寒い冬、足元からじんわり温まる床暖房は本当に天国のような心地よさですよね。でも、いざ導入しようと思ったり、すでに使っていたりすると、どうしても気になってしまうのが毎月の光熱費ではないでしょうか?
最近、お店でも「ガス代が上がってて暖房費が心配」というお客様の声をよく耳にします。
特に「エコジョーズ」という言葉は聞くけれど、具体的にどれくらい安くなるのか、普通の給湯器と何が違うのか、意外と知られていないことも多いんです。
実は、エコジョーズと床暖房の組み合わせは、今のエネルギー価格高騰の時代において、とても理にかなった選択肢なんですよ。ガス代を賢く節約しながら、あの極上の暖かさを手放さずに済む方法があるとしたら、知りたいと思いませんか?
私自身、家電量販店で働いていると、カタログのスペックだけでは見えてこない「リアルな使い勝手」や「意外な落とし穴」にお客様との会話で気づかされることが多々あります。
たとえば、良かれと思ってやっている節約術が実は逆効果だったり、ちょっとした周辺機器を足すだけで劇的に快適になったり。
この記事では、そんな現場の空気感も交えつつ、エコジョーズを活用した床暖房のガス代にまつわる疑問や、賢い運用方法についてお話ししていきたいと思います。これから導入を考えている方も、すでにお使いの方も、きっと新しい発見があるはずですよ。
- 潜熱回収でガス代を約15%削減できる
- つけっぱなし運転が省エネになる理由
- お得なガス料金プランの活用が必須
- サーキュレーター併用で効率アップ
エコジョーズ床暖房の仕組みとガス代の真実

まずは、なぜエコジョーズがこれほどまでに注目されているのか、その仕組みと実際にどれくらいガス代が変わるのかという核心部分について、お店でお客様にご説明するような感覚で掘り下げていきますね。
エコジョーズ床暖房の仕組みと効率
「エコジョーズ」って名前はかわいいですが、中身はすごい技術の塊なんです。
私たち販売員の間では「潜熱回収型」なんて呼んだりしますが、簡単に言うと「今まで捨てていた熱をリサイクルする給湯器」のことなんです。
従来の給湯器は、ガスを燃やしてお湯を作る際、約200℃もの熱い排気ガスをそのまま外に捨てていました。これって、すごくもったいないですよね。
エコジョーズは、この捨てられていた排気熱(潜熱)を上手く再利用して、水をあらかじめ温めるんです。そのおかげで、熱効率が従来の約80%から95%まで一気にアップしました。
(出典:環境省「潜熱回収型給湯器その他の高効率給湯設備・システムの導入」)
床暖房は長時間お湯を循環させるシステムなので、この熱効率の差がダイレクトに効いてきます。少ないガスで効率よくお湯を沸かせるので、CO2の排出量も減らせますし、何よりお財布に優しいのが嬉しいポイントです。
お店でお客様にこの仕組みを図解でお見せすると、「なるほど、だから『エコ』なんですね!」と納得していただけることが多いんですよ。
特に冬場は、給湯だけでなく暖房でもガスをたくさん使うので、エコジョーズの「もったいないをなくす」技術は、家計防衛の強い味方になってくれるはずです。
仕組みを知ると、少し愛着が湧いてきませんか?
ガス代と電気代の比較
よくお客様から「結局、床暖房はガスと電気、どっちがお得なの?」と聞かれることがあります。
これ、すごく難しい質問なんですが、エコジョーズを使った温水式床暖房には、電気式にはない大きなメリットがあるんです。
電気式の床暖房(ヒーター式など)は、初期費用は比較的安いものの、広い範囲を長時間温めようとすると電気代が跳ね上がる傾向にあります。一方、エコジョーズを使ったガス温水式は、立ち上がりのパワーが圧倒的です。スイッチを入れてからお部屋が暖まるまでのスピードが速いので、寒い朝には本当に助かりますよ。
ランニングコストの面でも、高効率なエコジョーズなら、電気ヒーター式と比較しても十分競争力があります。特に広いリビングなどで長時間使う場合は、ガスの方が割安になるケースが多いですね。
もちろん、ヒートポンプを使った電気の床暖房も省エネ性能は高いですが、外気温が極端に下がる真冬だと効率が落ちることもあります。その点、ガスは外気温に左右されず安定してパワフルなのが頼もしいところです。
「ガス代が高い」というイメージをお持ちの方も多いですが、最新のエコジョーズなら、その常識が良い意味で覆されるかもしれません。それぞれのライフスタイルや家の広さに合わせて選ぶのが正解ですが、パワーと快適さを求めるなら、私はやっぱりガス温水式をおすすめしたくなっちゃいます。
費用とランニングコストの実態
さて、一番気になるお金の話をしましょう。
実際にエコジョーズにすると、どれくらい安くなるのでしょうか?
