毎日の家事を楽にしてくれるドラム式洗濯機の乾燥機能、あなたは気兼ねなく使えていますか?
便利だとわかっていても、電気代が気になって結局使うのをためらってしまう、そんな方も多いのではないでしょうか。
実際、私が家電量販店で働いていると、お客様から1ヶ月でどれくらいの電気代がかかるのか、よく質問をいただきます。
実は乾燥にかかる電気代は、お使いの洗濯機が採用している乾燥方式によって大きく変わってくるんです。特に省エネ性能に優れたヒートポンプ式と従来のヒーター式では、毎月のランニングコストに驚くほどの差が出てしまいます。
さらに、縦型洗濯機と比較した場合のコストの違いや、知らず知らずのうちに電気代を高くしてしまう使い方など、意外と知られていないポイントがたくさんあるんですよ。
この記事では、ドラム式洗濯機の乾燥機能を賢く使いこなすために知っておきたい電気代の基礎知識から、今すぐ実践できる具体的な節約テクニック、さらには最新の省エネランキング情報まで、家電のプロとしての視点から詳しくお伝えしていきます。
毎日使うものだからこそ、正しい知識を身につけて快適さと節約を両立させましょう!
ドラム式洗濯機の乾燥にかかる電気代

- ドラム式洗濯乾燥機の1ヶ月の電気代
- 電気代が安いヒートポンプ式
- 縦型とドラム式のランニングコスト比較
- 電気代が高くなる使い方に注意
- 古い機種と最新機種の差額
まずは皆さんが一番気になっている、ドラム式洗濯機の乾燥機能を使うと実際にどのくらいの電気代がかかるのか、という点から見ていきましょう。
縦型洗濯機との比較や、うっかりやってしまいがちな電気代が高くなる使い方まで、詳しく解説していきますね。
ドラム式洗濯乾燥機の1ヶ月の電気代
毎日、洗濯から乾燥までドラム式洗濯機を使うと、1ヶ月の電気代は一体いくらくらいになるのでしょうか?
これは乾燥方式によって大きく異なり、ヒーター式の場合は1ヶ月あたり約1,700円〜2,100円、そしてヒートポンプ式の場合は1ヶ月あたり約900円が目安になります。
思ったより差があって驚かれるかもしれませんね。
1回あたりの電気代で見てみると、ヒーター式が約57円、ヒートポンプ式が約30円となります。毎日使うと考えると、この差はかなり大きいですよね。
もちろん、これはあくまで目安の金額です。ご家庭で契約している電力会社のプランや、洗濯物の量によっても電気代は変動します。
ご自宅の電気料金単価が分かれば、「消費電力量(kWh) × 電気料金単価(円/kWh)」という計算式で、より正確な電気代を算出することもできます。洗濯機のカタログや取扱説明書に「消費電力量」が載っているので、気になる方は一度チェックしてみるのもおすすめです。
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会:電気代について
電気代が安いヒートポンプ式
先ほど、乾燥方式によって電気代が大きく違うとお伝えしましたが、なぜ「ヒートポンプ式」の方が電気代が安いのでしょうか?
その秘密は、衣類を乾燥させる仕組みの違いにあるんです。
ヒーター式は、簡単に言うとドライヤーのようにヒーターで発生させた高温の熱風を衣類に当てて、水分を蒸発させて乾かします。パワフルで乾燥時間が比較的短いのが特徴ですが、その分、多くの電力を消費します。
一方でヒートポンプ式は、洗濯槽内の湿気を含んだ空気をヒートポンプで除湿し、乾いた温風に変えて衣類を乾かす仕組みです。これは、エアコンの除湿機能に近いイメージですね。ヒーターを使わずに空気中の熱を利用して効率よく乾燥させるため、消費電力が少なく済むというわけなんです。
さらに、ヒートポンプ式は65℃前後の比較的低い温度で乾燥させるので、衣類が傷みにくく、ふんわり仕上がるという嬉しいメリットもあります。
ヒートポンプ式の洗濯機は、ヒーター式のモデルに比べて本体価格が少し高くなる傾向がありますが、毎日乾燥機能を使うご家庭なら、数年で元が取れてしまうくらい電気代の差が出ます。長い目で見ると断然お得なんですよ。
縦型とドラム式のランニングコスト比較

