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犬のカーペット粗相にスチームクリーナーがNGな理由!正しい対策は?

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愛犬がカーペットで粗相をしてしまった時、多くの飼い主さんが真っ先に思い浮かべるのが「スチームクリーナーで掃除すれば大丈夫」という考えではないでしょうか?

実は、これは大きな間違いなんです。
犬がカーペットで粗相をする理由は様々で、トイレの失敗からマーキング行動、さらには病気のサインまで多岐にわたります。

そして何より重要なのは、ペット臭の原因となるタンパク質汚れに対して、スチームクリーナーで落とせるかというと、答えは「ノー」なのです。
高温の蒸気がタンパク質を固めてしまい、かえってニオイやシミを定着させてしまう可能性があります。

では、どんな対策が効果的なのでしょうか?

家電量販店で働く私のもとには、クリーナー機器に関するお悩み相談が数多く寄せられます。
リンサークリーナーやウタマロクリーナーなどのアイテム、酵素系スプレーの正しい使い方まで、実際にお客様にアドバイスしている内容をもとに、本当に効果的な掃除方法と対策をお伝えします。

この記事を読めば、愛犬との快適な暮らしを取り戻すための具体的な解決策がきっと見つかるはずです!

この記事のポイント
  • 犬がカーペットで粗相をしてしまう理由
  • スチームクリーナーが粗相の掃除に不向きなワケ
  • リンサークリーナーなど正しい掃除アイテムの選び方
  • 臭いを残さず、繰り返させないための具体的な対策
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犬のカーペット粗相、スチームクリーナーは有効か

クリーン家電ガイド:イメージ
  • 犬がカーペットで粗相するのなぜ?
  • 粗相した時の正しい初期対応
  • 粗相したカーペットの掃除手順
  • カーペットの汚れはスチームクリーナーで落とせるか
  • スチームクリーナーはペット臭に逆効果?
  • 繰り返させないための粗相対策

愛犬がカーペットで失敗してしまうと、ついつい叱りたくなってしまうかもしれません。でも、まずは「なぜ?」を考えることが大切なんです。

この章では粗相の原因から、間違った掃除方法、そして臭いを残さないための正しい対処法まで、順を追って一緒に見ていきましょう。

犬がカーペットで粗相するのなぜ?

今までちゃんとできていたのに、どうして急に?と感じる方も多いと思います。ワンちゃんがカーペットで粗相をしてしまうのには、実はちゃんと理由があるんです。

主な理由をいくつか挙げてみますね。

トイレの失敗

特に子犬や新しくお迎えしたばかりの子の場合、まだトイレの場所を完璧に覚えていないことがあります。カーペットのふかふかした感触が、トイレシーツと似ていると感じて、つい排泄してしまうことがあるんですね。また、トイレが汚れていたり、場所が落ち着かなかったりすると、他の場所を探してしまうこともあります。

マーキング行動

去勢していない男の子や、発情期の女の子に見られる行動です。自分の縄張りを主張するために、少量の尿をあちこちにかけるのが特徴です。新しいカーペットなど、自分の知らないニオイがするものに対して行いやすい傾向があります。

精神的なストレスや構ってほしいサイン

環境の変化、例えばお引越しや家族が増えた、あるいは長時間のお留守番などでストレスを感じて、粗相をしてしまうことがあります。また、飼い主さんの気を引きたくて、わざと失敗してしまう子もいるんです。失敗した時に「あー!」と大きな声で反応してしまうと、「構ってもらえた!」と勘違いさせてしまう可能性もあるので注意が必要ですね。

病気や老化のサイン

急に失敗が増えた場合は、病気の可能性も考えられます。膀胱炎や腎臓の病気、あるいは老化によってトイレが間に合わなくなることもあります。もし、水を飲む量が増えたり、何度もトイレに行きたがったりするようなら、一度動物病院で相談してみることをおすすめします。