一般的なデータとしてよくご案内しているのが、従来型給湯器と比較してガス使用量を約13〜15%カットできるという数字です。
その前提となる従来型給湯器との仕組みやコストの違い、どんなご家庭なら元が取りやすいかは、エコジョーズと普通の給湯器の違いと元が取れる家庭の特徴を詳しく解説した記事で、より具体的にシミュレーションしています。
これを金額に換算すると、LPガスをご使用のご家庭なら、年間で約43,200円もの節約になるという試算もあります。
これ、結構大きな金額ですよね?
都市ガスエリアでも比例してコストメリットが出ます。
例えば、10年使えば40万円以上の差が出る計算になりますから、機器本体が多少高くても、長い目で見れば十分に元が取れる計算になります。
損益分岐点の考え方
初期費用(機器代+工事費)の差額を、毎月のランニングコスト削減分で何年で回収できるかを計算するのがポイントです。床暖房をよく使うご家庭ほど、回収期間は短くなります。
ただし、これはあくまで「よく使うご家庭」のシミュレーションです。床暖房をあまり使わない、シャワーも短時間、というライフスタイルだと、回収までにもう少し時間がかかるかもしれません。
でも、床暖房の快適さを知ってしまうと、冬場は手放せなくなる方がほとんどなので、結果的にエコジョーズにしておいて良かった、というお声をたくさんいただきます。
お店では「今のガス代の請求書」をお持ちいただければ、ざっくりとしたシミュレーションもできますので、ぜひ相談してみてくださいね。数字で見ると、導入への迷いが吹っ切れることが多いですよ。
お得なガス料金プランの比較

エコジョーズの性能をフルに引き出すために、絶対に見逃してほしくないのが「ガス料金プラン」の選び方です。これ、意外と契約したまま見直していない方が多いんですよね。
多くのガス会社では、床暖房をお使いの家庭向けに「ガス温水床暖房契約」や「床暖プラン」といった専用のお得なプランを用意しています。これに加入するだけで、冬場のガス単価がガクンと下がったり、一定量を超えた分の料金が割引になったりします。
さらに、浴室暖房乾燥機やエコジョーズ自体を使っていることで「セット割」や「エコ割」が適用されるケースも多いんです。
例えば、「東京ガス」や「大阪ガス」などの大手都市ガス会社はもちろん、地域のプロパンガス会社でも交渉次第で専用単価を設定してくれることがあります。私のお客様でも、プランを見直しただけで月に数千円安くなったという方がいらっしゃいました。
「知らなかった!」で損をするのは本当に悲しいので、一度検針票を確認して、ガス会社に問い合わせてみることを強くおすすめします。
手続きを忘れずに
機器を設置しただけでは自動的にプラン変更されないことがほとんどです。必ずご自身でガス会社へ申し込みを行ってくださいね。
つけっぱなし運転の経済効果
「床暖房はこまめに消した方が安いのか、つけっぱなしの方が安いのか?」これ、永遠のテーマですよね。
結論から言うと、エコジョーズ床暖房の場合、短時間の外出なら「つけっぱなし」の方がお得になる可能性が高いんです。
床暖房は、床下の温水パネルだけでなく、フローリングや建物の基礎部分(コンクリートなど)に熱を蓄える「蓄熱式」の暖房です。一度冷え切ってしまったコンクリートを再び温めるには、ものすごいエネルギーが必要になります。車で例えるなら、発進時に一番ガソリンを使うのと同じですね。
逆に、一度温まってしまえば、あとはその温度を維持するだけの「低負荷運転」で済むので、ガス消費量は意外と少なくて済みます。エコジョーズは、こういった弱火のような運転も得意なんです。
なので、お買い物や送り迎えで1〜2時間家を空ける程度なら、スイッチは切らずに設定温度を少し下げる「セーブ運転」にしておくのが正解です。
「一日中つけっぱなしなんて怖い!」と思われるかもしれませんが、帰宅時に寒い部屋を急速暖房するコストと天秤にかけると、連続運転の方が快適な上に光熱費も抑えられるケースが多いんですよ。
建物の断熱性能にもよりますが、ぜひ一度試してみてください。
快適性を高めるサーキュレーター活用
ここで少し、家電店員らしいアドバイスをさせてください。