「そもそも縦型洗濯機とドラム式洗濯機って、どっちがお得なの?」という疑問もよくいただきます。洗濯から乾燥まで行った場合の電気代と水道代を合わせたランニングコストで比較してみましょう。
実は、洗濯から乾燥まで行う場合、ドラム式(特にヒートポンプ式)の方がトータルのランニングコストは安くなる傾向にあります。縦型洗濯機の乾燥機能は、ほとんどが電力消費の大きい「ヒーター式」を採用しているためです。
さらに、ドラム式は少ない水でたたき洗いをするため、水道代も縦型に比べて半分近く節約できることが多いんです。これがランニングコストに大きな差を生むポイントですね。
具体的なコストを下の表にまとめてみました。1回あたりの差は小さく見えても、これが毎日、何年も続くと考えると、大きな違いになることがお分かりいただけると思います。
種類 | 1回あたりの電気代(洗濯〜乾燥) | 1回あたりの水道代(洗濯〜乾燥) | 1回あたりの合計コスト |
---|---|---|---|
ドラム式(ヒートポンプ) | 約30円 | 約16円 | 約46円 |
ドラム式(ヒーター式) | 約57円 | 約22円 | 約79円 |
縦型(ヒーター式) | 約70円 | 約30円 | 約100円 |
電気代が高くなる使い方に注意
「うちはヒートポンプ式なのに、なんだか電気代が高い気がする…」もしそう感じたら、もしかしたら使い方に原因があるのかもしれません。知らず知らずのうちに、電気代を高くしてしまう使い方をしていないか、一度チェックしてみましょう。
よくあるのが、洗濯物の詰め込みすぎです。一度にたくさん洗いたい気持ちはわかりますが、容量オーバーは禁物です。
洗濯物同士がぎゅうぎゅうの状態だと、温風がうまく行き渡らず、乾燥ムラができてしまいます。結果として、センサーが「まだ乾いていない」と判断して、必要以上に長く乾燥運転を続けてしまい、余計な電気代がかかってしまうんです。
また、乾燥フィルターのお手入れを怠るのも、電気代が高くなる大きな原因の一つです。
フィルターにホコリがびっしり詰まっていると、空気の通り道がふさがれてしまい、乾燥効率が著しく低下します。これも乾燥時間が長くなる原因になりますし、最悪の場合、故障につながることもあります。
ついついやってしまいがちなことばかりですよね。
でも、こうした点を少し意識していただくだけで、電気代は意外と変わってくるものなんです。特にフィルター掃除は効果絶大ですよ!
古い機種と最新機種の差額
「うちの洗濯機、もう10年近く使っているかも…」という方、結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。家電は日々進化していて、特に洗濯機の省エネ性能はここ数年で劇的に向上しています。
もし古い機種をお使いの場合、最新の省エネモデルに買い替えるだけで、毎月の電気代を大幅に節約できる可能性があります。
モーターの効率をきめ細かく制御する「インバーター技術」や、衣類の量や素材を検知する「センサー機能」の進化によって、昔のモデルとは比べ物にならないほど無駄な電力を使わずに運転できるようになったんです。
例えば、10年ほど前のヒーター式のドラム洗濯機と、最新のヒートポンプ式のモデルを比較すると、1回の洗濯乾燥にかかる電気代が半分以下になることも珍しくありません。
仮に1回の電気代が40円安くなったとすると、毎日使った場合、1年間で「40円×365日=14,600円」もの節約になります。すごい差ですよね。
もちろん、新しい洗濯機を買うには初期費用がかかります。ですが、毎日の電気代と水道代の節約分を考えると、数年で元が取れてしまうケースも多いんです。長期的な視点で見ると、買い替えはとても賢い選択と言えるかもしれません。
私もお店でお客様にご説明する機会が多いのですが、最新モデルの省エネ性能には本当に驚かされます。電気代だけでなく、節水性能も格段にアップしているので、水道代も安くなるんですよ。
光熱費全体を抑えたい方には、ぜひ一度、最新のモデルをチェックしてみてほしいですね。
ドラム式洗濯機の乾燥時の電気代を賢く節約

- まとめ洗いで洗濯回数を減らす
- フィルター掃除で乾燥効率アップ
- 自然乾燥を上手に活用
- 省エネモードで電気代をカット
- おすすめの省エネドラム式洗濯機ランキング
ドラム式洗濯機の電気代の仕組みがわかったところで、ここからはすぐに実践できる具体的な節約術をご紹介していきますね。
どれも簡単なことばかりですが、毎日続けることで着実に効果が現れます。ちょっとした工夫で、毎月の電気代をぐっと抑えることができますので、ぜひ試してみてください。
まとめ洗いで洗濯回数を減らす
電気代節約の基本中の基本、それは洗濯の回数をなるべく減らすことです。
洗濯機は、たとえ洗濯物の量が少なくても、1回運転するごとにある程度の電気と水を消費します。そのため、少量の洗濯物を毎日こまめに洗うよりも、ある程度たまってから一度にまとめて洗う方が、トータルの光熱費を大きく節約できるんです。
実際に、資源エネルギー庁のデータによると、洗濯容量6kgの洗濯機で、容量の4割(2.4kg)の洗濯物を毎日洗う場合に比べて、容量の8割(4.8kg)をためて2日に1回洗うようにすると、年間の電気代が約180円、水道代は約4,360円も節約できるとされています。
電気代だけでなく、水道代も一緒に節約できるのが嬉しいポイントですよね。家事の時間短縮にもつながりますし、まさに一石三鳥です。
フィルター掃除で乾燥効率アップ
これは何度もお伝えしたい、とても大切なポイントです。
乾燥機能を使った後に、乾燥フィルターのお手入れを毎回欠かさず行うこと。これが乾燥時の電気代を節約する上で、非常に効果的なんです。
乾燥フィルターには、乾燥運転中に衣類から出たホコリや糸くずが溜まります。このフィルターが目詰まりを起こすと、温風の通り道が狭くなってしまい、乾燥効率がガクンと落ちてしまいます。そうなると、乾かすのにもっと長い時間が必要になり、その分だけ無駄な電気を消費してしまうことになるんですね。
「毎回掃除するのはちょっと面倒…」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、実際はティッシュでサッと拭き取るだけ、慣れてしまえば10秒もかからない作業です。このほんのひと手間をかけるだけで、乾燥時間を短縮でき、毎回の電気代を確実に節約できるのですから、やらない手はないですよね。
最近のモデルには、フィルターのホコリを自動で掃除してくれる機能が付いているものもありますが、それでも完璧ではありません。自動お掃除機能がある機種でも、週に1回くらいはご自身の目でチェックして、汚れが溜まっていたら取り除いてあげることをおすすめします。大切な洗濯機を長持ちさせることにも繋がりますよ。
自然乾燥を上手に活用