このように、原因は一つではありません。
愛犬の様子をよく観察して、何が原因なのかを優しく探ってあげることが、解決への第一歩になりますよ。

粗相した時の正しい初期対応

ワンちゃんがカーペットで粗相をしてしまった時、一番大切なのは「時間との勝負」です。見つけたら、とにかくすぐに取り掛かりましょう。

時間が経つほど、汚れやニオイは繊維の奥深くまで染み込んで、落とすのが格段に難しくなってしまいます。

まず、乾いたタオルやキッチンペーパー、吸水力の高いペットシーツなどを粗相した場所にそっと置きます。

そして、絶対にゴシゴシ擦らないでください。
擦ってしまうと、尿がさらに広がり、カーペットの繊維の奥に汚れを塗り込んでしまうことになるんです。

上から手で優しく、しかし体重をかけるようにグーッと押さえて、水分を吸い取らせます。
ペーパーやタオルを何度も交換しながら「もう水分がつかなくなる」というレベルまで徹底的に吸い取りましょう。

この最初の工程をどれだけ丁寧に行うかで、後のニオイ残りが大きく変わってきます。

この段階では、まだ洗剤などは使いません。まずは物理的に尿の成分を取り除くことに集中するのが成功の秘訣です。焦る気持ちはとてもよくわかりますが、ここはぐっとこらえて、丁寧な初期対応を心がけてみてくださいね。

粗相したカーペットの掃除手順

初期対応でしっかりと水分を吸い取ったら、次はいよいよ本格的なお掃除です。
ここでは、ご家庭にあるものでできる基本的な掃除手順をご紹介しますね。

カーペット清掃手順
カーペットの尿汚れ清掃手順
1
ぬるま湯で汚れを薄める
まず、40℃くらいのぬるま湯を、粗相した箇所に少しずつかけます。これは、繊維の奥に残っている尿の成分を薄めるためです。
熱すぎるお湯は避けてください
かけたぬるま湯を、また乾いたタオルでしっかりと吸い取ります。この作業を2~3回繰り返しましょう。
2
中性洗剤で叩き洗い
次に、食器用洗剤などの中性洗剤をぬるま湯で薄めたものを用意します。それをタオルに含ませて固く絞り、汚れた部分を外側から内側に向かって、ポンポンと優しく叩くようにして汚れを移し取っていきます。
ゴシゴシ擦るのはNGです
カーペットの毛並みを傷めず、汚れだけをタオルに移すイメージですね。
3
しっかりとすすぐ
汚れが落ちたら、洗剤成分が残らないように、きれいな水で濡らしたタオルを固く絞って、何度も叩き拭きをします。
洗剤が残っていると、それが新たな汚れやベタつきの原因になってしまいます
4
水分を取り、しっかり乾燥
最後に、乾いたタオルでできる限り水分を吸い取ります。その後は、ドライヤーの冷風を当てたり、扇風機を当てたりして、しっかりと乾かしましょう。
生乾きは雑菌の繁殖や新たなニオイの原因になります
完全に乾かすことが重要です。カーペットの下に物を挟んで、空気の通り道を作ってあげると乾きやすいですよ。
重要なポイント
すべての工程で「叩き拭き」を基本とし、擦らないことが大切です。また、各段階でしっかりと水分を取り除くことで、カーペットを傷めずに効果的に清掃できます。完全に乾燥させることで、雑菌の繁殖とニオイの発生を防げます。

少し手間はかかりますが、この手順で丁寧にお掃除すればニオイやシミをかなり防ぐことができるはずです。

カーペットの汚れはスチームクリーナーで落とせるか

クリーン家電ガイド:イメージ

さて、ここで多くの方が疑問に思うのが「スチームクリーナーは使えないの?」ということじゃないでしょうか。

高温のスチームで汚れを浮かせて除菌もできるなんて、いかにも効果がありそうに聞こえますよね。

もちろん、スチームクリーナーはとても便利な家電です。
キッチンの油汚れや、床の皮脂汚れなどには絶大な効果を発揮します。高温のスチームが汚れを緩めてくれるので、洗剤を使わなくてもスッキリきれいにできますし、除菌効果も期待できるのは嬉しいポイントです。

実際に、カーペットの表面についた軽い食べこぼしのシミや、全体的なリフレッシュ目的で使うのであれば、スチームクリーナーは有効な場合があります。蒸気で汚れを浮かせて、それを乾いた布で拭き取ることで、さっぱりさせることができます。

ただし、今回のテーマである「犬の粗相(尿)」に関しては、話が大きく変わってきます。
汚れの種類によっては、スチームクリーナーの「高温」という特徴が、残念ながら裏目に出てしまうことがあるんです。

次の項目で、その理由を詳しく解説しますね。

スチームクリーナーはペット臭に逆効果?