床暖房のガス代をさらに節約しつつ、快適さを爆上げする秘密兵器があります。それが「サーキュレーター」です。
床暖房は足元が温かいのが特徴ですが、物理の法則で、温められた空気はどうしても天井付近に上がっていってしまいます。これを放置しておくと、顔ばかり熱くて足元がなんとなく物足りない…となって、つい床暖房の設定温度を上げたくなってしまうんです。
これがガス代アップの原因になります。
そこで、サーキュレーターの出番です。
天井に向けて風を送り、上に溜まった暖気をかき混ぜてあげることで、部屋全体の温度が均一になります。こうすると、床暖房の設定温度を普段より低くしても、体感温度は十分に温かく感じるんです。
サーキュレーターの具体的な置き方や暖房時の風向きのコツについては、隣の部屋までエアコン効果を届けるサーキュレーターの置き方ガイドも参考になりますよ。
おすすめは、静音性が高く省エネなDCモーター搭載モデルです。例えば「アイリスオーヤマ」のサーキュレーターアイシリーズなどは、コンパクトで首振り機能も優秀なので人気がありますよ。
電気代は1時間あたりわずか数円程度。これでガス代が抑えられるなら、絶対に併用すべきアイテムです。おしゃれなデザインのものも増えているので、インテリアに合わせて選んでみてくださいね。
エコジョーズ床暖房の導入費用とガス代削減策
ここからは、実際に導入や交換を検討されている方に向けて、具体的な費用感や機器選び、そして長く快適に使うためのメンテナンスについて、もう少し踏み込んだお話をしていきます。
床暖房に浴室乾燥を足した価格相場

エコジョーズを導入する際、ぜひ一緒に検討していただきたいのが「浴室暖房乾燥機」です。
「給湯+追い焚き+床暖房+浴室乾燥」を一台でこなす熱源機は、非常に人気があります。
例えば、リンナイの「RVDシリーズ」などが代表的ですが、これ一台で家中の熱源を賄えるんです。価格相場としては、機能や号数にもよりますが、工事費込みで25万円〜40万円程度が一般的でしょうか。
もちろん、設置状況によって変動しますが、個別に機器を導入するよりトータルコストは抑えられます。
「浴室乾燥なんて贅沢?」と思われるかもしれませんが、ガス式の浴室乾燥はパワーが違います。
洗濯物が短時間でカラッと乾きますし、冬場の入浴前に浴室を温めておけば、ヒートショック対策にもなります。
エコジョーズの熱源機なら、この乾燥機能も高効率で動かせるので、電気式に比べてランニングコストも優秀なんですよ。
リフォーム時の注意
既存の浴室換気扇を温水式乾燥機に取り替える場合、温水配管の工事が必要になります。見積もりの際は必ず現地調査を依頼してくださいね。
お風呂場のカビ抑制にもなるので、お掃除の手間が減るという隠れたメリットも。忙しい共働きのご家庭には特におすすめしたいセット導入です。
エコジョーズの床暖房対応モデル
いざ機種を選ぼうとすると、カタログを見ても型番ばかりで何が何だか分からない…となりがちですよね。主要メーカーの特徴をざっくり掴んでおくと選びやすくなります。
まず、シェアトップクラスの「リンナイ」。
リモコンの使いやすさに定評があり、最近のモデルはスマホアプリとの連携機能が充実しています。外出先からお湯張りや床暖房の操作ができるので、帰宅時間に合わせて部屋を暖めておくなんてことも可能です。
次に「ノーリツ」。
こちらは「見まもり機能」など、安全機能に力を入れています。センサーが入浴者の動きを検知したり、配管を自動洗浄してくれる「スマート配管クリーン」など、清潔・安全志向の方に人気ですね。
そして「パロマ」。
質実剛健なイメージで、必要な機能に絞ったコスパの良いモデルが多いです。デザインも最近おしゃれになってきています。
型番選びで重要なのは、「暖房能力」と「接続できる床暖房の系統数」です。
例えば型番の末尾に「2-3」とあれば、2温度(高温・低温)対応で3系統まで床暖房をつなげるという意味だったりします。
ご自宅のリビング、ダイニング、キッチンなど、どこに床暖房を入れたいかに合わせて、最適なスペックを選ぶことが大切です。
オーバースペックだと無駄に高くなりますし、能力不足だと暖まりにくいので、ここは施工店にしっかり相談してくださいね。
導入時のデメリットと注意点