電気代を最も効果的に節約する方法、それは「乾燥機能を使わない」ことです。とは言っても、ドラム式洗濯機の便利な乾燥機能を全く使わないのはもったいないですよね。
そこでおすすめなのが、自然乾燥との上手な使い分けです。
乾燥機能は、洗濯機能に比べて圧倒的に多くの電力を消費します。そのため、天気が良くて時間に余裕がある日は、できるだけ外に干して太陽の力で乾かすのが一番の節約になります。
「全部干すのは大変…」という場合は、ハイブリッドな方法もおすすめです。例えば、
これだけでも、乾燥時間を大幅に短縮でき、電気代の節約に繋がります。
実際に、2日に1回乾燥機能を使う場合でも、自然乾燥を併用することで年間約12,230円も電気代が節約できるというデータもあるんですよ。
省エネモードで電気代をカット
最近のドラム式洗濯機の多くには、「エコ運転」や「省エネモード」といった機能が搭載されています。もしお使いの洗濯機にこの機能があるなら、ぜひ積極的に活用してみてください。
省エネモードは、搭載されたセンサーが洗濯物の量や素材、乾き具合などを細かく検知し、常に最適な運転時間や温度を自動でコントロールしてくれる賢い機能です。通常モードに比べて、無駄な電力消費を極限まで抑えながら、しっかりと洗濯・乾燥を行ってくれるんですね。
例えば、パナソニックの一部のモデルに搭載されている「省エネ乾燥モード」では、通常の乾燥コースに比べて1回あたりの電気代を約8円も節約できるとされています。
毎日使うと考えると、年間で「8円×365日=2,920円」もの差になります。これは大きいですよね。
「急いでいるときは通常モード」、「時間に余裕がある夜は省エネモード」というように、その日のスケジュールに合わせて上手に使い分けることで、快適さと節約を両立できますね。
おすすめの省エネドラム式洗濯機ランキング
「これからドラム式洗濯機を買うなら、どの機種が省エネなの?」という方のために、私がお店でお客様にご案内する中でも、特に省エネ性能で評判が良いモデルをいくつかご紹介しますね。
ランニングコストを重視するなら、やはり「ヒートポンプ式」を選ぶのが大前提になります。
第1位:シャープ ES-X12C

1回あたりの電気代(洗濯〜乾燥):約16円
ヒートポンプとサポートヒーターを組み合わせた独自の「ハイブリッド乾燥NEXT」技術が特徴です。7つのセンサーで洗濯状況を細かく検知し、電気や水の無駄を徹底的にカットしてくれます。業界トップクラスの省エネ性能を誇る、まさに「節約の王様」とも言えるモデルですね。
第2位:パナソニック NA-LX129EL

1回あたりの電気代(洗濯〜乾燥):約21.6円
大風量で素早く、そしてふんわり仕上げる「はやふわ乾燥ヒートポンプ」が人気のモデルです。先ほどご紹介した「省エネ乾燥モード」を使えば、電気代をぐっと抑えることができます。洗剤の自動投入機能も進化していて、使い勝手の良さと省エネ性能を高いレベルで両立しています。
第3位:日立 ビッグドラム BD-STX130K

1回あたりの電気代(洗濯〜乾燥):約31.1円
高速風でシワを伸ばしながら乾かす「風アイロン」機能が日立の魅力です。こちらも省エネコースが搭載されており、ランニングコストを抑えることができます。何より、乾燥フィルターがない「らくメンテ」仕様で、お手入れが簡単なのが嬉しいポイントです。
どのメーカーも独自の技術で高い省エネ性能を実現していますね。
本体価格だけでなく、こうしたランニングコストやお手入れのしやすさも考慮して、ご自身のライフスタイルにぴったりの一台を見つけていただけたらと思います。
総括:ドラム式洗濯機における乾燥の電気代
それでは最後に、この記事の内容をまとめます。