結論からお伝えすると、犬の尿のシミやニオイに対してスチームクリーナーを使用するのは、多くの場合、逆効果になってしまいます。

なぜなら、犬の尿には「タンパク質」が含まれているからです。

例えば、お肉を焼くと固まって色が変わったり、卵が生の状態から茹でると固まったりするじゃないですか。あれと同じ現象がカーペットの繊維の中で起こってしまうんです。

タンパク質変性の警告
要注意!熱で固まるタンパク質汚れ
タンパク質は、約70℃以上の熱を加えると性質が変化して固まってしまいます。これを「タンパク質変性」と呼びます。スチームクリーナーから噴射される蒸気は100℃前後と非常に高温です。この熱が尿のタンパク質に作用すると、汚れが繊維にガッチリと固着してしまい、シミとして定着し、ニオイも完全に閉じ込められてしまうのです。一度熱で固まってしまったタンパク質汚れは、後からどんな洗浄剤を使っても落とすのが非常に困難になります。

つまり、良かれと思って使ったスチームクリーナーが「取れるはずだった汚れやニオイを永久保存してしまう可能性がある」ということなんです。これは血液の汚れにも同じことが言えますね。

ですので、ペットの粗相や吐き戻しなど、タンパク質系の汚れには、高温のスチームクリーナーではなく、ぬるま湯(40℃程度)でお手入れするのが鉄則、と覚えておいてくださいね。

繰り返させないための粗相対策

一度きれいにお掃除できても、また同じ場所で繰り返されてしまっては意味がないですよね。

ワンちゃんが同じ場所で粗相を繰り返すのは、そこに「自分のニオイ」が残っているからです。犬は自分の排泄物のニオイがする場所を「トイレ」と認識する習性があるんです。

ですから、対策として最も重要なのは、人間には感じなくても、犬の優れた嗅覚でもわからないレベルまで、徹底的にニオイを消すことです。

消臭の徹底

先述の掃除方法に加えて、仕上げにペット用の消臭スプレーを使うのが効果的です。

このとき、香りでごまかすタイプではなく、尿の成分を分解してくれる「酵素系」の消臭剤を選ぶのがポイントです。粗相した場所だけでなく、少し広めの範囲にスプレーしておくと、より安心ですよ。

物理的に近づけないようにする

お掃除が完了して完全に乾くまでは、そのカーペットの上に家具を置いたり、カバーをかけたりして、ワンちゃんが近づけないようにするのも一つの手です。

一度「ここはトイレじゃない」とリセットさせることが大切になります。

トイレ環境の見直し

前述の通り、そもそもトイレが汚れていたり、場所が気に入らなかったりして粗相をしている可能性もあります。

トイレシーツはこまめに交換し、トイレの場所が騒がしくないか、落ち着いて排泄できる環境か、今一度見直してあげてください。

再トレーニング

もし粗相が続くようなら、基本に立ち返ってトイレトレーニングをやり直してみましょう。

サークルなどを活用して行動範囲を制限し、トイレで上手にできたらたくさん褒めてあげる。この成功体験を積み重ねることがとても重要です。

これらの対策を根気よく続けることで、粗相の癖をなくしていくことができます。焦らずワンちゃんの気持ちに寄り添いながら取り組んでみてくださいね。

スチームクリーナーで落ちない犬のカーペット粗相

クリーン家電ガイド:イメージ
  • リンサークリーナーという選択肢
  • 市販の消臭スプレーの効果的な使い方
  • ウタマロクリーナーで部分洗い
  • 重曹やクエン酸を使った自然派掃除
  • 洗えるタイルカーペットが便利
  • どうしても臭いが取れない時の最終手段

スチームクリーナーが万能ではないとわかったところで、「じゃあ、一体何を使えばいいの?」と不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。

でも、ご安心ください。
ここからは、ガンコなペットの汚れにしっかり対応できる頼もしいお掃除アイテムや、もっと手軽に試せるお掃除の工夫を具体的にご紹介していきますね。

