寒い冬、在宅ワークで長時間デスクに向かっていると、いつの間にか足先が氷のように冷たくなっていませんか?
あるいは、毎日の食事作りでキッチンに立っている時、フローリングからの底冷えで辛い思いをすることも多いですよね。
「寒いからエアコンの設定温度を上げちゃおうかな」とリモコンに手が伸びそうになりますが、そこで頭をよぎるのが電気代のこと。
最近は光熱費も上がっていますし、家計を預かる身としては、これ以上請求額が増えるのは何としても避けたいところです。
私も家電量販店の売り場に立っていると、お客様から「テレワーク中の足元が寒くて集中できない」「キッチンでも使える省エネな暖房はない?」といった切実なご相談を毎日のようにいただきます。
実は、部屋全体を暖めようとするよりも、冷えている足元だけをピンポイントで温めるほうが、効率よく体感温度を上げられて、結果的にエアコン代の大幅な節約にもつながるんですよ。
そんな悩めるあなたの救世主となるのが、省エネ性能に優れた局所暖房アイテムたちです。
この記事では、家電店員の私がプライベートでも実践している、デスク下やキッチンで快適に使える本当にコスパの良いアイテムや、賢い使い分け術をこっそり教えちゃいます。
これを読めば、我慢せずに賢く温まって、お財布にも優しい冬を過ごすヒントがきっと見つかりますよ!
- 目的別ヒーターの選び方
- 圧倒的に電気代が安い機種
- 暖房効率を上げる掃除術
- 安全機能で家族を守る方法
足元ヒーターで電気代が安いおすすめ製品の選び方

実は、足元ヒーターと一口に言っても、温め方によって電気代が全然違うんです。
ここでは、あなたのライフスタイルに合った、電気代が安くて満足度の高い製品の選び方を、私の経験を交えてわかりやすく解説していきますね。
暖房方式の違いによる電気代と特徴
まず最初に押さえておきたいのが、暖房方式による電気代の違いです。ここを理解しておかないと、「安いと思って買ったのに電気代が高い!」なんて失敗をしてしまうかもしれません。
私が店頭でお客様に説明するときによく使う比較表を、ここでも特別にお見せしますね。
| 暖房タイプ | 代表的な製品 | 消費電力 | 1時間あたりの電気代 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 伝導熱 | ホットマット 電気毛布 |
30W~75W | 約1.1円~2.3円 | 直接触れて温める。一番電気代が安い。 |
| 輻射熱 | パネルヒーター | 160W前後 | 約5.0円 | じんわり温める。無風で乾燥しにくい。 |
| 対流熱 | セラミックファンヒーター | 600W~1200W | 約18円~37円 | 温風が出る。速暖性はあるが電気代は高め。 |
こうして見ると一目瞭然ですよね。
電気代を最優先するなら、体に直接触れる「ホットマット」や「電気毛布」が最強なんです。
一方で、温風が出るセラミックファンヒーターは、すぐに温まりたい時には便利ですが、長時間つけっぱなしにすると電気代が跳ね上がるので注意が必要ですよ。
なお、ここで紹介している1時間あたりの電気代の目安は、1kWhあたり31円(税込)の電気料金単価にもとづいて計算しています。
(出典:政府広報オンライン「節電をして電気代を節約しよう!手軽にできる節電方法とは?」)
「じゃあ、どれが自分に合ってるの?」と迷う方もいると思います。
基本的には、長時間じっとしているデスクワークなら電気代の安いホットマットやパネルヒーター、脱衣所のように短時間だけ使いたい場所ならセラミックファンヒーター、という使い分けがおすすめです。
これを知っているだけで、冬の電気代請求を見て青ざめることがなくなりますよ。
選び方のポイント
- 長時間使うならワット数が2桁(100W未満)の製品を選ぶ
- 速暖性が必要な場所でのみ、ワット数が高い製品を使う
- 用途に合わせて使い分けるのが節約の近道
デスクワークに最適なパネルヒーターの魅力
在宅勤務が増えてから、私のお店でも爆発的に売れているのが「パネルヒーター」です。
デスクの下って、なんであんなに寒いんでしょうね。冷たい空気は下に溜まる性質があるから、足元はどうしても「底冷え」してしまうんです。
そこでおすすめなのが、アイリスオーヤマの「デスクパネルヒーター KPH-R122-DT」のようなスタンドタイプの商品。
これ、私も自宅で愛用しているんですが、本当に優秀なんです。足元を囲うように設置するので、輻射熱でじんわりと温めてくれます。
まるで足湯に浸かっているような心地よさで、仕事中の集中力も途切れません。
魅力的なのはその静音性。
ファンヒーターみたいに「ブォー」という音がしないので、Web会議中でも相手に音が聞こえる心配がありません。これ、地味だけどすごく大事なポイントですよね。
さらに、マグネットでデスクの裏に貼り付けられる「DEH-45-T」というタイプも人気です。
スペースを取らないので、狭いデスク周りでも邪魔になりません。
筒型も人気急上昇中!
