃除していますか？

「シーズン終わりに1回だけ」なんて方は要注意ですよ！
フィルターがホコリで詰まると、ヒーターは新鮮な空気を取り込めなくなり、無理やり燃やそうとして燃焼バランスが崩れます。

結果として、暖房効率が落ちてガス代が無駄にかかるだけでなく、不完全燃焼の原因にもなりかねません。メーカーのマニュアルでは月1回程度と書かれていますが、個人的には週1回の掃除をおすすめしたいです。特にペットがいるご家庭は必須です。

掃除を楽にするための私の相棒は、マキタのコードレスクリーナー「CL286FDZ」です。
これ、サイクロン一体型で吸引力が本当に落ちないんです。ファンヒーター周りって静電気でホコリが集まりやすいんですが、これがあれば気づいた時にサッと吸い取れます。

しかもこのモデル、高性能なHEPAフィルターも装着できるので、掃除中の排気もクリーン。窓を閉め切った冬の室内でも安心して使えます。

フィルター掃除は、一番手軽で効果的な「節約術」であり「安全対策」なんですよ。

サーキュレーター活用による暖房効率アップ術

「設定温度を上げているのに足元が寒い」と感じることはありませんか？
それは、暖かい空気が軽くて天井付近に溜まってしまっているからです。この「温度ムラ」を解消しない限り、いつまで経ってもガス代は減りません。

そこで活躍するのがサーキュレーターです。

ポイントは「風の向き」。
ヒーターの温風に向けて直接風を当てるのではなく、部屋の空気をかき混ぜるイメージで使いましょう。置き場所のパターンをもう少し具体的に知りたい方は、ファンヒーターへのサーキュレーターの正しい置き方と節約術！も参考になります。

私がおすすめするのは、アイリスオーヤマの「サーキュレーターアイ DC JET PCF-SDC15T-EC-W」です。
ボール型でコロンとしていて可愛いのに、風の到達距離が凄まじいんです。20畳対応のパワーがあるので、天井に溜まった熱をグワッと床まで降ろしてくれます。

おすすめの配置は、部屋の中央に置いて「真上（天井）」に向ける方法。
天井にぶつかった風が壁を伝って降りてくることで、部屋全体が包み込まれるように暖かくなります。これで設定温度を1〜2℃下げられれば、ガス代も確実に浮きますよ。

断熱シート活用で窓の熱損失を防ぐ方法

先ほど結露対策でお話しした断熱ですが、これはガス代削減にも直結します。
せっかく暖めた熱の約50%は、窓から逃げていくと言われているんです。つまり、窓の断熱がおろそかな状態で暖房するのは、穴の空いたバケツに水を注いでいるようなもの。

賃貸でもできる対策として、カーテンを厚手のものや断熱タイプに変えるのも有効ですが、やはりガラス自体に対策をするのが一番です。
先ほどのニトムズのシートに加えて、「窓ガラス透明断熱フィルム」などを併用すると、眺望を損なわずに断熱性を高められます。

窓際が寒くないと、体感温度がグッと上がります。そうすると、ガスファンヒーターの設定温度を無理に上げる必要がなくなり、自然とガス代の節約につながるんです。

「断熱」こそが、最強の省エネ対策だと覚えておいてください。

リンナイとノーリツ最新機種の省エネ機能

もし今使っているファンヒーターが10年以上前のものなら、買い替えを検討するのも一つの手です。最新機種は省エネ機能が本当に進化しているんですよ。

例えばノーリツの「GFH-5803S」などは、人の動きを検知する人感センサーなどを活用して、無駄な暖房をカットしてくれます。
パワーも強力なので、寒い部屋を一気に暖めて、あとは低燃費運転でキープするという理想的な動きが得意です。

一方、リンナイの「A-style RC-A4401NP」などのプレミアムモデルは、なんとシャープの「プラズマクラスター」を搭載しています。
これの何がすごいって、暖房を使わないオフシーズンでもイオン発生機として使えるんです。

単なる暖房器具としてだけでなく、空気清浄機としての役割も期待するならリンナイ、質実剛健な暖房能力を求めるならノーリツ、といった選び方がおすすめです。

まとめ：つけっぱなし運用のガスファンヒーターのガス代

ここまで、ガスファンヒーターのつけっぱなし運転について、お金と安全の両面から見てきました。

結論としては、「何も考えずにつけっぱなしにするのはリスクが高いけれど、工夫次第で快適に運用できる」ということですね。

ガスファンヒーターの「点火して5秒で暖かい」というメリットは、何物にも代えがたい魅力です。だからこそ、そのパワフルさを上手にコントロールしてあげてください。

この記事が、あなたの冬の暮らしを少しでも温かく、そして賢くする手助けになれば嬉しいです！