リンサークリーナーという選択肢

スチームクリーナーが「高温の蒸気」で汚れを浮かせるのに対し、全く違うアプローチでお掃除するのが「リンサークリーナー(カーペットクリーナー)」です。

これは、私が家電量販店でお客様にペットの汚れ対策として最もおすすめしている家電の一つなんです。

リンサークリーナーの仕組みはとてもシンプル。ノズルの先から水を噴射して汚れを浮かせ、その浮かせた汚れを水分ごと強力な力で吸引するというものです。
まさに「カーペットを部分的に水洗いする」ようなイメージですね。

水を吹き付けながら汚れを吸い取るので、繊維の奥に入り込んだ尿の成分もしっかりと洗い流して回収することができます。スチームクリーナーのように高温を使わないため、タンパク質汚れを固めてしまう心配もありません。
むしろ、ペットの粗相のような汚れには、こちらの方が断然適していると言えるでしょう。

実際に使ってみると、回収タンクに溜まった水の濁り具合に「こんなに汚れていたんだ!」と驚くはずです。目に見えて汚れが取れるので、お掃除の達成感も大きいですよ。

リンサークリーナースチームクリーナー
仕組み水を噴射し、汚れと共に吸引する高温の蒸気で汚れを浮かせる
得意な汚れペットの尿、飲みこぼしなど液体汚れ油汚れ、皮脂汚れ
メリットタンパク質汚れに強い、汚れを物理的に回収できる除菌・消臭効果、洗剤不要
デメリット乾燥に時間がかかる、音が大きい傾向タンパク質汚れを固める、水分は回収できない

お店でも「たくさんあるけど、どれがいいの?」とご質問をいただくことが多いんです。

もし一台選ぶなら、私がおすすめするのはアイリスオーヤマの「リンサークリーナー RNS-P10-W」ですね。

このモデルの一番の嬉しいポイントは、なんといっても「自動ポンプ式」なところ。ハンドルのレバーを握っている間、自動で水が噴射されるので、手が疲れにくいんです。

以前のモデルは自分でレバーを引いて水を出すタイプだったので、広範囲を掃除するときには、この差が結構大きいんですよ。

約40℃までのお湯が使えるので、しつこい汚れも浮かしやすいですし、T型ヘッドとブラシ付きヘッドの2種類が付いているので、場所に合わせて使い分けられるのもとても便利だと思います。

一台あると、ペットの粗相だけでなく、ソファや車のシート掃除にも大活躍するので、本当に頼りになりますよ。

もちろん、リンサークリーナーにも運転音が大きい、使用後に乾かす時間が必要といった点はありますが、それを補って余りある効果が期待できます。

ペットや小さなお子さんがいるご家庭では、一台あると本当に重宝するアイテムだと思います。

市販の消臭スプレーの効果的な使い方

手軽に使える消臭スプレーも、正しく選んで使えば非常に強力な味方になります。

お店にはたくさんの種類が並んでいて迷ってしまうと思いますが、選ぶ際のポイントは「酵素(バイオ)」の力で消臭するタイプを選ぶことです。

良い香りでニオイを上書きするマスキングタイプのスプレーは、一時的にニオイが消えたように感じますが、根本的な原因は残ったまま。時間が経つと元の尿のニオイと混ざって、さらに不快なニオイになってしまうことがあるんです。

一方、酵素系の消臭スプレーはニオイの原因であるアンモニアやタンパク質などの有機物を微生物が分解してくれます。つまりニオイの元からなくしてくれるんですね。

でも、たくさん種類があって迷ってしまいますよね。
もし、どれを選んだらいいかわからない…という方に、私が個人的におすすめしたいのがこちらのスプレーです。

アース・ペットさんの「ジョイペット 天然成分消臭剤 オシッコのニオイ・汚れ専用」です。

こちらはまさに、ニオイの元から分解してくれるタイプ。天然の緑茶消臭成分が、アンモニア臭をしっかり消臭してくれます。

植物由来の成分なので、ペットが万が一舐めてしまっても安心な点も、飼い主としては嬉しいポイントですよね。

効果的な使い方

使い方のコツは、「ケチらず、たっぷりと使う」ことです。
汚れの表面だけにかけるのではなく、尿が染み込んだであろうカーペットの奥まで届くように、しっかりとスプレーします。