最近はTOKAIZなどのメーカーから出ている、360度足元を囲む「ラウンド型」も人気です。上からひざ掛けをかけると、簡易的な「一人用こたつ」みたいになるんですよ。熱が逃げないので、弱モードでもポカポカ。設定温度を下げられるから、さらに省エネになります。
電気代も1時間あたり約5円程度(弱モードならもっと安い!)と、お財布に優しいのも嬉しいですよね。6時間などの自動OFFタイマーがついているものを選べば、「消し忘れて外出してしまった!」なんていうヒヤリとする事態も防げます。
デスク下用と部屋全体を暖める大型タイプでは電気代の考え方が変わってくるので、パネルヒーターの電気代が高くなる理由と節約のコツを詳しく解説した記事もあわせてチェックしておくと安心です。
究極の節電を実現するホットマットと電気毛布
「もっと電気代を安くしたい!」
「究極の節約をしたい!」
というあなたには、ホットマットや電気毛布を強くおすすめします。
先ほどの表でも見た通り、消費電力が2桁ワット台というのは本当に魅力的ですよね。
特に私が推したいのが、山善(YAMAZEN)の「ミニマット YMM-W45BTH」です。
これ、45cm角の小さなマットなんですが、消費電力はたったの36W。1時間使っても約1.1円という安さなんです。8時間仕事しても10円いかないなんて、すごくないですか?
使い方も自由自在で、足元に敷いて足を乗せるのはもちろん、椅子の座面に敷いてお尻を温めるのも効果的。
実は、お尻や太ももの裏って意外と冷えているんですよね。
「吸湿発熱素材」を使っているモデルなら、電源を入れていなくても体温を反射してほんのり暖かいので、春先や秋口なら通電せずに座布団としても使えちゃいます。
そして、くつろぎタイムにはパナソニックの「電気毛布」や「暖房敷きパッド」も外せません。
最近の電気毛布は進化していて、室温センサーで自動的に温度を調整してくれるものもあるんです。
「DB-RMH10M」のような掛敷兼用タイプなら、ソファでくるまったり、就寝時に敷いたりと大活躍。肌触りもフワフワで、一度使うと手放せなくなっちゃいますよ。
エアコンとの合わせ技が最強
エアコンの設定温度を下げて、ホットマットや電気毛布で直接体を温める。これが、快適さを損なわずに電気代を最小限にする「ハイブリッド運用」の正解です。ぜひ試してみてくださいね。
短時間で暖めるセラミックファンヒーターの活用
ここまで「電気代が安い製品」を中心にお話ししてきましたが、「すぐに温まりたい!」というシーンもありますよね。
朝起きた直後の着替えや、お風呂上がりの脱衣所、そしてトイレ。そんな場所では、セラミックファンヒーターの出番です。
セラミックファンヒーターは、スイッチオンですぐに温風が出る速暖性が最大のメリット。ただし、消費電力は1200W(強運転時)ほどあるので、1時間使うと約37円かかってしまいます。
「えっ、高い!」と思いますよね。
でも、使う時間を「15分だけ」と決めれば、コストは約9円程度。これなら許容範囲じゃないでしょうか?
例えば、山善の「HF-L122」などは、シンプル機能で本体価格もお手頃。
トイレなどの狭い空間なら、600Wの弱運転でも十分温まります。ヒートショック対策として、ご高齢の方がいるご家庭には特におすすめしたいアイテムです。
また、もう少し予算が出せるなら、パナソニックの「Hot&Cool DS-FWX1201」のような高機能モデルも素敵ですよ。
これ、ナノイーX搭載で空気清浄機能もついているんです。夏は送風機として使えるので、一年中出しっぱなしでOK。「収納する場所がない」というお悩みも解決してくれます。
よりリアルな1ヶ月あたりの電気代シミュレーションや、エアコンとのコスパ比較を知りたい場合は、セラミックファンヒーターの電気代を詳しく解説した記事も参考にしてみてください。
使いすぎに注意!