良いことばかりお伝えしてもフェアじゃないので、導入時のハードルについても正直にお話ししますね。
エコジョーズ最大のネックになり得るのは「ドレン排水」の問題です。
仕組みのところでお話しした通り、エコジョーズは熱を回収する際に酸性の結露水(ドレン水)が出ます。これを中和して排水する必要があるため、給湯器の近くに排水経路(汚水桝や雨水配管など)が必要なんです。
戸建てなら工事でなんとかなることが多いのですが、マンションのベランダやパイプシャフト設置の場合、これが大きな壁になることがあります。
もし近くに排水溝がない場合、「ドレンアップ方式」といって、ドレン水を浴室まで飛ばす特殊なユニットが必要になったり、「三方弁方式」を採用したりと、部材費や工事費が追加でかかるケースがあります。
最悪の場合、管理規約や構造上の問題で設置不可となることも…。
マンションの方は要確認
見積もりを取る前に、管理会社に「エコジョーズへの交換が可能か」を確認しておくとスムーズです。最近はマンション対応モデルも増えていますが、事前確認は必須ですよ。
また、初期費用が従来型より高いのも事実。使用頻度が低いと元が取れない可能性がある点も、しっかりシミュレーションしておく必要があります。
床暖房の掃除とメンテナンス

せっかく導入した床暖房、長く綺麗に使いたいですよね。
でも、床暖房フローリングは熱による乾燥や収縮という過酷な環境にさらされているので、普通の床よりもデリケートなんです。
よくお客様から「スチームクリーナーで掃除してもいい?」と聞かれます。これ、実は要注意なんです。
高温のスチームは除菌もできて便利ですが、熱に弱いワックスを溶かしてしまったり、フローリング材を変質させてしまうリスクがあります。
もし使うなら、ケルヒャーの「SC 2 EasyFix」のように信頼できるメーカーのもので、かつ床材メーカーが使用をOKしているか確認が必要です。
使う場合も一箇所に当て続けず、サッと手早く済ませるのがコツですね。
床材ごとの注意点やスチームモップのリスクについては、賃貸フローリングの保護と掃除方法を詳しく解説した記事も参考になるはずです。
そして、フローリングの保護にはワックスがけが有効ですが、必ず「床暖房対応」のものを選んでください。普通のワックスだと熱でひび割れたり白くなったりします。
おすすめは、リンレイの「ハイテクフローリングコート」などです。耐熱性・耐水性が高く、床暖房の床もしっかり守ってくれます。
あとは、ラグやカーペットを敷く場合も要注意。
「床暖房対応」のタグが付いていないものを使うと、裏のゴムが溶けて床にくっついたり、熱がこもって床材を傷める「熱ごもり」の原因になります。
お気に入りのラグを使いたい気持ちは分かりますが、ここだけは専用品を選んでくださいね。
エコジョーズ床暖房でガス代を安く
ここまで、エコジョーズ床暖房について長々とお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
「やっぱりガス代が気になる…」という不安が、少しでも「これなら上手く付き合えそう!」という前向きな気持ちに変わっていれば嬉しいです。
最後に、ガス代を安く抑えつつ快適に過ごすためのポイントを、もう一度おさらいしておきましょう。
| 対策項目 | 実践のポイント |
|---|---|
| 機器選定 | 熱効率95%のエコジョーズを選び、ライフスタイルに合った号数にする。 |
| 契約プラン | ガス会社の「床暖房プラン」「セット割」に必ず加入する。 |
| 運転方法 | 頻繁なON/OFFを避け、短時間の外出ならセーブ運転でつけっぱなしに。 |
| 補助活用 | サーキュレーターで空気を循環させ、設定温度を控えめにする。 |
エコジョーズは、ただのお湯を作る機械ではありません。毎日の暮らしを暖かく支え、家計も助けてくれる頼もしいパートナーです。初期費用は少しかかりますが、その分の日々の快適さと安心感は、何物にも代えがたいものがあります。
これからリフォームや新築を考えているあなた、ぜひエコジョーズ床暖房という選択肢を前向きに検討してみてください。そして浮いたガス代で、たまには美味しいものでも食べて心まで温まってくださいね!