製品によっては「スプレー後に濡れタオルで覆ってしばらく置く」といった指示があるものも。説明書をよく読んで、酵素が働くための最適な環境を作ってあげることが大切です。

そして、スプレーした後はすぐに拭き取らず、酵素がしっかり働く時間を与えてあげましょう。その後、乾いたタオルで水分を吸い取るか、自然乾燥させます。

リンサークリーナーをかける前の下処理として、この酵素系スプレーを吹き付けて少し時間を置いてから作業すると、より高い消臭効果が期待できますよ。

ウタマロクリーナーで部分洗い

ご家庭の常備品として人気の「ウタマロ」。
ウタマロには液体タイプの「ウタマロリキッド」と、固形石鹸の「ウタマロ石けん」があります。特にガンコな汚れに強いのが、あの鮮やかな緑色の「ウタマロ石けん」ですね。

ウタマロ石けんは、弱アルカリ性で蛍光増白剤が配合されているため、泥汚れや皮脂汚れ、食べこぼしなどの酸性の汚れに非常に強いのが特徴です。

ただし、色柄物に使用すると色落ちの可能性があるため、本来は白物の衣類に適しています。カーペットに使う際は、必ず目立たない場所で色落ちしないか試してからにしてくださいね。

ウタマロ石けんの使い方
ウタマロ石けんの使い方
1
汚れた部分をぬるま湯で濡らします。
2
ウタマロ石けんを直接汚れた部分に塗り込みます。緑色になるくらい、しっかりと。
3
優しくもみ洗い、または古い歯ブラシなどでトントンと叩いて汚れを浮かせます。
4
泡が残らないよう、ぬるま湯できれいにすすぎます。
5
乾いたタオルで水分をしっかり吸い取って乾燥させます。

前述の通り、尿や吐瀉物などのタンパク質汚れは熱に弱いので、ここでも熱湯は使わず、40℃以下のぬるま湯を使うのがポイントです。ウタマロ石けんで物理的な汚れやシミを落としてから、リンサークリーナーで仕上げる、という合わせ技も非常に効果的ですよ。

ただし、ウタマロ石けんは洗浄力が高い分、カーペットの素材によっては生地を傷めてしまう可能性もゼロではありません。特にデリケートな素材のカーペットには使用を控えたほうが安心かもしれません。

重曹やクエン酸を使った自然派掃除

化学的な洗剤を使うのに抵抗がある方や、もっと手軽に試したいという方には、重曹やクエン酸を使ったお掃除もおすすめです。

どちらも100円ショップなどで手軽に購入でき、ペットが舐めてしまっても比較的安心なのが嬉しいポイントですね。

重曹:酸性のニオイを中和・吸収

重曹は弱アルカリ性なので、酸性の性質を持つニオイを中和する働きがあります。また、粉末がニオイを吸着してくれる効果も期待できます。

使い方

まず、初期対応として尿の水分をしっかり拭き取ります。その後、ニオイが気になる部分に重曹を粉のまま、たっぷりと振りかけます。そのまま数時間~半日ほど放置し、重曹がニオイを十分に吸着したら、掃除機で丁寧に吸い取ります。ペースト状にして汚れに塗り、乾いてから吸い取る方法も効果的です。

クエン酸:アルカリ性のニオイを中和

一方、クエン酸は酸性です。尿のニオイの主成分であるアンモニアはアルカリ性なので、クエン酸を使うことで化学的に中和させ、ニオイを消すことができます。

使い方

水100mlに対してクエン酸小さじ1/2杯程度を溶かしてクエン酸水を作り、スプレーボトルに入れます。粗相した場所にシュッと吹きかけて、その後、乾いた布で拭き取ります。フローリングなどに使うとワックスを傷める可能性があるので、カーペットや布製品への使用に留めておきましょう。

この二つを使い分けるのがポイントです。
時間の経った尿のニオイには重曹、おしっこ直後のアンモニア臭にはクエン酸、と覚えておくと便利ですよ。

ただし、これらはあくまで応急処置的な側面が強いです。完全にニオイを取り切るのは難しい場合もあるので、ガンコなニオイには、やはり専用のクリーナーの方が効果は高いかもしれません。