セラミックファンヒーターをメイン暖房として一日中つけっぱなしにするのは、電気代の観点からはおすすめしません。あくまで「スポット暖房」として、必要な時だけ使うのが賢い使い方ですよ。
非家電グッズとの併用で暖房費を削減

家電店員の私が言うのもなんですが、電気代を究極まで安くするには「電気を使わない」のが一番です(笑)
でも、ただ我慢するのは辛いですよね。
そこでおすすめなのが、非家電グッズとの併用なんです。
例えば、白元アースの「レンジでゆたぽん」。
これ、電子レンジでチンするだけで温かくなるジェルタイプの湯たんぽなんですが、繰り返し使えて経済的。これを足元に置いて、その上からブランケットを掛ければ、即席のこたつみたいになるんです。
また、「足ポカクッション」のような、足を入れるタイプのクッションも効果絶大。これに足を突っ込んで、さらにホットマットを弱で運転すれば、保温効果が倍増して、設定温度を上げなくても十分ポカポカします。
先日、店頭でお客様から「足温器を買うか迷ってる」と相談された時も、「まずは厚手の靴下やルームシューズを見直してみては?」とアドバイスしちゃいました。
足首にある「三陰交」というツボを冷やさないようにレッグウォーマーをするだけでも、体感温度はかなり変わります。
家電の力だけに頼るのではなく、こうしたアナログな保温グッズを組み合わせることで、家電の設定温度を下げたり、稼働時間を減らしたりできます。結果として、それが一番の節約になるんですよね。
在宅勤務で足元の冷えを解消する最適解
在宅勤務をしていると、どうしても運動不足になりがちで、血行が悪くなって余計に足元が冷えるんですよね。
「頭寒足熱」という言葉がありますが、頭はスッキリ、足元はポカポカという状態が、仕事の効率を上げるためにもベストです。
私の結論として、在宅ワーカーのあなたに提案したい「最強の組み合わせ」はこれです。
- 足元:山善のホットマット(またはパネルヒーター)
- 膝上:パナソニックの電気ひざ掛け
- 全体:エアコンの設定温度は低め(20度前後)
この布陣なら、エアコンをガンガンにかけるよりも電気代を大幅に抑えられますし、何より「顔が火照ってボーッとする」という暖房特有の不快感がありません。
ホットマットは消費電力が少ないので、仮に8時間つけっぱなしでも罪悪感ゼロ!
エアコン暖房の1時間あたりの電気代の目安や、他の暖房器具との比較が気になる方は、エアコン暖房26度設定の電気代と節約術を詳しく解説した記事もチェックしてみてください。
さらに、東洋ケースの「フットウォーマー」のような、スリッパ型のヒーターも面白いですよ。
足に密着するので熱が逃げにくく、末端冷え性の方には特におすすめです。USB給電タイプなら、パソコンから電源を取れるので、配線もスッキリします。
集中力を買う投資
「たかが足元の冷え」と侮ってはいけません。寒さを我慢していると、知らず知らずのうちに体に力が入って肩こりの原因にもなりますし、集中力も低下します。数千円の投資で快適な環境が手に入るなら、安いものだと思いませんか?
足元ヒーターの電気代が安い効率的な運用と管理

どんなに省エネな製品でも、使い方が間違っていたり、メンテナンスをサボっていたりすると、電気代が無駄にかかってしまいます。
ここからは、買った後もずっとお得に使い続けるための、家電のプロ直伝の運用・管理テクニックをお伝えしますね。
フィルター掃除で暖房効率を維持
突然ですが、お使いのヒーターのフィルター、最後に掃除したのはいつですか?
もし「思い出せない…」という方がいたら、今すぐチェックしてみてください!
特にセラミックファンヒーターの場合、背面の吸気フィルターにホコリがびっしり…なんてこと、よくあります。フィルターが目詰まりしていると、空気をうまく取り込めず、温風を出すのに余計なパワーが必要になります。
これ、人間で言えばマスクをして全力疾走しているようなもの。当然、電気代も余計にかかってしまいますし、最悪の場合、安全装置が働いて止まってしまうことも。
パネルヒーターも同様です。
放熱部分にホコリが積もっていると、熱がうまく伝わりません。しかも溜まったホコリに湿気が加わると「トラッキング現象」で発火する恐れもあるので、安全面でもNGなんです。
掃除は難しく考える必要はありません。
私がおすすめしているのは、アイリスオーヤマの「充電式ハンディクリーナー HCD-22M-W」のような、手軽に使えるクリーナーをそばに置いておくこと。
気づいた時にサッと吸うだけでOKです。
これ一台あると、デスク周りの消しゴムのカスとかも掃除できて便利ですよ。
静電モップも使える!