洗えるタイルカーペットが便利

ここまでお掃除の方法についてお話ししてきましたが、視点を変えて「汚されること」を前提とした対策をしておく、というのも非常に賢い方法です。

特に、トイレトレーニング中の子犬や、足腰が弱ってきたシニア犬と暮らしているご家庭に、私がおすすめしたいのが「タイルカーペット」です。

タイルカーペットは、その名の通り40~50cm角のタイル状になったカーペットで、これをパズルのように組み合わせて敷き詰めて使います。最大のメリットは、汚れた部分だけを簡単に取り外して洗えること。

一枚ものの大きなカーペットだと、粗相のたびに大掛かりな掃除が必要で、精神的にも結構大変ですよね。でもタイルカーペットなら、汚れたピースをさっと剥がしてお風呂場や洗面所でジャブジャブ洗うだけ。

タイルカーペットの嬉しいポイント
タイルカーペットの嬉しいポイント
汚れた部分だけ洗ったり、交換したりできる
フローリングに比べて滑りにくいので、犬の足腰への負担を軽減できる
クッション性があり、防音対策にもなる
季節や気分に合わせて、色や配置を自由に変えられる

私も以前、愛犬の介護をしていた時期があり、このタイルカーペットには本当に助けられました。どうしてもニオイが取れなくなってしまった時も、その一枚だけを新しいものに交換すればいいだけなので、経済的にも助かります。

「どうせ汚されるから…」とカーペットを敷くのを諦めていた方も、タイルカーペットなら、ワンちゃんとの快適な暮らしと、お部屋のインテリアを両立できるかもしれません。ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

どうしても臭いが取れない時の最終手段

クリーン家電ガイド:イメージ

これまでご紹介した方法をすべて試しても、どうしてもニオイが取れない…。
特に、発見が遅れてしまったり、粗相の量が多くてカーペットの下のクッション材まで染み込んでしまったりした場合は、ご家庭でのお手入れには限界があるかもしれません。

そんな時の最終手段は、やはり「プロのクリーニング業者に依頼する」ことです。

専門業者は、専用の強力な洗浄機材や、ニオイの原因菌を根本から分解する特殊な洗剤を持っています。カーペットの素材や汚れの種類を見極め、最適な方法で洗浄してくれるので、自分ではどうにもならなかったガンコなニオイやシミも、驚くほどきれいになることがあります。

もちろん費用はかかりますが、お気に入りのカーペットを買い替えるよりは安く済む場合も多いですし、何より「ニオイのない快適な空間」を取り戻せる価値は大きいと思います。

業者を選ぶ際は、料金だけでなく、ペットの尿汚れのクリーニング実績が豊富かどうかを確認するのがおすすめです。ホームページなどで施工事例を確認したり、事前に問い合わせてみると良いでしょう。

「もうこのカーペットはダメかも…」と諦めてしまう前に、一度プロに相談してみるという選択肢があることも、ぜひ覚えておいてくださいね。

総括:犬のカーペット粗相でスチームクリーナー使用時のポイント

それでは最後に、この記事の内容をまとめます。

  • 犬の粗相はトイレの失敗、マーキング、ストレス、病気など様々な理由がある
  • 粗相を見つけたら、擦らずに優しく水分を吸い取る初期対応が重要
  • 尿の汚れにはタンパク質が含まれるため、高温のスチームクリーナーはNG
  • 熱を加えるとタンパク質が固まり、シミやニオイが取れなくなる
  • 掃除には40℃以下のぬるま湯と中性洗剤を使うのが基本
  • カーペットの奥の汚れを吸い出すにはリンサークリーナーが非常に効果的
  • 市販のスプレーは香りでごまかすタイプではなく、酵素系を選ぶ
  • ウタマロ石けんは部分洗いに有効だが、色落ちに注意が必要
  • 重曹はニオイの吸着、クエン酸はアンモニア臭の中和に役立つ
  • 根本的な対策として、汚れた部分だけ洗えるタイルカーペットがおすすめ
  • ニオイを徹底的に消すことが、同じ場所での粗相を防ぐ鍵となる
  • トイレ環境を見直し、必要であれば再トレーニングも行う
  • どうしてもニオイが取れない場合は、プロのクリーニング業者に相談する
  • 愛犬を叱るのではなく、粗相の原因を探って優しく対処することが大切
  • 正しい知識でお手入れすれば、ペットとの快適な暮らしは維持できる

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