掃除機を出すのが面倒なら、静電モップでササッと拭くだけでも全然違います。ホコリをヒーターが吸い込む前に、床のホコリを取っておくのも重要なポイントです。
加湿機能付きヒーターのカルキ対策
乾燥対策として、加湿機能付きのセラミックファンヒーターを使っている方も多いですよね。
でも、しばらく使っていると、加湿フィルターやトレーが白くガチガチに固まってしまった経験はありませんか?
あれは水道水に含まれるカルシウムなどが結晶化した「カルキ汚れ」です。
この白い汚れを放置すると、フィルターが水を吸い上げられなくなり、加湿能力がガクンと落ちます。湿度が下がると、同じ温度でも体感温度は寒く感じるもの。結果として、暖房の設定温度を上げる羽目になり、電気代アップにつながってしまうんです。
このカルキ汚れ、ブラシでこすってもなかなか落ちませんよね。そんな時は「クエン酸」の出番です。
ぬるま湯1リットルに対して、クエン酸を大さじ半分くらい(6g〜10g)溶かして、フィルターやトレーを2〜3時間つけ置きしてみてください。つけ置き後は流水ですすぐだけで、驚くほどキレイになりますよ。
このメンテナンスを月に1回やるだけで、新品同様の加湿効率をキープできます。
「最近、加湿されてない気がする…」と思ったら、ぜひ試してみてくださいね。
具体的な掃除方法は「もう失敗しない加湿器のカルキ掃除!」の記事を参考にしてみてくださいね。
ペットや高齢者に配慮した安全な製品選び

「うちには猫がいるから心配で…」
「実家の両親に使わせたいんだけど」
といったご相談もよく受けます。
ペットや高齢者がいるご家庭では、電気代の安さと同じくらい、いやそれ以上に「安全性」が重要ですよね。
ペット向けには、コードの噛みつき対策がされているかが最重要ポイントです。
例えばTWONEの「ペット用ホットカーペット」などは、電源コードがステンレス製のラセン管で保護されていて、ワンちゃんやネコちゃんが噛んでも断線しにくい構造になっています。これならお留守番中も安心ですよね。
また、温度設定も大切。
人間用のヒーターはペットには熱すぎることがあるので、38度〜40度くらいのマイルドな温度設定ができるものや、サーモスタットがついているものが安心です。
万が一粗相をしてしまっても大丈夫なように、防水加工がされているとさらにお手入れが楽になります。
高齢者のご家庭で怖いのが「ヒートショック」。
暖かい部屋から寒いトイレや脱衣所に移動した時の急激な温度差は、体に大きな負担をかけます。
とはいえ、一日中暖房をつけっぱなしにするのは不経済ですよね。
そこでおすすめなのが、次に紹介する「人感センサー」付きのヒーターなんです。
人感センサー活用で無駄な電力消費をカット
「トイレの電気、つけっぱなしだったよ!」なんて会話、どこの家庭でもありますよね(笑)
暖房器具の消し忘れは、照明の比じゃないくらい電気代に響きます。
そこで大活躍するのが、人感センサー付きのヒーターです。
アイリスオーヤマの「JCHシリーズ」やテクノスの「DH-450」などは、人の動きを感知して自動でオン・オフしてくれます。
トイレや脱衣所に入った瞬間だけスイッチが入り、いなくなれば勝手に切れる。
これなら、おじいちゃんおばあちゃんが消し忘れる心配もありませんし、必要な時だけ暖めるので電気代も最小限で済みます。
ヒートショック対策と省エネを両立できる、まさに一石二鳥の機能なんです。
センサーの感度や反応速度はメーカーによって少し差があるので、できれば店頭で実際に試してみるのがおすすめですが、最近のモデルはどれも優秀ですよ。
センサー付きを選ぶメリット
- 消し忘れによる電気代の無駄をゼロにできる
- スイッチ操作の手間がいらない(腰をかがめなくていい)
- 必要な時だけ暖めるので、ヒートショック対策に最適
足元ヒーターは電気代が安い生活の必需品
ここまで、足元ヒーターの選び方から効率的な使い方まで、私の持てる知識をフル稼働してお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
家計を守るためにも、そして何より、あなた自身が健康で快適に過ごすためにも、足元暖房はこれからの生活に欠かせない必需品だと言えます。
エアコンだけに頼る暖房から卒業して、ホットマットやパネルヒーターを上手に組み合わせる。そして、こまめなメンテナンスで効率をキープする。これだけで冬の電気代は驚くほど変わります。
「これなら私にもできそう!」と思えるものからで構いません。ぜひ今日から取り入れてみてくださいね!


